Coworkプロジェクトの使い方 — 作成・共有・アーカイブとメモリの範囲
Claude Coworkのプロジェクトを3つの作成方法から選び、保存場所・メモリの範囲・チーム共有・アーカイブまで、作る前に決めることを解説します。
Coworkのプロジェクトは、関連するタスクをファイル・指示・メモリごと1つのワークスペースにまとめる機能です。作成方法は3通りあり、選んだ方法によってデータの置き場所が変わります。
Coworkで新規に作ったプロジェクトはClaudeアカウントに保存され、ほかの端末から開けます。パソコン上のフォルダから作ったプロジェクトは、そのパソコンに残ります。この違いを先に知っておくと、作成後に「別の端末で開けない」と戸惑わずに済みます。
使い始めたあとによく迷う点は、次のとおりです。
- 共有: Team・Enterpriseで使えます。組織内の相手に「Can view」か「Can edit」の権限を渡します
- アーカイブ: 一覧からプロジェクトが消えますが、パソコン上のファイルとフォルダは残ります
- メモリ: プロジェクトごとに独立していて、ほかのプロジェクトには持ち越されません
プロジェクトにするかどうかの見分け方
プロジェクトは「同じ文脈で何度も作業するタスク」を1か所にまとめる入れ物です。会話1回で終わる依頼は、プロジェクト化する必要がありません。
見分けるときは、次の3つを思い浮かべてください。毎回同じ指示文を貼っているか、同じ参照ファイルを渡しているか、同じ内容を定期実行しているか。どれか1つでも当てはまるなら、プロジェクトにする価値があります。一度きりの調べ物や単発の資料作成なら、通常のタスクのままで足ります。
ヘルプセンターには、Coworkがチャットと統合されて単に「Claude」になっていく途中だという注記があります。Pro・Maxでは段階的に展開中で、メッセージ欄に「Chat」と「Cowork」の切り替えが出なくなった場合は、新しい体験に入っています。その場合、本記事の画面の手順や表示と異なることがあります。
手元の材料から作り方を選ぶ
左ナビゲーションの「Projects」にある「+」ボタンを押すと、作成方法が3通り出ます。どれも最終的には同じ形のプロジェクトになるので、選ぶ基準は手元に何があるかです。
| 作成方法 | 出発点 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Start from scratch | 出発点空の新しいフォルダ | 向いているケース新規業務で、参照ファイルがまだ手元にない |
| Import from a Claude project | 出発点既存のチャット用プロジェクト | 向いているケースClaudeで育てた指示とファイルをCoworkでも使いたい |
| Use an existing folder | 出発点パソコン上の既存フォルダ | 向いているケース資料フォルダが整理済みで、そのまま渡したい |
Start from scratchは、新しいフォルダを作って指示文とファイルを一から設定する方法です。参照する資料がこれから集まる案件に向きます。
Use an existing folderでは、フォルダを選んだあとにプロジェクト名と保存先を決めます。ここで指示文を書き足したり、追加のファイルを添付したりでき、最後に「Create」を押して始めます。資料が整理済みなら、この方法が一番早く始められます。
既存のチャット用プロジェクトを移すときの流れは次のとおりです。
Claudeのプロジェクトを移行する
- 1
Import from projectを選ぶ
「Projects」の「+」から選ぶと、「Search projects in Chat…」という検索欄が出ます。
- 2
移行元を1つ選ぶ
欄をクリックすると最近使ったプロジェクトが並びます。検索すれば、全プロジェクトから探せます。一括アップロードには対応していないので、選べるのは1つだけです。
- 3
名前と保存先を決めて作成する
新しいCoworkプロジェクトの名前とパソコン上の保存先を指定し、「Create」を押します。元のプロジェクトのファイルと指示が転送されます。
複数のプロジェクトを移したいときは、この手順を1つずつ繰り返します。まとめて1つのCoworkプロジェクトに統合する機能は、ヘルプセンターに記載がありません。
プロジェクトが持つ4つの要素
作成方法によらず、各プロジェクトは次の4つを自分専用に持ちます。
プロジェクトの4要素
Instructions
トーンや書式、ルールを書いておくと、プロジェクト内の全タスクに適用されます。
Scheduled tasks
そのプロジェクト専用の定期タスクです。作り方はCoworkスケジュールタスクの作り方にまとめています。
Context
ローカルフォルダの追加、チャット用プロジェクトへのリンク、参照用URLの貼り付けができます。
Memory
プロジェクト内の作業から学んだ内容を、同じプロジェクトの以降のタスクに反映します。
どのファイルをContextに置くかという設計は、7階層でCoworkを調整する考え方をまとめたClaude Coworkカスタマイズが詳しく扱っています。本記事は、作成方法とデータの扱いに絞ります。
データの置き場所は作り方で決まる
保存場所について、ヘルプセンターの説明は次のとおりです。
プロジェクトのデータの行き先
新規に作った
ほかの端末で続きを開けます。Start from scratchがこちらに当たると読めますが、ヘルプセンターは「新規作成」としか書いていません。
既存フォルダから作った
フォルダの中身はパソコン上にとどまり、アカウント側には保存されません。
Import from a Claude projectの保存先は、ヘルプセンターに明記がありません。手順の中では、パソコン上の保存先を指定する画面が出ると説明されています。
Team・Enterprise向けのヘルプページには、少し違う書き方があります。フォルダに紐づくプロジェクトはデスクトップのセッションだけが対象で、ローカルセッションではデータがパソコン上に、クラウド上のセッションではメンバーのClaudeアカウントに保存される、という説明です。プロジェクト本体のページとは表現が違います。
複数の端末で使うプロジェクトなら、フォルダ起点ではなく新規作成から始めるという選択肢があります。作成前に、ほかの端末で開けるかを一度確かめておくと安心です。
メモリはどこまで効くのか
プロジェクトではメモリが有効になっています。Coworkで実行したタスクの内容を、同じプロジェクトの以降のタスクに反映する仕組みです。メモリはプロジェクト単位に閉じていて、あるプロジェクトで学んだことは、ほかのプロジェクトには持ち越されません。
たとえば「四半期レポート」で好みのグラフの色を覚えさせても、その内容は「採用オペ」プロジェクトには入りません。複数の業務を並行して回す人ほど、文脈が混ざらない効果を実感しやすい設計です。
一方で、メモリの一般説明のページには、次の書き分けがあります。CoworkとチャットのメモリはCoworkがクラウドで動くときに共有され、パソコン上で動くローカルセッションではメモリは使われません。プロジェクト側のページは「メモリは有効」とだけ書いているので、ローカルセッションでの扱いは、この2ページの間で完全にはそろっていません。ローカルセッションでプロジェクトの学習が効かないと感じたら、この説明が手がかりになります。
Team・Enterpriseでは、メモリ自体が既定でオフです。オーナーがオンにするまで機能しません。旧方式のメモリ(チャットからのメモリ)をまだ使っている一部の組織では、Coworkでメモリを使えません。また、メモリの設定にある「Reset memory」を実行すると、プロジェクトのメモリも含めてすべて削除され、元に戻せません。
チームで使うときの共有と管理
プロジェクトの共有は、Team・Enterpriseで使えます。Coworkのプロジェクトは、Claudeのプロジェクトと同じ方法で共有されます。組織内の相手に「Can view」または「Can edit」の権限を渡し、あとから変更や取り消しもできます。Enterpriseではグループへの共有がベータで提供されています。
共有の詳しい挙動は、Claudeのプロジェクトの説明ページに書かれています。Coworkのページは同じ仕組みだと述べているため、次の点も同じ扱いになると考えられますが、Cowork側で個別に確認できた記述ではありません。
- 公開プロジェクトでも、プロジェクト内のチャットは、手動で共有しない限り他のメンバーには見えません
- 「Can view」は閲覧とチャットまで、「Can edit」は指示とナレッジの編集までできます
管理者側の設定には、注意が必要です。Team・Enterprise向けのCoworkのページは、プロジェクトに専用の管理者設定はなく、組織レベルでプロジェクトの作成を禁止できないと述べています。一方、Claudeのプロジェクト向けには、組織の設定で「Share projects」をオフにできる仕組みがあります。この設定がCoworkのプロジェクト共有にも効くかどうかは、ヘルプセンターに書かれていません。
アーカイブすると何が起きるか
不要になったプロジェクトは、アーカイブで一覧から外せます。アーカイブすると、プロジェクトのメタデータはUI上から消えますが、ローカルからは消えません。関連するファイルやフォルダも、パソコン上でそのまま残ります。
共有済みのプロジェクトについては、Claudeのプロジェクトの説明が参考になります。アーカイブしても共有の権限は取り消されず、メンバーも権限もナレッジも、戻したときに元のまま復元されます。誰かのアクセスを止めたいときは、アーカイブの前後にプロジェクトの共有設定でメンバーを外します。Coworkでも同じかは、ヘルプセンターに明記がありません。
現在の制限事項
作り始める前に押さえておきたい制限は2つです。
- Coworkのプロジェクトは、Claude Codeからは開けません。Claude Code側には、スレッドを束ねる刷新版のProjectsが、クラウドセッションを使うPro・Maxの一部でベータ提供されていますが、Coworkのプロジェクトとは別の仕組みです。Pro・Maxの既存プロジェクトは、刷新版の展開が広がる段階で移行される予定です。刷新版の中身はProjects刷新の解説にあります
- フォルダに紐づくプロジェクトは、デスクトップのセッションだけが対象です。Team・Enterprise向けのヘルプページにある制限で、クラウド上のセッションからは使えません
よくあるつまずき
Projectsが左ナビゲーションに出ないときは、Claude Desktopが古い可能性があります。機能には最新版が必要なので、まず更新してください。更新しても「Chat」と「Cowork」の切り替えが見当たらない場合は、Claudeへの統合が進んだ新しい体験で、画面の名称が変わっている可能性があります。
別の端末で開けないときは、作成方法を思い返してください。既存フォルダから作ったプロジェクトは、そのパソコンにしか残りません。
あるプロジェクトの学習内容が別のプロジェクトで使われないのは、設計どおりです。メモリはプロジェクトごとに独立しているので、共通のルールは、それぞれのInstructionsに書くか、共通の参照ファイルをContextに追加します。
まとめ
複数の端末やチームで使う予定があるかを先に決めれば、作成方法は1つに絞れます。使い方が固まったら、メモリの範囲と共有権限を確かめる順番です。