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Cowork Dispatchの使い方 — モバイルからデスクトップにタスクを飛ばす

Cowork Dispatchの使い方 — モバイルからデスクトップにタスクを飛ばす

Claude Cowork Dispatchでスマホからデスクトップの作業を動かす手順と、クラウド実行との違い・公式ページ同士の食い違い・報告されているつまずきをまとめます。

Cowork Dispatchは、スマホから送ったメッセージをデスクトップのClaudeが実行する機能です。ローカルファイルやコネクタやアプリを使った作業を、通勤中に頼んで席で受け取れます。ただし新規ユーザー向けには提供されておらず、すでに使っている人だけが、今のところ引き続き使える状態です。まず自分の画面で使えるかを確かめ、使えない場合の代替も押さえます。

自分のアカウントでDispatchが使えるか

公式ヘルプは、Dispatchを「新規ユーザーには提供していない機能」と案内しています。すでに使っている人は、今のところ引き続き使えます。対象はProとMaxの一部のアカウントに限られた限定ベータです。

見分け方は単純で、Coworkを開いて左側のパネルに「Dispatch」があるかどうかです。

左パネルの表示状況取る道
「Dispatch」がある状況ペアリングの対象取る道次の節の手順で設定する
「Dispatch」がない状況対象外のアカウント取る道クラウド上のCoworkを使う。ペアリングの手順は不要

使えるプランはPro・Maxで、デスクトップはmacOS・Windows x64・Linuxのアプリ、スマホはiOSまたはAndroidのClaudeアプリがそれぞれ最新版である必要があります。両方の端末でネット接続も要ります。

Dispatchを設定する手順

設定は、デスクトップとスマホのどちらのCoworkからでも始められます。

手順

Dispatchの初期設定

  1. 1

    両方のアプリを最新版にする

    Claude Desktopとスマホ側のClaudeアプリをそれぞれ更新します。

  2. 2

    Dispatchを開く

    Coworkの左パネルから「Dispatch」を選ぶと機能説明のページが出るので、「Get started」を押します。

  3. 3

    2つのトグルをオンにする

    次の画面で、ファイルへのアクセスと、パソコンをスリープさせない設定をオンにします。

  4. 4

    Finish setupを押す

    「Dispatch」セクションからメッセージを送れるようになり、会話はスマホとデスクトップで自動的に同期します。

Coworkですでに設定したコネクタ・プラグイン・ファイルアクセスはそのまま使われるので、モバイル側で作り直す必要はありません。モバイル・Web版のプラン別の提供経緯はCoworkモバイル対応の時系列にまとめています。

1本のスレッドで何が起きるか

Dispatchはタスクごとにセッションを切らず、Claudeとの会話が1本の持続スレッドとして続きます。スレッドはリセットされないので、過去のタスクの文脈を保ったまま次の依頼が通ります。新しいスレッドを始める方法や、複数のスレッドを使い分ける方法はありません。

依頼を受けたClaudeは、開発作業ならClaude Codeのセッション、知識作業ならCoworkのセッションを自動で立てます。それぞれ対応するサイドバーに現れ、個別に開いて詳細を見ることもできます。スレッドに返ってくるのは途中経過ではなく、スプレッドシートやメモ、比較表、プルリクエストといった完成物です。完了したときと、Claudeが承認を求めているときはプッシュ通知が届きます。

スマホから頼める仕事の例は次のとおりです。

  • ローカルのスプレッドシートからデータを抜き出し、要約レポートにまとめさせる
  • Slackとメールからブリーフィング資料の下書きを作らせる
  • Google Driveのファイルから体裁の整ったプレゼンを作らせる
  • パソコン上の特定フォルダのファイルを整理させる

Claudeが覚えている好みや進行中の案件は、セッションをまたいで引き継がれます。記憶はいつでも表示・編集・削除できます。

ファイルが生成された場合は、スマホから直接開くか、Claudeが示したパソコン上の場所で受け取ります。Excelを更新させる、社内ダッシュボードを操作させる、といったアプリの直接操作(コンピューター操作)も依頼できます。ただしLinuxのベータ版はコンピューター操作に対応しておらず、ファイル・コネクタ・プラグインを使う依頼だけが動きます。

コンピューター操作はProとMaxのベータで、macOSとWindowsのデスクトップアプリが対象です。TeamとEnterpriseでは、今のところ使えません。デスクトップアプリの設定で「Settings > General」を開き、「Enable computer use」のトグルをオンにすると使えます。

どこで動くかで3つの道が分かれる

Dispatchの特徴は、作業がデスクトップ上で動くことです。パソコンが起きていてClaude Desktopが開いている間しか進みません。クラウドで動くタスクとは前提が逆になります。

くらべる

Dispatchとクラウド上のCoworkの前提

デスクトップで動く

Dispatch

スレッドは1本だけです。パソコンが起きていてアプリが開いていることが条件で、ローカルのファイルとアプリをそのまま使えます。

Anthropicのサーバーで動く

クラウド上のCowork

ノートPCを閉じても処理が続き、同じセッションとファイルをデスクトップ・Web・モバイルから開けます。新しい体験では、複数のタスクを同時に走らせられます。

ローカルファイルを使いたいが、パソコンを閉じる時間も長い、という状況では注意が要ります。クラウドのセッションはデスクトップで開始した場合に限り、アプリが開いている間だけ接続済みフォルダに触れます。アプリを閉じてもセッションは動き続けますが、ローカルファイルには届きません。

繰り返しの定型業務はスケジュールタスクが向きます。Dispatchから頼んで作ることもできます。クラウドで動く分は、パソコンがスリープでもアプリが閉じていても決まった時刻に動きます。パソコン上のファイルを使うものは、デスクトップアプリが開いている必要があります。作り方はCoworkスケジュールタスクの作り方にあります。

公式ページ同士で食い違っている点

Dispatchまわりは仕様の移行期にあり、公式ヘルプ同士で食い違う記述が見つかります。判断に迷う箇所を3つ挙げます。

作業はどこで動くのか。Dispatchの案内ページは、タスクをデスクトップで動かすと書いています。一方、Coworkの安全ガイドは、セッションが(ベータの)クラウドで動くと書いています。Anthropicのサーバーから、Claude Desktopアプリを通してファイルやブラウザに届く、という説明です。Dispatchを使う限りは、ローカル実行の前提で動くと見ておくのが無難です。

Coworkの実行場所はいつ変わるのか。Web・デスクトップ・モバイル版の案内ページによると、2026年10月6日にProとMaxプランで、新しいCoworkタスクがクラウドで動くようになります。設定の「Only on your computer」は消え、すでにパソコンで始めたタスクはそのまま続きます。Dispatchの案内ページはこの変更に触れておらず、デスクトップで動かす前提のままです。

スケジュールタスクはフォルダを使えるのか。スケジュールタスクの案内ページには、フォルダに結びつけられないという注記と、作成画面のフォルダ指定欄、ローカルのファイルやアプリが要るタスクはローカルでのみ実行されるという注記が並んでいます。10月6日の変更を説明するページは、パソコン上のファイルを使うスケジュールタスクもクラウドへ移り、デスクトップアプリが開いている必要があると説明しています。ローカルのファイルを使う定期実行を組むなら、両方のページを読み比べる必要があります。

安全性は「連鎖」で考える

Dispatchは、スマホ上のAIエージェントにデスクトップ側のAIエージェントの遠隔操作権を渡す形になります。ファイルの読み取り・移動・削除、接続済みサービスとのやり取り、ブラウザの操作、アプリの操作を、スマホからの指示で引き起こせます。途中で紛れ込んだ悪意ある内容や、ブラウザで開いたフィッシングリンクが、取り消しづらい結果につながるおそれもあります。

有効にする前に確かめる点は3つです。

確認

有効化の前に確認すること

  • 連鎖の中身

    関わるすべてのアプリとサービスを信頼できるか。

  • アクセス範囲

    どのファイルとアカウントに触れる状態になるか。

  • 切断の方法

    必要なときにすぐ接続を切り、アクセスを取り消せるか。

コンピューター操作には、コネクタやファイル権限のような仕切りがありません。Claudeはアプリを直接クリックし、入力します。Claudeは画面のスクリーンショットを撮って操作するため、画面に見えている個人情報や機密文書も視界に入ります。公式は、コンピューター操作の対象に銀行・医療・行政といった機微なアプリを許可しないこと、まず調べものや整理のような単純な作業から始めることを推奨しています。

用意されている歯止めは、アプリごとの許可、ブロックリスト、操作中のプロンプトインジェクション(外部の文章に紛れた指示)の検知です。投資・取引のアプリや暗号資産のアプリは、標準で拒否されます。macOS 15以降では、Claudeはバックグラウンドのウィンドウで作業し、ポインタとキーボードは奪いません。画面全体を使う場面では、セッションごとの初回に許可を求めます。「Full control」に切り替えれば、操作中に画面を明け渡す設定になります。

ただし、歯止めは完全ではないと公式も書いています。クリックしたメールのリンクが、許可していないChromeを開く例も挙げられています。Claudeが代わりに行った操作の責任は、利用者本人にあります。送信した内容、購入、データの変更、スケジュールタスクやコンピューター操作の結果が含まれます。ファイルの扱いまで含めたより広い話は、Coworkセキュリティにあります。

報告されているつまずき

anthropics/claude-codeのGitHub issuesには、Dispatchについて次のような報告と要望が出ています。

  • Windows 11 Homeでペアリングが毎回失敗する(#87265)
  • macOS版Desktopで、単純な「hello」にOpus 5のセーフガード(reasoning_extraction)が9月1日以降反応する(Maxプランの1件の報告、#92875)
  • Dispatchが作るセッションやタスクのモデルと推論の深さを選べるようにしてほしい(#96484)
  • Dispatchの画面に音声入力や、フィードバック用の操作が見当たらない(#96306)
  • スレッドを消す「クリア」ボタンがほしい(#95509)

最後の1件は、1本のスレッドが続く仕様の裏返しです。スレッドが1本のため、長く使うほど複数の用件の文脈が混ざります。

動かないときは、止まる依頼の種類で原因が分かれます。

  • アプリを操作する依頼だけが動かない: Linuxではコンピューター操作が使えません。WindowsとmacOSでは、設定の「Enable computer use」がオフのままかもしれません
  • ローカルのファイルを使う定期実行が動かない: デスクトップアプリが開いているかを見ます

まとめ

10月6日以降、新しいCoworkタスクはクラウドで動くようになります。Dispatchに頼む仕事は、パソコン上のファイルやアプリを直接使うものに絞ると、実行場所の違いに振り回されません。

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