Claudeで領収書・レシートの写真から経費を仕分ける手順
手元の領収書・レシートの写真をClaudeで一覧化し、経費を仕分ける手順です。Claude自身の領収書の入手先と宛名の直し方も、冒頭で短く答えます。
Claude自身の領収書と宛名はどこで手に入るか
「Claude領収書」で探している場合、Claudeの利用料そのものの領収書は、この記事の主題ではありません。入手先は契約の経路で決まります。
- Webで契約したPro・Max: 課金のたびに請求書が請求先メールアドレスへ届きます。件名は「Your receipt from Anthropic」で、受信箱を検索すれば見つかります
- iOS・Androidアプリ経由の契約: Anthropicは請求書を発行しません。Apple App StoreまたはGoogle Playが課金し、領収書は各ストアのアカウントで見られます
- 使用量クレジットの購入: 月額プランとは別に課金され、領収書も別に届きます。同じ月に2通届くのはこのためです
宛名は、請求書を発行した時点の支払い方法に登録された名前と住所が載ります。会社名にしたいときは、支払い方法の追加・更新の画面で「Use a different name on invoices」にチェックを入れます。発行済みの請求書は後から直せないので、法人名義にするなら最初の課金より前に設定します。
請求書の項目の読み方はClaudeのPro/Max請求書の見方で扱っています。宛名と税金まわりの設定はClaude請求先住所と税金の仕組み、電子帳簿保存法に沿った保存は電子取引としてClaudeの領収書を保存する手順で扱っています。以降は、手元の紙の領収書やレシートをClaudeで仕分ける手順です。
Claudeで領収書を読み込むと何ができるか
領収書やレシートをスマートフォンで撮影してチャットに添付すると、日付・店舗名・金額を読み取って一覧の表に整形します。紙の束を電卓片手に転記する工程が、写真を撮って指示を出す作業に変わります。飲食費の明細を交際費等と会議費に振り分ける段階は、交際費と会議費をClaudeで判定する手順に続きます。
確定申告の直前に1年分をまとめて仕分ける個人事業主や副業所得者に向く使い方です。表にしておけば、会計ソフトへの入力も税理士への提出も楽になります。ただし、読み取った数値をそのまま申告書に使うのは避け、元の紙との突き合わせは自分で行います。出張の日当や宿泊費を規程の上限と照らす段階は、旅費規程に照らした旅費精算の点検で扱います。
写真を送る前に確かめる上限と画像の条件
領収書の写真は、数字が公式ページによって分かれる箇所があります。次の4つが、送る前に見ておく数字です。
領収書の写真を送るときの数字
1回の送信
20枚
画像解析ガイドは1メッセージ20枚、Help Centerは1チャットにつき20ファイル
画像の大きさ
8000×8000px
これを超える画像は添付できない
画像1枚の容量
10MB / 500MB
画像解析ガイドは10MB、Help Centerのチャット添付は1ファイル500MB
推奨の解像度
1000×1000px以上
Help Centerの「Tips for best results」
画像1枚の容量で迷ったときは、低い10MBを基準にすれば、どちらの記述にも収まります。
対応する画像形式はJPEG・PNG・GIF・WebPの4種類です。HEIC形式の写真は、この4種類のどれにも当たりません。読み込めない写真が出たときは、JPEGに変換してから添付します。添付の方法は、チャット欄の「+」から「Add files or photos」を選ぶか、ウィンドウへのドラッグ&ドロップか、クリップボードからの貼り付けです。
縦長のレシートは長辺で縮められる
Claudeが読める解像度には、モデルごとに長辺の上限があります。画像解析ガイドの表では、Claude 4.7以降のモデルは長辺2576px(最大4,784視覚トークン)、それ以外のモデルは長辺1568px(最大1,568視覚トークン)です。上限を超えた画像は縦横比を保ったまま縮小されます。
同じ表では、1000×1000pxの画像は縮小されず1,296トークン、1920×1080pxは標準の上限だと1456×819pxに縮みます。細長いレシートを1枚に収めると、長辺が先に上限へ当たり、幅の画素も同じ割合で減ります。文字が潰れそうなときは、上半分と下半分に分けて撮り、指示文で「2枚で1件のレシート」と伝えます。
撮影で読み取りの精度を落とさないコツ
撮影の質は、指示文の工夫より先に結果を左右します。紙面全体が入る真上から1枚ずつ撮ります。斜めから撮ると文字が歪み、金額欄の数字が崩れます。折れ曲がったレシートは伸ばしてから撮ると、影で文字が欠けるのを防げます。
画像解析ガイドの「Image quality guidance」には、撮影に使える注意が4つ並んでいます。
- 画像がぼやけたり粗くなったりしていないこと
- 重要な文字が小さすぎないこと。文字を大きく写したいからといって、周りの文脈まで切り落とさないこと
- 大きすぎる画像は縮小されるので、文字が読みにくくなりうること
- JPEGやWebPの圧縮を重ねると、文字の判読に悪い影響が出うること
領収書に当てはめると、金額欄だけを拡大して店舗名や日付を切り落とす撮り方は避けます。メッセージアプリ経由で何度も圧縮した写真より、端末のカメラで撮った元の写真を直接添付するほうが読み取りに向きます。レシートは数か月分を後回しにせず、早めに撮っておきます。
写真に埋め込まれた撮影日時は、読み取りの手がかりになりません。画像解析ガイドのFAQは、Claudeが画像のメタデータを受け取らないと説明しています。日付は紙面の印字から読み取らせるため、日付欄が写っているかを撮影時に確かめます。
向きにも気をつけます。同じガイドは、低画質・回転した画像・200ピクセル未満の非常に小さい画像で、Claudeが誤読したり実際には書かれていない内容を答えたりする(ハルシネーション)場合があると書いています。向きをそろえて撮り、送信前に金額欄がぼやけていないかだけは自分の目で見ます。
抽出する項目を指定して読み込ませる
画像を添付したら、抽出してほしい項目と出力形式を具体的に指定します。「読み取って」とだけ頼むより、欲しい列を先に決めておくほうが手戻りが少なくなります。
添付した領収書・レシートの画像それぞれについて、
以下の項目をMarkdownの表にまとめてください。
- 日付
- 店舗名
- 金額(税込)
- 主な購入内容(1行で簡潔に)
- 軽減税率(8%)の対象品目が含まれているかどうか
読み取れない箇所は「不明」と記載し、
推測で埋めずにそのまま報告してください。画像解析ガイドは、画像を先に置き、テキストを後に置く構成を勧めています。チャットでは、写真を添付してから指示文を書く順です。複数枚を一度に渡すときは「1枚目」「2枚目」のような短いラベルを添えると、Claudeがどの画像の結果かを取り違えにくくなります。
読み取れない箇所を「不明」のまま報告させる指示は特に重要です。空欄を推測で埋められると、検算のときにどこが読み取りでどこが推測かの区別がつかなくなります。
読み取った表をExcelやスプレッドシートにして受け取る
チャットに出た表は、コピーして会計ソフトやスプレッドシートに貼るだけでも実用になります。ファイルとして受け取りたいときは、次の流れで進めます。
表をファイルにして受け取る流れ
- 1
チャット内の表を確認する
コピーで足りるなら、ここで終わりです。件数が多いときだけ次へ進みます。
- 2
ファイル形式を指定して依頼する
「この表をExcelファイル(.xlsx)として書き出してください」のように頼みます。
- 3
ファイルが出ないときは設定を見る
設定の「Capabilities」にある「Code execution and file creation」のトグルがオンかを確かめます。
- 4
ダウンロードする
作られたファイルはチャットからダウンロードできます。
この機能(コード実行とファイル作成)は、Help Centerの同じページの中で書き方が2通りあります。「Availability」の節はFree・Pro・Maxで既定で有効としていますが、「How to get started」の節はこの3プランに、設定の「Capabilities」でトグルをオンにする手順を示しています。
TeamとEnterpriseは、組織の管理者が組織設定でこの機能をオフにできます。勤務先のアカウントでファイルが作られない場合は、個人の設定ではなく組織側の設定が原因の可能性があります。
作成できる形式として挙がっているのは、Excel(.xlsx)・PowerPoint(.pptx)・Word(.docx)・PDFです。会計ソフトがCSVの取り込みを求めるなら、書き出されたExcelをCSV形式で保存し直すか、チャットの表をそのまま貼ります。ファイルの大きさは、アップロードもダウンロードも1ファイル30MBまでです。また、ファイル作成は通常のチャットより利用上限を多く消費します。
既存のExcelファイルを添付して照合したいときも、同じ設定が前提になります。XLSXをアップロードするには、コード実行とファイル作成を有効にしておく必要があります。
書き出したあとの集計やグラフ化は、Claude CSV分析の使い方で手順を扱っています。現金払いの領収書をふだんの家計簿データに合流させたい場合は、Claudeに家計簿データを読ませて支出を分析させる手順も参考になります。
写真はチャットに、読み取り済みの表はProjectsに置く
月ごとに読み取った表をためていくなら、置き場所を分けます。写真そのものを読ませる場はチャット、読み取り結果の保管にはProjectsのファイルが向きます。Help Centerの制限は、次のように並びます。
チャットとProjectsの置き場所の違い
チャットに添付
写真を読み取らせて、表を作る作業はここで行います。枚数と大きさの上限は前掲の数字のとおりです。
Projectsのファイル
1ファイル30MBまで、数に上限はありませんが全体がコンテキストウィンドウに収まる必要があります。内容はテキスト抽出のみ(マルチモーダルPDFを除く)です。
Projectsのファイルはテキスト抽出が前提なので、領収書の写真をそのまま置くより、読み取って検算した表をテキストやCSVで置きます。月ごとに表を入れておけば、申告前に「1年分をカテゴリ別に合計して」と一度頼むだけで済みます。合計の数字も、元の表と見比べて検算します。Projectsの基本的な仕組みと上限はClaudeのPDF読み込み・画像解析の使い方とアップロード上限にまとめています。
インボイス制度の登録番号もあわせて抽出する
領収書に適格請求書発行事業者の登録番号(Tに続く13桁の番号)が印字されているときは、抽出項目にこの番号を加えておくと、インボイス制度に対応した経費かどうかの仕分けにも使えます。プロンプト例に「登録番号(記載があれば)」という項目を1行足すだけです。
番号は1桁でも違うと別の事業者を指すため、登録番号だけは元の領収書の数字と1桁ずつ突き合わせます。登録番号が印字されていない領収書やレシートの扱いは、金額や取引の内容で変わります。判断は税理士や税務署に確認します。
元の紙と見比べる3か所
読み取りの精度は画質に大きく左右されます。領収書・レシートで誤りが紛れ込みやすい場所は、この3つです。
検算で元の紙を見る3か所
合計金額の桁
印字が薄れたレシートほど、合計金額の桁数を元の紙と目視で突き合わせます。
8%と10%の内訳
飲食料品と外食が混じるレシートは、税率ごとの内訳欄を元のレシートで確かめます。
同じ支出の二重計上
クレジットカード明細と紙のレシートを両方読ませたときは、重複した行を手作業で除くか、情報源をどちらかに統一します。
画像解析ガイドは、完全な精度が要る作業を人の確認なしにClaudeへ任せないよう求めています。経費の仕分けは、この種の作業にあたります。
日本語の帳票全般でどの要因が読み取り精度を左右するかは、Claude VisionでOCRした日本語PDFの精度をどう見極めるかで仕組みごとに整理しています。手書きの但し書きが多いレシートは、手書きメモの文字起こしをClaudeに任せる手順で挙げた精度の要因もあわせて見ておくと、誤読の見当がつけやすくなります。
よくあるつまずき
表の行数が添付した枚数と合わない
画像解析ガイドは、1枚の画像に写っている物の数え上げが概算になりうると説明しています。1枚に複数のレシートを並べて写したときは、行数がずれることがあります。結果が出たら、最初に表の行数と実際のレシートの枚数を突き合わせます。1枚を上下に分けて撮ったときは、2枚で1行になる点も勘定に入れます。
但し書きが手書きで追記されている
レシートの但し書き欄に手書きで品目が書き足されている場合、手書きの文字は読み取りにくいことがあります。手書き部分だけ、元のレシートと突き合わせて確かめます。
店舗名が省略されたレシート
レシートには、店舗名が略称で印字されていることがあります。正式名称が必要な場面では、店舗名だけ別途確かめておくと後工程で困りません。
20枚を超える月の領収書がある
Help Centerの上限は1チャットにつき20ファイルなので、同じチャットの中で2回に分けて送っても上限に当たります。20枚を超える月は、日付順に前半・後半へ分け、後半は新しいチャットを開いて送ります。それぞれの結果の表はコピーして自分で1つにまとめます。
まとめ
写真から表を作る作業はClaudeに任せられますが、日付・金額・税率の最終確認は紙を見る人の仕事として残ります。まず1か月分で試し、誤読が出る箇所の傾向をつかんでから、1年分に広げるという進め方があります。個人事業主・副業の確定申告で使う場合の全体的な線引きはClaude副業ガイドも参考になります。