Claudeドメインキャプチャ通知が届いたときの選択肢
会社のメールアドレスで使うClaude個人アカウントがEnterprise組織へ統合される通知が届いたときの、選択肢と期限までにすべきことをまとめます。
ドメインキャプチャ通知とは何を意味するか
会社のメールアドレスに紐づくClaudeアカウントに「ドメインキャプチャ」関連の通知が届いたら、そのアカウントが会社のEnterprise組織へ統合される手続きが始まったということです。対象は無料・Pro・Maxの個人アカウントです。TeamやEnterpriseの法人アカウントは、この通知の対象になりません。
ドメインキャプチャ(domain claiming)は、Enterprise管理者が検証済みドメイン上の個人アカウントをまとめて自社の組織に統合する機能です。同じメールドメイン(@会社名.comのような形式)を使う全アカウントに対象が及びます。通知はメールと製品内バナーの両方で届き、選択の期限も同時に示されます。
管理者側は、この機能を有効にする前にSSOの強制と、JIT(初回サインイン時の自動作成)またはSCIM(IDプロバイダーからのユーザー自動同期)によるプロビジョニングを整えておく決まりです。ドメインの所有確認と組織作成の制限も要件に入っています。通知が届いた時点で、サインインの受け皿は会社側に用意されているのが前提です。
期限はいつまでで、何が起きるか
期限は管理者がクレームを開始した日から数えます。ユーザーごとのタイマーではなく、クレーム全体で1つの日付です。同じドメインの全員が同じ締切を見ます。
期限の長さは、読む案内によって書き方が違います。ユーザー向けの案内には「開始日から少なくとも30日」とあります。管理者向けの案内には「常に30日」とあり、カスタム期限は設定できないと明記されています。
クレーム開始から期限後まで
- クレーム開始日全員に通知が届く
メールと製品内バナーで同時に届きます。この日から期限までの間、サインインして選べます。
- 期限までマージか新規参加を選ぶ
マージを選ぶと、個人アカウントは無効になります。有料プランは自動で解約され、未使用分が日割りで返金されます。
- 期限日未選択の人は新規参加に振り分けられる
何も選ばなかったアカウントには、まっさらなEnterpriseアカウントが割り当てられます。個人アカウントのデータはメールで送られ、個人アカウントには入れなくなります。
- 期限後ドメイン上に個人アカウントは残らない
新しく作られるアカウントは、最初からSSO経由でEnterprise組織に入ります。
管理者が追加のドメインを後から検証した場合は、進行中のクレームには含まれません。そのドメインの人には、現在の期限が過ぎてから始まる別のクレームで、別の30日が割り当てられます。同じ会社でも、ドメインによって通知の来る時期がずれることがあります。
マージして参加と新規参加は何が違うか
選べる道は2つだけです。どちらも最終的にEnterprise組織のアカウントを使い始める点は同じで、既存データを持ち込むかどうかが分かれます。
マージして参加と新規参加
マージして参加
次のものが新しい組織アカウントへ移ります。
- チャットと、チャット内のArtifacts
- Projects(指示・ファイルを含む)と、アップロード済みファイル・添付
- Projectの同期設定(同期しているDriveフォルダやリポジトリ)
- チャットとProjectsから作られたClaudeの記憶(組織側でメモリーをオフにしていると移らない)
- Claude Codeのメモリーと、ツール設定・通知設定・同意などの個人設定(組織アカウントに既に値があればそちらが残る)
- Claude Designのシステムとプロジェクト(2026年8月14日以降の移行分)
マージ後、個人アカウントは無効になります。取り消せません。
新規参加
個人アカウントのデータは何も移りません。
期限前に「Settings > Account」からデータのエクスポートを申請すれば、手元に控えを残せます。エクスポートしたデータをEnterpriseアカウントへ取り込む方法はなく、個人的な記録として使うものです。
マージを選んでも、持ち込めないものがあります。公開や連携に関わるものが中心です。
マージしても移らないもの
公開しているもの
公開済みのArtifactsは、TeamとEnterpriseでは公開機能自体がないため移りません。チャットの公開共有リンクは恒久的に使えなくなります。保留中の共有招待も引き継がれません。
外部サービスとの接続
連携済みアプリへのサインイン(認可)はすべて取り消されます。組織アカウントで接続し直す必要があります。自分で追加したカスタムコネクタも再登録が必要で、組織のポリシーが許可しない場合があります。
作り込んだ設定
カスタムSkillsには移行の経路がありません。残したいものは、移行前にエクスポートしておきます。
作業中のセッション
Coworkのデスクトップアプリのセッションと接続済みフォルダは、ローカルに保存されているので手元のPCに残ります。CoworkのクラウドセッションとClaude Codeのクラウドセッション(Web・スケジュールタスク・モバイル)は移りません。Claude Designは、2026年8月14日より前に移行された分が移りません。
期限までにやっておくこと
通知が届いたら、期限日を控えるところから始めます。管理者向けの案内にある期限は一律なので、同僚と日付を確認し合っても食い違いません。
期限前の流れ
- 1
IT担当にIDプロバイダーへの登録を確認する
登録がないまま期限を迎えると、個人アカウントが無効になったうえ、Enterpriseにも入れません。
- 2
残したいものを先に控える
前の節の4つの分類のうち、残したいものを書き出します。Skillsのエクスポート、公開物の別の場所への保存、接続していたアプリの一覧づくりが対象です。
- 3
App Storeで購入していたら自分で解約する
iPhoneやiPadの「設定」アプリで、Apple IDのサブスクリプションからClaudeを選び、キャンセルします。
- 4
期限前にサインインして選ぶ
選択は、サインインして画面で行います。IDプロバイダーに登録がなくても、選択だけは期限前に済ませておくと希望が記録されます。
何も選ばずに期限を過ぎた場合の扱いは、上の年表のとおりです。出張や休暇で長期間サインインしない予定がある人は、期限より前に済ませておくと取りこぼしがありません。
有償プランを契約している場合
Pro / Maxを契約中のアカウントは、マージでも新規参加でも、期限切れの自動処理でも、サブスクリプションが自動で解約されます。未使用期間分は日割りで返金されます。期限切れで自動処理される場合は、アカウントに残っている利用クレジットも返金されます。手動での解約手続きは基本的に要りません。
例外はAppleのApp Store経由の契約です。Claude側からは解約も返金もできないので、前節の手順で自分でキャンセルします。忘れると、個人アカウントが無効になった後もApple側の課金だけが続きます。
購入経路ごとの扱いは、自発的な移行を説明するページに詳しく載っています。それによると、Claudeに直接支払っていた場合の返金は、解約の約24時間後に発行されます。反映までに、銀行によっては数営業日かかります。Google Playの購入は自動で解約され、返金の反映に数日かかります。これらはClaude解約ガイドにある通常の解約とは別の、移行に伴う処理です。
移行後のサインイン
移行が完了すると、個人アカウントのパスワードでサインインする場面はなくなります。claude.aiで勤務先のメールアドレスを入力すると、会社のログインページへ自動でリダイレクトされます。
マージを選んだ人は、この最初のサインインで以前のチャット・Projects・ファイルが新しいアカウントに入っているのを確認できます。ファイルを探してアップロードし直す作業は要りません。
最初のうちは、チャット一覧の表示に少し時間がかかることがあります。タイトルでの検索はすぐに使えます。過去のチャットをClaudeが検索する初回に検索インデックスが作り直されるため、最初は一部が見つからないことがあります。一覧に足りないチャットが残る場合は、いったんサインアウトして入り直し、もう一度検索します。
サインインできないときの切り分け
会社のログイン画面へ進めない、あるいはリダイレクト後にエラーで止まる場合は、次の3点を上から確認すると切り分けられます。
- IDプロバイダーに登録されているか: SSOでしか入れないので、会社のIT部門がIDプロバイダーへの追加を済ませていないと入れません。SCIMを使う組織では、プロビジョニングされたアカウントとマージ後のアカウントがメールアドレスの一致で結び付けられます
- 通知が届いたのが会社のメールアドレス宛か: ドメインキャプチャは検証済みの会社ドメインに紐づくアカウントだけが対象です。GmailやYahooのような個人メールアドレスで作った別アカウントは、同じ人が使っていても対象になりません
- 席数が足りているか: Anthropicと直接契約している組織では、席が足りないと管理者の画面に席の追加購入を促すエラーが出ます。AWS Marketplace経由の組織では、移行後にサインインしようとしたユーザーに、管理者へ連絡するよう促す表示が出ます
状況別に見る選び方の目安
「マージして参加」と「新規参加」のどちらが向くかは、個人アカウントの使い方で変わります。
| 個人アカウントの状況 | 向いている選択肢 |
|---|---|
| Projectsやアップロード済みファイルに仕事の資料が溜まっている | 向いている選択肢マージして参加 |
| 作ったばかりで、消えても実害がほとんどない | 向いている選択肢新規参加 |
| 個人的なチャットが多く、会社に見られたくない | 向いている選択肢新規参加 |
| 公開Artifactsや共有リンクを他の人と使っている | 向いている選択肢どちらでも消えるので、移行後に貼り直す前提で計画する |
| カスタムSkillsを作り込んでいる | 向いている選択肢どちらでも引き継がれないので、組織側で作り直す前提で計画する |
3行目の理由は、マージしたデータが組織の他のデータと同じ仕組みでアクセスされる対象になるからです。新規参加を選んだ場合は、会話履歴だけでなくProjectsやカスタム指示も引き継がれないので、業務で使う設定は移行後に作り直します。
よくある質問
個人アカウントを残したままEnterprise組織にも参加できますか
できません。ドメインがキャプチャされると、そのドメイン上に個人アカウントとEnterprise組織のアカウントが併存する状態は認められなくなります。TeamやEnterpriseの組織へ自分の意思で移す場合に限り、個人アカウントを残す「Keep both accounts」という選択肢が用意されています。
すでにEnterprise組織のアカウントも持っている場合はどうなりますか
個人アカウントを既存のEnterprise組織側へ統合できます。個人アカウントの設定と組織側の設定が競合する項目は、組織側の設定が優先されます。個人アカウント側の設定を持ち込みたくても、上書きされます。
Teamプランの組織でも、管理者が個人アカウントをまとめて移せますか
移せません。ドメインキャプチャはEnterpriseプランの機能です。Teamプランの管理者はドメインを検証して新しい個人アカウントの作成を防げますが、既存の個人アカウントのクレームや移行はできません。Teamでは、メンバー本人が自分の意思で移します。
まとめ
期限までに「マージして参加」か「新規参加」かを自分で選ぶのが最優先です。放置すると新規参加が割り当てられ、個人アカウントのデータは手元の控えにしか残りません。有償プランの解約は自動ですが、App Store経由の契約だけは自分で止める必要があります。
管理者側の有効化の手順は自社ドメインのアカウントを一括移行する手順で、Enterpriseプラン自体の料金や機能はClaude Enterpriseとはで扱っています。契約形態そのものを検討している段階ならClaude法人プランの契約ガイドもあわせて参考にしてください。