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Claude for Teachersの学区管理者設定 — 申請からSSO・移行まで5手順

Claude for Teachersの学区管理者設定 — 申請からSSO・移行まで5手順

米国K-12の学区管理者が、Claude for Teachersの無料Enterprise組織を申請し、ドメイン認証・SSO・アカウント移行まで進める順番と詰まりどころをまとめます。

この記事の対象は、米国のK-12(初等中等教育)の学校・学区です。日本の学校や大学は、Claude for Teachersの対象に含まれません。学区の管理者が無料のClaude Enterprise組織を作る手順は5つで、申請、所属確認、ドメイン認証、SSOと自動アカウント作成、既存アカウントの移行の順に進みます。

先に結論を書くと、手戻りが出やすいのは3か所です。申請者の選び方、SSOの設定を保存するタイミング、移行ボタンを押す前の準備です。以下、各手順で何を用意し、どこで止まりやすいかを書きます。発表内容そのものはClaude for Teachers発表のニュース記事にあります。

申請する前に決めておくこと

Claude for Teachersは、認証を受けた米国K-12教員に無料で提供されます。個人で申し込む方法と、学校・学区が組織として申し込む方法があります。2027年6月30日までに申し込むと、1年間フルに使えます。

学区として申し込むと、教員は有償のEnterprise製品一式を無料で使えます。web・デスクトップ・モバイルのClaudeに加え、Claude Code、Cowork、Claude Designも入ります。K-12向けの教育プラグイン、州標準とつながるLearning Commonsコネクタも付きます。使える機能・モデル・コネクタは管理者が選びます。

対象と範囲

学区側に残る前提条件

  • 対象は教員だけ

    生徒のアカウントはこの提供に含まれません。

  • 申請は1ドメインにつき1件

    同じメールドメインで同時に開ける申請は1つです。

  • 申請者は管理者

    学区のITを任された人が、学区職員全員の代わりにK-12規約へ同意します。

申請が1ドメイン1件という制約は、あとから効きます。学校ごと、部署ごとに別々の担当者が申請すると、先に出した申請が席を塞ぎます。申請前に、誰が学区を代表して規約に同意するのかを決めておくと、やり直しを避けられます。

用意するものは4つです。

  • 学校または学区のメールアドレス
  • 自分の役職を示す書類(職員番号など)
  • ドメインのDNSレコードを編集できる権限
  • ID基盤(IdP)にアクセスできる権限

DNSとIdPの担当が別の部署なら、申請の前にそれぞれの担当者に声をかけておきます。手順3と4で待ちが出るためです。

手順1申請してK-12規約に同意する

claude.ai/k12districts を開き、自分が学区の技術設定を任された立場であることを確認します。そのうえで、次の3つの文書に同意します。

  1. US K-12 Terms of Service
  2. US K-12 Public Sector Addendum
  3. US K-12 Data Processing Agreement

規約とデータ処理契約は、組織で一度だけ同意すれば、全教員分に適用されます。教員が1人ずつ同意する必要はありません。

手順2所属確認を待つ

提携先のGoodstackが、申請者が学校または学区に属していることを確認します。承認されると、新しい組織へのリンクがメールで届きます。この段階で管理者ができる作業は、リンクを待つことだけです。承認までの所要日数は、サポート記事に記載がありません。

手順3メールドメインを認証する

組織に入ったら、学区のメールドメインを追加します。画面に出るDNSのTXTレコードを公開し、Verifyをクリックします。認証が通ると、席が開き、無料の初年度プランが自動で適用されます。

DNSの反映を待っている間は、レコードが公開されているかを手元で確かめられます。ドメイン名とレコード内容は、自分の学区のものに置き換えます。

dig TXT your-district.example.org +short

画面に表示されたTXTレコードの値が返ってくれば、公開は済んでいます。返ってこなければ、DNSの伝播待ちか、レコードを置いたゾーンの違いを疑います。

手順4 SSOと自動アカウント作成を設定する

ここが一番長い手順です。サポート記事が挙げる設定は4つで、順に進めます。

手順

手順4で入れる設定

  1. 1

    IdPをつなぐ

    組織のIDプロバイダを接続します。

  2. 2

    Require SSOをオンにする

    教員がSSO以外でサインインできないようにします。

  3. 3

    JITまたはSCIMをオンにする

    アカウントを自動で作る方式を選びます。

  4. 4

    Restrict organization creationをオンにする

    学区のメールアドレスで、個人のClaudeアカウントを新しく作れないようにします。

自動アカウント作成をオンにすると、メールによる招待は使えなくなります。招待で1人ずつ足す運用は、手順4を終えた時点で成立しなくなる点に注意が必要です。

JITとSCIMのどちらを選ぶか

JIT(just-in-time)は、IdPのアプリに割り当てられた人が初めてサインインした時点で、アカウントを作ります。SCIMは、IdP側の割り当てに合わせて、サインインを待たずにアカウントを作り、外します。

JITとSCIM

プロビジョニング方式の違い

初回ログインで作成

JIT

IdPから外した人はログインできなくなりますが、メンバー一覧に残り、席も埋まったままです。管理者が手で削除します。Claude側だけで削除した人は、次のSSOログインで再び追加されます。

IdPの変更に追従

SCIM

IdPのアプリから外すと、メンバーも自動で外れます。ロールや席種の変更も、グループのマッピングに応じて自動で伝わります。

学区は年度の途中で教員が入れ替わるため、退職者の整理が自動で済むSCIMのほうが運用は軽くなります。ただし、IdPがSCIMに対応している必要があり、設定の手間も増えます。両方を同時にオンにはせず、片方を選びます。SCIMとJITが両方有効な場合は、SCIMが優先されます。

保存するタイミングで人が外れる

JITまたはSCIMを選んだら、すぐに「Save changes」を押してはいけません。先に、対象の教員全員がIdPのAnthropicアプリに割り当てられていることを確認します。割り当てが済んでいない状態で保存すると、その人たちは組織から外されます。

画面に同期のプレビューが出るなら、削除される人数を確認してから適用します。想定より多ければ、キャンセルして割り当てを見直します。IdPごとの設定画面の手順は、サポート記事のJIT・SCIMの案内から、Okta、Entra ID、Google、OneLogin、JumpCloudの各ページへたどれます。

詳しい前提と落とし穴は、SSO・SCIM導入前に確認する3点にまとめています。

手順5既存アカウントを移行する

教員の多くは、すでに個人のClaudeアカウントを持っています。Claude for Teachersの個人アカウントを先に作った教員もいます。「Migrate accounts」をクリックすると、学区のドメインにある既存アカウント全部に通知が出て、30日の移行期間が始まります。

通知を受けた人は、3つから選びます。

  • すべてを移して学区の組織に入る
  • データを持ち越さず、新しく始める
  • 何も選ばない

何も選ばなかった場合の扱いが、2本のサポート記事で食い違っています。Teachers向けの記事は、アカウントが期限に閉じ、データは残るのでSupportが復旧できると書いています。Enterprise向けのドメイン請求の記事は、新しいEnterpriseアカウントが渡され、元のデータはメールで本人に送られ、個人アカウントには入れなくなると書いています。

どちらが学区の組織に当てはまるのかは、記事の記載だけでは判断できません。期限前に通知を出す側として、教員には「期限までに自分で選ぶ」ことを伝えておくのが安全です。

移行ボタンを押す前の準備

Enterprise向けの記事によると、ドメイン請求には前提があります。

  1. 認証済みドメインでRestrict organization creationを有効にする
  2. DNSによるドメイン認証を済ませる
  3. SSOを実際に強制する(設定済みでは足りない)
  4. JITまたはSCIMを有効にする

手順1〜4を順に終えていれば、この4つは揃います。もう一点、同じ記事は次のように書いています。IdPにいない人は、移行後にサインインできず、期限の30日後に個人アカウントが停止されます。ボタンを押す前に、IdPに教員全員がいるかを確認します。

また、同じ記事ではドメイン請求の有効化を取り消せない操作として扱っており、有効化の前に確認画面が出ます。取り消せるかどうかは、Teachers向けの記事には記載がありません。ここは確認画面の文言を読んでから進めます。

移行期限は、請求ごとに1つの日付です。人ごとに30日が数え直されることはありません。後から別のドメインを認証しても、進行中の請求には加わりません。複数ドメインを使う学区は、移行ボタンの前に全ドメインを認証しておくと、期限が1回で済みます。後から参加する教員は、SSOでサインインすれば、そのまま学区の組織に入ります。

詳しいデータの移り方は、個人アカウントの組織移行手順とドメインキャプチャ一括移行の手順で扱っています。

設定後に管理者ができること

組織の設定はすべてOrganization settingsにあります。管理できる項目は、次のとおりです。

項目内容
メンバーとロール内容ロールごとに使える機能・モデル・コネクタを決める
SSOとSCIM内容学区のSSOを必須にし、SCIMでメンバーを作る
ドメイン内容認証し、個人アカウントの作成を止める
コネクタ内容初期状態ではどれもオフ。教員が使えるものを選ぶ
既定モデルと指示内容既定のモデルと、組織全体への指示を決める
利用状況内容使用量を追跡する

コネクタが初期オフという点は、教員から「発表されたアプリが使えない」と問い合わせが来る原因になりえます。使えるようにするには、管理者が選んで有効にします。

ほかに、Compliance APIも標準のEnterprise管理機能に含まれています。大学向けの類似の枠組みは、Claude for Educationの使い方にあります。学区の設定でわからないことは、Supportに連絡します。Anthropicの担当者がいる学区は、調達書類やセキュリティレビューなどを担当者に相談できます。

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