Claudeのベータ機能一覧と有効化方法
Claude Managed Agentsからコードレビュー、Claude for Wordまで、現在ベータ・リサーチプレビュー中の8機能と対象プラン・有効化手順をまとめます。
はじめに
Claudeの新機能は正式リリース前に「リサーチプレビュー」または「ベータ」のラベルを付けて先出しされます。両方とも「まだ変わりうる」という点は同じですが、開発段階が違います。リサーチプレビューは最初期の探索段階で、正式リリースまでに大きく仕様が変わる可能性が高い機能です。ベータはもう一段階進んでおり、日常利用に耐える安定性を持ちながら、利用実績をもとに細部を調整している段階を指します。どちらも体験が変わる・パフォーマンスや安定性が正式版ほど練られていない・正式機能に昇格しないまま終了することがある、という3点は共通して念頭に置く必要があります。
この記事は、ベータ・リサーチプレビュー中の機能を一覧にし、それぞれの有効化方法と対象プランをまとめたものです。プランごとの対応状況は機能ごとに異なるため、個別記事へのリンクも添えています。
前提
ベータ・リサーチプレビュー機能はプランやロールによって使える範囲が変わります。個人のPro・Maxプランで使えるものもあれば、Team・EnterpriseプランのオーナーやAdminロールに限定されるもの、追加のシート要件があるものもあります。機能ごとに対象プランが異なるため、この記事の各節と個別記事で自分のプラン・ロールが対象かどうかを先に確認してから有効化に進みます。
現在ベータ・リサーチプレビュー中の機能
| 機能 | カテゴリ | ステータス |
|---|---|---|
| Claude Managed Agents | カテゴリAPI・開発者向け | ステータスリサーチプレビュー |
| Claude Code usage tracking | カテゴリ課金・利用状況 | ステータスベータ |
| Claude Code Desktop | カテゴリClaude Code | ステータスベータ |
| Claude Code Security Center | カテゴリClaude Code | ステータスリサーチプレビュー |
| Claude Code web(CCR) | カテゴリClaude Code | ステータスリサーチプレビュー |
| Code review | カテゴリClaude Code | ステータスリサーチプレビュー |
| Claude for Word | カテゴリIntegrations | ステータスベータ |
| GitHub integration | カテゴリIntegrations | ステータスベータ |
対応プランは機能ごとに違うため、実際に使う前にリンク先の個別記事で確認します。
Claude Managed Agents(リサーチプレビュー)
Claude Managed Agentsは、Agent SDKでエージェントを構築するときにセッション管理・実行環境(ハーネス)・サンドボックス分離をAnthropic側で肩代わりする仕組みです。自前でインフラを組まずにエージェントを本番運用できるのが狙いで、設計思想はAgent SDKのManaged Agentsの設計思想で扱っています。有効化はAPI経由で、Agent SDKのドキュメントに沿ってセットアップします。
Claude Code usage tracking(ベータ)
組織内でClaude Codeがどう使われているかを可視化する分析機能です。生産性指標やチームごとの採用状況を追跡できます。利用できるのはConsoleユーザーと、Team・Enterpriseプランのオーナーです。
- Teamプラン: OwnerとPrimary Owner
- Enterpriseプラン: Owner・Primary Owner・Admin(利用量ベースプランはChat + Claude Codeシート、シートベースプランはPremiumシートが必要)
- APIコンソール: Admin・Billing・Developerロール
有効化はOwnerまたはPrimary Ownerアカウントでログインし、左下のイニシャルまたは名前から「Analytics」→「Claude Code」を選ぶだけです。追加の申請や管理コンソールでのオプトインは不要です。
画面は2つのタブに分かれます。「Usage」タブは組織全体の採用状況(受け入れたコード行数、提案の採用率、日次のアクティビティ推移、よく使われるコマンド)と、メンバーごとの利用状況(メールアドレスと当月の採用コード行数、CSVエクスポート)を毎日更新で表示します。「Value」タブは生産性向上の推定値・コミット単価・年間の推定価値を計算式ごと表示し、前提の数値を書き換えると再計算されます。
さらに一段階新しい「Contribution metrics」(ベータ内ベータ)は、GitHub Cloudと連携してClaude Codeを使った場合と使わなかった場合のコード出荷量を比較する機能です。Claude GitHub Appの導入、Organization設定でのGitHub analyticsの有効化、対象GitHub Organizationの選択という3ステップで設定し、反映まで最大24時間かかります。APIコンソールのユーザーは対象外です。個人のPro・Maxプランでは利用状況分析そのものが使えず、特定ユーザーがレポートに出てこない場合はClaude Codeがv2.0.28未満であることが多いため、claude updateで更新してもらう必要があります。
Claude Code Desktop(ベータ)
Claude CodeのGUIクライアントで、並列セッションの管理・PRのCIステータス監視・差分レビューといった機能をターミナルなしで使えます。CLI・Web版との違いはClaude Code Desktopとは — CLI・Web版との使い分け方にまとめています。macOS・Windows向けにインストーラーが提供されており、インストール後は通常のログインで使い始められます。
Claude Code Security Center(リサーチプレビュー)
SQLインジェクション・XSS・認証の不備・安全でないデータ処理・依存関係の脆弱性といった一般的なセキュリティ問題を、コミット前に検出する機能です。個人の有料プラン(Pro・Max)、および従量課金のAPIコンソールアカウントを含め、Claude Codeを使えるユーザーであれば利用でき、追加の有効化操作は不要です。自動レビューは既存の手動レビューやセキュリティ運用を補完する位置づけで、置き換えるものではないという注記が公式にあります。
使い方は2通りです。/security-reviewコマンドはプロジェクトディレクトリでClaude Codeを開いて実行するだけです。コミット前にターミナル上でオンデマンドの分析ができ、見つかった問題はその場で修正を依頼できます。GitHub ActionsはリポジトリのActions設定から導入します。プルリクエストが開かれるたびに自動でトリガーされ、変更差分をレビューしてフィルタリングルールで誤検知を抑えながら、指摘と修正案をPRへのインラインコメントとして投稿します。本番コードを含む全リポジトリにGitHub Actionsを設定し、大きな変更をコミットする前には/security-reviewも併用するのが公式の推奨です。
Claude Code web(CCR)(リサーチプレビュー)
ブラウザーからGitHubリポジトリを選んでタスクを依頼すると、Anthropicが管理するクラウド上の仮想マシンでClaude Codeが作業し、完了するとプルリクエストを自動作成する機能です。ページを閉じても作業は継続し、複数タスクを並行して走らせられます。ローカルにcloneしていないリポジトリでもそのまま着手できるのが特徴です。詳しい使い方とモバイルアプリからの利用はClaude Code Web版とはで扱っています。対象はPro・Max・Teamプラン、およびプレミアムシートまたはChat + Claude CodeシートのEnterpriseユーザーで、無料プランでは使えません。
Code review(リサーチプレビュー)
/code-reviewコマンドでコードレビューを実行する機能です。実行経路が複数あり、使い分けはClaude Codeコードレビュー — 4つの実行経路の使い分けにまとめています。セットアップはClaude Code内から該当コマンドを実行するだけで、追加のプラン要件は他のClaude Code機能と同じです。
Claude for Word(ベータ)
Word文書の中でClaudeとチャットしながら使うアドインで、次のようなことができます。
- 区切りをクリックできる引用付きで文書に質問する
- 書式・番号付けを保ちながら選択テキストを編集する
- 変更履歴(Tracked Changes)モードで修正を提案する
- コメントスレッドに沿って編集する
- 相手方からの契約書の修正案(redline)を要約する
- 文書のスタイルを継承したテンプレート穴埋めをする
Word on the web、Word on Windows(Microsoft 365サブスクリプション、バージョン2205・ビルド15202.10000以降)、Word on Mac(バージョン16.61・ビルド22040100以降)で動きます。個人ならMicrosoft AppSourceの「Claude for Microsoft 365」から、組織展開なら管理センターの「統合されたアプリ」から配布します。Bedrock・Vertex AI・Azure AI Foundry・LLMゲートウェイ経由の接続手順はClaude Microsoft 365をサードパーティ製品と併用する設定で扱っています。
紛らわしい点として、ベータ・リサーチプレビュー機能の一覧ページはClaude for Wordを「Integrations」カテゴリの「ベータ」として掲載しています。一方でClaude for Word専用ページ自体には「Pro・Max・Team・Enterpriseプランで正式リリース(generally available)済み」と明記されています。どちらの記載を優先すべきか公式の説明はなく、実際に使う際は専用ページの記載を基準に判断するのが安全です。
GitHub integration(ベータ)
Claude.aiのチャットやプロジェクトにGitHubリポジトリを直接接続し、ファイルやフォルダをコンテキストとして渡せる機能です。これはClaude Code側のGitHub連携(Actionsでのレビュー実行や/resumeからのPR起点操作)とは別の、Claude.aiチャット・プロジェクト向けの機能です。有効化には「コネクタでClaudeの機能を拡張する」設定からGitHubを有効にしておきます。
チャットで使う場合は、入力欄左下の「+」ボタンから「Add from GitHub」を選び、ファイルブラウザーで対象のファイル・フォルダを選ぶだけです。プロジェクトで使う場合は、プロジェクトナレッジの「+」からGitHubを選んでリポジトリを検索(またはURLを貼り付け)し、選んだ内容がプロジェクトナレッジとして追加されます。プロジェクトでは「Sync」アイコンで最新のコミットを取り込み直せるほか、「Configure files」アイコンで解析対象のファイル・フォルダを後から絞り込めます。同期されるのは特定ブランチ上のファイル名と中身だけで、コミット履歴やPRなどのメタデータは取得しません。
プライベートリポジトリに接続できない場合は、GitHub管理者ならGitHub Appのページから自分でアクセスを許可し、権限がなければ組織の管理者にリクエストを送ります(承認されるとメール通知が届きます)。組織がSSO(シングルサインオン)を必須にしている場合は、Claudeとの接続自体が成功していても、その組織のプライベートリポジトリだけがピッカーに表示されないことがあります。この場合はGitHubの設定画面(github.com/settings/applications)からClaudeアプリを開き、「Organization access」で対象組織への許可(Grant)を個別に承認する必要があります。Claude側の接続をやり直しても解決しません。
よくあるつまずき
- Claude Code usage trackingで特定ユーザーがレポートに出てこない: Claude Codeが
v2.0.28未満であることが多いため、claude updateで更新してもらいます。 - Contribution metricsが反映されない: GitHub Cloud連携の設定後、反映まで最大24時間かかります。すぐに数値が出なくても設定ミスとは限りません。
- Claude for Wordのステータス表記が食い違う: 一覧ページでは「ベータ」表記でも、専用ページでは「正式リリース済み」となっている場合があります。実際の可否は専用ページの記載を優先します。
- GitHub integrationでプライベートリポジトリがピッカーに出ない: 組織がSSOを必須にしていると、Claude側の接続が成功していても表示されないことがあります。GitHubの設定画面(
github.com/settings/applications)から「Organization access」で対象組織への許可を個別に承認する必要があり、Claude側の接続をやり直しても解決しません。
まとめ
ベータ・リサーチプレビューという2つのラベルは「まだ完成形ではない」という共通点を持ちながら、開発の進み具合が違います。8機能のうちClaude Code関連が5つを占めており、Claude Codeを日常的に使っているチームほど、これらの機能を早い段階で触れる機会が多いといえます。プランや権限によって使える範囲が変わる機能もあるため、導入前に対象プランを個別記事で確認してから展開するのが安全です。使ってみて気づいた点はサポートチームへ共有すると、正式リリースへ進むかどうかの判断材料になります。