Claudeにグラフを作らせる基本の頼み方
データファイルが手元にあってもなくても、Claudeにグラフを作らせる基本の頼み方を整理しました。グラフの種類の指定や作り直しの依頼例も紹介します。
Claudeにグラフを作らせる基本の頼み方
Claudeがグラフを作る仕組みには2つの系統があり、頼み方でどちらが使われるかが変わることがあります。「この数字をグラフにして」と頼めば、データファイルがなくても、文章で伝えた数字から作らせられます。CSV・Excelを添付して頼むこともできます。
グラフを作る2つの仕組み
コード実行
Pythonでコードを書いて実際に計算し、グラフを画像ファイル(PNG)として返します。集計の過程を追えるので、金額や件数を扱う場面に向きます。Web版・デスクトップ版・モバイルアプリで使えます。
カスタムビジュアル
HTMLでチャートを組み立て、会話の中に操作できる形で表示します。設定は不要で、Web版・デスクトップ版のチャットとCoworkで使えます。iOS・Androidのアプリには表示されません。既定では一時表示です。
プロンプト例はPythonで集計して画像で返す指定を使います。指定しない依頼は、Claudeが判断してどちらかで返します。
CSVの集計を伴う分析の手順はClaude CSV分析の使い方にあります。天気カードのような自動生成のビジュアルの仕組みはClaudeのインタラクティブコンテンツにあります。
データファイルを渡さずに頼む場合の書き方
手元にファイルがなくても、数字を文章やメモとして貼り付けるだけでグラフにできます。表形式に整える必要はなく、「値」と「何を表す値か」が伝われば十分です。チャットの履歴に散らばった数字をそのままコピーして貼っても、項目と値の対応はClaudeが読み取れることが多いです。
以下の月別の売上をグラフにしてください。
1月: 120万円
2月: 135万円
3月: 98万円
4月: 150万円
推移が分かる形式にしてください。数字が手元になくても、「架空の例でいいので」と伝えれば説明用のイメージ図を作らせられます。プレゼン資料の叩き台や、概念を説明する図解が欲しいときの頼み方です。
架空の数字でいいので、新規顧客獲得数が四半期ごとに
緩やかに伸びていくイメージのグラフを作ってください。データファイルを渡して頼む場合の書き方
CSV・Excel・画像化された表など、手元にデータファイルがある場合はファイルを添付してから頼みます。列名や見たい切り口を具体的に伝えるほど、初回の指示に近い形で仕上がります。列と値が読み取れる表計算ソフトのスクリーンショットなら、画像として添付できます。添付できる画像の条件は、この節の終わりに書いています。
添付したファイルの「部門」ごとの「売上」を棒グラフにしてください。
横軸は部門名、縦軸は売上金額でお願いします。Excel形式(XLSX)をアップロードするには、アカウント側でコード実行とファイル作成を有効にしておく必要があります。CSVにはこの条件が付いていません。設定の詳細やCSVとExcelの使い分けはClaude CSV分析の使い方にあります。スプレッドシートの検算までCoworkに任せたい場合はClaude CoworkのExcel・スプレッドシート分析にあります。
CSVのほか、TSVも分析と可視化の対象になります。Excelでグラフまで欲しいときは、数式や書式に加えてグラフも入ったExcelファイルをClaudeが作ります。
PDFやWord文書の中にあるグラフは、読み取れる範囲が形式で変わります。
- PDF: 100ページ以下ならテキストに加えて図表も解析されます。101〜1000ページはテキストのみです
- DOCXなどPDF以外の文書: 抽出されるのはテキストだけで、埋め込まれた画像のグラフは読めません
PDF以外の文書にあるグラフを元データにしたいときは、グラフの元になった数値表を添付するか、グラフ部分をスクリーンショットにして画像として渡します。添付は1チャットに最大20ファイルで、画像は8000×8000ピクセルまでです。
グラフの種類を指定する言い方
グラフの種類を指定しなくてもClaudeはデータの性質に合わせて種類を選びますが、見せたい切り口が決まっているなら種類を名指しするほうが手戻りが少なくなります。
| 見せたいこと | グラフの種類 | 頼み方の例 |
|---|---|---|
| 時系列の推移 | グラフの種類折れ線グラフ | 頼み方の例「月別の推移を折れ線グラフで」 |
| 項目ごとの比較 | グラフの種類棒グラフ | 頼み方の例「商品別の売上を棒グラフで比較して」 |
| 全体に占める割合 | グラフの種類円グラフ | 頼み方の例「構成比を円グラフにして」 |
| 2つの数値の関係 | グラフの種類散布図 | 頼み方の例「広告費と売上の関係を散布図で見せて」 |
| 複数系列の内訳付き推移 | グラフの種類積み上げ棒グラフ | 頼み方の例「月別の推移を商品別の内訳付きで積み上げ棒グラフに」 |
迷ったときは種類を指定せず、「時系列で見たいのか」「項目間で比較したいのか」だけを伝えて任せる方法もあります。右端の列は依頼文の型なので、数値や項目名を差し替えて使えます。同じデータでも種類によって伝わる印象は変わるため、複数の種類を作らせて見比べるのも手です。
作ったグラフを直す・調整する頼み方
一度グラフができたら、会話を続けながら細かい調整を重ねられます。最初から完璧な指定をするより、出てきたものを見てから直すほうが早いことが多いです。
色を落ち着いたトーンに変えてください。
縦軸に単位(万円)を表示してください。
凡例を右側ではなく上に置いてください。期間の絞り込みや特定項目の強調も、そのまま続けて頼めます。「直近3か月だけにして」「一番数値が大きい項目を赤色にして」のように、見た目と対象範囲を自然な言葉で指定できます。
種類そのものを変えたいときも、作り直す必要はありません。「棒グラフではなく折れ線グラフにして」と頼めば、同じデータのまま形式だけが差し替わります。
カスタムビジュアルのヘルプには「すべての可視化をピンクにして」と伝えるとClaudeが覚える、という例が載っています。毎回同じ配色を指定する手間は、この覚えさせ方で減らせます。社内資料のように見た目を揃えたいときは、見本のスクリーンショットを添付して「このようなデザインで」と頼む方法もあります。
添付した画像のようなシンプルな配色・フォントで、
今回のデータを同じ形式の棒グラフにしてください。数値の正確さを確認する頼み方
見た目だけを求めると、内訳が合っているかまでは確認しづらくなります。コード実行はClaudeが書いたコードを実際に走らせて計算する方式で、サンドボックス内で行った操作をユーザーが確認できる設計だとヘルプに書かれています。数値の正確さが気になる場面では、グラフと一緒に集計の根拠も求めます。
グラフと合わせて、集計に使った数値の表も表示してください。
どの行を合計したかが分かるようにしてください。金額や件数のように間違いが困る数値は、元の集計表も出してもらうと、表とグラフの数値をその場で見比べられます。計算方法を指定する言い方もあります。「Pythonで集計してから画像のグラフにして」と頼めば、コード実行で計算した結果がPNGの画像として作られやすくなります。
グラフを保存できる形にする頼み方
会話の中で作られたグラフは、その場で消えることもあれば、あとから開き直せる形で残ることもあります。カスタムビジュアルは既定で一時表示ですが、残す手段が3つ用意されています。
カスタムビジュアルを残す3通り
画像としてコピー
静止画のスナップショットを取り、メモやスライドに貼ります。
ダウンロード
.svgまたは.htmlのファイルとして保存します。
アーティファクトにする
あとから育てられる、公開もできる形に変換します。
コード実行で作ったファイルは、ダウンロードのほか、Googleドライブへ直接保存できます。チャットを共有した場合、相手側でカスタムビジュアルが表示されるのはWeb版とデスクトップ版だけで、ログインが必要です。
最初から保存を前提にするなら、頼む時点で意図を伝えておけます。
このグラフを、あとで見返せるように保存できる形で作ってください。一時表示のまま会話が進んだあとの残し方は、Claudeのインタラクティブコンテンツでも扱っています。Coworkではセッションがローカルで動くため、共有リンクで他の人にビジュアルを見せることはできません。また、チャットではビジュアル内のクリックが追加の質問として送られますが、Coworkにこの機能はありません。
複数の系列を比較するグラフを頼むときの言い方
複数の項目を1枚で比較したいときは、比較したい項目をすべて列挙してから、1枚にまとめるか分けるかを指定します。
以下の3商品の月別売上を、1枚の折れ線グラフに
まとめて比較できるようにしてください。系列ごとに色を変えて、
凡例で商品名が分かるようにしてください。
商品A: 1月80万円、2月95万円、3月70万円
商品B: 1月60万円、2月65万円、3月90万円
商品C: 1月40万円、2月38万円、3月55万円系列が多いと1枚のグラフは読みにくくなります。系列が多いときは、「商品ごとに別々のグラフに分けて並べてください」と分割を頼む手があります。
グラフに注釈・強調を加える頼み方
特定の時点で何が起きたかを併記したいときは、注釈やハイライトを言葉で指定します。
3月の落ち込みの箇所に「キャンペーン終了」という注釈を
付けてください。最高値の月は色を変えて目立たせてください。山や谷になっている箇所に背景を添えておくと、共有した相手が数字の意味を読み違えにくくなります。
頼み方で起きやすいつまずき
「まとめて」とだけ頼むと、表で返ってくることがあります。グラフにしたいなら「グラフにして」「可視化して」と明示します。カスタムビジュアルのヘルプにも、文章で返ってきたら「グラフにして」と言い直す手が載っています。
軸や単位を省くと、Claudeの推測に頼ることになります。「縦軸は金額(円)、横軸は月」と伝えれば、作り直しが減ります。
「地域別・商品別・月別を全部1枚に」のような依頼は、情報が詰まって読みにくくなります。切り口ごとにグラフを分けて頼むほうが、見やすいものが早く手に入ります。
用途も先に伝えます。「スライドに貼るので見出し無しでシンプルに」「自分の確認用なので装飾は不要」と書けば、仕上がりの方向が定まります。
複雑なビジュアルを狙うときは、モデルの選択も影響します。ヘルプはOpusが可視化に最も向くと説明しています。
プラン別の使える範囲とファイルサイズ
コード実行とファイル作成の既定値はプランで異なります。同じヘルプ記事の中でも、Free・Pro・Maxの扱いが2か所で食い違っています。
プランごとの既定値
Free・Pro・Max
提供状況の節では既定で有効、始め方の節ではSettings > Capabilitiesで「Code execution and file creation」をオンにする手順が書かれています。グラフが作られないときは、この設定を確認します。
Team
既定で有効で、オーナーが組織の設定でオフにできます。ネットワークは、提供状況の節ではオフが既定、始め方の節ではパッケージマネージャーのみ許可が既定と、ここも2か所で食い違います。
Enterprise
新規の組織では既定で有効で、オーナーがオフにできます。ネットワークは既定でオフです。
ファイルサイズも、公式ページで書き分けが分かれています。ファイル作成のヘルプは、アップロード・ダウンロードとも1ファイル30MBまでと説明します。ファイルアップロードのヘルプでは、チャットへの添付が1ファイル500MBまで、プロジェクトへの追加が30MBまでです。
大きいデータは絞るか分割しておくと、どちらの記載でも収まります。30MBを超えるPDFは、中身をコンテキストウィンドウに読み込まずに、Claudeが計算環境の中で処理できます。
1つのチャットで複数のファイルを扱え、作成したファイルは会話の間ダウンロードできます。ヘルプには、複数ファイルにまたがるレポートや分析も作れると書かれています。
ファイル作成は、プランの利用上限と同じ枠から消費されます。通常のチャットより上限を多く使うので、グラフを何度も作り直す場面では残量を確かめながら進めます。
まとめ
金額や件数を扱うならコード実行でPNGにし、会話の中で触って確かめたいならカスタムビジュアルにする、という使い分けが基本です。どちらの経路になるかは、頼み方で変わります。