Claudeで単語帳を作る手順 — フラッシュカードの進捗をArtifactsに保存
Claudeに暗記カード(フラッシュカード)アプリをArtifactsで作らせ、覚えた・未習の進捗を次回まで残す手順です。ストレージの種類と制限、公開時の注意もまとめます。
Claudeの単語帳アプリとは
Claudeの単語帳アプリとは、表と裏のあるカードをめくり、「覚えた」「まだ」を記録していく小さなWebアプリを、Artifactsとして作ったものです。語彙・年号・条文・用語集など、片面が問いで片面が答えになる素材なら何でも載せられます。
Artifactsは、Claudeが作った内容を会話の横に開く専用の画面です。ドキュメントやコードのほか、ダッシュボードや小さなインタラクティブツールも作れます。単語帳はこの「小さなインタラクティブツール」にあたります。
肝になるのは、進捗を残せるかどうかです。カードをめくるだけなら、ページを閉じた時点で状態は消えます。Artifactsにはセッションをまたいでデータを保存する仕組みがあり、これを使うと「昨日覚えたカード」を翌日も引き継げます。
似た使い方との違いは次の表のとおりです。
| やりたいこと | 向いている記事 |
|---|---|
| 問題をClaudeに出してもらい、採点までさせる | 向いている記事Claudeで試験の練習問題を出題・自己採点する方法 |
| 語学試験の学習計画を立てる | 向いている記事Claudeで語学試験の対策をする方法 |
| 得点を残すゲームを作る | 向いている記事Claude Artifactsでゲーム制作する方法 |
| 自作のカードをめくり、覚えた状態を保存する | 向いている記事この記事の手順 |
使う前に確認する設定とプラン
Artifactsの利用には、設定で「クラウド上のコード実行とファイル作成」を有効にしておく必要があります。Free・Pro・MaxはSettings > Capabilities、Team・EnterpriseはOrganization settings > Capabilitiesで切り替えます。
進捗の保存は、Artifactsの機能のうち条件が少し狭くなります。
| 機能 | 対象プラン | 対象の面 |
|---|---|---|
| Artifactsの作成・編集 | 対象プラン各プラン | 対象の面Web・デスクトップ(iOS・Androidは閲覧中心) |
| ストレージ(進捗の保存) | 対象プランPro・Max・Team・Enterprise | 対象の面Claude on the web・Claude Desktop |
| ClaudeのAI機能を組み込む | 対象プラン各プラン | 対象の面Web・デスクトップ |
Freeプランでもカードをめくるだけの単語帳は作れます。ただ、覚えた状態を次回に引き継ぐ部分はPro以上が前提です。
iOS・Androidのアプリでは、チャットで依頼した結果をArtifactsタブで見られます。テンプレートからの作成や編集、共有設定の変更はWeb版かデスクトップ版で行います。
手順1: カードの元データを用意する
最初に、カードにする素材をClaudeへ渡せる形にします。凝った形式は要りません。「表面,裏面」の2列があれば足ります。
表面,裏面
ubiquitous,至る所に存在する
mitigate,和らげる・軽減する
ephemeral,はかない・短命の素材が手元のノートやPDFなら、そのまま貼るかアップロードして「表と裏の2列に整理して」と頼む方法もあります。ここでClaudeに任せる場合は、整理された結果を一度読んで、誤訳や取り違えがないか確かめてください。暗記カードは、間違った答えをそのまま覚えてしまうのが最大のリスクです。
年号や条文のように正確さが命の素材は、出典の並びを崩さないよう指定します。
- 年号カード: 表面に出来事、裏面に年と一言の補足
- 条文カード: 表面に条名または見出し、裏面に要点(原文は転記元で確認)
- 資格用語: 表面に用語、裏面に定義と「よく混同される用語」
手順2: 単語帳アプリを依頼する
素材が決まったら、Claudeに単語帳アプリを頼みます。カード面の仕様と、保存したい状態を最初から書いておくと、作り直しが減ります。
次のカードデータで、暗記用の単語帳アプリをアーティファクトで作ってください。
- 画面中央にカードを1枚表示し、クリックで表裏を切り替える
- 「覚えた」「まだ」の2つのボタンで、カードごとの状態を記録する
- 「まだ」のカードは後で再び出てくるようにする
- 上部に「覚えた 12 / 全体 40」の進捗を表示する
- 状態は自分だけが使う個人用ストレージに保存し、
次に開いたとき前回の続きから始める
- 「進捗をリセット」ボタンを付ける(押す前に確認を出す)
[ここにカードデータを貼る]依頼文のポイントは3つです。
- 状態の種類を先に決める。「覚えた」「まだ」の2値から始めるのが無難です。3段階以上にしたくなったら、動作を確かめてから足します
- 保存先を個人用と明示する。何も指定しないと、共有用か個人用かはClaudeの判断に任されます。ここは決めておく価値があります
- リセットの確認を入れる。保存された進捗は、誤操作で消しやすい部分です
手順3: 進捗の保存方法を選ぶ
Artifactsのストレージには2種類あります。
| 種類 | 見えるデータ | 単語帳での使い道 |
|---|---|---|
| 個人用ストレージ | 見えるデータ使う人ごとに自分のデータだけ | 単語帳での使い道自分の学習進捗 |
| 共有用ストレージ | 見えるデータ開いた全員が同じデータ | 単語帳での使い道共同で作るカードや、班の進捗表 |
自分ひとりで使う単語帳なら、個人用一択です。誰かに配る場合も、各自の「覚えた」は個人用に置くのが基本になります。個人用は「日記アプリで自分のエントリーだけが見える」のと同じ考え方です。
共有用は、全員が同じデータを読み書きします。共有用を使う場面は限られます。
- クラス全員で1つのカード束を育てる(全員が追記できる)
- 学習チームの進捗を1つの表で見せる
共有用を初めて使うときは、データが他の利用者にも見える旨の確認が表示されます。名前やメールアドレスなど、人に見せたくない情報は共有側に入れないでください。
保存できるものにも制限があります。
- 1アーティファクトあたり20MBまで
- 保存できるのはテキストのみ(画像・ファイル・バイナリは不可)
- 個人用と共有用のデータは別々に保たれる
単語帳の進捗は、カードのIDと状態の組み合わせで済みます。数千枚のカードでも20MBには届きにくいでしょう。ただし、カードに画像を載せたい場合は要注意です。画像そのものは保存できないため、画像を使う設計はストレージ側に置けません。
手順4: 動作を確かめて直す
できあがったら、次の順で試します。
- カードをクリックして表裏が切り替わるか
- 「覚えた」を数枚押し、進捗表示が増えるか
- ページを開き直して、前回の続きから始まるか
- リセットが確認つきで動くか
3番目が、単語帳として一番大事な確認です。ここで進捗が消えるなら、保存の指定が効いていないか、保存の書き込みが失敗しています。
Claude側に検証をさせるなら、次のように頼みます。
保存まわりを確認してください。
「覚えた」を押した直後と、ページを開き直した後で、
進捗の数がどう変わるかを順に説明してください。
保存に失敗したときの画面表示があるかも教えてください。エラーが画面に出た場合は、エラー表示の近くにある「Try fixing with Claude」を使います。ボタンを押すとエラーの詳細が新しいメッセージにコピーされ、それをClaudeに送ると原因の診断と修正を試みます。ただし、必ず直る保証はなく、追加の切り分けが要ることもあります。
公開が必要になるケースがある
保存の動作条件は、アーティファクトが作られた時期で違います。2026年9月16日より前にチャットで作られたものは「レガシーアーティファクト」と呼ばれます。
- レガシーアーティファクト: 公開(Publish)するまで、ストレージへの書き込みは成功しない
- 新しいアーティファクト: 公開しなくても、データを保存できる
新規作成なら、公開前でも進捗が残ります。過去のチャットで作った単語帳を改造している場合は、保存が失敗して見えることがあります。新しいチャットで作り直すのが近道です。
手順5: カードを増やし、学習しやすく育てる
基本の単語帳が動いたら、会話で少しずつ足していきます。編集は「Claudeに変更を頼む」形で進められます。
- 「カードを追加する入力欄を付けて」
- 「『まだ』の枚数が多い順に並べ替えるボタンを付けて」
- 「1日の学習枚数を20枚に絞るモードを付けて」
- 「カードをカテゴリー(名詞・動詞など)で絞り込めるようにして」
変更のたびに手順4の確認を繰り返すと、保存が壊れていないかも一緒に見張れます。機能を足す過程で、Claudeが保存の書き方を変えてしまい、以前の進捗が読めなくなる事故は起こり得ます。「既存の保存データはそのまま読み込めるようにして」と一言添えておくと安心です。
ClaudeのAI機能をカードに組み込む
Artifactsは、Claudeを呼び出す小さなアプリにもできます。単語帳なら、「例文を作る」「間違えやすい理由を説明する」といったボタンが候補です。
- APIキーは不要で、作る側に費用は発生しない
- 利用は、使う人自身のプランの上限に数えられる
- 使う人はClaudeアカウントでサインインして、自分のインスタンスを使う
新しいアーティファクトでは、初めてClaudeを呼ぶときに許可を求められます。カード1枚ごとに例文を生成させる設計は、使用量を意識して選ぶ必要があります。
誰かに配るときの注意
単語帳を自分の学習用に留めず、他の人に配るなら、共有の設定を確認します。アーティファクトは、最初は自分だけが見られる状態です。
- Pro・Maxでは「Only you」か「Anyone with the link」を選べ、特定の人はメールで招待できる
- Team・Enterpriseでは、組織内の共有が基本で、外部共有は管理者の設定に依存する
- Claudeを使うアーティファクトや、接続済みアプリを使うアーティファクトは、リンクを知っていれば誰でも開ける形式にできない
AI機能を載せた単語帳は、「Anyone with the link」で配れない点が実務上の制約になります。この場合は、メールでの招待か、組織内の共有を使います。
配った側の単語帳を見た人は、それぞれ自分のデータを使います。共有用ストレージを使っていない限り、各人の進捗は他の人に見えません。
公開の取り消しで進捗も消える
レガシーアーティファクトを公開してから取り消す(Unpublish)と、再公開はできません。共有し直すには、新しいアーティファクトを作る必要があります。
さらに、取り消しでそのアーティファクトのストレージが、個人用も共有用もまとめて完全に削除されます。学習の記録を残したい単語帳は、取り消しを慎重に扱ってください。
進捗データを手元にも残す
ストレージは手軽ですが、アーティファクト自体が消えたときにデータも失われる点は変わりません。学習を長く続けるなら、進捗を書き出せるようにしておく手があります。
「進捗を書き出す」ボタンを追加してください。
押すと、各カードの状態を「表面,状態」の形式で
画面上にテキスト表示し、コピーできるようにしてください。書き出したテキストは、ノートアプリや別のチャットに貼っておけます。このボタンの仕様は依頼文で決めるものなので、動作は必ず手順4のやり方で確かめます。次にアーティファクトを作り直す場合は、その書き出しを貼れば復元できるよう、読み込みの入力欄も一緒に頼むと便利です。
よくあるつまずき
- ページを開き直すと進捗が消える: 保存の指定が入っていない、または書き込みが失敗している可能性があります。依頼文に個人用ストレージへの保存を明記し、レガシーアーティファクトなら公開の有無を見ます
- Freeプランで保存できない: ストレージはPro・Max・Team・Enterpriseが対象です
- スマホで作ろうとして、テンプレートが出ない: iOS・Androidでは、作成と閲覧はできても、テンプレート選択や共有設定はWeb・デスクトップで行います
まとめ
Claudeの単語帳アプリは、カードの素材を用意し、状態と保存先を明記して依頼するだけで動きます。学習の続きを翌日に引き継ぐ部分は、個人用ストレージで実現します。
押さえておく条件は3つです。保存はPro以上のWeb・デスクトップが対象であること、保存できるのは1アーティファクト20MBまでのテキストであること、公開の取り消しで保存データも消えることです。
進捗が続くかどうかは、開き直しの確認で分かります。作った直後に必ず試してから、カードを増やしてください。数式が中心の暗記ものなら、Claudeで数式ノートをLaTeX表示のまま作る方法も併せて参照できます。