ClaudeにGoCardless MCPを接続する手順 — 口座振替APIの実装支援とアカウント操作
GoCardless公式のMCPサーバーをClaude CodeとClaudeアプリに接続する手順をまとめます。実装ガイダンスとアカウント操作の違い、Sandboxから試す順序、権限の絞り方まで扱います。
GoCardlessの公式MCPサーバー(https://mcp.gocardless.com)をClaudeにつなぐと、口座振替APIの実装を相談しながら進められます。サインインすれば、支払いの状態確認や返金といったアカウント操作もClaudeから実行できます。
ここでは、Claude CodeとClaudeアプリそれぞれの接続手順、最初にSandboxで試す理由、書き込み操作を安全に任せるための設定をまとめます。
GoCardless MCPでできること
GoCardless MCPは、LLMにGoCardless APIの構造化された知識を渡すためのサーバーです。提供する機能は2つに分かれます。
2つの機能と認証の要否
実装ガイダンス
エンドポイント、連携パターン、Webhook、各言語のコードサンプルをLLMが参照します。コード生成とエラー調査が中心です。
アカウント管理
サインイン後に、実際のアカウントの支払い・顧客・マンデート・サブスクリプション・出金・返金・イベントを照会します。支払いの作成、返金、マンデートの取り消しといった操作も可能です。
マンデートは、顧客が口座振替の引き落としを承認した記録です。支払いや定期課金は、このマンデートに紐づいて作られます。
アカウント管理の機能は、接続時に認可する範囲を読み取り専用から特定の書き込み操作まで選べます。顧客の機微なデータはマスクされ、お金が動く操作は実行前に確認が入ります。
Claude Codeに接続する
Claude Codeでは、リモートHTTPサーバーとして1コマンドで追加できます。プロジェクトのルートで実行します。
claude mcp add --transport http GoCardless https://mcp.gocardless.com追加しただけではサインインしていません。Claude Codeで「GoCardless MCPを使って、直近5件の出金を見せて」のように、MCPの利用を明示した依頼を出すと認証が始まります。
初回のサインインまで
- 1
コマンドで追加する
上の
claude mcp addを実行します。 - 2
MCPを名指しして依頼する
Claude Codeで、GoCardless MCPを使うよう明示したプロンプトを送ります。
- 3
ブラウザで環境を選んでサインインする
GoCardlessのサインイン画面が開くので、SandboxかLiveの環境を選んでからサインインします。
- 4
接続を確かめる
Claude Code内で
/mcpを実行すると、サーバーの状態を確認できます。
保存先のスコープを選ぶ
claude mcp add は、既定ではlocalスコープに保存します。localスコープの設定は追加したプロジェクトだけで有効で、自分にしか見えません。
チームで同じ設定を共有したいときは --scope project を付けます。プロジェクト直下の .mcp.json に書き込まれるので、リポジトリにコミットできます。
claude mcp add --transport http GoCardless \
--scope project https://mcp.gocardless.com.mcp.json に入るのは接続先のURLだけです。サインインのトークンは含まれません。ただしプロジェクトスコープのサーバーは、Claude Codeが初回に承認を求めます。チームの各自が承認とサインインを済ませる必要があります。
スコープごとの違いや優先順位はClaude Code MCP設定ガイドにまとめています。
ClaudeアプリにConnectorとして追加する
Claude DesktopなどのClaudeアプリからは、Connectorとして追加します。GoCardlessの案内では、この方法にはPro・Max・Team・Enterpriseのいずれかのプランが必要です。
- 左サイドバーでCustomize > Connectors > + > Browse connectorsを開く
- GoCardlessを検索し、+ またはConnectを押す
- ブラウザでGoCardlessのサインイン画面が開くので、環境を選んでサインインする
TeamまたはEnterpriseプランの組織では、OwnerまたはPrimary Ownerが先に上記の手順を済ませます。その後、ほかのメンバーがCustomize > Connectorsから接続できます。
Connector全般の仕組みはClaude Connectorsの解説を参照してください。
Sandboxから始めて、環境の切り替え方を押さえる
サインインの際に、SandboxとLiveのどちらかを選びます。開発中はSandboxで接続し、動作を確かめてからLiveに移るのが自然な順序です。GoCardlessも、開発中はSandboxの認証情報を使い、書き込み操作はLiveの前にSandboxで試すよう案内しています。
環境を切り替える手順は、再接続です。
- 使っているLLMのGoCardless MCPを探して、いったん切断する
- 同じ手順で接続し直し、サインイン画面で別の環境を選ぶ
いまどちらに接続しているか分からなくなったら、Claudeに「いまのGoCardlessの環境はどちらか」と聞けば確認できます。
Claude Codeでは、同じサーバー名を別のスコープに別のURLで登録していると警告が出ます。OAuthのサインインはエンドポイントごとに保存されるため、プロジェクトが変わるとサインインし直しが必要になることもあります。環境を分けて運用するなら、GoCardless-sandbox のようにサーバー名を分けておくと混乱しません。
サインインが毎日切れる場合の切り分けは、MCP OAuthがConnection expiredになる原因の記事にあります。
実装支援として使う
実装ガイダンスは、アカウントにサインインしなくても使える開発支援です。GoCardlessが示すプロンプト例は、次のようなものです。
- 新規ユーザーの定期支払いを集めるには、GoCardlessでどう実装するか
- 月額30ポンドの定期支払いのBilling Requestを作り、GoCardlessのホスト型決済ページへリダイレクトするPythonコードを書く
- 入会金30ポンドと月会費50ポンドを、ジムの会員向けに集めるにはどうするか
- マンデートが有効になったことを知るためのWebhookをNode.jsで受ける方法
- Billing Requestのフローが失敗するときによくある原因とデバッグ方法
どのプロンプトも、業種・支払いの種類・使う言語を最初に書いています。公式のベストプラクティスも、ユースケースと支払いパターンを具体的に書くこと、使用言語を最初に伝えること、関連するコードやエラーメッセージを渡すこと、基本実装から試して改善することを挙げています。エディタでプロジェクトを開いた状態で使うことも推奨されています。
CLAUDE.mdに接続ルールを書いておく
LLMがMCPを使わずWeb検索で済ませてしまうことがあります。GoCardlessは、プロンプトに次の一文を足すよう案内しています。
GoCardlessに関する依頼では、必ずGoCardless MCPを使うこと。毎回書く代わりに、プロジェクトの CLAUDE.md に置いておけば、会話のたびに繰り返す必要がありません。環境と言語の前提も、同じ場所に固定できます。
## GoCardless連携
- GoCardlessに関する依頼では、必ずGoCardless MCPを使う
- 実装言語はPython。Webhookの受信はFastAPIで書く
- 接続先はSandbox。Liveへの書き込みは私が明示したときだけ
- APIキーはコードに書かない。環境変数から読むこれは例として書いた雛形で、GoCardlessの公式な推奨文ではありません。言語やフレームワークは自分のプロジェクトに合わせて置き換えます。
アカウント操作は認可範囲と確認で守る
アカウント管理の機能は、支払いの失敗原因の調査や、テスト用の支払い作成を、開発環境を離れずに行えるのが利点です。GoCardlessの例では、次のような依頼が挙げられています。
- 特定の支払いIDがなぜ失敗したかを調べる
- 今月の確定済み支払いを一覧にする
- 既存のマンデートに対して75ポンドの単発支払いを作る
- 特定の支払いを全額返金する
- 特定の顧客のマンデートを取り消す
後半の3つはお金や契約に作用する操作です。守りは三重に組めます。
- 接続時に、必要な権限だけを認可する。調査だけなら読み取り専用で足ります
- 書き込みを許すときは、リソースの識別子と金額を依頼文に明記し、実行前の確認プレビューを読んでから承認する
- Claude Code側でも、サーバー単位で許可と確認の方針を決める
3つ目は、settings.json の権限ルールで設定できます。MCPツールは mcp__<サーバー名>__<ツール名> の形で指定でき、mcp__GoCardless と書くとそのサーバーの全ツールが対象です。
{
"permissions": {
"ask": ["mcp__GoCardless"]
}
}この例では、GoCardlessの全ツールを毎回確認つきにします。個別のツール名は接続後にClaude Codeで確認してから、読み取り系だけを allow に移す運用が考えられます。ツール名を推測で書くと、ルールが何にも一致しないまま残ります。
落とし穴
APIキーをClaudeに渡さない
GoCardlessは、APIキーをLLMと共有しないよう明記しています。MCP経由ならサインインで認可されるので、キーを貼る必要はありません。生成されたコードも、実行する前に必ず読みます。
つまずきやすい点
MCPが使われないときの切り分け
- Qサーバーは /mcp で接続済みと表示されているか?答えが未接続答えがはい
claude mcp addを実行し直し、プロンプトでGoCardless MCPの利用を明示してサインインします。 - QプロンプトにGoCardless MCPを使う指示があるか?答えが指示がない答えがはい
LLMがWeb検索で答えている可能性があります。依頼文か
CLAUDE.mdに利用の指示を足します。 - Q接続先の環境は意図どおりか?答えが環境が違う答えがはい
Claudeに現在の環境を聞き、違えば切断して再接続します。
原因は別にあります
認可した権限が足りない可能性があります。再接続して、権限の選択をやり直します。
利用前に確認しておく条件
プライバシーは、使うLLMのプランで決まります。GoCardlessは、無料プランや個人向けの有料プランでは会話が学習に使われる場合があると注意しています。データが契約上学習から除外されることを求めるなら、EnterpriseまたはBusinessのサブスクリプションが通常必要としています。顧客データが絡む本番アカウントをつなぐ前に、使っているプランのデータ利用方針と、オプトアウトの設定を確認してください。
GoCardless側の利用条件も、Live用とSandbox用で別々に用意されています。Liveで使う前に、Live用の利用規約を読んでおきます。
このページに書かれていないこともあります。利用できる国や口座振替の方式、API呼び出しの回数制限は、MCPのページには載っていません。連携する国で使えるかは、GoCardlessの対応国の案内で別途確認します。
まとめ
GoCardless MCPは、実装の相談と、アカウントの照会・操作の両方をClaudeから扱えます。まずSandboxで接続し、実装ガイダンスだけで連携の骨格を作ります。アカウント操作は読み取り専用の認可から始め、書き込みが必要になった段階で権限を広げます。
同じようにベンダー公式のMCPをClaude Codeにつなぐ別の例は、Twilio MCPサーバーの使い方で扱っています。