ClaudeとCloudBees Unifyを連携する方法 — フィーチャーフラグとCI/CDを会話で扱う
CloudBees Unify公式のコネクタで、フィーチャーフラグ・ワークフロー・セキュリティ指摘をClaudeから扱えます。接続手順、ツールセットの絞り方、読み取り専用にする方法、権限の考え方をまとめます。
CloudBees Unifyコネクタとは — 何を会話で扱えるか
CloudBees Unifyコネクタは、DevSecOpsプラットフォームCloudBees Unifyを、ClaudeなどのAIクライアントから操作するための公式MCPサーバーです。提供元はCloudBees自身で、ディレクトリのページには「Anthropic verified」と表示され、追加時期は2026年9月です。利用にはサインインが必要です。
ディレクトリの説明文は「フィーチャーフラグ、CI/CD、リリース管理、セキュリティ」をAIエージェントにつなぐ、という内容です。対応する操作は次の5系統です。
- コンポーネントの作成・一覧・検索・削除
- ワークフローの一覧・検証・更新・実行
- セキュリティ指摘・課題・レポートの調査
- CIコントローラーの一覧とレポート取得
- フィーチャーフラグ設定の管理
画面を開いて探していた確認を、会話に寄せられます。ドキュメントの例に挙がる依頼は「最新のビルドの状態は」「ビルド#42のログを見せて」「paymentサービスのワークフローを一覧にして」「直近のビルドで見つかった脆弱性は」「new-checkout-flowフラグをステージングで有効にして」といったものです。
向いているのは、開発者、プラットフォーム・DevOpsエンジニア、セキュリティエンジニアです。位置づけは「技術者向け」です。
Claude DesktopとClaude Codeでの接続手順
接続経路は2つあります。コネクタのディレクトリから追加する方法と、Claude Codeにコマンドで登録する方法です。どちらも、サインインはCloudBees Unifyのウェブ画面と同じOAuthで、Google、GitHub、SSOのいずれかを使います。
Claude Desktopでの追加手順
- 1
コネクタを探す
SettingsのConnectorsを開き、Discoverタブで「CloudBees」を検索します。
- 2
追加してサインイン
CloudBees Unify MCP Serverの「+」を押すとブラウザが開きます。Google、GitHub、SSOのいずれかでサインインします。
- 3
組織を選ぶ
Root Organizationを選びます。一覧に出るのは自分がアクセスできる組織だけです。
- 4
Claude Desktopに戻る
「Open desktop app」で戻ると接続が完了します。ディレクトリ掲載のコネクタに共通する「Anthropicが検証していない」旨の通知が出ても、想定どおりの表示です。
接続後は新しい会話で「List my CloudBees Unify components.」のように頼むと、動作を確かめられます。
Claude Codeからは claude mcp add で登録します。--client-id を認識しないというエラーが出たら、案内されている対処は claude update で最新版にすることです。
claude mcp add \
"unify-mcp-server" \
"https://mcp.cloudbees.io/v1/mcp" \
--transport http \
--client-id public-mcp-clientpublic-mcp-client はCloudBees側が用意した共有のOAuthクライアントIDで、自分で登録せずこの値をそのまま使います。CloudBeesはDynamic Client RegistrationとClient ID Metadata Documentに対応しておらず、どちらも将来のリリースで予定されています。事前登録済みクライアントのOAuthに対応するMCPクライアントなら、対応一覧にない製品でも動くとされています。
対応クライアント一覧はClaude Code、Cursor、Gemini、Google Antigravityの4つです。Claude Desktop向けには別の接続手順のページがあります。Claude Codeの設定ファイル側の扱いはClaude CodeのMCP設定ガイドにまとめています。
ツールセットを絞る — ディレクトリ版の既定は「all」
このコネクタで最初に確認したいのが、ツールセットの設定です。CloudBees Unifyのツールは、機能ごとの「ツールセット」に分かれています。
| ツールセット | 主な内容 |
|---|---|
| default | 主な内容読み取り専用の調査用ツール。指定がなければこれだけが出る |
| organization-administration | 主な内容組織、連携、環境、エンドポイント、プロパティの管理 |
| access-management | 主な内容ユーザー、チーム、招待、RBACロール |
| applications-components | 主な内容コンポーネント、リポジトリ、ブランチ、SCM連携 |
| workflows | 主な内容ワークフロー定義、トリガー、実行、ログ |
| feature-management | 主な内容フラグ、設定、環境、ターゲットグループ、承認 |
| application-security | 主な内容セキュリティ指摘、SLAポリシー、スキャナー管理 |
| reports-analytics | 主な内容組織レポート、CIコントローラー、ドリルダウン |
| policy-engine | 主な内容ポリシーの作成・検索・管理 |
「同時に有効にするツールセットは2つまで」が推奨されています。全部を有効にするとツールの数が増え、性能と回答の質が落ちるおそれがあるためです。
ところが、ディレクトリから追加したコネクタのURLは https://mcp.cloudbees.io/v1/mcp?toolset=all で、全ツールセットが出る設定です。ディレクトリのページは110個のツールを掲載しています。Claude Desktopの接続ページにも、ディレクトリ経由の接続は「all」が既定と書かれています。
絞りたいときは、カスタムコネクタとして次のURLを登録します。toolset に必要なツールセット名をカンマ区切りで並べます。
https://mcp.cloudbees.io/v1/mcp?toolset=feature-management,workflowsClaudeのコネクタはHTTPヘッダーを足せないため、ツールリファレンスでもURLのクエリパラメーターで渡す方式が案内されています。ヘッダーとクエリが両方あれば、ヘッダーが優先されます。ツールセットを変えたあとは、再接続と再認証が必要です。
組み合わせにも決まりがあります。all は他のツールセット名と一緒に指定できず、一緒にすると400エラーです。存在しない名前も400になります。指定したツールセットに加えて、default は常に出ます。
読み取り専用で始める
ツールセットとは別に、readonly=true を付けると、選んだツールセットの中の書き込み系ツールが取り除かれます。
https://mcp.cloudbees.io/v1/mcp?toolset=workflows,application-security&readonly=trueClaude Codeなら、同じ指定をヘッダーで渡せます。
claude mcp add \
"unify-mcp-server" \
"https://mcp.cloudbees.io/v1/mcp" \
--transport http \
--client-id public-mcp-client \
--header "X-MCP-Toolsets: workflows,application-security" \
--header "X-MCP-Readonly: true"この絞り込みの意味は、ツールリファレンスのツール名を眺めるとわかります。たとえばfeature-managementには、フラグの追加・削除、既定値の更新、設定状態の更新、ターゲットグループへの配信設定といった、本番の挙動を変えるツールがあります。workflowsにはワークフロー内容の更新、自動化の実行・再実行・停止、手動ゲートの承認・却下があります。
同じ依頼でも、設定で結果が変わる
readonlyなし
「checkoutフラグをステージングで有効にして」に応えられます。フラグの状態変更ツールが出ているためです。
readonly=true
フラグの現在の設定や利用状況は引けます。変更系のツールは出ないため、変更の依頼は実行できません。
調査と状況確認から始める運用なら、readonly=true で入り、変更が必要になった時点で外すのが安全側です。
権限の考え方 — Claudeはあなたの権限で動く
ツールは認証したユーザーすべてに見えますが、使える範囲はCloudBees UnifyのRBAC(ロールベースのアクセス制御)で決まります。Developerロールだけのユーザーはユーザー管理に触れず、読み取り権限だけのユーザーはワークフローの実行やフラグの変更ができません。所属していないチームのコンポーネントも見えません。
つまりClaudeは、ウェブ画面で同じアカウントができることの範囲で動きます。これは裏返すと、権限の広いアカウントで接続すれば、会話の流れ次第でその広い権限が使われるということです。セキュリティ指針は次の点を挙げています。
- 必要なロールだけを持つアカウントで接続する。日常の用途に管理者アカウントを使わない
- 個人アカウントでなく、Claude用の専用サービスアカウントを作る
- 端末ごとに別々に認証する。認証情報を共有しない
- 認証が切れたら再認証する。漏えいの疑いがあるときはすぐ再認証する
操作は、ユーザーと組織に紐づけてサーバー側で記録されます。監査や調査が必要なときは、CloudBeesのサポートに問い合わせる形です。
プライバシーの面では、CloudBeesに見えるのはツール名とパラメーター、つまり「どの操作をどのリソースに対して要求したか」までです。Claudeとの会話そのものはCloudBeesに送られません。ただし、Claudeがツール呼び出しの引数に会話の一部を入れた場合は、その文字列が送られます。
使い始めの依頼文
接続できたら、まず自分が誰として見えているかを確かめます。入門チュートリアルは「Who am I in CloudBees Unify?」で user_whoami ツールが呼ばれ、ユーザー情報と組織が返る流れを案内しています。次に、権限の範囲で読み取る依頼を重ねます。
| やりたいこと | 依頼の例 | 必要なツールセット |
|---|---|---|
| 状況確認 | 依頼の例最新のビルドの状態を教えて | 必要なツールセットdefault |
| 失敗の調査 | 依頼の例ビルド#42のログを見せて | 必要なツールセットdefault |
| 全体の把握 | 依頼の例使えるツールセットを一覧にして | 必要なツールセット所属の記載なし(list_toolsets ツール) |
| フラグの確認 | 依頼の例あるフラグの環境ごとの設定を見せて | 必要なツールセットdefault |
| フラグの変更 | 依頼の例stagingでフラグを有効にして | 必要なツールセットfeature-management |
| セキュリティ | 依頼の例直近のビルドの脆弱性を要約して | 必要なツールセットapplication-security |
defaultには、フラグの一覧と設定の取得、ワークフローの一覧、実行ログの取得が含まれます。フラグを「見る」だけなら、ツールセットを足さずに済みます。足すのは変更が必要になってからで十分です。
落とし穴
allのまま使うと、ツールが多すぎて精度が落ちる
ディレクトリから追加した直後は全ツールセットが有効です。依頼がうまく噛み合わないと感じたら、カスタムコネクタでツールセットを2つ以内に絞り直してください。再接続と再認証も必要です。
うまくいかないときの切り分け
トラブルシューティングのページが扱う症状のうち、このコネクタで当たりやすいものです。
接続後にツール呼び出しが失敗するとき
- Qサーバーに届いているか(接続エラーやタイムアウトではないか)?答えがいいえのとき答えがはい
社内プロキシやファイアウォールで
mcp.cloudbees.ioが通っているかを確認します。curl https://mcp.cloudbees.io/v1/mcpによる疎通確認を案内しています。 - Q権限エラー(access denied / permission denied)ではないか?答えがいいえのとき答えがはい
CloudBees Unify側のロールが足りていません。ツールは見えていても、リソースへの権限は別です。管理者にロールの付与を依頼します。
- Q意図した組織につながっているか?答えがいいえのとき答えがはい
OAuthで別の組織を選んだ可能性があります。再接続して、組織の選択をやり直します。
それでも解消しない
「rate limit exceeded」は、1ユーザーの同時ツール呼び出しが多すぎる場合に出ます。依頼を単純にし、立て続けの質問を避けます。
古い情報にも注意が要ります。以前のローカルサーバー(バイナリまたはDockerイメージ、stdio接続)は、2026年5月31日付で非推奨になっています。現行はCloudBeesがホストするリモートサーバーで、手元にインストールするものはありません。新しい機能はリモート側にだけ追加されます。
まとめ
このコネクタの要点は、設定ひとつで性格が変わることです。ディレクトリからそのまま追加すると全ツールセットが有効で、書き込み系も含まれます。フラグやCI/CDの状況確認が目的なら、読み取り専用のカスタムコネクタで入るのが、推奨(ツールセットは2つまで)とも合います。変更を任せるのは、専用アカウントで権限を絞り、対象のツールセットを足してからでも遅くありません。
接続手順の型は、他のコネクタと共通です。権限を絞る同様の例としては、パッチ管理のClaudeとAutomoxの連携や、課金指標を読み取るClaudeとBaremetricsの連携があります。