ClaudeとSimilarwebを連携する方法 — 競合サイトのトラフィックを分析する
Similarwebのトラフィック・オーディエンスデータをClaudeから照会するConnectorです。必要な契約、ツール一覧の食い違い、接続手順、G2との使い分けを解説します。
ClaudeとSimilarwebの連携とは — 競合サイトのトラフィックをどう照会するか
Claude Similarweb連携は、Similarwebが持つWebサイト・モバイルアプリのトラフィックデータを、Claudeとの会話から照会するConnectorです。開発元はSimilarweb自身で、ConnectorsディレクトリではProductivityカテゴリに入っています。「Anthropic verified」のラベルが付き、追加時期は2026年1月、接続先のURLは https://mcp.similarweb.com/ です。
自社でアクセス解析を入れていない外部サイトでも、訪問数や流入元を調べられるのがSimilarwebの特徴です。競合のサイトに管理権限が無くても、相手がどれくらい見られているかを外から把握できます。SEO担当者やアナリストが競合調査に使う場面が中心です。
Connectorページの説明は、Similarwebの市場インテリジェンスデータで、どんなWebサイト・アプリでも調べられるという趣旨です。例示された用途は、競合のトラフィック分析、上位キーワードの洗い出し、オーディエンス属性の把握、業界横断のベンチマークの4つです。依頼文の例として「Nikeのトラフィックソースの内訳を見せて」「Adidasが上位表示されているキーワードは何?」も載っています。
最初に押さえたいのは、Claude側の条件とSimilarweb側の条件が別だという点です。サインインは必須で、実際に取れるデータはSimilarwebの契約で決まります。次の節で両者を並べます。
Claudeのプランだけでは使えない — Similarweb側の契約が要る
ClaudeのヘルプによるとWeb connectorsは全ユーザーが使えます。一方、Similarwebのドキュメントは、MCP接続に必要なものを別に挙げています。
接続に必要な条件の持ち主
Claude側
Web connectorsはClaude・Cowork・Claude Desktop・Claude Mobile(iOSとAndroid)の全ユーザーが対象です。Team・Enterpriseでは、利用前にOwnerまたはPrimary Ownerが組織で有効化します。
Similarweb側
API/MCPアクセスを含む契約(API-only・Business・Enterprise)と、Similarwebのログインが必要です。データクレジットも使います。
クレジットの使われ方も押さえておきます。Similarwebによると、MCPは通常のAPI応答と同じ方式でデータクレジットを消費します。消費量は依頼内容と返るデータで変わり、複数の指標を引く複雑な依頼ほど多く使います。
そのため、手元のClaudeが有料かどうかより、Similarwebでどの契約を持っているかが先に効きます。Claudeの画面でConnectorを追加できても、Similarweb側の契約が条件に合うかどうかは別の話です。サインイン後にデータが返らないときは、Similarwebの契約種別とクレジット残量を先に見ます。
22個か26個か — ツール一覧の食い違いを読む
Claudeのディレクトリに載っているツールは22個で、名前はすべて get- で始まります。作成・更新・削除に当たる名前は含まれません。一方、Similarwebのドキュメントの表には26項目が載っています。
ツールの数え方の違い
Claudeのディレクトリ
22
get-で始まる名前
Similarwebのドキュメント
26
MCPで使えるメトリクスの表
差の中身は次のとおりです。ドキュメントの表にだけあるのは5項目です。SERP Players・SERP Clicks・Keywords Overview・Website Keywordsの4つと、アプリの詳細を返すApp Detailsです。逆にディレクトリにだけあるのが、カテゴリ別の上位サイトを返す get-websites-top-sites-by-category-agg です。
この差は、キーワードに関する依頼の見通しを変えます。ディレクトリの22個には、キーワード専用の名前がありません。それでも説明文は「上位キーワードの洗い出し」をうたい、ドキュメントにはWebsite Keywordsが載っています。キーワード中心の調査では、Claudeが実際に呼んだツール名を結果の中で見て、キーワード系が動いたかを確かめます。
ドキュメントの表からは、ツールごとに返る指標も分かります。ディレクトリのツール名と対応づけると、次のようになります。
| 分類 | ディレクトリのツール名 | 返る指標(Similarwebドキュメント) |
|---|---|---|
| トラフィック | ディレクトリのツール名get-websites-traffic-and-engagement | 返る指標(Similarwebドキュメント)visits・平均滞在時間・ページ/訪問・直帰率・page_views・unique_visitors・new_users・returning_users |
| 流入元 | ディレクトリのツール名get-websites-traffic-sources | 返る指標(Similarwebドキュメント)direct・display ads・mail・organic search・paid search・referrals・socialの各チャネルの訪問数ほか |
| 順位 | ディレクトリのツール名get-websites-website-rank | 返る指標(Similarwebドキュメント)country_rank・category・category_rank |
| セグメント | ディレクトリのツール名get-segments-traffic-and-engagement / get-segments-traffic-sources | 返る指標(Similarwebドキュメント)サイトの一部(セグメント)単位のトラフィックと流入元 |
| ページ構成 | ディレクトリのツール名get-website-content-subdomains-agg / get-pages-leading-folders-agg / get-pages-popular-pages-agg | 返る指標(Similarwebドキュメント)サブドメインやフォルダーごとのシェアと変化、人気ページ |
| 使用技術 | ディレクトリのツール名get-website-content-technologies-agg | 返る指標(Similarwebドキュメント)sub_category・pricing_model・description・first_seen_date |
| オーディエンス | ディレクトリのツール名get-websites-audience-interests-agg / get-websites-demographics-agg / get-websites-geography-aggほか | 返る指標(Similarwebドキュメント)併せて見られるサイト、年代・性別の比率、国別の訪問 |
| 広告 | ディレクトリのツール名get-websites-ppc-spend / get-website-analysis-ad-networks-agg | 返る指標(Similarwebドキュメント)月ごとのPPC広告費、広告ネットワークごとのシェアと訪問数 |
| アプリ | ディレクトリのツール名get-app-engagement-installs-penetration / get-app-app-store-rank | 返る指標(Similarwebドキュメント)国ごとのインストール率、AndroidとiOSのストア順位 |
表の中で見落としやすいのは、重複オーディエンスの2つです。get-websites-audience-overlap-agg は2〜5サイトを並べて、訪問者の重なりを返します。get-websites-deduplicated-audience は、デスクトップのみ・モバイルWebのみ・両方という3つの層に分けて、重複を除いた訪問者数を出します。自社と競合が同じ客を奪い合っているかを見る材料になります。
接続の手順 — 個人アカウントとTeam・Enterprise
接続の流れは、Free・Pro・Maxのどのプランでも変わりません。
個人アカウントでSimilarwebを接続する
- 1
Connectorsの画面を開く
「Customize」→「Connectors」を開きます。チャット左下の「+」から「Connectors」にカーソルを合わせ、「Manage connectors」を選ぶ経路もあります。
- 2
Similarwebを探す
「Connectors」の横の「+」を押すと、カテゴリ別の一覧が開きます。Productivityのカテゴリか、全体の一覧からSimilarwebを選びます。
- 3
サインインして許可する
「Connect」を押してSimilarwebのログイン画面に進み、前節の契約を持つアカウントでサインインします。説明と権限を見てから許可します。
接続したConnectorの扱いは、チャット左下の「+」から「Connectors」を開いて変えられます。ここで「Tool access」を選ぶと、ツールの読み込み方のモードを切り替えられます。既定はAutoで、Connectorを10個以上有効にしているなら、On demandに替えて会話の余裕を広げる選択肢がヘルプに載っています。
モバイルでの接続はベータ提供で、ヘルプによるとカスタムConnectorの主な経路はClaude DesktopとWebです。
Team・Enterpriseでは、組織の管理者が先に動きます。OwnerまたはPrimary Ownerが「Organization settings」→「Connectors」を開きます。ページ下部の「Browse connectors」からSimilarwebを選び、「Add to your team」を押します。有効化しても、各メンバーが使えるわけではありません。メンバーは個人の場合と同じ手順で、自分のSimilarwebアカウントにサインインします。
組織で有効にした後は、書き込みや削除に当たる操作を制限する設定もあります。「Customize」→「Connectors」でConnectorを開き、「Tool permissions」を見ると、ツールが種類ごとに並びます。「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選べます。Similarwebのツールは名前の上では読み取りだけなので、この制限が効く場面は限られます。
組織全体で一度だけ認証する方法には、Enterprise-managed authがあります。ヘルプの一方のページは「beta」、もう一方のページは「generally available」と書いています。どのConnectorが対象になるかは、Connectorごとの管理設定で決まります。
なお、Connectorsはプライベートプロジェクトでのみ使える仕様です。同期したコンテンツを含むチャットは共有できません。Team・Enterpriseでプロジェクトを組むときは、この制約を前提にします。
G2連携との違い — トラフィックデータとレビューデータ
同じ競合分析のConnectorでも、SimilarwebとG2では扱うデータが違います。
| 項目 | Similarweb | G2 |
|---|---|---|
| カテゴリ | SimilarwebProductivity | G2Sales & marketing |
| 対象データ | Similarwebサイト・アプリのトラフィック、オーディエンス | G2レビュー、カテゴリ情報、買い手インテント |
| 向く問い | Similarwebこのサイトはどれだけ見られているか | G2この製品はどう評価されているか |
競合のWebサイトへの関心を数字で追うならSimilarweb、B2Bソフトウェアとしての評価やレビューの中身を追うならG2が向きます。両方を並べると、「トラフィックは伸びているのに評価は下がっている」のように、片方では見えない食い違いに気づけます。買い手インテント側の使い方はClaudeとG2を連携する方法で扱っています。
調査から報告までをCoworkに任せる場合の指示の型は、Coworkリサーチの進め方にあります。検索順位や被リンクを月次で追う補完には、ClaudeとAhrefsのSEO監査が使えます。
職種別の使い方と、クレジットを抑える依頼の型
SEO担当者は、get-websites-top-sites-by-category-agg で自社カテゴリの上位サイトを出せます。続けて get-website-content-technologies-agg を使えば、そのサイトが採用している技術スタックも見えます。上位サイトの技術選定は、自社サイトの改善優先度を決める材料になります。
投資アナリストは、検討先の企業サイトについて get-websites-traffic-and-engagement で訪問数の推移を追います。get-websites-geography-agg を足せば、国別の構成も分かります。Webへの関心の変化から事業の勢いを間接的に読む使い方です。
アプリを出している事業者なら、インストール率とストア順位の2つのツールを組み合わせて、競合アプリの動きを国ごとに追えます。
どの使い方でも、依頼は絞るほどクレジットを使いません。返るデータの量で消費が増えるので、比較する競合と指標は必要な分だけに限ります。オーディエンスの重なりを見る依頼は、並べられるサイト数の上限が5です。
よくあるつまずき
Connectorsの一覧にSimilarwebが出てこない
Team・Enterpriseでは、Ownerが組織側で有効化していないと、メンバーはSimilarwebを使えません。個人アカウントではこの手順は要りません。
サインインできたのにデータが取れない
接続とデータ取得は別の条件です。Similarwebのドキュメントは、API/MCPアクセスを含む契約(API-only・Business・Enterprise)を前提にしています。契約の種別とデータクレジットの残量を、Similarweb側の画面で確かめます。
アプリのデータの聞き方が分からない
アプリ系のツールは、国やアプリIDを指定して引きます。ドキュメントでは、インストール率は特定の国の端末に占める割合と説明されています。App Detailsはアプリの識別子を渡して詳細を返す項目ですが、Claudeのディレクトリの22個には対応する名前がありません。依頼文に対象の国とアプリ名を入れておくと、ツールの呼び出しがかみ合います。
結果の正確さをどこまで信じるか
Similarwebのドキュメントは、MCP経由のデータとAIが作る洞察について、不完全・不正確・文脈が限定される場合があると書いています。AIの解釈が入る点も明記され、利用は利用者の責任だとされています。意思決定に使う数値は、元の画面で見直してから採用します。
まとめ
Claude Similarweb連携は、読み取り専用でトラフィックとオーディエンスを引くConnectorです。条件になるのはClaudeのプランより先に、SimilarwebのAPI/MCP契約とクレジットです。キーワード調査はツール一覧に食い違いがあるため、呼ばれたツール名を見ながら進めるのが確実です。