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Claudeの会話検索とメモリで文脈を引き継ぐ方法

Claudeの会話検索とメモリで文脈を引き継ぐ方法

claude.aiには過去の会話を検索する機能と、話した内容を記憶するメモリ機能があります。何を覚え何を覚えないか、設定手順、旧方式との違いをまとめます。

claude.aiには、過去の会話を呼び出す機能が2つあります。プロンプトで検索する「チャット検索」と、話した内容を自動で覚えておく「メモリ」です。似た働きに見えますが仕組みが違い、それぞれ別の設定でオンオフします。この記事ではどちらの機能かを区別しながら、有効化・確認・削除の手順とプライバシー面の注意点を扱います。

チャット検索とメモリは別の機能

チャット検索とは、過去の会話をRetrieval-Augmented Generation(RAG、検索した情報を回答に組み込む方式)で検索し、必要な部分を今の会話に引き込む機能です。「前に話した◯◯について」のように尋ねると、Claudeがツール呼び出しとして過去の会話を検索し、関連する内容を拾ってきます。

メモリは、会話を通じて自動で作られる知識の集合です。会話が終わってからまとめて要約するのではなく、話しているそばからトピックごとに保存されていきます。締め切りが変わったと伝えれば、次の会話ではもうその変更を踏まえて答えてくれます。

チャット検索は「聞かれたときに探しに行く」機能で、メモリは「聞かれる前から覚えている」機能です。この違いが、後述する設定のオンオフや削除の挙動にも表れます。

過去の会話をチャット検索で呼び出す

チャット検索が有効になっていれば、特別な操作なしに自然な言い方で使えます。

  • 「◯◯について何を話したか教えて」
  • 「◯◯についての会話を見つけて」
  • 「◯◯の続きから始めよう」

検索できる範囲は、プロジェクトの外にあるすべての会話と、各プロジェクト内の会話(プロジェクトをまたいだ検索はしない)の2つです。検索が実行されると、会話中にツール呼び出しとして表示されます。

Claudeが過去の会話を参照した応答には、元の会話へリンクする引用が添えられます。その引用から、参照元の会話だけを個別に削除することもできます。

チャット検索を使いたくない場合は、Settings > Memoryにある「Search and reference chats」のトグルをオフにします。この機能はアカウントに展開された時点で既定オンになっているため、止めたい場合は自分で切る必要があります。

メモリを有効にする手順

  1. Settings(設定)を開く
  2. 「Memory」を選ぶ
  3. 「Generate memory from chats」のトグルをオンにする

有効にすると、以降の会話からトピックごとにメモリが作られていきます。過去の会話をさかのぼって遡及的に記憶することはありません。

メモリが覚える項目・覚えない項目

メモリが対象にするのは、仕事や日々のやり取りで役立つ範囲の情報です。

分類内容
標準で記憶する内容役割・担当プロジェクト・業務上の文脈、関わる人や場所、コミュニケーションの好み、技術的な好みやコーディングスタイル、進行中のプロジェクトの詳細
既定では記憶しない(オプトインで記憶可能)内容健康・人種・民族・宗教・政治・性自認など、個人的でセンシティブな話題
一切記憶しない内容インコグニトチャット(ゴーストアイコンで開始した一時的な会話)

センシティブな話題を記憶させるかどうか

センシティブな話題は既定でメモリの対象外です。含めたい場合は、Settings > Memoryの「Include sensitive topics in memory」をオンにします。オンにした時点より前の会話は遡って保存されません。

設定をオンにすると、センシティブな話題を保存するたびにメッセージ欄の上に通知が表示され、その場で確認や設定変更ができます。iOSまたはAndroid版アプリでは、最新バージョンでないとこの通知が表示されず、古いバージョンではセンシティブな話題自体が保存されません。

メモリを確認・編集・削除する

Settings > Memoryの「Topics」に、Claudeが覚えている内容がすべて一覧表示されます。トピックを選ぶと内容を読め、編集アイコンで書き換え、「Delete」で削除できます。1つのトピックを直せば、以降のすべての会話にその修正が反映されます。

会話の中から直接更新することもできます。「これは覚えておいて」「これは忘れて」とClaudeに伝えれば、次の会話から反映されます。

メモリを一時的に止めたいときは、トグルをオフにすると2つの選択肢が出ます。

  • Pause memory: 既存のメモリは保持したまま、新しいメモリの作成だけを止める。一時停止中の会話はメモリに追加されない
  • Reset memory: プロジェクトメモリも含めてすべてのメモリを完全に削除する。取り消しはできない

実験的な機能として、他のAIサービスとの間でメモリをインポート・エクスポートすることもできます。まだ開発が進行中の機能で、他のAIアシスタントで蓄積した記憶をClaudeに取り込んだり、逆にClaudeのメモリをバックアップや移行のために書き出したりする用途で使われます。

プロジェクトとCoworkでのメモリの扱い

各プロジェクトは専用のメモリ空間と要約を持ち、他のプロジェクトや通常の会話とは分離されています。プロジェクトごとのメモリの作り方はCoworkプロジェクトの使い方で扱っています。

チャットで蓄積したメモリは、Coworkでタスクを渡したときにも参照されます。逆にCoworkのタスクで分かったことも、チャットに戻ってきたときに引き継がれます。上司の名前や更新の書き方の好みをチャットで一度伝えておけば、Coworkに下書きを頼んだときも踏まえて書いてくれます。

一時的に検索・記憶させたくないときは

プロジェクトの外で新しい会話を始めると、画面右上にゴーストアイコンが表示されます。クリックするとインコグニトチャットが始まり、画面には黒い枠と「Incognito chat」のラベルが表示されます。チャット履歴に保存されず、既存のメモリも使われず、この会話が今後のメモリに追加されることもありません。会話を終えるときは画面右上の「×」をクリックして閉じます。

インコグニトチャットには制約もあります。一度閉じると再開できず、通常のチャットへ変換することもできません。プロジェクトの中では使えず、ゴーストアイコン自体がプロジェクトの外でしか表示されません。カスタムスタイルなどのプロフィール情報はインコグニトチャットの中でも参照されるため、匿名になるわけではなく、履歴とメモリから切り離される機能だと理解しておくと使い方を誤りません。チャット履歴には出ませんが、安全のためのデータとしては既定30日間(組織の設定によってはそれ以上)保持されます。

組織(Team・Enterprise)でのメモリ管理

Team・Enterprise組織では、メモリとセンシティブな話題の記憶は別々のオン・オフとして管理され、どちらも既定はオフです。

Owner・Primary Ownerは、Organization settings > Capabilitiesから組織全体のメモリを有効化できます。有効化すると、あとは各メンバーが自分のメモリ設定を管理する形になります。組織側でセンシティブな話題を許可しても、各メンバーが自分で有効化しない限り何も保存されません。組織側でメモリをオフにすると、全メンバーの既存メモリが即座にすべて削除されます。

HIPAA対応・公的機関向け・カスタムのデータ保持契約を結んでいる組織では、メモリ機能自体が利用できません。組織レベルの切り替えはログに記録されますが、メンバー個人によるメモリの編集は記録されません。この組織レベルの管理機能はTeam・Enterpriseどちらのプランでも対象で、Owner・Primary Ownerが操作できます。

メモリのデータは会話履歴の標準的なエクスポートに含まれます。インコグニトチャットも、メンバーの画面には残りませんが組織のデータエクスポートには含まれ、安全上の理由から少なくとも30日間は保持されます。組織の保持ポリシーに関わる範囲なので、監査やコンプライアンス対応でエクスポートを扱う担当者は覚えておく価値があります。

従来の方式との違い

メモリ機能には、現行の方式より前に使われていた従来の方式が残っているアカウントがあります。仕組みが大きく異なるため、挙動が古い記事の説明と食い違って見えたら方式の違いを疑ってください。

項目従来の方式現行の方式
保存のタイミング従来の方式会話終了後、24時間ごとにまとめて要約現行の方式会話中にトピックごとへ逐次保存
設定場所従来の方式Settings > Capabilities現行の方式Settings > Memory
センシティブな話題従来の方式区別する仕組みなし現行の方式既定オフ、オプトインで記憶可能
プロジェクトの外の記憶従来の方式会話全体を1つの要約に統合現行の方式トピックごとに個別管理

従来の方式では、伝えた内容がその日のうちの要約更新を待たないと反映されませんでした。現行の方式は会話の最中に保存されるため、次の会話からすぐに反映されます。

よくあるつまずき

会話を削除したのにメモリからも消えたと思ったら残っていた

会話が期限切れになったり削除されたりしても、そこから生成済みのメモリは自動では削除されません。個別のメモリはSettings > Memoryからいつでも手動で削除できます。

チャット検索が期待通りに動かない

チャット検索は明示的なプロンプトが起点になる機能です。「前に話した◯◯について」のように具体的に尋ねないと、Claudeが検索するきっかけを持てません。検索が実行されると会話中にツール呼び出しとして表示されるので、その表示があるかどうかで動作の有無を確認できます。

メモリを編集すると、過去の会話の返答も書き換わるか

書き換わりません。メモリの編集や削除が反映されるのは、それ以降の新しい会話からです。過去の会話に残っている応答は、その時点で参照していたメモリの内容のまま変わらず残ります。修正が効くのは未来の会話だけだと考えておくと分かりやすいです。

メモリをオフにしても、以前のメモリを一度も見られなくなるのは困る

いきなり「Reset memory」を選ぶ前に、まず「Pause memory」を試すと安全です。一時停止では既存のメモリがそのまま残るため、内容を確認しながら必要なものだけ個別に削除する、という進め方ができます。完全に削除したい場合だけ「Reset memory」を選びます。

まとめ

チャット検索は聞かれたときに過去の会話を探しに行く機能、メモリは会話の最中から自動で覚えていく機能です。どちらもSettings > Memoryから個別にオンオフでき、覚えてほしくない話題はインコグニトチャットかセンシティブトピックの設定で外せます。古いアカウントでは従来の方式が残っていることがあるため、挙動が想定と違うときはSettings > Memoryの表示を確認するのが近道です。会話の文脈を調査作業に活かす流れはClaudeリサーチの使い方で、モデルやeffortの設定画面はClaudeのモデル設定を変更する手順で扱っています。

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