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Claude for Google Workspaceの使い方 — Docs・Sheets・Slidesの編集

Claude for Google Workspaceの使い方 — Docs・Sheets・Slidesの編集

Claude for Google Workspaceは、Docs・Sheets・Slidesにサイドバーを追加するベータ版の拡張機能です。導入手順、承認モード、6分の実行制限、管理者向けの設定をまとめます。

Claude for Google Workspaceは、Google DocsとGoogle SheetsとGoogle Slidesの画面右にClaudeのサイドバーを足す拡張機能です。開いているファイルをClaudeが読み、その場で書き換えます。コピーして貼り付ける手間がなくなります。現在はベータで、Pro・Max・Team・Enterpriseのプランで使えます。

この記事は、導入から日々の使い方、制限、管理者側の設定までを一通りたどります。

Claude for Google Workspaceとは何か

Marketplaceアプリとして配布される、Docs・Sheets・Slides共通のサイドバーです。1回のインストールで3つのアプリすべてに入り、アプリごとに別の拡張を入れる必要はありません。

使うには2つの条件がそろう必要があります。

  • ProまたはMax、Team、Enterpriseのいずれかのプランに入っている
  • Google Workspace Marketplaceのアプリを入れられるGoogleアカウントがある

後者はClaudeのプランではなく、Google Workspace管理者のMarketplace設定で決まります。プランは足りていても、組織がMarketplaceを止めていれば入れられません。

既存のGoogle Workspaceコネクタとの違い

名前が似ているので、向きの違いを押さえておくと迷いません。

くらべる

2つのGoogle Workspace連携の向き

claude.aiから

Google Workspaceコネクタ

claude.aiでチャットしながら、Drive・Gmail・Calendarを検索して参照させます。

ファイルの中から

Claude for Google Workspace

いま開いているDocs・Sheets・Slidesのファイルの中にClaudeが入り、そのファイルを編集します。

コネクタ側の許可設定はGoogle Workspaceコネクタの使い方にまとめています。サイドバーはコネクタを置き換えるものではなく、組織で設定済みのコネクタをサイドバーの中から呼び出すこともできます。

導入の手順

導入の道筋は、自分で入れる方法と、管理者が組織に配る方法の2つです。ここで分かれるのはMarketplaceの設定であって、Claudeのプランではありません。

自分で入れる場合

手順

個人での導入

  1. 1

    Marketplaceで入れる

    Google Workspace MarketplaceのClaudeのページで「Install」を押し、Docs・Sheets・Slidesで使うGoogleアカウントを選んで「Continue」へ進みます。

  2. 2

    権限を許可する

    権限の内容を確かめて「Allow」を押します。

  3. 3

    開いているファイルを読み込み直す

    すでに開いているファイルは再読み込みします。拡張機能は、インストール後に開いたファイルにだけ出ます。

  4. 4

    サイドバーを開く

    ファイルを開き、Extensions > Claude > Open Claudeを選びます。最初にもう一度Googleの許可画面が出るので、Allowを押します。

  5. 5

    Claudeアカウントでサインインする

    サイドバーでClaudeアカウントにサインインし、必要ならコネクタを有効にします。

Extensionsメニューの項目が見つからないときは、Alt+/(MacではOption+/)を押して「Claude」と入力すると素早く探せます。

管理者が組織に配る場合

Google Workspaceのスーパー管理者は、全員または特定のグループ・組織部門にまとめて入れられます。ユーザーが自分でインストールする必要はなくなります。

  1. スーパー管理者でサインインした状態で、MarketplaceのClaudeのページを開く
  2. 「Admin install」から「Continue」へ進む
  3. 「Everyone at your organization」か「Certain groups or organizational units」を選ぶ
  4. データアクセスと規約を確かめ、同意のチェックを入れて「Finish」を押す
  5. ユーザーに、開いているファイルの再読み込みを案内する

削除するときは、Google Admin consoleのAppsからGoogle Workspace Marketplace apps、Apps listの順に進み、Claudeを選んで「Uninstall app」を押します。ユーザーが次にファイルを読み込み直した時点で、全員から外れます。

Marketplaceがブロックされている組織

Marketplaceからの導入を既定で止めている組織は多くあります。管理者の選択肢は2つで、Admin consoleのAppsからGoogle Workspace Marketplace apps、Settingsで設定します。

  • Marketplaceのアクセスを「Allow users to install and run only allowlisted apps」にして、Apps listのAllowlist appからClaudeを許可リストに加える。ユーザーは自分でインストールできるようになる
  • 上の手順でAdmin installする。ユーザー個別のインストールが止まっていても、Admin installは通る

ブロックされた状態でインストールしようとすると「This application is not allowed by your administrator」と表示されます。これはGoogle側のメッセージで、Workspace管理者にしか解除できません。

何を頼めるか

結果を先に伝えて、手順はClaudeに任せるのが基本です。テキスト、セル、スライドを先に選択しておくと、対象の範囲を指せます。答えるだけで編集しない使い方もできるので、まず質問から試すと挙動をつかめます。

# 質問から始める例
この文書を5つの箇条書きに要約して
F列は何を計算していますか
Q2とQ3のタブで何が変わりましたか
価格に触れているスライドはどれですか

アプリ別の依頼の例は次のとおりです。

アプリ依頼の例
Docs依頼の例エグゼクティブサマリーを結論始まりの1段落に書き直す / 14ページの資料を要件番号を保ったまま6ページに削る / 「次のステップ」のメモを担当・作業・期限の表にする
Sheets依頼の例H42の合計がどう計算されているかを説明し、直書きの値を指摘する / D列の3種類の日付をYYYY-MM-DDに統一する / SummaryタブのVLOOKUPが#N/Aを返す原因を調べて直す
Slides依頼の例1枚目のスピーカーノートの箇条書きから5枚の経過報告を作る / 文字だらけの7枚目を2枚に分け、デッキの体裁を保つ / 全タイトルを8語以内の並列表現にそろえる

契約書の確認のように、Docsで定義語の使われ方を点検させる使い方も例示されています。「定義されていない用語が使われていないか」を問えば、通読では見落としやすい箇所を拾えます。

編集はどう反映されるか

読むのは開いているファイルだけ

メッセージを送ると、Claudeは開いているファイルの関連部分と選択範囲を読みます。オンにしたコネクタの内容を除けば、Driveの他のファイル、メール、カレンダーは見えません。別の場所の情報が必要なら、チャットに貼り付けるか、ファイルを添付します。

編集はあなたの名前で入る

Claudeの編集は文書・スプレッドシート・スライドに直接入り、Googleには本人の編集として記録されます。そのため、File > Version historyに通常の編集と同じ形で残ります。取り消しは、直前の変更ならUndo、さかのぼるなら版履歴からの復元です。

ここは運用上の注意点です。共同編集者から見ると、Claudeの変更とあなた自身の変更は区別がつきません。大きな書き換えを任せる前に、版履歴に名前を付けて保存しておくと戻りやすくなります。

承認モードを使い分ける

サイドバー下部のモード切り替えは2段階です。

モード動き
Ask before edits(既定)動きこれから行う操作を平易な言葉で示し、「Allow」を押すまで待つ
Accept all edits動き通常の内容編集は止まらずに進める

Accept all editsでも、リンク、外部画像、Webアドレス、他人のアクセス権に触れる操作では止まって承認を求めます。Docsでは、テキストの変更案をカードとして出させ、1件ずつ承認・却下する使い方もできます。

承認が省けない操作もあります。Webアドレスからの画像の挿入、リンクの追加、誰かのアクセス権の削除では「Security review」と表示され、「常に許可」の選択肢はありません。ファイルの共有、アクセス権の付与、所有者の変更、メニューや定期実行の作成、任意のWebページの読み込みはどのモードでも拒否されます。

運用の目安としては、書式の整形のように結果が見て分かる作業はAccept all edits、数式や契約文書のように中身の確認が要る作業はAsk before editsと分けると、止まる回数と見落としの両方を抑えられます。

サイドバーのそのほかの機能

  • モデルの選択: 利用できるモデルは、プランでClaudeに使えるものと同じです
  • コネクタ: 組織がClaudeで有効にしたものが+メニューに並びます。追加はサイドバーではなくclaude.aiで行います
  • ファイルと画像の添付: 1メッセージに最大20ファイル、文書は1つ30MB、画像は1枚10MBまでです
  • Web検索: 「Search the web」を切り替えて使います。既定ではオフです
  • チャット履歴: ファイルごとにブラウザへ保存され、同じファイルを開き直すと戻ります

履歴はブラウザ内にしか無いため、別の端末、別のブラウザ、プライベートウィンドウ、サイトデータの削除後、そしてFile > Make a copyで作った複製では見えません。

制限を知っておく

ベータのため、制限は多めです。権限を広げれば解消できるものでも、同時にアクセス範囲が広がってしまうため、意図的に残されているものがあります。

3つのアプリに共通する制限

  • 開いているファイルだけが対象で、他のDriveファイルの作成・コピー、PDF書き出しやダウンロードはできない
  • 作業中はサイドバーを開いたままにする。閉じると実行中のタスクが止まる。他のタブに切り替えるのは問題ない
  • 対応ブラウザはChrome・Edge・Safari。Firefoxではサイドバーは開くが操作が完了しない
  • 音声入力は使えない
  • 1回の長い操作はGoogleが6分で打ち切る
  • ExcelとWordとPowerPointの間でタスクを受け渡す「Work across apps」は、Microsoft 365側の機能で、Google Workspaceでは使えない

アプリ別の制限

  • Docs: コメントの読み取り・返信・解決ができない。既存の提案(suggestion)の承認・却下もできず、Claudeの編集は提案ではなく直接の編集になる。ドキュメントのタブの作成・名前変更・並べ替えはできないが、全タブの内容は読める
  • Sheets: BigQueryに接続したConnected Sheetsのタブは読み書きできない。トリガー、カスタムメニュー、定期更新の作成もできない
  • Slides: Claudeが作るグラフは画像として挿入され、元の数値を変えても更新されない。リンク済みグラフの更新もできない

6分の制限と段階実行

Googleが拡張機能の1操作を6分で止めるため、大きな依頼は途中で終わることがあります。「Exceeded maximum execution time」と表示されたら、続きを頼むか、依頼を区切ります。区切りの単位は、Sheetsならタブ1枚、Slidesなら10枚ずつが目安として挙がっています。

# 6分に収めるための依頼の分け方(例)
1回目: 「Inputsタブの前提をもとに、PLだけを新しいタブに作って」
2回目: 「続けてBSを同じ手順で作って。PLの数値は参照にして」
3回目: 「最後にCFを作り、3表の整合を確認して」

Connected Sheetsのタブを読ませたいときは、Data > Data connectors > Extractで通常のタブに行を取り出してから依頼します。

セキュリティとデータの扱い

Googleに求める権限は2つ

Claudeが求めるGoogleの権限は、サイドバーを表示し、開いたファイルを編集するための最小限の2つです。Drive、Gmail、Calendar、連絡先へのアクセスや、ファイルからのネットワークリクエストは要求しません。

Googleに表示される権限用途
サードパーティのWebコンテンツをGoogleアプリ内のプロンプトとサイドバーに表示・実行する用途Claudeのサイドバーを3つのアプリに出す
このアプリがインストールされた文書・スプレッドシート・プレゼンテーションを表示・管理する用途開いた1ファイルの読み書き。他のファイルは開けない(Googleが強制)

データの扱い

  • ファイルの内容、メッセージ、添付ファイルは、応答の生成のためにClaudeへ送られる
  • TeamとEnterpriseは組織の商用規約とDPA(データ処理補遺)、ProとMaxは一般消費者向け規約とプライバシーポリシーが適用される
  • Anthropicはこの内容をモデルの学習に使わない。Google Workspace APIから受け取ったデータは、GoogleのAPI Services User Data Policy(Limited Use要件を含む)に従う
  • 入出力はAnthropicのシステムから30日以内に削除される。ただし、組織で設定したカスタムのデータ保持期間は、この拡張機能には引き継がれない
  • チャット履歴はブラウザ内にあり、サイドバーのSettingsから消せる

Enterpriseのセキュリティ制御

項目この拡張機能での扱い
Compliance APIこの拡張機能での扱い対応(Enterprise)。プロンプト、応答、ツール呼び出し、編集内容が記録される
顧客管理の暗号鍵(CMEK)この拡張機能での扱い対応(Enterprise)
OpenTelemetry監査エクスポートこの拡張機能での扱い対応。Organization settingsでOffice agents向けのコレクターを設定済みなら、Docs・Sheets・Slidesのセッションもそこへ送られる
サードパーティ推論(Bedrock、Vertex AI、Azure AI Foundry、LLMゲートウェイ)この拡張機能での扱いベータでは非対応。Claudeアカウントでのサインインが必須
ゼロデータ保持(ZDR)この拡張機能での扱い利用不可
HIPAA対応の組織この拡張機能での扱い対象外。保護対象の医療情報は扱わない

OpenTelemetryの設定はOffice agentsのOpenTelemetry設定で手順を説明しています。サードパーティ推論に対応するClaude for Microsoft 365との違いは、監査や調達の担当者が最初に引っかかる点です。Excel側の位置づけはClaude for ExcelとCopilotの比較も参考になります。

管理者が握る範囲

Google Workspace側では、Marketplaceの許可リストとAdmin installで、ドメイン全体、グループ、組織部門の単位で誰が使えるかを決められ、Admin consoleから外せば全員が使えなくなります。Claude側では、組織設定のコネクタ、スキル、モデルがサイドバーにそのまま引き継がれます。サインインはSSOを含むClaudeアカウントで、APIキーやクラウド事業者のサインインはGoogle拡張では使えません。SSOの準備はClaude Google Workspace SSO設定の手順が土台になります。

プロンプトインジェクションへの備え

ファイルには、他人が書いた指示が入っていることがあり、白文字や極小フォントで隠されている場合もあります。Claudeは文書の内容をコマンドではなくデータとして扱い、見つけた隠しテキストにはその旨を示し、ファイルの共有、リンクの取得、誰かへの連絡といった文書内の指示には従わないよう作られています。それでも、外部から受け取ったファイルでは、承認する前に提案された操作を自分の目で確かめてください。

つまずいたときの切り分け

症状対処
Extensionsメニューに出ない対処ファイルを再読み込みする。Claudeを入れたGoogleアカウントでサインインしているか確かめ、管理者にインストールまたは許可リスト入りを確認する
「This application is not allowed by your administrator」対処組織がMarketplaceをブロックしている。管理者に許可リスト追加かAdmin installを頼む
「Claude for Google Workspace needs a Claude account」対処以前にAPIキー、Bedrock、Vertex AI、ゲートウェイでアドインにサインインした履歴がある。Claudeアカウントでのサインインのみ対応
サイドバーは開くが送信しても反応しない対処Firefoxや、厳しいトラッキング防止のブラウザが原因のことがある。Chrome・Edge・Safariに切り替え、ファイルを再読み込みする
「This document's Claude add-in script is out of date」対処Googleが古い版を配信している。再読み込みして開き直し、数分続くなら時間を置く
「Exceeded maximum execution time」対処6分の制限。続きを頼むか、タブ1枚・10枚ずつなどに分ける
Sheetsでタブが読めない対処BigQuery連携のタブ。Data > Data connectors > Extractで通常のタブに取り出す
会話が消えた対処履歴はブラウザとファイルごとの保存。別ブラウザ、プライベートウィンドウ、データ削除後、複製したファイルでは見えない

よくある疑問

会話はファイルの共同編集者に見えるか

見えません。会話はあなたのブラウザにあります。共同編集者に見えるのは、ファイルの中の編集と版履歴で、どちらもあなたの名前で記録されます。

Driveの他のファイルを見せられるか

既定では見えません。Googleが拡張機能を開いている1ファイルに制限しているためです。Google DriveのMCPを接続していれば、Claudeはそれを使って他のファイルを見られますが、これは既定でオフです。

ClaudeのChrome拡張とは別物か

別物です。Claude in Chromeはブラウザ内のWebページ全般を横断して動きます。Google Workspaceコネクタはclaude.aiからDrive・Gmail・Calendarを検索します。この拡張機能は、特定のDocs・Sheets・Slidesの1ファイルの中でその編集をします。

Microsoft 365版との違いは

Microsoft 365にも同様の拡張があり、サードパーティ推論に対応します。Google版はベータで、Claudeアカウントのサインインが前提です。アプリ間の連携はClaudeでMicrosoft 365アプリを横断して使う方法が参考になります。

まとめ

Claude for Google Workspaceは、ファイルの中で完結する編集に向いたベータ機能です。導入の可否はClaudeのプランよりGoogle Workspace管理者のMarketplace設定が先に決めます。使い始めるなら、既定のAsk before editsで挙動を確かめ、6分を超えそうな依頼は区切り、版履歴を保険にするのが無難です。監査やデータ保持の要件が厳しい組織は、ZDR非対応とサードパーティ推論非対応の2点を最初に確認してください。

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