Claude HubSpot連携でCRMデータを会話から参照する方法
Claude HubSpot連携の接続手順と、HubSpot側の承認・書き込み権限・一括更新の上限まで。claude.aiとClaude Codeの違いと、つまずきの切り分けをまとめます。
Claude HubSpot連携でできること
Claude HubSpot連携は、HubSpotが提供する公式Connectorです。裏側はModel Context Protocol(MCP)で動き、接続先は https://mcp.hubspot.com/anthropic です。Claudeが利用者の代わりにHubSpotのCRMを呼び出し、会話の中で検索・集計・更新までを行います。
最初に押さえたいのは、このConnectorが読み取り専用ではない点です。HubSpotのナレッジベースによると、連絡先・会社・商談・チケットの作成と更新、ノート・タスクなどの活動記録の追加ができます。マーケティング側では、メールの配信成績の分析、ブログ記事やランディングページの作成・更新も対象です。削除だけは、下のカードのとおり全対象で不可です。
操作ごとの対応範囲
読み取りまで
請求書・注文・カート・決済・決済リンク・サブスクリプション・セグメント(リスト)・ユーザー・チーム・会話(Inbox・Help Deskのメッセージ)は参照のみです。キャンペーンのアトリビューションデータ、Partner Client Object、Work projects(ベータ)も参照だけです。
作成と更新ができる
連絡先・リード・会社・商談・チケット・カスタムオブジェクト・Activable objects・商品・明細行・パイプラインです。ブログ記事・ランディングページ・ウェブサイトページ・マーケティングメールと、各エンゲージメント(通話・会議・ノート・タスク・メール)も含みます。見積もり、見積もりテンプレート、HubSpot Work tablesは作成・更新ともベータ扱いです。
作成だけできる(更新は不可)
プロパティ・キャンペーン・マーケティングイベントです。作ったあとの修正はHubSpotの画面で行います。
削除は全対象で不可
どのオブジェクトでも削除操作は用意されていません。連絡先の電話番号を消すような操作も、Claudeからは実行できません。誤って作ったレコードも、HubSpotの画面側で消します。
アクセスできる範囲は、接続した本人がHubSpotで持つ権限までです。担当外の商談や別チームの顧客データには、Connector経由でも届きません。同じ取り決めで人の承認を残す運用の例は、IntercomとCoworkで問い合わせ一次対応を承認フロー付きにするが扱います。
使える面は複数あります。Web版のConnectorは、claude.ai・Claude Desktop・Claude Mobile・Coworkの利用者が使えます。Claude CodeとClaude API(MCP Connector経由)からも呼び出せます。
接続前にHubSpot側で必要なもの
接続は、Claude側の設定だけでは完結しません。HubSpot側の承認が先に要ります。
HubSpotのナレッジベースでは、Super Adminか「App Marketplace Access」権限を持つユーザーは、事前承認なしで接続できます。それ以外のユーザーが接続するには、Super Adminがコネクタを先に承認する必要があります。承認の際、Super Adminは「コネクタが触れてよいデータ権限」と「誰がインストールできるか」を選びます。
プランの条件は、公式ページ同士で書き方が違います。
使えるプランの書き方の違い
Claudeのヘルプセンター
Webコネクタは、Claude・Cowork・Claude Desktop・Claude Mobileの全利用者が使えると書かれています。
HubSpotのナレッジベース
接続の条件に、有料のAnthropicサブスクリプション(Pro・Max・Team・Enterprise)を挙げています。
ClaudeのFreeプランで接続できるかは、2つのページの記述が食い違うため、どちらからも決まりません。HubSpot側はすべてのプランが対象ですが、承認と権限の条件はプランに関係なく必要です。
Team/Enterpriseプランでは、組織のオーナーがConnectorを有効にしないと、メンバーはHubSpotを選べません。有効化しても自動でアクセス権は付与されず、メンバーが各自でHubSpotにサインインします。
claude.ai・Desktop・Mobileで接続する手順
チャットからHubSpotを接続する
- 1
Connectorsのディレクトリを開く
チャット左下の「+」、または「/」でメニューを開き、「Connectors」にカーソルを合わせて「Manage connectors」を選びます。「Customize > Connectors」からも同じ画面に着きます。
- 2
HubSpotを見つけて接続する
カテゴリ「Sales & marketing」か検索でHubSpotを選び、「Connect」を押します。
- 3
HubSpotアカウントでサインインする
接続したいHubSpotアカウントを選んでログインします。続く「Connecting HubSpot Connector for Claude to HubSpot」の画面で、許可する権限を選んで「Connect app」を押します。
- 4
会話で有効にする
チャットの「+」から「Connectors」を開き、HubSpotのスイッチをオンにします。ここまで済めば、プロンプトにHubSpotの文脈が使われます。
HubSpotのナレッジベースは、設定画面の入口を「プロフィールアイコン > Settings > Connectors > Browse」と案内しています。Claudeのヘルプセンターの「Customize > Connectors」とは画面の呼び名が違いますが、どちらもConnectorsの一覧に着きます。スマートフォンからの追加はベータ扱いで、カスタムコネクタの導入はデスクトップかWebが主な経路とされています。
Team/Enterpriseプランでは、先にオーナーが「Organization settings > Connectors」を開きます。「Browse connectors」からHubSpotを選び、「Add to your team」を押します。
更新系の承認設定を先に決める
更新を任せるなら、承認の出し方を接続直後に決めます。HubSpotのナレッジベースは、HubSpotコネクタのツール設定で「Write tools」を「Needs Approval」にするよう勧めています。
オーナーはTeam/Enterpriseプランで、書き込み系のツールを組織全体でブロックすることもできます。たとえば「読むだけは許可し、書き戻しは禁止」という構成です。この制限は利用者側で上書きできません。設定はコネクタを選んだ画面の「Tool permissions」で、「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選びます。
書き込みの許可は、HubSpotの権限を広げません。Claudeで許可しても、変更にはHubSpot側の権限が要ります。
HubSpotのナレッジベースには、使い方のコツも並んでいます。最新のClaudeモデルを使うこと、Extended Thinkingモードをオンにすること、そして一括変更の前にまず1件のレコードの更新から始めることです。
Claude CodeやAPIから使う手順
Claude Codeには、CLIから直接追加する方法と、claude.aiのConnectorを引き継ぐ方法があります。
Claude CodeでHubSpotを使う2つの経路
claude mcp addで追加する
HubSpotのMCPサーバーを自分で登録します。登録しただけでは未認証なので、/mcp か claude mcp login hubspot でOAuthを済ませます。APIキー認証の環境でも、claude.aiの引き継ぎに頼らず登録できます。
claude.aiの接続を引き継ぐ
claude.aiアカウントでClaude Codeにログインしていれば、接続済みのHubSpotが /mcp の一覧に出ます。追加コマンドは不要です。読み込まれる条件は後述します。
CLIで追加する場合は、ユーザースコープで登録します。
claude mcp add --transport http hubspot --scope user https://mcp.hubspot.com/anthropicv2.1.287で、空の設定ディレクトリを指定してこのコマンドを実行しました。出力は次の1行で、設定ファイルにはHubSpotのサーバーがURLだけの形で書かれます。認証情報は入りません。
Added HTTP MCP server hubspot with URL: https://mcp.hubspot.com/anthropic to user config"mcpServers": {
"hubspot": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.hubspot.com/anthropic"
}
}--scope を省くと既定は local です。--scope project にすると、同じ内容がプロジェクト直下の .mcp.json に書かれ、リポジトリでチームと共有できます。
追加直後は未認証です。Claude Codeのセッションで /mcp を開いてブラウザでログインするか、ターミナルから次のコマンドで同じ認証を始めます。
claude mcp login hubspotSSHなどブラウザのない環境では、認可URLが表示されます。--no-browser でも、同じくURLの表示に切り替えられます。
claude.aiのConnectorを引き継ぐ経路は、claude.aiのサブスクリプションでログインしているときだけ働きます。ANTHROPIC_API_KEY・ANTHROPIC_AUTH_TOKEN・apiKeyHelper が有効な場合は読み込まれません。Amazon BedrockなどのサードパーティプロバイダーやAnthropicプロファイル、claude setup-token で作ったトークンでも同様です。
同じURLを claude mcp add で追加していると、そちらがclaude.ai側のConnectorより優先されます。この場合、/mcp ではclaude.ai側が「hidden」と表示されます。
Claude APIから呼び出す場合は、MCP Connector機能でHubSpotのMCPサーバーをリクエストに含めます。
更新や集計でぶつかるHubSpot側の制約
HubSpotのナレッジベースには、使い始めてから当たりやすい制約が並んでいます。
- 一括の作成・更新は、1回につき10レコードまで
- 作成・更新では、プロパティの条件ルールとパイプラインステージの検証ルールが効く。関連付けラベルの検証は効かない
- ウェブサイトページ・ランディングページ・ブログのデータは、公開済みのものだけ。下書きはメタデータのみ参照できる
- ページや投稿ごとの成績を取るには、プロンプトにキャンペーン名と期間を書く
- ブログ記事の作成・公開には、作成者・アイキャッチ画像・メタディスクリプション・スラッグ・タイトルが必須。作成者のメールが既存の作成者と一致しなければ、新しい作成者が自動で作られる
- パートナーシートでは、Partner Client Objectをプロンプトで名指しする
- 操作のたびにHubSpotの監査ログに、利用者とClaudeコネクタの両方が記録される
HubSpotアカウントで「機密データ」をオンにしている場合は、Claudeはエンゲージメントデータ(メール・通話・会議・タスク・ノート)に一切アクセスできません。機密データのカスタムプロパティも同様に読めません。
接続できるHubSpotアカウントは、1つのClaudeアカウントにつき1つです。別のアカウントに切り替えるには、いったん切断して接続し直します。claude.aiでは「Settings > Connectors」でHubSpotを選び、右上の「Disconnect」を押します。Claude Codeでは claude mcp remove hubspot で削除してから追加し直します。
つまずきの切り分け
症状ごとに、確認する場所を分けます。
| 症状 | まず見る場所 | 対処 |
|---|---|---|
| 設定画面にHubSpotが出ない(Team/Enterprise) | まず見る場所組織のConnectors設定 | 対処オーナーに有効化を依頼する |
| 接続を押してもHubSpotが承認を求める | まず見る場所HubSpotのSuper Admin | 対処コネクタの承認と、インストール可能な利用者の設定を依頼する |
| 更新を頼んでも書き込まれない | まず見る場所HubSpotの権限とツール設定 | 対処本人のHubSpot権限と「Write tools」の設定を確認する |
| 商談やレコードが見つからない | まず見る場所接続したアカウントの閲覧権限 | 対処権限のあるアカウントで接続し直す |
| 書き込み権限が使えるようになる前に接続した後、更新が通らない | まず見る場所接続の再認証 | 対処切断して再認証する |
| Claude Codeに一覧が出ない | まず見る場所/status | 対処環境変数・apiKeyHelper・プロファイルを外してから、/login でclaude.aiアカウントを選ぶ |
書き込み権限と活動記録の閲覧を後から使うには、接続済みのHubSpotアカウントを切断し、再認証する必要があります。これらが使えるようになる前に接続したアカウントが該当します。Super Adminが追加のデータ権限を承認した後も、各利用者が再接続して初めて新しい権限が使えます。
OAuthの期限切れは、Claude Codeでは /mcp に通知が出ます。対象のサーバーで「Re-authenticate」を選べば再ログインできます。v2.1.284以降は、/mcp reconnect all で失敗中や要認証のサーバーをまとめて再試行できます。
サポート側でZendeskを使う場合の連携は、Claude Zendesk連携で扱っています。
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日常的な分析プロンプトの具体例はClaude HubSpot営業分析に、Coworkでの週次レポート自動化はCowork HubSpot自動化にあります。
まとめ
HubSpot側のSuper Admin承認と、Claude側の書き込みツールの承認設定、この2つが接続後の挙動を決めます。更新を任せるなら、「Needs approval」を付けたまま、1件の更新から範囲を広げていく進め方があります。