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Claude CodeとAmpを比較する — Librarianサブエージェントとの違い

Claude CodeとAmpを比較する — Librarianサブエージェントとの違い

Claude CodeとAmpをモデル戦略・サブエージェント・実行環境の隔離・MCP対応・料金で比較します。

Claude CodeとAmpは何が違うのか

Claude CodeはAnthropicが提供するCLI型のコーディングエージェントで、Claudeファミリーのモデルだけで動きます。一方のAmpは、GPT系とClaude系のモデルを併用するマルチモデル設計のコーディングエージェントです。開発チームにはSourcegraphの創業者だったQuinn Slack氏やSourcegraph出身のThorsten Ball氏が名を連ねていますが、公式Aboutページは自らを「独立系エージェント研究ラボ」と説明しています。両者の違いは開発元の系譜だけではありません。サブエージェントの構成、コマンド実行の隔離方式、MCPサーバーの管理場所、料金の仕組みまで、設計思想がそれぞれ異なります。

この記事では、Ampの公式ドキュメント(ampcode.com/docs)とClaude Codeの公式ドキュメントを突き合わせ、モデルの選び方・サブエージェントの構成・コマンド実行の隔離方式・MCPサーバーの管理方法・料金体系という5つの軸で比較します。いずれも「どちらが優れているか」ではなく、チームの運用に合うのはどちらかを判断するための軸です。

導入方法の違い — 対応OSとインストール手順

両方ともmacOS・Linux・Windowsで動きますが、Windowsの扱いに差があります。Claude CodeはWindows PowerShellとCMD向けのネイティブインストーラーを個別に持ちます。

curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash

AmpのCLIはmacOS・Linuxをネイティブでサポートし、WindowsはWSL経由に限られます。インストールコマンドの形自体はClaude Codeと同じcurlパイプ方式です。

curl -fsSL https://ampcode.com/install.sh | bash

モデルの選び方 — モデル指定とThe Dial

Claude Codeはサブエージェント定義のmodelフィールドや/modelコマンドで、sonnetopushaikufableといったモデルエイリアスやフルモデルIDを直接指定します。加えてlowからmaxまでの5段階のeffort(思考の深さ)を、モデルとは別に調整できます。

Ampはこれとは違う発想で、lowmediumhighultraの4段階(低・中・高・超高)を切り替える「The Dial」という仕組みを持ちます。1つのモードは「モデル・推論の強さ・システムプロンプト・使えるツール・Oracle」をまとめて1セットにしたもので、モデル名そのものではなくタスクの難しさでモードを選ぶ設計です。公式ドキュメントは「モードはスレッドの最初のメッセージで固定され、途中で変更できない」と明記しています。理由は、途中でモデルが変わると会話の質が落ちやすいことと、プロンプトキャッシュが無効化されてコストが上がることの2点です。

highモードでは、メインエージェントにGPT-6 Astra(標準的な推論強度)、後述のOracleにClaude Fable 5.1(最高水準の推論強度)が既定で割り当てられます。モード裏で実際にどのモデルを使うかはAmp側の判断で更新されていく設計です。Claude Codeがモデルという単位で選ばせるのに対し、Ampはモードという単位で選ばせる、という粒度の違いがあります。

サブエージェント比較 — 標準搭載の顔ぶれの違い

両ツールとも、メインの会話とは別のコンテキストウィンドウで作業する補助エージェントの仕組みを持ちますが、標準搭載の顔ぶれが異なります。

項目Claude CodeAmp
標準の探索役Claude CodeExplore(読み取り専用、コードベース検索・理解)AmpSearch(コード検索)
標準の計画役Claude CodePlan(プランモード中のリサーチ専用)Ampなし(The Dialのhigh/ultraが代替)
難問の相談役Claude Codeなし(汎用サブエージェント・モデル格上げで代替)AmpOracle(セカンドオピニオン用モデル)
外部コードの調査役Claude CodeなしAmpLibrarian(GitHub上の公開コード・自分のプライベートリポジトリを横断調査)
スレッド要約役Claude CodeなしAmpRead Thread(他のAmpスレッドを読んで要約)
カスタムサブエージェントClaude Code.claude/agents/にMarkdown+YAMLで定義。ツール制限・permissionMode・hooks・永続メモリまで細かく設定可能Ampプラグイン経由でカスタムモード・カスタムサブエージェントを定義可能

とくに際立つのがAmpのLibrarianです。LibrarianはGitHub上の公開コードすべてと、接続済みのプライベートリポジトリを検索・読解します。対象はデフォルトブランチのコードのみです。自分のリポジトリだけでなく、依存先のフレームワークやライブラリのソースコードそのものを横断調査させる使い方が想定されています。対してClaude Codeの標準サブエージェントExploreは、開いているプロジェクト内のコードベース検索に特化しています。GitHub上の他リポジトリを横断検索する標準機能は持ちません。同等のことをしたい場合は、GitHub連携のMCPサーバーを追加するか、汎用サブエージェントにWebSearch・WebFetchを使わせる形になります。

Oracleというセカンドオピニオンの仕組み

Ampはメインエージェントとは別に、複雑な推論やレビューに特化した「セカンドオピニオン」用のモデルをoracleという名前のツールとして持っています。highモードでは既定で、メインエージェントがGPT-6 Astra(標準的な推論強度)、Oracle側がClaude Fable 5.1(最高水準の推論強度)という組み合わせで動きます。メインエージェントは自律的にOracleへ相談するかどうかを判断できますが、コストと速度の兼ね合いから常にOracleを使うようには強制していません。

Claude Codeには同名のツールはありませんが、近い役割は汎用サブエージェント(general-purpose)への委譲や、/modelでセッション自体をOpusのような上位モデルへ切り替える運用が担います。「メインの会話とは別のモデルに、特定の難問だけをレビューさせる」というワークフローを1つのツール呼び出しに固定しているかどうかが、両者の設計の違いです。

実行環境の隔離 — サンドボックスとOrb

Claude Codeはローカル環境にBashツール専用のサンドボックスを内蔵しています。macOSはSeatbeltフレームワーク、Linux/WSL2はbubblewrap+seccompでOSレベルの隔離をかけ、/sandboxコマンドで有効化・設定を確認できます。既定では書き込み先を作業ディレクトリなどに絞り、ネットワークは未許可のドメインへの初回アクセス時に承認を求める設計です。

Ampは既定でツール実行の承認を求めません。未検証のリポジトリやMCPサーバーを扱う場合は、カスタムポリシープラグインを作るか、隔離された開発環境を使うよう案内されています。つまりローカルCLI実行そのものには、OSレベルのサンドボックスを標準搭載していません。

代わりにAmpが用意しているのが「Orb」です。Orbはスレッドごとに作られるリモートのクラウドマシンで、コードとツール、プラグインがあらかじめ用意された状態で動きます。ラップトップを閉じても処理が続き、依存関係のインストールやアプリの起動、ブラウザ操作、テストの実行までOrb内で完結します。Orbは1ユーザーあたり最初の20台までバーストで作成でき、それ以降は5分に1台のペースに制限されます。

ターミナルを閉じても処理を続けたいときの挙動には、両者で見落としやすい差があります。Claude Codeにもバックグラウンドセッションの仕組みがあり、ローカルのsupervisorプロセスが管理します。ターミナルやagent viewを閉じてもセッションはsupervisor配下で動き続けます。ただしsupervisorはリモートVMではなくローカルプロセスなので、マシンがスリープすると処理も一時停止します。セッション自体は保持され、復帰するとsupervisorが再接続して処理を再開します。一方AmpのOrbはリモートのクラウドマシン上で動くため、ラップトップを閉じてもスリープさせても処理が継続します。

つまりClaude Codeは「ローカルで動かしつつOSの機能で隔離する」設計、Ampは「隔離自体をリモートの使い捨てマシンに任せる」設計です。似た切り口でCodex CLI・Cursor・Devinのサンドボックス実装を比較した記事をAIコーディングエージェントのサンドボックス実装比較にまとめています。Anthropic自身もクラウド側にインフラを持たせる選択肢を別プロダクトとして用意しており、Managed Agentsとの違いはClaude Managed Agentsの使い分けで扱っています。

MCP対応の比較 — スコープと同梱の仕方

MCP(Model Context Protocol)サーバーを追加できる点は共通ですが、設定の置き場所とスコープの粒度が異なります。

Claude Codeはローカル(自分専用の~/.claude.json)・プロジェクト(チーム共有の.mcp.json)・ユーザー(全プロジェクト共通)の3階層を持ちます。同名サーバーはローカル優先で解決されます。通信方式はstdio・Streamable HTTP・SSE(非推奨)に加えてWebSocketにも対応しています。

Ampは「ローカル設定(amp.mcpServers)」と「ampcode.com側に保存するリモートMCP定義」の2系統を持ちます。リモート定義はさらに個人(--personal)・ワークスペース・プロジェクトのスコープに分かれます。ワークスペース設定ファイル(.amp/settings.json)に書いたMCPサーバーは、初回に明示的な承認(amp mcp approve)が必要です。公式ドキュメントは、ほとんどの用途でMCPサーバーをユーザー設定に直接足すのではなく、スキル単位のmcp.jsonにまとめて必要なときだけ読み込む構成を推奨しています。こうすることで、ツール一覧が常に肥大化するのを防げます。Claude CodeでもMCPサーバーをスキルフォルダに同梱できます。ただしその場合はスキルフォルダ自体を.claude-plugin/plugin.json付きのプラグインとして扱う必要があります。この分、Ampの方が同梱の手続きは軽量です。

MCPサーバーへのOAuth対応でも違いがあります。Claude Codeは動的クライアント登録やCIMD自動検出、静的クライアントID/シークレット指定まで自前で処理します。一方Ampのリモート定義は、OAuthフロー自体をampcode.com側がホストしており、amp mcp remote loginでブラウザ経由の認証URLを発行する形です。Orb内ではブラウザベースのOAuthフローが使えないため、Orbで認証済みのリモートMCPサーバーを使うにはこのampcode.com経由の定義が前提になります。他のAIコーディングエージェントとのMCP対応差はAIコーディングエージェントのMCP対応状況を比較するでさらに広く扱っています。

AGENTS.mdとCLAUDE.md — プロジェクト設定ファイルの読み方

プロジェクト固有のガイダンスを渡すファイルの扱いも異なります。AmpはデフォルトでAGENTS.mdを探します。そのディレクトリにAGENTS.mdが無く、AGENT.md(S無し)やCLAUDE.mdがあれば、そちらを読み込むフォールバック仕様です。つまりAmpは、Claude Code用に書かれたCLAUDE.mdをそのまま流用できます。Claude Code側のネイティブなプロジェクト設定ファイルはCLAUDE.mdで、ユーザー・プロジェクト・ローカルの各階層から読み込まれます。両ツールを併用するプロジェクトでは、CLAUDE.mdを1つ用意しておけば、AGENTS.mdを別途書かなくてもAmp側がそれを拾ってくれる形です。

スキルの互換性

Ampの「Skills」は、タスクに応じて指示とリソースをまとめたディレクトリという点でClaude Codeのスキル機構と同じ発想です。興味深いのは読み込み先の優先順位です。Ampは~/.config/agents/skills/のようなAmp独自の場所に加えて、Claude Code互換の場所も検索対象にしています。具体的には.claude/skills/(プロジェクト)・~/.claude/skills/(ユーザー)・~/.claude/plugins/cache/の3つです。これらのClaude互換の場所を読み込ませたくない場合の設定(amp.skills.disableClaudeCodeSkills)も用意されています。Claude Code用に書いたスキルディレクトリを、Amp側でもそのまま動かせることを前提にした設計です。

料金体系の違い — サブスクリプション同梱とクレジット従量制

Claude Codeは通常、Claude.aiのProプラン(年契約で割引を適用すると月額$17〜、月払いなら$20)やMaxプラン(月額$100〜)に含まれる形で提供され、使用量は各プランの利用上限の枠内で扱われます。大量にコーディングセッションをこなす場合は、Consoleアカウント経由のAPI従量課金に切り替えることもできます。

Ampは月額の階層プランに加え、プランの利用枠を使い切った後は従量課金のクレジットを追加購入して使い続ける方式です。個人および非エンタープライズのワークスペースでは、プロバイダーのAPI価格に上乗せ(マークアップ)をしません。実際にそのスレッドで消費したAnthropicやOpenAIのAPI実費が、そのままクレジットから差し引かれます。加えてOrbの利用は別枠のリソースとして分単位で課金されます。エージェントの作業が終わってから5分後、または最後にユーザーが操作してから20分後のいずれか遅い方でOrbは一時停止し、停止中は課金されません。

使い分け早見表

優先したいこと向いているツール理由
依存ライブラリやGitHub上の他リポジトリまで横断調査させたい向いているツールAmp理由Librarianサブエージェントが公開コード・プライベートリポジトリを横断検索する
ローカルのOSサンドボックスで隔離しつつ対話的に使いたい向いているツールClaude Code理由Seatbelt/bubblewrapによるローカル隔離と、既存のClaude.aiサブスクリプションで完結する
スリープ中も処理を進めたい向いているツールAmp理由Orbはリモートのクラウドマシンで動くため処理が継続する(Claude Codeはローカルのsupervisor管理なので、スリープ中は処理が一時停止し復帰時に再開する)
モデルの費用をAPI実費に近づけたい向いているツールAmp理由個人・非エンタープライズ向けにAPI価格への上乗せをしない従量クレジット
WebSocketなど複数のMCPトランスポートを使い分けたい向いているツールClaude Code理由stdio・Streamable HTTP・SSE・WebSocketの4方式に対応

まとめ

Claude CodeとAmpは、同じ「AIコーディングエージェント」というカテゴリにいながら、設計の前提が異なります。Claude Codeは単一ベンダー(Anthropic)のモデルをローカルのOSサンドボックスで動かし、既存のClaude.aiサブスクリプションに組み込まれた体験です。Ampは複数ベンダーのモデルを組み合わせています。Librarianによる外部コード調査やOracleのセカンドオピニオン、Orbによるクラウド実行という独自の仕組みを、API実費ベースのクレジット課金の上に構築しています。他リポジトリを横断調査する頻度が高いチームや、ラップトップを閉じても処理を続けたいワークフローには、Ampの仕組みが向きます。既存のClaude.aiプランの中で完結させたいチームには、Claude Codeが向きます。

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