Cowork Amplitude自動化 — 週次マーケティングレポートの生成手順
Cowork AmplitudeコネクタとScheduled Tasksで週次マーケティングレポートを自動生成する手順です。コネクタのツール名、承認モードの実際の挙動、10月6日のクラウド実行への切り替えまで扱います。
Cowork Amplitude自動化は、AmplitudeコネクタとScheduled Tasksを組み合わせ、行動分析データを人手を介さず週次レポートに落とし込む仕組みです。Amplitudeのチャート・イベント・実験のデータを決めた頻度で取り出し、Driveの数値と突き合わせてスライドにまで仕上げます。
Claude Cowork活用事例は、Coworkの活用パターンを部門別に俯瞰した記事です。Amplitudeとドライブを組み合わせた定点観測も、1つのパターンとして載っています。ここではAmplitudeコネクタ自体の中身と、週次で回すときに引っかかる点まで掘り下げます。
Amplitudeコネクタは何を持ってくるのか
コネクタ紹介ページのカテゴリは「Sales & marketing」で、認証(サインイン)が必要です。接続先のURLは地域ごとに分かれていて、米国は https://mcp.amplitude.com/mcp、EUは https://mcp.eu.amplitude.com/mcp です。EUリージョンのプロジェクトを使っている場合は、EU側のURLが対応します。
公開されているツール名は14個あります。名前から用途で分けると、次の3系統になります。
Amplitudeコネクタのツール(名前から見た3系統)
チャート・ダッシュボード
get_chartsquery_chartsget_dashboardget_notebook。既存のチャートやダッシュボードの中身を読みます。イベント・指標・データセット
get_eventsget_event_propertiesget_user_propertiesquery_datasetquery_metric。週次レポートの数値取得はここが中心です。実験・フラグ・検索
get_experimentsquery_experimentget_flagssearchget_context。実験の一覧や結果、フラグの状態を取れます。
ツール一覧は取得・検索系の名前だけで、チャートやダッシュボードを保存・更新する名前はありません。なお、Anthropicは接続するコネクタの開発元を信頼できるものに限るよう案内しており、ツールの中身は開発元が変えられる点もコネクタページに注記があります。
「Interactive」の意味
Amplitudeは、チャット内にライブのUIを描画する「インタラクティブコネクタ」の一覧に載っており、説明は「分析ダッシュボードを表示して操作できる」です。描画されたUIはサンドボックス化されたiframeの中で動き、接続時に許可した範囲を超える権限は求めません。購入や決済を伴う操作には対応していません。
Team・Enterpriseでは、UIを描画するツール呼び出しだけをOrganization settings > Connectorsでオーナーが無効にできます。コネクタ自体は止まらず、テキストで返す機能は動き続けます。ヘルプの説明はチャットでUIを操作する前提です。無人のスケジュール実行でUIが描画されるかは、ヘルプに書かれていません。他のコネクタ種別との違いはClaude CoworkのConnectors一覧にまとめています。
準備しておくもの
自動化を組む前に、次の3点をそろえます。Amplitudeコネクタは公開元がAmplitude自身で、ディレクトリ上は「Anthropic verified」の表示が付いています。
1つ目はプランです。Coworkは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)が前提で、スケジュール機能もすべての有料プランで使えます。Freeプランでは使えません。Enterpriseは、Web版とモバイル版では管理者が有効にした場合だけ使えます。
2つ目はAmplitudeの接続です。チャット下部の「+」メニューか、Customize > Connectorsのページで接続します。この接続はCoworkの通常のタスクと共有されるので、スケジュール側で改めて設定する必要はありません。
3つ目は指標の割り振りです。Amplitudeだけで完結させるか、他のソースと突き合わせるかで、追加で接続するコネクタが決まります。まず主要な2〜3指標で1回動かし、出力を見てから軸を足すほうが、最初にプロンプトを作り込むより安定します。
週次マーケティングレポートを自動生成する手順
Claudeのプロンプトは、Coworkのページに載っている週次レポートの例が出発点になります。内容は、Amplitudeからウェブ閲覧数とサインアップ数を取ることから始まります。DriveのMarketing/Channel-trackerからはメルマガ・SNS・ウェビナーの数値を取り、前週比10%以上動いた項目に印を付けて、3枚のスライドにまとめます。
スケジュールタスクの作り方
- 1
Scheduledを開く
左サイドバーの「Scheduled」でタスク一覧に入ります。新しいClaudeの画面(Pro・Maxで順次展開中)では、メッセージ欄に「ChatとCowork」の切り替えが出ません。その場合は、どの会話からでもスケジュールを組めます。
- 2
作り方を選ぶ
「New task」から「Create with Claude」を選ぶと、聞きたい内容を伝えるだけでタスク名・頻度・実行内容をClaudeが組み立てます。「Set up manually」ならタスク名・プロンプト・承認モード・頻度(毎時・毎日・毎週・平日・手動)・モデル・フォルダを自分で入力します。Cowork内なら
/scheduleを打つ方法もあります。 - 3
プロンプトを書く
次のようなプロンプトを貼り、出力先とフォーマットまで指示に含めます。
- 4
Scheduleで確定する
Claudeが示すタスク名・頻度・実行内容を見て、「Schedule」を押します。以後は一覧から一時停止・再開・削除・今すぐ実行ができます。
毎週月曜朝、先週分のマーケティングレポートを作成してください。
AmplitudeからWeb閲覧数とサインアップ数を、Driveの
Marketing/Channel-trackerからメルマガ・SNS・ウェビナーの数値を取得し、
それぞれ前週と比較してください。
1枚目は社名と対象週、2枚目は認知系指標(前週比10%以上動いた項目に印)、
3枚目は検討系指標(同様に印)のスライドにまとめ、
注目すべき傾向と取得できなかった項目を書き添えて
Marketing/Weeklyフォルダに保存してください。「取得できなかった項目も書き添える」という一文があると、取りこぼしが黙って落ちず、レポートの中に残ります。作成後は一覧の「今すぐ実行」で1回動かし、取れた数値をAmplitude側の画面と見比べると、取り違えに早く気づけます。
実験の状況を定例チェックにする
イベントや実験の取得は、週次レポートとは別のタスクとして切り出せます。実験に関わるツールは get_experiments と query_experiment です。
毎週水曜朝、Amplitudeで現在アクティブな実験を一覧にしてください。
開始日が取れた場合、開始から4週間以上経過している実験を、判定を急ぐ対象として
別枠で示してください。複数の実験を同時に走らせているチームでは、判定が長引いている実験を見落としがちです。レポートと別タスクにしておくと、頻度や宛先を変えやすくなります。「今週新しく上位に入ったイベントがあれば教えて」のように、イベントの動きを拾う使い方にも流用できます。
承認モードで止まる場所を決める
スケジュール実行中は、承認待ちで止まると誰も押せません。止まる場所をモードで決めます。
Coworkの承認モードは3つあり、新しいClaudeの画面ではAutoとManual(既定)の2つが出ます。コネクタのツールごとに「Always allow」「Needs approval」「Blocked」の権限が付き、モードとの組み合わせで次のように動きます。
| モード | Always allow | Needs approval | Blocked |
|---|---|---|---|
| Manual | Always allow承認される | Needs approval確認を求める | Blocked拒否 |
| Auto | Always allow読み取りは承認、書き込み・削除はClaudeが判断 | Needs approvalClaudeが判断 | Blocked拒否 |
| Skip | Always allow承認される | Needs approval承認される | Blocked拒否 |
Autoの「Claudeが判断」とは、各操作を安全性の観点で審査し、危険と判断したものをブロックする動きです。ブロックが続くと、1ステップごとに許可を求める状態に戻ります。審査の分、Autoは他のモードより使用量を多く消費します。Skipは自動チェックが一切かからない点が、Autoとの最も大きな違いです。
Amplitudeのツール名は get_ query_ search で始まるものばかりです。各ツールの権限(Always allow / Needs approval / Blocked)はツール単位で付き、「Needs approval」のツールが混ざっていれば、Autoでも審査が入ります。保存先に使うコネクタ(例ではDrive)の権限も、同じ表で決まります。Team・Enterpriseでは管理者がAutoを無効にでき、書き込みを伴うツールには組織が1回ごとの承認を求める場合もあります。モード間の掛け合わせはCowork自動承認モードとはが詳しいです。
よくあるつまずき
つまずきの大半は、実行環境と記憶の扱いの2つに集まります。
ローカルで動くのか、クラウドで動くのか
同じ公式ヘルプの中で、書き方が分かれています。スケジュール機能の説明では「パソコン上のフォルダには紐づけられない」とあり、手動設定の入力項目には「フォルダ(任意)」があります。さらに「ローカルのファイルやアプリが必要なタスクはローカルでのみ実行される」という注記もあります。
2026年10月6日から、ProとMaxでは新しいCoworkタスクがクラウドで動き、設定の「Only on your computer」は削除されます。それ以前に始めたタスクはパソコン上に残ります。
スケジュールタスクの実行場所
クラウドで動く
コネクタと、Claudeアカウントに保存したファイルだけを使うタスクです。パソコンがスリープ中でも、デスクトップアプリを閉じていても、設定した頻度で動きます。
ローカルでしか動かない
パソコン上のファイルやアプリを前提にするタスクです。このレポートにフォルダ指定を足す場合は、ローカル専用のタスクになるかどうかを先に試しておきます。
Amplitude+Driveだけで書いたプロンプトは、フォルダ指定をしなければ前者に収まります。実行されない症状の切り分けはスケジュールタスクが動かないときの原因にあります。失敗後の復旧手順はスケジュールタスクの失敗からの復旧です。
見えるデータは接続したアカウントの範囲
コネクタはAmplitudeにサインインしたアカウントの権限で動きます。チームの全プロジェクトを対象にしたいなら、そのプロジェクトを見られるアカウントで接続します。
実行のたびに前回の内容が引き継がれるとは限らない
各タスクは独立したCoworkセッションとして走ります。クラウドのセッションではチャットの記憶を起点にできますが、前週のレポートの中身に頼る設計は避けます。前週比を出すなら、先週の数値をAmplitudeとDriveから取り直すか、前週のスライドをMarketing/Weeklyから読むよう、プロンプトに書き込みます。
「変化なし」が続いて埋もれる
毎週同じ内容が続く指標は、フラグの閾値(前週比10%など)を先に決めておくと、本当に見るべき変化が目立ちます。
応用 — 日次や特定イベントへの展開
頻度を日次にすれば、当日の主要指標だけを朝に確認するダイジェストになります。対象を特定のイベントに絞れば、新機能リリース直後の反応だけを追う定点観測にもなります。プロンプトの骨格(何を・どの期間で・どの形式で)を使い回せるのが、スケジュール化の利点です。週次レポート以外にも、公式ヘルプは日次ブリーフィング、継続的なリサーチ、フォルダ内のファイル整理、チーム向けの進捗まとめを定番の用途に挙げています。スケジュールタスク全般の組み方は、Cowork Scheduled Tasksの設定から入れます。
まとめ
レポートの自動化で先に決めるのは、実行場所(クラウドで完結するか)と、承認モードで止まる操作の2点です。数値の突き合わせは、作成直後の「今すぐ実行」で済ませておくと、最初の定例実行を待たずに済みます。