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Claude Code Artifactsの組織管理 — 公開範囲・保持期間・監査ログ

Claude Code Artifactsの組織管理 — 公開範囲・保持期間・監査ログ

Team・EnterpriseのOwnerがArtifactsを統制する設定 — 有効化・公開範囲・保持期間・監査ログ・Compliance APIでの一覧削除の手順です。

Claude Code Artifactsの組織管理で変わること

Claude Code Artifactsは、Pro・Maxでは非公開のまま個人が使う機能です。組織側の管理は一切かかりません。これがTeam・Enterpriseになると事情が変わります。Teamでは既定でオンになり、EnterpriseではOwnerがclaude.aiの管理コンソールで有効化するまでオフです。管理コンソールの設定項目は7つに分かれ、有効化・ロールスコープ・公開範囲・コネクタ呼び出し・保持期間・監査ログ・Compliance APIによる一覧削除がそれぞれ独立したトグルや画面を持ちます。

Team・EnterpriseそれぞれでOwnerが設定する項目は次のとおりです。

管理項目TeamEnterprise
Artifacts全体の有効化 / 無効化TeamOwnerが設定EnterpriseOwnerが設定
ロール単位のスコープ制限Team対象外EnterpriseRBAC設定時のみ可能
公開範囲(External sharing)TeamOwnerが設定EnterpriseOwnerが設定
コネクタ呼び出しの許可TeamOwnerが設定EnterpriseOwnerが設定
保持期間(私用 / 共有で別設定)TeamOwnerが設定EnterpriseOwnerが設定
監査ログの claude_artifact_* イベントTeam記録されるEnterprise記録される

前提として、Artifacts自体はClaude Code CLI v2.1.183以降(デスクトップアプリはv1.13576.0以降)が必要です。組織側で有効化していても、古いCLIのままのメンバーには機能が出ません。Agent SDK・GitHub Action・MCPサーバーの実行文脈では既定でオフで、CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC を設定したセッションも対象外になります。ロールアウト計画にはこのCLIバージョン要件を組み込んでおく必要があります。

トグルをすべてオンにしても、動かない組織が2種類あります。1つはモデル提供元の制約です。ArtifactsはAnthropic APIで動くセッション向けの機能で、Amazon Bedrock・Google CloudのAgent Platform・Microsoft Foundry経由のセッションでは使えません。もう1つは組織のコンプライアンス設定です。Customer-managed encryption keys(CMEK)・HIPAA・Zero Data Retentionのいずれかを組織で有効化していると、Artifacts自体が全面的に使えなくなります。管理コンソールのトグルはオンのまま何も表示されない状態になるため、「有効化したのに動かない」という問い合わせが来たら、まずこの2点を疑うのが早道です。また、セッションがAPIキー・ゲートウェイトークン・クラウドプロバイダの資格情報で認証されている場合も対象外です。claude.aiアカウントでサインインしたセッションだけがArtifactsを公開できます。

ステップ1: 有効化とロール単位のスコープを設定する

組織全体のオン・オフは「Settings > Claude Code > Capabilities」のArtifactsトグルで切り替えます。Enterpriseでロールベースのアクセス制御(RBAC)を使っている組織は、これに加えて「Settings > Roles」で対象のロールを開き、Claude Codeグループの中のArtifacts権限だけを個別に絞り込めます。全社一律ではなく、たとえば契約社員のロールだけArtifactsを外す、といった運用ができます。

編集者権限で複数人が同じArtifactを更新していく共同編集の仕組みはTeam・Enterprise限定です。この権限自体の使い方はClaude Code Artifactsのデザインシステムと共同編集にまとめているので、組織設定の次はそちらを確認してください。

ステップ2: 公開範囲を内部限定にするか外部まで許すか決める

Team・Enterpriseでは、公開範囲は既定で組織内限定です。サインインしていない外部の誰でも見られる公開リンクを作れるようにするには、「Settings > Claude Code > Capabilities」のArtifactsトグル配下にあるExternal sharingを明示的にオンにする必要があります。

ここでの挙動には注意点があります。External sharingをオフに戻しても、各Artifactに設定された公開範囲(誰と共有するか)自体は変更されません。既存の公開リンクからのアクセスがブロックされるだけです。再度オンにすると、同じ公開リンクが何の設定もし直さずにそのまま復活します。「オフにした=共有設定が消えた」ではない点は、退職者対応やインシデント対応でオフを一時的に使う運用者ほど誤解しやすいところです。

ステップ3: コネクタ呼び出しは別トグルで管理する

Artifactsを有効化しても、公開後のページがMCPコネクタを呼び出してデータを更新し続ける機能は自動では有効になりません。この機能は「Settings > Capabilities」のEnable artifact connectorsという別のトグルで管理します。Artifacts本体のトグルとは配置場所が違い、claude.aiの会話内で作られたArtifactsのコネクタ呼び出しとも共通です。片方だけを止める設定は存在しません。

コネクタ連携のArtifactを作る具体的な手順と、閲覧者ごとにデータが変わる仕組みはClaude Code ArtifactsのMCP連携で公開後もライブデータを更新するで扱っています。組織側の設定を有効化しただけでは動きません。

ステップ4: 保持期間を私用分と共有済み分で分けて設定する

「Settings > Data & privacy controls」で、Artifactsの自動削除までの保持期間を設定します。ここで指定できるのは1本の期間ではなく2本です。作者だけが見ている非公開のArtifactと、誰かと共有済みのArtifactで、別々の期間を指定できます。社内配布用のダッシュボードのような共有物だけ長めに残し、個人の下書きは短い周期で消す、といった使い分けが可能です。

ステップ5: 監査ログで公開・共有・削除を追跡する

Artifactsの公開・共有・削除は、それぞれ組織の監査ログに claude_artifact_* というイベント種別で記録されます。これはclaude.aiの会話内で作られたArtifactsの記録と同じイベント系列で、Claude Code由来かどうかで別集計にはなりません。

監査ログをエクスポートする画面自体はEnterprise限定の機能で、Organization OwnerとPrimary Ownerだけが「Organization settings > Data and Privacy」のExport logsから取得できます(取得できる範囲は直近180日分)。この画面の詳しい列構成やイベントの分類はClaude監査ログの見方にまとめています。Teamプランでの監査ログの扱いは公式ドキュメントに明記がなく、ここでは断定しません。Enterpriseでの運用を前提に設計してください。

ステップ6: Compliance APIでArtifactsを一覧・削除する

管理コンソールの画面操作とは別に、Compliance APIには code/artifacts 専用のエンドポイントがあります。組織のArtifactsをプログラムから棚卸しする、退職者のArtifactsを一括削除する、といった運用はこちらを使います。

メソッドエンドポイント用途
GETエンドポイント/v1/compliance/code/artifacts用途組織のArtifactsを一覧取得
GETエンドポイント/v1/compliance/code/artifacts/{artifact_id}/versions/{version_id}用途特定バージョンの本文を取得
DELETEエンドポイント/v1/compliance/code/artifacts/{artifact_id}用途Artifactを削除

呼び出しの形は他のCompliance APIエンドポイントと同じで、x-api-key ヘッダーにCompliance Access Keyを渡します。Admin API keyはActivity Feed専用で、code/artifactsのような他のエンドポイントには使えないので注意してください(Compliance APIのセットアップとアクセスキー作成参照)。

curl --fail-with-body -sS \
  "https://api.anthropic.com/v1/compliance/code/artifacts" \
  --header "x-api-key: $ANTHROPIC_COMPLIANCE_ACCESS_KEY" \
  --header "anthropic-version: 2023-06-01"

削除は対象のArtifact IDを指定したDELETEリクエストです。

artifact_id="artifact_01H5CWunD7RpVJ5bHa8RCkja"
 
curl --fail-with-body -sS -X DELETE \
  "https://api.anthropic.com/v1/compliance/code/artifacts/$artifact_id" \
  --header "x-api-key: $ANTHROPIC_COMPLIANCE_ACCESS_KEY" \
  --header "anthropic-version: 2023-06-01"

一覧・取得エンドポイントの絞り込みパラメータやレスポンスの項目は、Compliance APIリファレンスのスキーマ定義で確認してください。キー自体を持っていない場合は、先にCompliance APIのセットアップとアクセスキー作成でCompliance Access Keyを発行します。

よくあるつまずき

個人が設定を切ったあと、組織側で戻せなくなる: メンバーが /config や設定ファイルで "enableArtifact": false にした場合、Claude Code v2.1.242以降は組織側やプロジェクト側の設定でも上書きできません。v2.1.242より前のバージョンでは、優先度の高い設定ファイルが後から有効化し直せる挙動でした。個人が意図的にオフにしたメンバーへ再度案内するときは、まずCLIのバージョンを確認します。

Artifactsトグルとコネクタトグルを混同する: 「Artifactsが表示されない」という問い合わせの原因がコネクタ呼び出しの停止だった、という逆のケースもあります。トグルの場所が違うので、問い合わせ対応では両方を切り分けて確認します。

ネットワーク制限環境でビューアが真っ白になる: 組織がプロキシやファイアウォールでアウトバウンド接続を絞っている場合、Artifactsを配信する追加CDNホスト群である*.claudeusercontent.comの許可漏れが典型的な原因です。フォント用のfonts.googleapis.comfonts.gstatic.comとJavaScriptライブラリ用のcdnjs.cloudflare.com等は任意ですが、ブロックする場合は遅延ではなく即座に拒否する設定にしないと初回描画が遅延します。クラウド環境でのドメイン許可リストの組み方はクラウド環境のネットワークアクセス設定にまとめています。

まとめ

Team・EnterpriseでのArtifacts組織管理は、有効化・公開範囲・コネクタ呼び出し・保持期間の4つがOwnerの管理コンソール操作で完結し、監査ログとCompliance APIがそのあとの追跡・削除を担います。ロール単位のスコープ制限はEnterpriseのRBAC設定時のみ使える点、個人設定の上書き不可がv2.1.242以降の挙動である点は、導入時に見落としやすいので最初に確認してください。組織全体の権限設計やSandboxingとあわせて統制したい場合はClaude Codeセキュリティ・権限ガイドを参照してください。

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