Claude Stripe連携の設定方法とできること
ClaudeとStripeをMCPでつなぐと、顧客・請求書・返金といった決済データを会話の中で参照・操作できます。claude.aiとClaude Codeそれぞれの接続手順と、権限管理の注意点をまとめます。
Claude Stripe連携とは — 何ができるか
ClaudeとStripeをつなぐと、顧客・請求書・サブスクリプション・返金といった決済データを、会話の中で参照したり操作したりできるようになります。開発元はStripe自身です。ClaudeのConnectorsディレクトリに「決済処理と金融インフラのツール」として掲載されている公式コネクタです。
接続先は https://mcp.stripe.com という1つのリモートMCPサーバーです。Claude Code・claude.ai・Cursor・ChatGPTなど複数のクライアントから共通で使えます。認証はOAuthが基本で、Stripeダッシュボードでの同意画面を経て接続します。返金や請求書の確定のような取り消しにくい操作を伴うコネクタなので、書き込み系の依頼は結果を毎回自分の目で確認してから進めるのが安全です。
個人のclaude.aiでStripeを接続する手順
接続はほかのディレクトリコネクタと同じ経路です。
- claude.aiで「Customize」→「Connectors」を開く
- ディレクトリからStripeを探し「Connect」をクリックする
- Stripeのログイン画面に切り替わるので、接続したいアカウントでサインインする
- 表示された権限の範囲を確認し、許可する
Team・Enterpriseプランでは、コネクタを有効化する権限を持たないメンバーには「Connect」ではなく「Request」ボタンが表示されます。押すと組織の管理者に申請が送られ、承認されるまで接続できません。組織全体でコネクタの承認モードを設計する場合の考え方はClaude CoworkのConnectors一覧で扱っています。加えてStripe側でも、管理者がダッシュボードの「Settings」からMCPアクセスを有効にしている必要があります。この設定はサンドボックス環境と本番環境で別々に管理されているため、開発中は使えたのに本番データにはつながらない、という状態が起こり得ます。
Claude Codeから接続する手順
開発者がターミナルから直接使う場合は、Claude CodeのCLIで同じStripeのMCPサーバーに接続します。
claude mcp add --transport http stripe https://mcp.stripe.com追加したら、Claude Code内で /mcp を実行し、ブラウザでStripeの認証を済ませます。
/mcpMCPクライアントがOAuthに対応していない場合の代替として、制限付きAPIキーをAuthorizationヘッダーにベアラートークンとして渡す接続方法も用意されています。自律的に動くエージェントを自作する場合はこちらが使われますが、シークレットキーをコードに直接埋め込まず、環境変数やシークレットボールト経由で渡すことが前提です。
使えるツール — 何を読み書きできるか
Stripe MCPサーバーは、汎用APIツールと個別機能に特化したツールの2階建てで構成されています。
| ツール分類 | 代表的なツール | 読み書き | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 汎用API | 代表的なツールstripe_api_read / stripe_api_write | 読み書き読み書き両方 | 主な用途個別ツールが無いAPIも含め、Stripe APIの大部分を横断的に操作 |
| 顧客・請求書 | 代表的なツール顧客の取得・作成・更新、請求書の作成・確定・無効化 | 読み書き読み書き | 主な用途経理・営業向けの顧客管理と請求処理 |
| 返金 | 代表的なツールcreate_refund | 読み書き書き込み | 主な用途返金の実行 |
| サブスクリプション | 代表的なツール一覧取得・作成・更新・キャンセル | 読み書き読み書き | 主な用途契約状況の確認と変更 |
| Treasury残高(パブリックプレビュー) | 代表的なツールget_balance_summary | 読み書き読み取り | 主な用途Stripe残高とTreasuryアカウントの残高サマリー表示 |
| ドキュメント検索・実装支援 | 代表的なツールsearch_stripe_documentation / stripe_implementation_planner | 読み書き読み取り | 主な用途決済フローの実装方法の相談 |
| レポート | 代表的なツールstripe_report | 読み書き読み書き | 主な用途レポートの検索・取得・作成 |
このほか、顧客・支払い(Charge)・PaymentIntent・Checkoutセッション・サブスクリプションスケジュール・クーポン・プロモーションコード・商品・価格・決済用リンクにも対応します。不審請求(dispute)・Webhookエンドポイント・税設定・入金(payout)・Issuing関連のカードや取引など、対応するAPIメソッドの種類は広範囲に及びます。個別ツールが用意されていない操作でも、stripe_api_read / stripe_api_write を通せば大半のStripe APIに手が届きます。
「Treasury」はStripe上で資金を保有・管理するための機能です。get_balance_summaryを使うと、通常のStripe残高とTreasuryアカウントの残高を1つのやり取りで横断的に確認できます。複数の資金プールをまたいで残高を把握したい経理担当者にとって、ダッシュボードの画面を切り替えずに済む点が実務上の利点です。
StripeのMCPサーバーは他のクライアントからも使える
同じhttps://mcp.stripe.comというエンドポイントは、Claude専用ではありません。Cursor・ChatGPT・VS Codeといった他のMCP対応クライアントからも利用できるよう公式に案内されています。社内でClaude以外の開発ツールも併用しているチームでは、認証したStripeアカウントの範囲でどのクライアントから接続しても同じデータにアクセスできる設計になっています。
対応するAPIの範囲 — 決済以外も含む
Stripe MCPサーバーが読み書きできる範囲は、いわゆる決済処理だけにとどまりません。stripe_api_read / stripe_api_write を通じて、次のような領域のAPIメソッドにも対応しています。
| 領域 | 扱えるデータの例 |
|---|---|
| 税務 | 扱えるデータの例税設定の取得・更新、税コードの一覧・取得、税務登録の一覧・取得・作成 |
| カード発行(Issuing) | 扱えるデータの例オーソリ・カード会員・カード・不審請求・取引の一覧と取得 |
| 資金管理(Money Management、v2 API) | 扱えるデータの例アカウント・調整・金融アカウント・入出金・受取クレジット・受取デビット・取引エントリの一覧と取得 |
| 顧客ポータル | 扱えるデータの例ポータル設定の一覧・取得 |
税務登録やカード発行まわりのデータを扱う会社では、経理・コンプライアンス担当者が個別のダッシュボード画面を行き来せずに済むのが実務上の利点です。資金管理(Money Management)まわりのAPIはプレビュー版の扱いになっているため、本番運用での挙動は変わる可能性がある点は踏まえておく必要があります。
認証セッションの確認と取り消し
接続したOAuthセッションは、Stripeダッシュボードのユーザー設定にある「OAuthセッション」から自分で確認できます。特定のセッションを取り消したいときは、一覧から対象を見つけてオーバーフローメニューから「アクセスの取り消し」を選ぶだけです。
管理者の場合は、チームメンバーのOAuthセッションを閲覧・取り消す権限も持てます。「チームとセキュリティ」の設定ページからメンバーを選び、詳細ページの「OAuthセッション」テーブルから個別または一括で取り消せます。セッション管理の対象範囲は、いま表示しているアカウントまたは組織と、現在の環境(本番かサンドボックスか)に限られます。
連結アカウント(Stripe Connect)で使う場合の注意
Stripe Connectで複数の連結アカウントを扱うプラットフォームの場合、連結アカウントとしてMCPを呼び出すときはOAuthを使えません。代わりに、適切なConnect権限を持つ制限付きアクセスキーを使い、Stripe-Accountヘッダーで対象のアカウントを指定します。
{
"mcpServers": {
"stripe": {
"url": "https://mcp.stripe.com",
"headers": {
"Authorization": "Bearer rk_xxxxxxxxx",
"Stripe-Account": "acct_xxxxxxxxx"
}
}
}
}自分のアカウントを直接操作するだけなら、この設定は不要です。連結アカウントを代理で操作するエージェントを構築する場合にだけ関係してきます。
よくあるつまずき
- 書き込み系のツールを誤って実行してしまう: 返金や請求書の確定は取り消しが難しい操作です。Stripeもツール一覧の説明で手動確認を有効にすることを推奨しています。重要な操作の前には、Claudeに実行内容を復唱させてから進めると安全です
- MCPアクセスが有効なのにつながらない: 管理者がダッシュボードでMCPアクセスを有効にしていても、サンドボックス環境と本番環境は別管理です。見ているデータが本番か開発用かを先に確認します
- 連結アカウントの操作でOAuth接続がエラーになる: Connectプラットフォームで連結アカウントを操作したい場合、OAuthは非対応です。制限付きアクセスキーと
Stripe-Accountヘッダーの組み合わせに切り替えます - プロンプトインジェクションのリスクを見落とす: Stripeを他の外部ツールと同時に使う会話では、外部から取り込んだテキストが意図しない操作の引き金になり得ます。決済系のツールほど、他のMCPサーバーとの併用時は慎重さが必要です
まとめ
Claude Stripe連携は、顧客・請求書・サブスクリプション・返金といった決済データを会話の中で扱うための公式コネクタです。接続自体はclaude.aiのディレクトリからでもClaude CodeのCLIからでも数分で終わりますが、書き込み系のツールは取り消しにくい操作を伴います。まずは読み取り中心の依頼で慣れてから、返金や請求書発行のような操作を任せるのが安全な進め方です。具体的な経理業務での使い方はClaude Stripe経理業務の効率化に使う方法にまとめています。
よくある質問
Claude CodeとWeb版のどちらで使うべきですか
権限やできることは同じで、接続の入口が違うだけです。ターミナルでの作業に組み込みたいならClaude Code、日常の会話の延長で使いたいならclaude.aiが向いています。
追加料金はかかりますか
MCP連携自体に追加のStripe側の料金はありません。ただしAPI呼び出しは通常のStripe利用に含まれる扱いなので、既存の利用規約や制限が引き続き適用されます。
返金を実行する前に確認する方法はありますか
create_refundは書き込み系のツールです。実行前にClaudeへ対象の支払いと金額を復唱させ、意図した内容と一致するかを確認してから進めることをおすすめします。
複数のStripeアカウントを切り替えて使えますか
OAuth接続は1つのアカウントに対して行われます。別のアカウントを扱いたい場合は、いったん接続を解除してから該当アカウントで接続し直します。連結アカウントを横断的に操作したい場合は、制限付きアクセスキーとStripe-Accountヘッダーを使う方法が向いています。
接続先のエンドポイントが変わることはありますか
Stripe側の都合でMCPサーバーのエンドポイントURLが変更される可能性はゼロではありません。その場合でも既存の接続はそれまでのエンドポイントで動き続けるため、認証をやり直す必要はすぐには生じません。ディレクトリ上の表示とズレて「Custom」接続として表示されるようになったときは、いったん削除してから改めてディレクトリから追加し直すと最新の状態に揃います。