Claude Codeのバグ報告とフィードバック送信(/bug /feedback)
/bugと/feedbackで送る内容・同意画面・送信先と、サードパーティ接続時に~/.claude/feedback-bundles/へ保存されるローカルアーカイブの扱い方をまとめます。
不具合を報告したいとき、まず何が起きるか
/bugと/feedbackは、Claude Codeの不具合報告や製品フィードバックをセッションの文脈ごと送るコマンドです。/feedbackは/bugと同じダイアログを開き、同意の手順も送信ルールも同じです。/bugには/shareという別名があります。v2.1.212より前は/bugと/shareが/feedbackの別名でした。無効化の環境変数も、旧名のDISABLE_BUG_COMMANDが今も通ります。
/bugは引数なしでもダイアログが開きます。説明文を引数に付けて/bug ツールが失敗するのように打つこともできます。/feedbackだけは例外です。Claudeが下書きを作るSendFeedbackツールが使える環境では、引数なしの/feedbackが下書きの一覧を開き、確認・編集・送信・破棄を選べます。この一覧には、新しく自分で報告を書く選択肢もあります。
送信までの流れ
- 1
含める履歴の範囲を選ぶ
既定は現在のセッションだけです。同じプロジェクトの直近24時間、または直近7日間の他のセッションも含められます。
- 2
説明文を書く
説明文は必須です。v2.1.178より前は空でも進めてしまい、モデルの拒否応答がGitHub issueのタイトルに使われることがありました。
- 3
同意画面で内容を確認する
送信される内容を見てから確定します。確定するまで、何も送られません。
- 4
送信または保存される
サインイン状態と接続方式によって、Anthropicへ送られるか、手元のディスクに保存されるかが分かれます。
コマンド全体の見取り図はClaude Codeスラッシュコマンド一覧にあります。
送信先はサインイン状態と接続方式で決まる
Anthropicの認証情報でサインインした通常の接続(ファーストパーティ接続)と、それ以外では、レポートの行き先がまったく違います。
レポートの行き先
ファーストパーティ接続
コードを含む会話履歴のコピーがAnthropicへ送られます。データはGoogle Cloud Storageに保存され、任意でGitHubの公開リポジトリにissueが作られます。
Bedrock・Agent Platform・認証情報なし
Anthropicには送られず、~/.claude/feedback-bundles/配下のアーカイブとして書き出されます。既知のキーやトークンのパターンは書き出し時点で伏字化されます。ファイルをアカウント担当者に送るかサポートリクエストに添付するまで、内容は手元のマシンから出ません。
読み違えやすい点が3つあります。/feedbackの送信内容と保存先はdata-usageページ、コマンドの挙動はcommandsページと、記述が2つの公式ページに分かれているためです。
- 保持期間は経路で違います。data-usageには、
/feedback(/bugと/shareを含む)で共有したトランスクリプトの保持期間が5年とあります。一方、セッション品質アンケートの追撃でトランスクリプトを共有した場合は、最長6か月と書かれています。「6か月」はアンケート経由の数字で、/bugや/feedbackの数字ではありません。 - 保存先は同じでも対象が違います。
/feedbackでローカルアーカイブに切り替わるのは、Bedrock・Agent Platformなどのサードパーティプロバイダと、Anthropicの認証情報がない場合です。アンケートの追撃「Yes」でローカル保存になるのは、Bedrock・Agent Platform・Foundryと、サインイン済みのClaude apps gatewayです。gatewayはアンケート側だけ、認証情報なしは/feedback側だけに書かれています。 - Claude apps gatewayでは経路が塞がれています。サインイン済みのゲートウェイセッションでは、利用状況の分析・エラーレポート・アンケートの評価値がゲートウェイの認証情報で無効になり、再有効化する設定はありません。
会社の環境で「何も送られていない」ように見えるとき
Bedrock経由の環境で/feedbackを実行しても、Anthropicの側には何も届きません。レポートが失われたわけではなく、~/.claude/feedback-bundles/にファイルとして残っています。この状態を切り分けるには、次の順で見ます。
- どの接続方式で動いているか。
CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK・CLAUDE_CODE_USE_VERTEX・CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRYのいずれかが1なら、ローカル保存の側です。Claude Platform on AWS(CLAUDE_CODE_USE_ANTHROPIC_AWS)は、/feedbackのローカル保存を明記した記述が見当たりません。 - 組織のポリシーで無効化されていないか。無効なら、コマンドを実行したときに理由が表示されます(v2.1.91以降)。
- 環境変数で止めていないか。
DISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1は/feedbackのレポート自体を無効にします。
アーカイブを社内で配布・共有する場合は、中身を確認してから判断する必要があります。伏字化されるのは既知のパターンだけで、それ以外の会話内容はそのまま残ります。
古いバージョンで作ったアーカイブには注意が必要です。v2.1.141より前は、伏字化の処理がセッションIDのような引用符付きの値を含むJSONを壊し、アーカイブが不正なJSONになることがありました。社内でバンドルの中身を検査する運用を組んでいるなら、古い生成物が読み込めない原因の一つとして覚えておくと、無駄な調査を避けられます。
VS Codeの拡張機能では、/bugが拡張機能自身のフィードバックダイアログを開きます(v2.1.229以降)。Vertex・Bedrock・Foundryで送信後に拒否される不具合は、v2.1.284でターミナルと同じくローカル保存に直っています。
アンケートと通知を環境変数で調整する
セッション品質アンケート(「How is Claude doing this session?」)は、/feedbackとは別の仕組みです。評価の数字だけが記録され、トランスクリプトは含まれません。回答後の追撃質問で「Yes」を選んだときに限り、トランスクリプトが送られます。
この共有には、直前のリクエストで使ったシステムプロンプト(CLAUDE.mdの内容を含む)・ツール定義・モデルのパラメータも同意のうえで加わります(v2.1.224)。秘密情報は伏字化され、共有が大きすぎる場合はこれらのフィールドから先に落とされます。
止め方は目的別に選べます。
| やりたいこと | 設定 |
|---|---|
| アンケートだけ止める | 設定CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1 |
/feedbackのレポートを止める | 設定DISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1 |
| 頻度だけ下げる | 設定設定ファイルのfeedbackSurveyRateに0〜1の確率 |
| 非本質的な通信を一括で止める | 設定CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC |
| アンケートの評価値だけ自社コレクターへ | 設定CLAUDE_CODE_ENABLE_FEEDBACK_SURVEY_FOR_OTEL=1 |
DISABLE_TELEMETRYとDO_NOT_TRACKを設定した場合も、アンケートは自動で無効になります。CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICは、WebFetchの安全性チェックと公式プラグインマーケットプレイスの自動インストールには効きません。前者はskipWebFetchPreflight、後者はCLAUDE_CODE_DISABLE_OFFICIAL_MARKETPLACE_AUTOINSTALLで個別に止めます。
最後のCLAUDE_CODE_ENABLE_FEEDBACK_SURVEY_FOR_OTEL=1は、通信を止めつつアンケート回答だけを自前のOpenTelemetryコレクターで集めたい組織向けです。トランスクリプト共有の追撃を含む、Anthropic向けのフィードバック通信は止まったままです。コレクター側の可視化はClaude CodeのOpenTelemetryで利用量とコストを可視化、変数の全体像はClaude Code環境変数リファレンスにあります。
Claudeが下書きを作るSendFeedbackツールは、下書きを~/.claude/feedback/drafts/に保存し、自分で送るまで何も送りません。動作要件はtools-referenceにv2.1.238以降と書かれていますが、changelogで追加が記録されているのはv2.1.247で、公式同士で記載バージョンが食い違っています。止め方はfeedbackDraftsを無効化してフィードバック下書きを止めるで扱っています。
接続方式ごとの既定値
ホストプラットフォームがCLAUDE_CODE_PROVIDER_MANAGED_BY_HOSTを設定している場合、メトリクスは既定で有効になり、DISABLE_TELEMETRYの通常のオプトアウトに従います。エラーレポートと/feedbackのレポートは、その場合も既定で無効のままです。
表の「無効」は、Anthropicへの送信が既定で止まっているという意味です。Bedrockなどでは、その代わりに手元へ保存されます。
| 接続方式 | メトリクス | エラーレポート | /feedback |
|---|---|---|---|
| Claude API | メトリクス有効 | エラーレポートPro・Maxのサインインでv2.1.198以降は有効、それ以外は無効 | /feedback有効 |
| Google CloudのAgent Platform | メトリクス無効(CLAUDE_CODE_USE_VERTEX=1が前提) | エラーレポート無効 | /feedback無効 |
| Amazon Bedrock | メトリクス無効(CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1が前提) | エラーレポート無効 | /feedback無効 |
| Microsoft Foundry | メトリクス無効(CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1が前提) | エラーレポート無効 | /feedback無効 |
| Claude Platform on AWS | メトリクス無効(CLAUDE_CODE_USE_ANTHROPIC_AWS=1が前提) | エラーレポート無効 | /feedback無効 |
セッション品質アンケートとWebFetchのドメイン安全性チェックは、この表の例外で、接続方式にかかわらず動作します。
/feedbackまわりの変更履歴
/feedbackまわりの修正は、changelogに小さなものが積み重なっています。送信や保存の挙動に関わるものを抜き出しました。
送信・保存に関わる主な変更
- v2.1.14issue URLの生成が安定
説明が長いとGitHub issueのURL生成が壊れる不具合が直りました。
- v2.1.86長いセッションでのクラッシュ
大きなトランスクリプトで
/feedbackを使うとメモリ不足でクラッシュする問題が直りました。 - v2.1.141複数セッションを含められる
直近24時間または7日間のセッションを含められるようになり、
/feedbackバンドルの伏字化でJSONが壊れる不具合も直りました。 - v2.1.149圧縮前の会話も含まれる
コンテキスト圧縮の前に起きた会話もレポートに入るようになり、長いセッションの初期の事象を追いやすくなりました。
- v2.1.224アンケート共有の範囲が拡大
アンケート追撃のトランスクリプト共有に、システムプロンプト・ツール定義・モデルのパラメータが加わりました。
- v2.1.232応答中でも即座に開く
Claudeが応答している最中でも、ターンの終了を待たずにダイアログが開きます。それ以前はキューに入って待機していました。
- v2.1.273リクエスト情報の絞り込み
最後のAPIリクエストのうち、モデル名・システムプロンプト・ツールの3つだけをレポートに含め、リクエストのメタデータと
CLAUDE_CODE_EXTRA_BODYは省くようになりました。同じ版で、製品フィードバックを無効にした組織のVS Codeでも「Report a problem」やフォームが出る不具合が直っています。 - v2.1.281〜v2.1.282キャンセルの取りこぼし
送信中にキャンセルしても送られてしまう不具合と、Remote ControlのStopが届くと送信が毎回「Couldn't send feedback」で失敗する不具合(どちらもv2.1.281)、サードパーティ接続で保存中にキャンセルしても保存が続く不具合(v2.1.282)が直りました。
この他に、v2.1.77のCtrl+D入力の修正、v2.1.108の失敗後の再送、v2.1.144のアンケート後の案内文の変更があります。v2.1.251では、/bugや/shareが無効なときに「/feedbackが無効」と表示していた不具合が直り、組織のポリシーや環境変数で無効化しているときは、ヒントや案内が/feedbackを勧めなくなりました。
まとめ
送信先で迷ったら、接続方式を先に確認します。Bedrock・Agent Platform・Foundryならレポートはディスクに残るだけで、転送は自分の仕事です。ファーストパーティ接続なら、コードを含む会話が5年保持される前提で、含める範囲を選びます。