ClaudeとBaremetricsを連携する方法 — MRR・解約・プラン別の推移を会話で引く
Baremetrics公式のコネクタで、SaaSのMRR・顧客・サブスクリプション・プランの推移をClaudeから読み取れます。接続手順、17個のツール、権限の絞り方、Claude Codeからの接続をまとめます。
Claude Baremetrics連携とは — 読み取り専用で何を引けるか
BaremetricsコネクタはBaremetrics自身が提供するコネクタで、ディレクトリ上では「Anthropic verified」と表示され、追加時期は2026年6月です。説明文は「Baremetrics SaaS analyticsへの読み取り専用アクセス。metrics、customers、subscriptions、plans、charges、events」。
要点は読み取り専用であることです。MRR(月次経常収益)や解約の推移を、ダッシュボードを開かずに会話で引けます。Baremetricsの画面で何度も切り替えていた「プラン別の内訳」「ある月に増えた顧客の中身」といった確認を、1つの会話に寄せられます。
引ける対象は次の6つです。
- 指標(metrics)
- 顧客(customers)
- サブスクリプション(subscriptions)
- プラン(plans)
- 課金(charges)
- イベント(events)
同じ課金データ系でも、Chargebeeの請求・取引を扱う場合はClaudeとChargebeeの連携手順、Stripeの決済データはClaude Stripe連携の設定方法にあります。Baremetricsは決済基盤そのものではなく、その上で動くSaaS分析のサービスです。
前提 — 必要なものと接続の方式
必要なのは、有効なBaremetricsアカウントです。Baremetricsのヘルプには、先にBaremetricsへサインインしておくよう書かれています。認証はOAuthで、コネクタ追加後の認可フローに沿って自分のアカウントとつなぎます。
ここに1点、読み違えやすい点があります。Baremetricsのヘルプセンターには、MCP接続の記事が2本あります。
| 記事 | 日付 | 内容 |
|---|---|---|
| Claude Connector | 日付2026年7月23日 | 内容ディレクトリから追加し、認可フローで接続する |
| Connecting Baremetrics to AI Tools via MCP | 日付2026年6月22日 | 内容APIキーをヘッダーに付ける方式。ブラウザ版Claudeは未対応と明記 |
6月の記事は、Claude.aiのようなWeb版クライアントはOAuth未対応のため使えず、デスクトップ系のクライアントだけが対象だとしています。7月の記事でディレクトリのコネクタが案内されているので、ディレクトリから追加する場合はOAuth、手動で設定する場合はAPIキーのヘッダー認証、と分けて読むと混乱しません。6月の記事の「OAuthは近日対応」という記述は、7月のコネクタ記事の前に書かれたものです。
claude.aiでBaremetricsを接続する手順
ディレクトリから追加する流れ
- 1
Baremetricsにサインインする
有効なBaremetricsアカウントでサインインした状態にします。
- 2
コネクタ設定を開く
Claudeのコネクタ設定で、右上の「Add」から「Browse connectors」を選びます。
- 3
Baremetricsを追加する
検索窓で「Baremetrics」を探し、横の「+」を押します。
- 4
認可フローを完了する
案内に従って許可すると、BaremetricsのMCPツールが使える状態になります。
接続後は、会話の入力欄の「+」メニューからコネクタを選び、Baremetricsをオンにして使います。コネクタ全般の仕組みはClaude Connectorsとはにまとめています。
Team・Enterpriseプランでは、先にOwnerまたはPrimary Ownerが組織でコネクタを有効にします。有効化しただけでは誰もアクセスできず、各メンバーがBaremetricsで個別に認証します。アクセス権はユーザー単位で効くため、売上データを見てよいメンバーかどうかは、Baremetrics側のアカウント権限が土台になります。
17個のツールを役割で分ける
コネクタページに並ぶツールは17個です。名前の動詞がget_とlist_だけなので、読み取り専用という説明と一致します。名前から読み取れる範囲で、対象別に分けると次のとおりです。
| 対象 | ツール名 |
|---|---|
| アカウント・データ源 | ツール名get_account / list_sources |
| 指標 | ツール名get_metrics_summary / get_metric / get_metric_customers / get_metric_plans / get_cohorts |
| 顧客 | ツール名list_customers / get_customer / list_customer_events |
| サブスクリプション | ツール名list_subscriptions / get_subscription |
| プラン | ツール名list_plans / get_plan |
| 課金 | ツール名list_charges / get_charge |
| イベント | ツール名list_events |
数の内訳は、アカウント・データ源が2、指標が5、顧客が3、サブスクリプションが2、プランが2、課金が2、イベントが1で、合計17です。
見るべきは指標の5本です。get_metric_customersとget_metric_plansは、名前からすると、ある指標を顧客別・プラン別に分解する入口に見えます。get_cohortsはコホート分析用と見られます。ただし、コネクタページにツールごとの説明はなく、引数や返す項目は載っていません。役割は名前からの推測にとどまるため、実際に何が返るかは、接続後に質問して確かめてください。
list_sourcesは、データ源の一覧を返すと見られます。Baremetricsは複数の決済基盤をつなげられるサービスなので、複数のデータ源を持つアカウントでは最初に呼ばれる可能性があります。この点も、ツールの説明がないため断定はできません。
読み取り専用でも権限を絞る — Claude側の設定
17本すべてが読み取りなので、データを書き換える心配は小さくなります。それでも、売上や顧客の一覧は社外に出したくない情報です。Team・Enterpriseプランでは、Ownerが「Customize」→「Connectors」でコネクタを選ぶと「Tool permissions」が表示されます。権限のカテゴリごと、またはツールごとに「Always allow」「Needs approval」「Blocked」を選べます。この設定は組織全体に効きます。
| 対象のツール | 設定の例 | 理由 |
|---|---|---|
指標の集計(get_metrics_summaryなど) | 設定の例Always allow | 理由集計値だけで、個人を特定しにくい |
顧客の一覧・詳細(list_customersなど) | 設定の例Needs approval | 理由顧客の個別情報が会話に流れ込む |
| 課金・イベント | 設定の例Needs approval | 理由取引単位の記録が出る |
この表は、集計か個別かでリスクが違うという考え方に基づく設定例です。どちらが正しいという公式の推奨はありません。権限設定でよくある失敗はClaude Connectorsの権限設定でよくある失敗と対策に整理してあります。
会話で引く — 質問の例
ここでは、コネクタページの説明とツール名から組み立てた質問例を挙げます。どのツールが呼ばれるか、どんな形で返るかは会話ごとに変わります。
指標の推移を見る
直近6か月のMRRの推移を月ごとに出して。
増えた月と減った月は、何が理由かを指標の内訳から探してプラン別に分解する
MRRをプラン別に分けて、最も伸びたプランと最も減ったプランを教えて解約した顧客を絞る
先月解約した顧客を一覧にして、それぞれのプランと契約期間を添えて1社の経緯を追う
この顧客のサブスクリプションと、これまでの課金・イベントを時系列で並べて2つ目や3つ目のような分解は、指標のツールが顧客別・プラン別の内訳を返せるかに左右されます。返らなかった場合は、Claudeが一覧を取って自分で集計する形になり、件数が多いほど不正確になりやすくなります。
数字をそのまま信じない — 提供元の注意書き
Baremetricsのヘルプには、MCP経由の分析について明確な注意書きがあります。レポートや分析は、Baremetricsの生データを取得して作られます。そのデータはLLMが誤解しやすい表現のことがあります。傾向や方向性は概ね信頼できるものの、具体的な数字は、重要な判断の前に自社のエクスポートで確かめるよう勧めています。
運用としては、次のように分けると手戻りが減ります。
- 傾向を掴む会話(どの月から下がったか、どのプランが効いているか)はClaudeに任せる
- 経営会議や投資家向けに出す数字は、Baremetricsの画面かエクスポートで再確認する
- 回答には、取得元の顧客ID・サブスクリプションIDを添えるよう頼み、画面で開いて照合できるようにする
MRRの定義(新規・拡張・縮小・解約をどう数えるか)はBaremetrics側の仕様に従います。Claudeが独自の定義で再計算した値と、Baremetricsの画面の値がずれたときは、Baremetricsの値が正です。
Claude CodeからBaremetricsに接続する
ターミナルのClaude Codeから使う場合、ディレクトリのコネクタではなく、Baremetricsが案内する手動設定になります。この方式はOAuthではなくAPIキーを使います。キーはBaremetricsの「Settings」→「API」にあり、ライブキーはlk_で始まります。
claude mcp add baremetrics https://app.baremetrics.com/mcp \
--transport http \
--scope user \
--header "Authorization: Bearer <BM_API_KEY>"<BM_API_KEY>は自分のキーに置き換えます。ヘルプでは、このコマンドで設定ファイルの項目が自動で追加されると説明されています。Claude Desktopの設定ファイルに書く場合は、mcp-remoteというオープンソースの中継ツールを経由する書き方が案内されています。中継ツールにAPIキーを渡す構成になるため、ヘルプは使う前に中継ツールの中身を確認するよう注意しています。
キー方式で押さえておくことがあります。
- キーを持つ人は、そのアカウントのデータを丸ごと読める。コネクタのOAuthのように、サインインしたユーザーの権限で個別に絞る形ではない
--scope userは自分の全プロジェクトで有効になる。共有リポジトリの設定ファイルにキーを書かない- 無料トライアルのアカウントでも試せる
チームで使うなら、手元の設定ファイルにキーを配るより、ディレクトリのコネクタ(OAuth)に寄せたほうが、誰がどのデータを読めるかを管理しやすくなります。
つまずきやすい点
ブラウザ版Claudeでつながらない
6月のヘルプ記事の記述(Web版は未対応)を見て、コネクタも使えないと判断してしまう場合があります。ディレクトリのコネクタは別の経路なので、Claude.aiの「Customize」→「Connectors」から追加を試します。つながらないときは、同じ画面で切断してから再接続します。
認証が通らない
コネクタは、Owner・Primary Ownerが有効にした後も、各ユーザーがBaremetricsで認証する必要があります。認証に失敗する場合は、BaremetricsにサインインしたブラウザーでClaudeの認可画面を開いているかを確かめます。解決しないときの窓口は、ヘルプにあるアプリ内のチャットとサポート宛のメールです。
数字がBaremetricsの画面と合わない
期間の区切り、通貨、データ源の違いが原因になりえます。複数のデータ源をつなげているアカウントでは、どのデータ源を対象にしているかを質問に書きます。
まとめ
BaremetricsコネクタはSaaSの収益指標を読むためのもので、書き込みの心配がない分、導入の判断は軽くなります。迷いどころは、売上と顧客情報をどこまで会話に流すかです。集計は自由に、個別の顧客は承認制にする分け方なら、使いやすさと管理を両立できます。そして、会議に出す数字だけは、提供元の勧めどおりBaremetricsの画面で確かめてから使います。