Claude Codeのバグ報告とフィードバック送信(/bug /feedback)
/bugと/feedbackで送る内容・同意画面・送信先を整理し、サードパーティ接続時に~/.claude/feedback-bundles/へ保存されるローカルアーカイブの扱い方をまとめます。
/bugと/feedbackはどちらも同じダイアログを開く
/bugと/feedbackは同じ確認ダイアログを開く別名関係のコマンドです。どちらもClaude Codeの不具合報告や製品フィードバックをセッションのコンテキストごと送るための入り口で、送る前にどこまでの会話履歴を含めるかを選び、送信内容を確認画面で見てから確定します。
かつては両者の関係が逆でした。v2.1.212より前は/bugと/shareが/feedbackのエイリアスとして扱われており、現在のように/bugが独立したコマンドとして扱われるようになったのはそれ以降です。VS Code拡張機能では事情が異なり、v2.1.229以降の/bugは拡張機能自身が持つフィードバックダイアログを開きます。ターミナル版と挙動が変わるので、VS Code内で試して「ターミナルと違う画面が出た」と戸惑わないための注意点です。コマンド体系全体の見取り図はClaude Codeスラッシュコマンド一覧にまとめています。
送信前に選べる範囲と同意画面
/bugまたは/feedbackを実行すると、まずどれだけのセッション履歴を含めるかを選びます。デフォルトでは現在のセッションが対象ですが、長いセッションで問題が発生したときのために、直近24時間または直近7日間の複数セッションをまとめて含める選択肢もあります。範囲を決めたら同意画面が表示され、実際に送信される内容を確認してから送信を確定する仕組みです。無言で裏側に送られることはありません。
説明文の入力は必須です。空のまま送信しようとすると弾かれ、以前あった「モデルの拒否応答テキストがそのままGitHub issueのタイトルになる」という不具合も修正済みです。長いセッションで発生した問題は、コンテキスト圧縮(compaction)が起きる前の会話も含めてレポートに残るため、セッションの前半で起きた事象も後から追跡できます。
送信先はサインイン状態と接続方式で決まる
/bugと/feedbackが実際にどこへデータを送るかは、Anthropicへのサインイン状態と接続方式で変わります。ここが本記事の中心です。
Anthropicの認証情報でサインインした通常のセッション(ファーストパーティ接続)では、レポートはAnthropicへ送信されます。会話のトランスクリプト、サブエージェントのトランスクリプト、ディスク上のセッションログファイルの生データがアップロード対象です。既知のAPIキーやトークンのパターンはアップロード前にredaction(削除・伏字化)されますが、ソースコードやファイル内容、その他の会話内容はそのままアップロードされます。共有されたトランスクリプトの保持期間は最長6か月です。
一方、Amazon Bedrock・Google CloudのAgent Platform・Microsoft Foundry経由の接続、またはAnthropicの認証情報が一切設定されていない環境では、レポートはAnthropicへ送られません。代わりに~/.claude/feedback-bundles/配下のローカルアーカイブとしてディスクに書き出されます。自分でそのファイルをAnthropicのアカウント担当者に送るか、サポートリクエストに添付するまでは、内容は手元のマシンから一切出ていきません。サインイン済みのClaude apps gatewayセッションでも、利用状況の分析・エラーレポート・アンケートの評価値がAnthropicへ送られる経路自体がゲートウェイの認証情報によって無効化されており、これを再度有効にする設定は存在しません。
サードパーティ接続やオフライン環境でのローカルアーカイブ運用
企業の社内環境でBedrockやAgent Platform経由でClaude Codeを使っているチームは、/feedbackを実行しても何も送信されていないように見えて戸惑うことがあります。実際にはレポートは失われておらず、~/.claude/feedback-bundles/に保存されています。既知のAPIキーやトークンのパターンはアーカイブ書き出し時点でredactionされますが、それ以外の会話内容や添付ファイルはそのまま保存される点はファーストパーティ接続時と同じです。社外への送信を許可されていない環境で使う場合は、このアーカイブの中身を確認してから配布・共有の判断をする必要があります。
過去には、このredaction処理が引用符付きの値(セッションIDなど)を含むJSONを壊してしまい、アーカイブ自体が不正なJSONになる不具合もありました。現在は修正済みですが、社内配布ルールでバンドルの中身を検査する運用を組んでいるチームは、古いバージョンで生成したアーカイブが読み込めないケースがあることを覚えておくと無駄な調査を避けられます。
通知・アンケートの頻度を制御する環境変数
Claude Codeはセッション品質アンケートを別途表示することがあり、これも/feedbackと同じ送信経路の一部です。アンケートを完全に無効化するにはCLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1を設定します。DISABLE_TELEMETRY・DO_NOT_TRACK・CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICのいずれかが設定されている場合も、アンケートは自動的に無効化されます。
非本質的な通信を遮断しつつ、自前のOpenTelemetryコレクターでアンケート回答だけは取得したい組織向けに、CLAUDE_CODE_ENABLE_FEEDBACK_SURVEY_FOR_OTEL=1という個別のオプトイン設定があります。これを有効にすると、アンケートの評価値は設定済みのコレクターにだけ記録され、トランスクリプト共有の追撃質問を含むそれ以外のAnthropic向けフィードバック通信は無効のままになります。完全に止めるのではなく頻度を落としたいだけなら、設定ファイルのfeedbackSurveyRateに0〜1の確率値を指定する方法もあります。コレクター側でメトリクスやコストをどう可視化するかはClaude CodeのOpenTelemetryで利用量とコストを可視化で扱っています。他の環境変数の全体像はClaude Code環境変数リファレンスが正です。
プラットフォーム別のデフォルト早見表
接続方式によってエラーレポート・テレメトリ・/feedbackの既定挙動が異なります。ホストプラットフォームがCLAUDE_CODE_PROVIDER_MANAGED_BY_HOSTを設定している場合、メトリクスは既定で有効になりDISABLE_TELEMETRYの通常のオプトアウトに従いますが、エラーレポートと/feedbackのレポートはそのプラットフォームでも既定で無効のままです。
| 接続方式 | メトリクス既定 | エラーレポート・/feedback既定 |
|---|---|---|
| Anthropic API(サインイン済み) | メトリクス既定有効(DISABLE_TELEMETRY=1で無効化) | エラーレポート・/feedback既定有効 |
| Amazon Bedrock | メトリクス既定無効(CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1かつ設定必要) | エラーレポート・/feedback既定無効 |
| Google CloudのAgent Platform | メトリクス既定無効(CLAUDE_CODE_USE_VERTEX=1かつ設定必要) | エラーレポート・/feedback既定無効 |
| Microsoft Foundry | メトリクス既定無効(CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1かつ設定必要) | エラーレポート・/feedback既定無効 |
| Claude Platform on AWS | メトリクス既定無効(CLAUDE_CODE_USE_ANTHROPIC_AWS=1かつ設定必要) | エラーレポート・/feedback既定無効 |
| Claude apps gateway(サインイン済み) | メトリクス既定ゲートウェイ認証情報により無効・再有効化不可 | エラーレポート・/feedback既定ゲートウェイ認証情報により無効・再有効化不可 |
セッション品質アンケートとWebFetchのドメイン安全性チェックはこの表の例外で、接続方式にかかわらず動作します。全ての非本質的な通信を一括で止めたいときはCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICを設定します。ただしこの変数はWebFetchの安全性チェックと公式プラグインマーケットプレイスの自動インストールには影響しません。WebFetch側は設定ファイルのskipWebFetchPreflight、マーケットプレイス側はCLAUDE_CODE_DISABLE_OFFICIAL_MARKETPLACE_AUTOINSTALLが個別のオプトアウトです。
v2.1.14からv2.1.234までの改善の流れ
/feedbackは初期バージョンから継続的に手直しが入っているコマンドです。v2.1.14の時点では、説明が長いとGitHub issueのURL生成自体が壊れる不具合が残っていました。v2.1.77ではフィードバック入力中にCtrl+Dを押すと文字が前方削除されず、2回目の押下でセッションが終了してしまう不具合が直っています。v2.1.86では長大なトランスクリプトを持つセッションで/feedbackを使うとメモリ不足でクラッシュする問題が修正されました。
v2.1.91では、コマンドが利用できない環境でスラッシュメニューから単純に消えるのではなく、利用できない理由を説明するように変わっています。v2.1.108では送信失敗後にEnterキーで再送する動作が、説明文を編集し直さなくても機能するよう修正されました。v2.1.141ではアーカイブのredaction処理が引用符付きの値を含むJSONを壊す不具合の修正と、コンテキスト圧縮より前の会話を含められる改善が同時に入っています。v2.1.144ではアンケート回答後のフォローアップ表示が、回答内容に応じた文言で毎回出るようになりました。v2.1.149では、コンテキスト圧縮をまたぐ長いセッションの問題を追いやすくするため、圧縮前の会話をレポートに含める改善が加わっています。
v2.1.178では説明文の入力が必須化され、モデルの拒否応答をそのままissueタイトルに使わない修正が入りました。v2.1.229ではVS Codeの「Report a problem」と/bugが、廃止されたアンケートリンクではなく組み込みのフィードバックダイアログを開くようになっています。v2.1.232でダイアログが応答中でも即座に開くようになり、v2.1.234では別のバンドルスキルの文脈整理と合わせて、コマンド自体の基本挙動はほぼ安定した状態にあります。
よくある質問
/bugと/feedbackで送られる内容に違いはありますか
ありません。どちらも同じ確認ダイアログを開き、同じ同意フローとredaction処理を経て同じ送信先に届きます。違いがあるのはコマンド名の由来(不具合報告か製品フィードバックか)だけで、v2.1.212より前の関係はむしろ逆でした。
Bedrock経由で送ったレポートはあとからAnthropicに転送されますか
自動転送はされません。~/.claude/feedback-bundles/に保存されたアーカイブを、自分でAnthropicのアカウント担当者に送るかサポートリクエストに添付する必要があります。何もしなければファイルはローカルに残り続けます。
アンケートだけ止めてバグ報告は残したいときはどうしますか
CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1を設定します。この変数はセッション品質アンケートだけを対象にしており、/bugや/feedbackをコマンドとして実行する経路には影響しません。
会社の環境で/feedbackが使えないと表示されるのはなぜですか
v2.1.91以降は理由が表示されるようになっているため、まずそのメッセージを確認します。多くの場合はBedrockやFoundry等での既定無効化、または組織のポリシーでCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICのような変数が設定されていることが原因です。
まとめ
/bugと/feedbackは同じダイアログを開く別名コマンドで、送る前に対象範囲を選び同意画面を経てから送信されます。実際の送信先はサインイン状態と接続方式で変わり、Anthropicへの直接送信ができない環境では~/.claude/feedback-bundles/にローカルアーカイブとして保存される仕組みです。社内ポリシーでBedrockやFoundry経由の接続を使っているチームは、このアーカイブの存在と手動転送が必要な点を把握しておくと、レポートが消えたと誤解せずに済みます。アンケートの頻度や通知そのものは、CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEYをはじめとする環境変数で個別に調整できます。