ClaudeとSimilarwebを連携する方法 — 競合サイトのトラフィックを分析する
Similarwebのトラフィック・オーディエンスデータをClaudeから照会できるConnectorです。接続手順と22ツールの内訳、G2連携との使い分けをまとめます。
ClaudeとSimilarwebの連携とは — 競合サイトのトラフィックをどう照会するか
Claude Similarweb連携は、市場インテリジェンス企業Similarwebが持つWebサイト・モバイルアプリのトラフィックデータを、Claudeとの会話から直接照会できるConnectorです。開発元はSimilarweb自身で、ConnectorsディレクトリではProductivityカテゴリに分類されています。同じ競合分析向けのConnectorでも、G2がSales & marketingカテゴリなのに対し、Similarwebは調査ツールという性格が強く出た分類です。Connectorページに記載された追加時期は2026年1月です。
Similarwebは、自社のアクセス解析ツールを導入していない外部サイトでも、訪問数やトラフィックの流入元を推定値として調べられる市場インテリジェンス企業です。競合のサイトに直接アクセス権限が無くても、SEO担当者やアナリストが「相手のサイトはどれくらい見られているか」を外部から推測する用途で広く使われています。
公式の説明文は「Similarwebの市場インテリジェンスデータを使って、どんなWebサイト・アプリでも調査できる」という一文で始まります。用途として4つが例示されています。競合のトラフィック分析、上位キーワードの洗い出し、オーディエンス属性の把握、業界を横断したパフォーマンスのベンチマークです。公式の例示には具体的な依頼文も挙げられています。「Nikeのトラフィックソースの内訳を見せて」「Adidasが上位表示されているキーワードは何?」といった聞き方です。マーケター・アナリスト・投資家・戦略担当者のいずれの立場でも使える設計だとしています。ただし、後述する22個のツール一覧にキーワードを専門に返すツールはなく、「上位キーワードの洗い出し」は説明文上のうたい文句にとどまります。
サインインが必須です。実際に照会できるデータの範囲は、接続したアカウントがSimilarweb側で持つ契約プランに依存します。無料枠で試せる範囲と有料プランでしか照会できない項目の区別はSimilarweb側のプラン詳細によるため、契約内容を先に確認しておくと期待値のズレを防げます。
Similarweb連携はWeb版・Desktop版・Claude Mobileのいずれでも利用できます。モバイルでの接続はベータ提供です。
Similarwebコネクタで照会できる22種類のツール
公式ページに掲載されたツールは22個で、すべて get- で始まる読み取り専用の名前です。作成・更新・削除に相当するツールは含まれていません。
| 分類 | 主なツール | 照会できる内容 |
|---|---|---|
| トラフィック基本指標 | 主なツールget-websites-traffic-and-engagement / get-websites-traffic-sources / get-websites-website-rank / get-segments-traffic-and-engagement / get-segments-traffic-sources | 照会できる内容訪問数・滞在時間、流入元の内訳、サイトのランキング |
| コンテンツ・ページ分析 | 主なツールget-website-content-subdomains-agg / get-pages-leading-folders-agg / get-pages-popular-pages-agg / get-website-content-technologies-agg | 照会できる内容サブドメイン構成、人気ページ、使用技術 |
| オーディエンス分析 | 主なツールget-websites-audience-interests-agg / get-websites-audience-overlap-agg / get-websites-deduplicated-audience / get-websites-demographics-agg / get-websites-traffic-by-demographics-agg / get-websites-geography-agg | 照会できる内容訪問者の興味関心、重複訪問者、属性、地域分布 |
| 競合・市場比較 | 主なツールget-websites-similar-sites-agg / get-websites-referrals-agg / get-websites-top-sites-by-category-agg | 照会できる内容類似サイト、参照元サイト、カテゴリ別上位サイト |
| 広告 | 主なツールget-websites-ppc-spend / get-website-analysis-ad-networks-agg | 照会できる内容PPC広告費の推定、利用している広告ネットワーク |
| モバイルアプリ | 主なツールget-app-engagement-installs-penetration / get-app-app-store-rank | 照会できる内容アプリのインストール数・利用率、ストア内ランキング |
22個のうち13個が「-agg」という接尾辞を持ちます。個別のアクセスログではなく、Similarweb側で集計済みの推定値を返すツールであることを示す命名です。実際の解析基盤に直接アクセスしているわけではなく、Similarwebが独自の手法で推定した集計データを取得する設計だと読み取れます。
get-websites-traffic-and-engagement と get-websites-traffic-sources を組み合わせれば、競合サイトの訪問数と流入元の内訳を1回の依頼でまとめて把握できます。さらに get-websites-audience-overlap-agg を使うと、自社サイトと競合サイトの訪問者がどれだけ重複しているかまで確認できます。実際に顧客を奪い合っている相手かどうかの見極めに使えるツールです。
個人アカウントで接続する手順
Free・Pro・Maxのいずれでも、接続の流れは共通です。
- Claudeで「Customize」→「Connectors」を開く、またはチャット下部の「+」から「Connectors」→「Manage connectors」を選ぶ
- Productivityカテゴリ、または検索窓からSimilarwebを探す
- 「Connect」をクリックし、Similarwebのログイン画面でサインインする
- 要求される権限の範囲を確認し、許可する
接続後は、チャット下部の「Connectors」トグルでSimilarwebを都度オン・オフに切り替えられます。照会できるデータの精度・範囲は、サインインしたアカウントがSimilarweb側ですでに契約しているプランまでです。
Team/Enterpriseでの組織展開
Team・Enterpriseプランでは、メンバーが利用を始める前にOwnerまたはPrimary Ownerが組織側でSimilarwebを有効化しておく必要があります。
- 「Organization settings」→「Connectors」を開く
- 「Browse connectors」からSimilarwebを選び「Add to your team」をクリックする
- 各メンバーが個人アカウントと同じ手順でサインインする
マーケティング・戦略チームが複数人で競合サイトを継続的にウォッチする場合、個人ごとに接続するより組織側で一度有効化するほうが運用が揃います。組織全体でのMCP Connector一括認証の手順は、Anthropicのサポートガイドにまとめられています。書き込み系のツールが元々存在しないConnectorですが、Tool permissionsを明示的に設定しておけば、将来ツールが追加された場合の備えになります。
なお、Connectorsはプライベートプロジェクトでのみ利用できる仕様であり、同期済みコンテンツを含むチャットは共有できません。Team・Enterpriseで組織展開する際は、この制約を踏まえてプロジェクト構成を検討してください。
G2連携との違い — トラフィックデータとレビューデータ
同じ競合分析目的のConnectorでも、SimilarwebとG2では扱うデータの種類が異なります。
| 項目 | Similarweb | G2 |
|---|---|---|
| カテゴリ | SimilarwebProductivity | G2Sales & marketing |
| 対象データ | Similarwebサイト・アプリのトラフィック、オーディエンス | G2レビュー、カテゴリランキング、買い手インテント |
| 向く問い | Similarwebこのサイトはどれだけ見られているか | G2この製品はどう評価されているか |
| データの粒度 | Similarwebサイト単位の集計値(推定) | G2レビュー単位の個別コメントと評点 |
競合のWebサイトそのものへの関心を数値で追いたい場合はSimilarweb、B2Bソフトウェアとしての評価やレビューの中身を追いたい場合はG2という使い分けになります。両方を組み合わせれば、「サイトへのトラフィックは伸びているのに評価は下がっている」のような、単独のConnectorでは見えない食い違いにも気づけます。買い手インテント側の詳しい使い方はClaudeとG2を連携する方法にまとめています。市場調査や競合分析そのものをCoworkに任せるときの指示の型はCoworkリサーチの進め方にまとめています。
マーケティング・投資調査での活用シーン
SEO担当者は、get-websites-top-sites-by-category-agg で自社が属するカテゴリの上位サイトを洗い出せます。続けて get-website-content-technologies-agg を使えば、それらのサイトが採用している技術スタックまで確認できます。上位サイトの技術選定を知ることは、自社サイトの改善優先度を決める材料になります。
投資アナリストは、投資検討先の企業サイトについて get-websites-traffic-and-engagement で訪問数の推移を追い、get-websites-geography-agg で地域別のトラフィック構成を確認できます。決算発表前に、Webサイトへの関心の高まりから事業の勢いを間接的に推測する使い方です。
アプリを提供する事業者は、get-app-engagement-installs-penetration と get-app-app-store-rank を組み合わせて使えます。競合アプリのインストール数の推移とストア内順位を継続的に確認できるためです。Webサイトとアプリの両方を持つ競合であれば、どちらのチャネルに力を入れているかという傾向もあわせて見えてきます。
よくあるつまずき
Connectorsの一覧にSimilarwebが出てこない
Team・Enterpriseプランでは、Ownerが組織側でSimilarwebを有効化していないと、メンバーの設定画面に選択肢自体が表示されません。個人アカウントではこの手順が不要です。
小規模なサイトのデータが出てこない、または精度が粗い
Similarwebの推定値は、対象サイトのトラフィック規模が一定水準を下回ると精度が落ちたり、データ自体が返らなかったりすることがあります。ニッチな中小規模サイトを調べる場合は、この制約を踏まえて数値を参考値として扱います。
自社サイトの実際のアクセス解析データと数値が一致しない
Similarwebの数値はサードパーティの推定であり、Google Analyticsのような自社の実測データとは算出方法が異なります。両者を同じ精度で比較する指標としては扱わず、競合との相対比較や傾向把握に使うのが実態に近い運用です。
モバイルアプリのデータだけ取得できない
get-app-engagement-installs-penetration と get-app-app-store-rank はアプリ専用のツールで、対象がWebサイトのみの企業の場合は該当データが無いのが正常な挙動です。アプリを提供していない競合を調べる際は、この2つのツールを依頼から外します。
よくある質問
過去のトラフィック推移をさかのぼって取得できますか
公式ページの説明には期間の上限に関する明記がありません。「直近3か月」のように相対的な期間を指定して依頼すると、対象範囲を確認しやすくなります。
複数の競合サイトを1回の依頼で比較できますか
比較対象のサイトを名指しで具体的に伝えれば、それぞれのツール結果を並べた比較を依頼できます。対象サイトを増やすほど、1回あたりの応答は長くなる傾向があります。定点観測として続ける場合は、同じサイトの組み合わせで毎回依頼すると、数値の並びを見比べやすくなります。
まとめ
Claude Similarweb連携は、Webサイト・モバイルアプリのトラフィック・オーディエンスデータをチャットから照会できる、読み取り専用のConnectorです。公式の説明文ではキーワードの洗い出しも例示されていますが、専用のツールはありません。22個のツールはすべて get- で始まり、うち13個は集計済みの推定値を返す「-agg」系です。個人アカウントは「Customize」→「Connectors」からサインインするだけで使い始められ、Team・EnterpriseはOwnerによる組織側の有効化が前提になります。同じ競合分析でもレビュー・買い手インテント側を見たい場合はG2連携が対象になり、トラフィック側のSimilarwebと組み合わせることで、単独では見えない競合の変化に気づきやすくなります。