Coworkプロジェクトの使い方 — 3つの作成方法とプロジェクト専用メモリ
Claude Coworkのプロジェクト機能を3つの作成方法・含まれる要素・プロジェクト専用メモリ・アーカイブと制限まで手順で解説します。
Coworkのプロジェクトは、関連するタスクをファイル・指示・メモリごと1つのワークスペースにまとめる機能です。作成方法は3通りあり、既存のClaudeプロジェクトを移行することも、パソコン上のフォルダをそのまま取り込むこともできます。プロジェクト単位でメモリが独立して溜まる点が、単発タスクの積み重ねとの一番の違いです。
Coworkプロジェクトとは何か
プロジェクトは「同じ文脈で何度も作業するタスク」を1か所にまとめる入れ物です。会話1回で終わる依頼はプロジェクト化する必要がありません。週次レポートや継続的な調査のように、同じファイル・同じ指示を繰り返し使う作業なら話が別です。プロジェクトにまとめておけば、毎回の説明が要らなくなります。
プロジェクトはCoworkの中でPro・Max・Team・Enterpriseいずれかの有料プランで使えます。プロジェクトはCowork利用者全員が使える機能で、組織単位の管理者制御は用意されていません。
判断基準はシンプルです。指示文・参照ファイル・スケジュールタスクのどれか1つでも「毎回同じものを使い回している」なら、プロジェクト化する価値があります。逆に一度きりの調べ物や単発の資料作成であれば、通常のタスクとして実行するだけで十分です。プロジェクトを乱立させると、どのプロジェクトに何を入れたか分からなくなるため、まずは一番頻度の高い業務1つから試すのが無難です。
3つの作成方法から選ぶ
左ナビゲーションの「Projects」から「+」ボタンを押すと、3通りの作成方法が選べます。どれも最終的には同じ形のプロジェクトになりますが、出発点が違うため向き不向きがあります。
| 作成方法 | 出発点 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Start from scratch | 出発点空のフォルダ | 向いているケース新規業務で参照ファイルがまだ手元にない |
| Import from a Claude project | 出発点既存のClaudeプロジェクト | 向いているケースClaude.aiで育てたナレッジをCoworkでも使い回したい |
| Use an existing folder | 出発点パソコン上の既存フォルダ | 向いているケースすでに資料フォルダが整理済みで、それをそのまま渡したい |
Start from scratch — ゼロから作る
「Start from scratch」を選ぶと、指示文とファイルを一から設定する新しいフォルダが作られます。参照する資料がまだ存在しない、あるいはこれから集める新規プロジェクトに向きます。
Import from a Claude project — 既存プロジェクトを移行する
「Import from project」を選ぶと「Search projects in Chat…」という検索欄が出ます。ここに入力すると最近使ったプロジェクトの一覧が表示され、全プロジェクトを対象に検索することもできます。対象のチャットプロジェクトを選んだら、新しいCoworkプロジェクトの名前と保存先を指定して「Create」を押します。既存プロジェクトのファイルと指示がそのまま引き継がれます。
一括アップロードには対応していないため、複数のClaudeプロジェクトを1つのCoworkプロジェクトへまとめて移行することはできません。移行は1プロジェクトずつ行います。
Use an existing folder — 既存フォルダを取り込む
「Use an existing folder」を選ぶと、パソコン上のフォルダを選ぶよう促されます。フォルダを選んだあとにプロジェクト名と保存先を指定し、必要なら指示文を書き足したり追加のファイルを添付したりしてから「Create」を押します。すでに資料が整理されたフォルダがある場合、この方法が一番早く始められます。
プロジェクトに含まれる4つの要素
作成方法によらず、各プロジェクトは次の4つを自分専用に持ちます。
- Instructions — トーンや出力フォーマット、そのプロジェクト内の全タスクに適用するルールを書いておけます
- Scheduled tasks — そのプロジェクトに紐づく定期実行タスクを設定できます。具体的な作成手順と頻度の選び方はCoworkスケジュールタスクの作り方にまとめています
- Context — ローカルフォルダの追加、Claudeプロジェクトへのリンク、参照用URLの貼り付けに対応します
- Memory — プロジェクト内での作業から学んだ内容を、そのプロジェクトの以降のタスクに反映します
どのファイルをContextに入れるべきかという設計判断は、7階層でCoworkをチューニングする考え方をまとめたClaude Coworkカスタマイズのほうが詳しく扱っています。本記事は「3つの作成方法をどう使い分けるか」という入口の手順に絞ります。
プロジェクト専用メモリは何が新しいか
プロジェクトにはメモリ機能が有効になっています。これはCowork全体で共有される通常のメモリとは別に、プロジェクトごとに独立したメモリが積み上がる仕組みです。あるプロジェクトのタスクで学んだ内容は、そのプロジェクト内の以降のタスクには反映されますが、他のプロジェクトには引き継がれません。
たとえば「四半期レポート」プロジェクトで好みのグラフの色使いを覚えさせても、その学習内容は「採用オペ」プロジェクトには漏れません。プロジェクトをまたいで文脈が混ざらないため、複数の業務領域を並行して運用しているチームほど恩恵が大きくなります。メモリの閲覧・編集・削除は通常のCoworkメモリと同じ操作画面から行えます。
アーカイブしたときに何が起きるか
プロジェクトが不要になったら削除ではなくアーカイブが基本です。アーカイブすると次の2点が起こります。
- プロジェクトのメタデータがUI上から消えます。ただしローカルには残ったままです
- 関連するファイルやフォルダは、パソコン上でそのまま影響を受けません
つまりアーカイブは「見えなくする」操作であって「消す」操作ではありません。誤って消してしまう心配をせずに、使わなくなったプロジェクトを一覧から片付けられます。
現在の制限事項
プロジェクトを使い始める前に押さえておきたい制限が3つあります。
- Claude Codeでは使えません。プロジェクトはCowork限定の機能で、Claude Codeでの対応は今後のアップデートで予定されています
- ローカルフォルダに紐づくプロジェクトはデスクトップのセッションのみ対応です。ローカルセッションではプロジェクトのデータはパソコン上に保存され、クラウド上のセッションではプロジェクトはClaudeアカウント側に保存されます。ただしプロジェクトのデータはデバイス間で同期されません
- Team・Enterpriseではプロジェクト共有に対応しません。メンバー間でCoworkプロジェクトを共有する機能はまだなく、各メンバーが自分のプロジェクトを個別に持つ形になります
これらはいずれも今後変わる可能性がある制限ですが、チーム導入を検討する段階では「共有できない前提」で運用設計しておくのが安全です。
なぜデスクトップに留まっているか
Cowork全体としては、実行環境をAnthropic管理のクラウド上に寄せる方向へ動いています。セッションはクラウド上の隔離されたサンドボックスで動き、ローカルのファイルやブラウザが必要なときだけDesktopアプリ経由でパソコンに触れる構成です。ただしパソコン上のローカルフォルダに紐づけたプロジェクトは、デスクトップ上のセッションからしか使えません。ローカルセッションで使う場合はデータがパソコン上に保存され、クラウド上のセッションで使う場合はプロジェクトがClaudeアカウント側に保存される、というように保存場所はセッションの実行環境によって変わります。どちらの場合も、プロジェクトのデータがデバイス間で自動的に同期されるわけではない点は覚えておく価値があります。
よくあるつまずき
Chatのプロジェクトと同じものだと思って混同する。Import from a Claude projectで移行はできますが、CoworkプロジェクトとClaude.aiのプロジェクトは別の実体です。移行後に元のClaudeプロジェクトを編集しても、Cowork側には反映されません。
複数のプロジェクトを一括で移行しようとして詰まる。一括アップロードは対応していないため、移行したいプロジェクトが複数あるときは1つずつ「Import from a Claude project」を繰り返します。
Projectsのボタンが見当たらない場合。左ナビゲーションに「Projects」自体が出ない場合は、Claude Desktopのバージョンが古い可能性があります。デスクトップアプリを最新版に更新すると表示されます。
保存先を決めずに作成を進めてしまう。3つの作成方法いずれも、途中でプロジェクトの保存先(パソコン上のどこに置くか)を指定する画面があります。あとから移動すると参照が壊れることがあるため、最初にフォルダ構成を決めてから作成を始めるとやり直しが減ります。
プロジェクトのInstructionsと全体設定を混同する。プロジェクトのInstructionsは、そのプロジェクト内のタスクだけに効きます。Cowork全体に効かせたい共通ルールは、プロジェクトのInstructionsではなく全体設定側に書く必要があります。両方に似た内容を書くと、どちらが優先されているか分かりにくくなるため、プロジェクト固有のルールだけをプロジェクト側に残すのがすっきりします。
まとめ
Coworkプロジェクトは、繰り返し使う業務の文脈をInstructions・Scheduled tasks・Context・Memoryの4点セットでまとめる機能です。ゼロから作るか、既存のClaudeプロジェクトを移すか、パソコン上のフォルダをそのまま使うかの3通りから、手元にある資料の状態に合わせて選べます。プロジェクト専用のメモリは他のプロジェクトに漏れないため、複数の業務を並行して回すほど整理の効果が出ます。Claude Code非対応・ローカルフォルダ紐づけ時はデスクトップ限定・チーム共有不可という制限があるため、個人の作業単位から使い始めて、チーム展開は今後の対応状況を見ながら判断するのが手堅い進め方です。