Claude ConsoleのPlayground使い方 — APIリクエストを試してコード化する
Claude ConsoleのPlaygroundでプロンプトとパラメータを試し打ちし、動くコードへ書き出すまでの手順と、課金・APIキー周りのつまずきを解説します。
Claude ConsoleのPlaygroundとは
Playgroundは、Claude Console(platform.claude.com)上でClaudeモデルとAPI機能をコードを書かずに試せる画面です。Messages APIの上に直接構築されており、Playgroundで組み立てたリクエストは、そのままコードで送るリクエストと同じ構造になります。
かつてConsoleには「Workbench」という同種の機能がありましたが、現在はPlaygroundに置き換わっています。Playgroundはプロンプトの保存や履歴管理、評価(eval)の実行を持たないステートレスな設計です。入力中のプロンプトはブラウザ内に留まり、Anthropicのサーバーには保存されません。
用途は次の4つです。
- コードを書く前にモデルや新しいAPI機能を試す
- プロンプトを繰り返し調整し、レスポンス全体を確認する
- APIリクエストとレスポンスの構造を学ぶ
- 試した内容を自分のアプリケーションで動くコードとして書き出す
ClaudeのProやMaxの契約があっても、Playgroundは別課金になる
Claudeを普段使いしている人が最初につまずくのが、課金の切り分けです。Claudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)は、web・デスクトップ・モバイルでClaudeを使うための契約です。Claude APIとConsoleへのアクセスは含まれません。
同じメールアドレスでも、Claudeのアカウント(無料・Pro・Max・Team・Enterprise)とConsoleのアカウントは別に作ります。2つのアカウントは互いに独立して動きます。
Playgroundの利用料は、Consoleの組織が持つ従量課金の残高から引かれます。
- 多くの組織は、前払いの利用クレジットを購入する形です。クレジットはAPI、Playground、Claude Codeの利用に充てられます
- 請求書払いの契約がある組織は、月末にまとめて請求されます。この契約はSalesチーム経由で設定する形です
- クレジットが尽きると、追加するまでAPIもPlaygroundも使えません
- 成功したAPI呼び出しだけが課金対象で、失敗したリクエストは課金されません。ただし、成功する見込みだったリクエストの途中でクライアントが切断またはタイムアウトした場合は課金されます
クレジットの購入は、AdminまたはBillingロールでConsoleにログインし、Settings → Billingの「Buy credits」から行います。購入したクレジットはすぐに使え、残高と使用額も同じBillingページに表示されます。自動追加(auto-reload)を使うと、残高が設定した下限を割ったときに指定額まで購入されます。
購入したクレジットの有効期限は購入日から1年で、延長はできず、購入は返金の対象外です。期限切れになったクレジットは、Billingページの「Invoice history」に表示されます。実際の消費量は、Billingページに加えてUsageページとCostページでも確認できます。見方はClaude Consoleの使用量・コストレポートの見方にまとめています。
Playgroundを開いて最初のリクエストを送る
開く・書く・走らせる
- 1
Consoleにログインする
Claude Consoleにログインし、ナビゲーションから「Playground」を選びます。組織がワークスペースを使っている場合は、作業するワークスペースを選びます。
- 2
プロンプトを書く
中央の入力欄にユーザーメッセージを書きます。システムプロンプトも追加できます。あらかじめ用意されたサンプルテンプレートをロードして、書き換えながら試すこともできます。
- 3
Runで送信する
「Run」をクリックするとリクエストが送信され、Claudeの応答と、そのリクエストのトークン数・使用量が表示されます。プロンプトを直して再実行し、イテレーションを進めます。
APIキーをまだ作っていない場合は、先にSettings → API keysで発行しておくと、試した内容をそのまま自分のコードへ移せます。ここで作るのは開発者個人が使う通常のAPIキーで、組織管理用のAdmin APIキーはClaude Admin APIキーの取得方法とスコープ選択で扱う別物です。
モデル・ツール・生データまで同じ画面で試せる
モデルセレクターで使うモデルを切り替え、モデル設定から温度(temperature)や最大出力トークン数を調整できます。同じプロンプトをモデルや設定だけ変えて実行すると、応答の違いを素早くつかめます。
リクエストにツール定義を加えれば、ツール呼び出しもPlayground上で試せます。ツールの呼び出しと結果はレスポンスの中に表示されるため、APIがツール呼び出しをどう表現するかをコードなしで見られます。Structured outputsを使うと、Claudeの出力を自分で定義したスキーマの形で返させることもできます。
送受信の生データも表示できます。メッセージ構造、stop reason、usageまで含んだ完全な形で、自分のアプリケーションが実際にやり取りするペイロードと同じです。仕様書を読みながら動作を想像するより、実物を見て理解する方が早い場面は多くあります。
試した内容をコードにして持ち帰る
画面上部の「code」トグルをクリックすると、現在のリクエストがコードスニペットとして書き出されます。スニペットはPlaygroundで試した内容をそのまま反映します。自分のプロジェクトに貼り付け、自分のAPIキーで実行すれば動きます。
Playgroundはプロンプトを保存しないので、このスニペットが事実上の控えになります。残しておきたいリクエストは、閉じる前に「code」から書き出してください。
Anthropicのドキュメントに載っているコード例の一部には「Open in Playground」が付いています。クリックするとそのサンプルがPlaygroundに読み込まれ、実行しながら手を加えられます。ドキュメントで見つけ、Playgroundで試し、コードに書き出す流れがConsole内で完結します。
書き出したスニペットのうち、HTTPで送る形は次のcURLと同じ構造です。
export ANTHROPIC_API_KEY="your-api-key-here"
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "content-type: application/json" \
-H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-d '{
"model": "claude-opus-5-5",
"max_tokens": 1000,
"messages": [
{"role": "user", "content": "Playgroundで試したのと同じ内容"}
]
}'スニペットには、試した時点のモデルIDとmax_tokensがそのまま入ります。動作確認で選んだ値がそのまま本番に残らないよう、載せる前にモデルの選定と出力上限を見直してください。
書き出したコードを動かすAPIキーの選び方
スニペットを自分のプロジェクトで動かすには、ANTHROPIC_API_KEYにAPIキーを設定します。Settings → API keysでキーを作るとき、種類は3つから選びます。
APIキーの3種類
個人キー
自分自身として動作し、組織を離れると使えなくなります。自分の開発用はこれです。
サービスアカウントキー
CIパイプライン、本番サービス、エージェントなど、共有ワークロード向けです。
ワークスペースキー
所有者を持たないレガシーなキーで、作成したワークスペースに紐づきます。作成者が組織を離れても使い続けられますが、個人キーかサービスアカウントキーが推奨されます。
キーまわりでつまずいたときの対処
「Create key」が押せない
APIキー画面の「Create key」が無効になっている場合、ロールがキーの作成を許していない可能性があります。組織のAdminにロールの変更を頼むか、ワークロード用ならサービスアカウントキーの作成を頼みます。
ワークスペースIDのヘッダーが要る
ワークスペースを限定していないキーでは、リクエストごとにanthropic-workspace-idヘッダーを送る必要があります。書き出したスニペットにこのヘッダーが無ければ、次のように足します。IDはSettings → WorkspacesのID列で見られます。
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "content-type: application/json" \
-H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "anthropic-workspace-id: wrkspc_..." \
-d '{"model": "claude-opus-5-5", "max_tokens": 1000, "messages": [{"role": "user", "content": "test"}]}'単一のワークスペースだけに紐づくキーなら、このヘッダーは省けます。
キーを控え忘れた、またはキーが漏れた
作成したキーはsk-ant-で始まる文字列として、作成時に1回だけ全体が表示されます。見逃すと同じキーは再表示できないため、新しいキーを作り直します。Admin APIでも、失ったキーの復元はできません。
キーが漏れた疑いがあるときは、API keysページで対象キーの右にある三点メニューから「Delete API Key」を選んで即座に失効させ、新しいキーを作ります。新しいキーはシークレット管理の仕組みに入れ、バージョン管理には含めません。
WorkbenchからPlaygroundへ切り替わったことで失われたもの
Workbench(レガシー)とPlayground
Workbench(レガシー)
プロンプトの保存、プロンプトのバージョン、プロンプト履歴、eval、プロンプトの共有が使えました。
Playground
保存も共有もevalもなく、入力中のドラフトはブラウザ内だけです。代わりに、リクエストとレスポンスの全体を見られ、Messages APIの送受信とそのまま一致します。
Workbench(レガシー)に保存されていたデータは、Console設定からJSON形式でエクスポートする以外に取り出す方法がなく、期限は2026年9月1日までと区切られていました。エクスポートでは、プロンプトに加えて過去の実行結果(モデルの応答)と、プロンプトに添付した画像やPDFも含められます。含めるとサイズが大きくなり、ダウンロードリンクはメールで届きます。組織のPrimary OwnerやAdminは、組織全体のデータも書き出せました。
この期限はすでに過ぎています。9月1日以降、Workbenchに保存されていたプロンプト履歴やevalの結果は復元できません。エクスポートした内容を取り込む先も、Playgroundにはありません。今後Playgroundでプロンプトを育てる場合は、重要なものをコードかドキュメントの側で管理してください。
Playgroundと他のConsole機能との使い分け
Playgroundは単発のリクエストを試す場です。構築したものをコードベースへ持ち帰って運用するManaged Agentsの流れとは役割が異なります。その手順はManaged AgentsをConsoleで構築しコードベースに持ち帰る手順にあります。
継続的に動くエージェントやツールをConsole上で管理するなら、別の機能を使います。MCPサーバーへのトンネル接続はMCP tunnelsをConsoleで作成・管理する手順で扱っています。Messages APIの全体像やモデル選択・料金まで含めて把握したい場合は、Anthropic API完全ガイドが参考になります。
まとめ
Playgroundの利用料は、Pro・Maxの契約とは別のConsoleアカウントのクレジットから引かれます。
書き出したスニペットを本番に移すときは、キーの種類(個人かサービスアカウントか)、モデルIDとmax_tokens、ワークスペースIDのヘッダーの3点を先に見直してください。