ClaudeとG2を連携する方法 — 競合レビューの評点推移を定量監視する
G2の競合インテリジェンス・レビュー・買い手インテントデータをClaudeから照会できるConnectorです。接続手順と、G2側の契約で変わる照会範囲をまとめます。
ClaudeとG2の連携とは — 競合の買い手インテントをどう照会するか
Claude G2連携は、B2BソフトウェアのレビューサイトG2のデータをClaudeとの会話から照会できるConnectorです。対象はレビュー・カテゴリ・買い手インテント(Buyer Intent)です。開発元はG2自身です。Connectorsディレクトリでは、Sales & marketingカテゴリに「Anthropic verified」付きで載っています。追加時期は2026年3月、接続先のURLは https://mcp.g2.com/mcp です。
G2は、SaaS製品を中心にユーザーレビューを集めたB2Bソフトウェア比較サイトです。買い手インテントは、購入を検討している企業がG2上でどの製品ページや比較ページを見ているかという行動の信号を指します。営業・マーケティング担当者にとっては、問い合わせが来る前の関心を先に掴める情報源になります。
Connectorページの説明文は、リアルタイムの買い手インテントとレビューのインサイトをAIワークフローに持ち込む、という趣旨で始まります。用途として挙がるのは4つです。アカウントの優先順位付け、アウトリーチの個別化、メッセージングの改善、市場トレンドの把握です。サインインは必須です。
この記事の軸は、Claude側の設定よりも「G2側の契約で照会できる範囲が変わる」点にあります。接続できても、返ってくるデータはG2のプランと権限で決まります。
G2コネクタのツール一覧は、ClaudeのページとG2 docsで一致しない
Claudeのコネクタページに載っているツールは9個で、すべて browse_ list_ show_ のいずれかで始まります。G2自身のドキュメント(G2 MCP Server)にも同じ接続先のツール表がありますが、名前も数も合っていません。
| 見る場所 | レビューのツール | その他の違い |
|---|---|---|
| Claudeのコネクタページ | レビューのツールlist_product_reviews / show_product_review | その他の違い9個。作成・更新・削除に当たる名前はない |
| G2のドキュメント | レビューのツールlist_standard_product_reviews / list_market_intelligence_product_reviews | その他の違いベンダー、リサーチボード、買い手インテントのダッシュボード用ツールも載る |
G2のドキュメントには、リサーチボードの create_research_board update_research_board delete_research_board が並びます。ボードへの製品追加・削除のツールもあります。Claudeのページの9個には入っていません。
Team・Enterpriseでは、OwnerがClaudeの「Customize」→「Connectors」でG2を選ぶと、Tool permissionsに権限カテゴリが並びます。読み取り系と書き込み系で分かれています。
Claudeのページに載る9個を用途別に並べると次のとおりです。
| 分類 | ツール | 照会できる内容 |
|---|---|---|
| 競合インテリジェンス | ツールbrowse_competitive_intelligence / browse_product_buyer_intent | 照会できる内容競合の評価動向、製品ごとの買い手インテント |
| カテゴリ・製品 | ツールlist_categories / list_products / list_my_products / show_category / show_product | 照会できる内容カテゴリ構造、製品一覧、自社製品の情報 |
| レビュー | ツールlist_product_reviews / show_product_review | 照会できる内容製品ごとのレビュー一覧と個別レビューの詳細 |
レビュー本文と評点(スター数)は個別に取り出せるので、競合製品のレビューを一定期間ごとに取り直せば、評点や不満点の変化を手元で追えます。ただし、どちらのツール一覧にも評点の推移そのものを返す名前のツールはありません。定点観測は、Claudeに依頼するたびに最新値を取得して記録を積む運用になります。
返ってくるデータは、G2側の契約と権限で決まる
G2のドキュメントには、データの種類ごとに必要な条件が書かれています。Claudeの接続だけを済ませても、次の条件を満たさない分は返ってきません。
G2側の条件で変わる照会範囲
G2のアカウントと登録製品
G2の有効なアカウントが前提です。自社製品としてデータを絞り込むには、G2に製品が登録されている必要があります。
買い手インテント
「追加のG2エンタイトルメントが必要な場合がある」と書かれており、利用にはBuyer Intentのライセンスが別に要る場合があります。パートナー連携向けの記述でも、買い手の調査行動は「Buyer Intentのライセンスを持つ顧客向け」と注記されています。
Market Intelligence(競合のレビュー深掘り)
業種・企業規模・機能別評価・競合への乗り換えといった詳細は、G2プロフィールがEnterpriseパッケージのときに使えます。対象は、製品の
Admin > Competitorsに登録した競合です。登録数の上限はありません。リクエスト数
G2 APIの上限は1秒あたり100リクエストです。超えると60秒間アクセスが止まります。
list_market_intelligence_product_reviews が一覧に出ないときは、G2の担当者にパッケージの内容を問い合わせます。これがG2側の案内です。
list_my_products は、認証したアカウントが所有する製品を返します。自社製品を照会するには、製品がG2に登録されている必要があります。
個人アカウントで接続する手順
Free・Pro・Maxを含め、Claudeのアカウントなら接続の流れは共通です。対応する面はClaude(Web)とClaude Desktopで、Claude Mobileでのコネクタ追加はベータ扱いです。
個人アカウントでG2を接続する
- 1
Claudeにサインインする
G2のアカウントを作ったときのメールアドレスでClaudeにサインインします。G2側の説明はこの前提で書かれています。
- 2
Connectorsを開く
「Customize」→「Connectors」を開く、またはチャット下部の「+」から「Connectors」→「Manage connectors」を選びます。
- 3
G2を探して接続する
Sales & marketingカテゴリか検索窓からG2(G2 MCP)を選び、「Connect」をクリックします。
- 4
G2でサインインして許可する
開いたブラウザーで「Sign Up」を選んで登録を終え、Claudeに戻ります。要求される権限の範囲を見て許可します。
- 5
新しいチャットでオンを確かめる
新しいチャットを開き、「+」からG2 MCPがオンになっていることを見ます。チャット下部のトグルで、都度オン・オフも切り替えられます。
照会できる範囲は、サインインしたG2アカウントがすでに持っている権限までです。Claudeのヘルプにも、連携サービス側で閲覧できる内容だけをClaudeに同期できる、という趣旨の説明があります。
Team/Enterpriseでの組織展開
Team・Enterpriseプランでは、メンバーが使い始める前にOwnerまたはPrimary Ownerが組織側でG2を有効化します。有効化しただけではアクセス権は付かず、各メンバーが自分のG2アカウントでサインインして初めて使えます。
- 「Organization settings」→「Connectors」を開く
- 「Browse connectors」からG2を選び「Add to your team」をクリックする
- 各メンバーが個人アカウントと同じ手順でサインインする
組織側で気にしておく点が3つあります。
- Tool permissions: Ownerは接続先サービスの操作を絞れます。読み取り系と書き込み・削除系のカテゴリごとに、
Always allow/Needs approval/Blockedを選びます。組織全体に適用され、個人は上書きできません。Claudeのページが読み取り系の名前だけを並べていても、G2のドキュメントにはリサーチボードの作成・削除が載っています。書き込み系をBlockedかNeeds approvalにしておく選択肢があります。 - Enterprise管理の認証: Team・Enterpriseで使える、メンバーごとのサインインをIdP経由で一括管理する仕組みです。サポート記事の対応コネクタはAsana、Atlassian、Canva、Datadog、Figma、Granola、Linear、Notion、Slack、Supabaseです。G2は入っていません。IdPもOktaが先行対応という説明です。G2はメンバーごとのサインインになります。
- プライベートプロジェクト限定: Team・Enterpriseのコネクタはプライベートプロジェクトでだけ使え、同期済みコンテンツを含むチャットは共有できません。調べた競合の評点や買い手の関心度を他のメンバーへ渡すには、要点を別の文書にまとめ直すことになります。
接続経路は5つある — どれを選ぶか
G2のドキュメントは、G2 MCPへの入口を複数挙げています。Claudeはその一つです。いずれもOAuth 2.0でG2アカウントを認証します。
| 経路 | 向く人 | 条件・注意 |
|---|---|---|
| Claude | 向く人ノーコードで自然言語から照会したい人 | 条件・注意G2アカウントとサインイン |
| ChatGPT | 向く人ChatGPTを使う組織 | 条件・注意G2アカウントが必要 |
| my.G2のMCP Chat | 向く人サードパーティのAIツールを制限している組織 | 条件・注意G2の担当者に有効化を依頼する |
| 直接接続 | 向く人自作のエージェントやアプリに組み込む開発者 | 条件・注意G2 Developer PortalでOAuthアプリを登録する |
| パートナー製品経由 | 向く人HubSpot、Gong、AirOps、Profoundのユーザー | 条件・注意各製品とG2の双方の契約が必要 |
my.G2のMCP Chatについて、G2は「すでにClaudeやChatGPTからG2 MCPを使えるなら、そちらを勧める」と書いています。他のツールとの連携が優れているという理由です。
直接接続は、MCP TypeScript SDKの標準サンプルをそのまま使うと失敗します。G2のOAuthはDynamic Client Registrationに対応しておらず、事前登録した client_id と client_secret を渡す必要があります。認可コードを返すときに state パラメーターを含めないため、コールバック処理も code だけを要求する形に直します。OAuthのフローを終えたあとに401が返るときは、トークン検証のためのクロスアプリケーション設定がG2側で必要という扱いです。
スコープには読み取りの buyer_intent.read products.reviews.read などが並びます。research_boards.write もあります。G2 Activateのクレジットで企業をアンロックする g2_activate.write も含まれます。必要なエンドポイントだけを選んで登録する、という注意書きが付いています。
Web調査とG2の一次データ照会の使い分け
Claude Coworkには、ブラウザー操作や検索を組み合わせて競合の動きを幅広く調べる使い方があります。Coworkマーケティング活用では、競合調査・コンテンツ制作・レポート作成の任せ方を工程別にまとめています。Web版コネクタはCoworkでも使えるので、両者は対立する選択肢ではなく、調査の入口が違うだけです。
| 項目 | Web検索・閲覧による調査 | G2の一次データへの照会 |
|---|---|---|
| 情報源 | Web検索・閲覧による調査競合サイト・プレスリリースなど公開情報全般 | G2の一次データへの照会G2が保有するレビュー・買い手インテント |
| 向く場面 | Web検索・閲覧による調査競合の新機能・訴求内容の広範な把握 | G2の一次データへの照会評点や関心度の継続的な定点観測 |
| 前提 | Web検索・閲覧による調査特になし | G2の一次データへの照会G2の契約と権限に依存 |
競合調査を「広く浅く見る」段階と「特定の指標を追う」段階に分けると、前者はWeb調査、後者はG2のような特定データソースへの照会が向いています。トラフィック側の定量データを見たい場合はClaudeとSimilarwebを連携する方法が対象です。G2はレビュー・買い手インテント側、Similarwebはトラフィック・キーワード側を担当します。
営業・マーケティング業務での使い方
G2のドキュメントには、買い手インテントを使ったプロンプト例が3つ載っています。Claudeに頼むときの型として使えます。
G2のドキュメントにある依頼の型
アウトリーチ先を探す
「G2 Adsを調べている企業を、インテントスコアと比較している競合つきで見せて」と頼む例です。社名・インテントスコア(0〜100)・活動レベルに加え、評価中の競合製品と企業規模・所在地・ドメインが返ります。
今週の優先アカウントを決める
「G2のインテント信号で、今週どのアカウントを優先すべきか」と頼む例です。インテントスコアと活動量(アクティビティ数・訪問者数)で順位付けした一覧が返ります。
3つ目は商談前の準備です。「Confluentについて、G2のデータで商談前ブリーフィングを作って」と頼む例です。直近の買い手インテントと、調べている競合が返ります。プロフィール閲覧・比較ページ・料金ページ閲覧といった信号の種類と、日単位の活動の推移も付きます。
マーケティング側は、browse_competitive_intelligence で自社と競合がカテゴリ内でどう比べられているかを引き、訴求の見直しに使えます。レビューの不満点をカテゴリ内の評価軸ごとに並べさせれば、競合との差が大きい項目も洗えます。Market IntelligenceのEnterpriseパッケージがあれば、競合からの乗り換えの傾向まで同じ会話で聞けます。
よくあるつまずき
Connectorsの一覧にG2が出てこない
Team・Enterpriseプランでは、Ownerが組織側でG2を有効化していないと、メンバーの設定画面に選択肢が表示されません。個人アカウントではこの手順は不要です。
サインインがうまくいかない
まず、Claudeにサインインしているメールアドレスが、G2のアカウントを作ったときのものと一致しているかを確かめます。別のアドレスで入っているなら、G2のアカウントのアドレスでClaudeにサインインし直してから、Connectorsの手順をやり直します。
自社製品のレビューしか出てこない
list_my_products は自社アカウントに紐づく製品だけを対象にします。競合製品のレビューは、show_product や list_product_reviews で競合製品を指定して頼みます。
買い手インテントや競合の詳細データが出てこない
条件はClaudeの設定ではなくG2側の契約にあります。一覧に出ない項目は、G2の担当者に問い合わせます。
短時間に大量の照会をして止まる
G2 APIは1秒あたり100リクエストの上限があり、超えると60秒間止まります。複数の競合を一度に洗わせるときは、上限に触れないよう依頼を分ける方法があります。
カテゴリ名や製品名で該当が出ない
G2上の正式なカテゴリ名・製品名と、社内の略称が食い違うと、list_categories や list_products で見つかりません。先に list_categories で正式名称を確かめ、show_category や show_product に渡します。
まとめ
照会できるデータはG2の契約と権限で決まります。接続する前に、買い手インテントのライセンスと、競合のレビュー深掘りに必要なEnterpriseパッケージの有無をG2の担当者に確かめておくと無駄がありません。
参照した一次ソース
この記事の記述は、次の一次ソースと照合しています。更新時に参照先が変わった場合は一覧も更新します。