Cowork HubSpot自動化 — 週次商談レポートの定期生成手順
Claude CoworkのScheduled TasksとHubSpotコネクタで週次の商談レポートを自動生成する手順です。コネクタは更新もできるため、書き込みを止める設定も扱います。
Cowork HubSpot自動化で週次レポートを回す仕組み
Cowork HubSpot自動化は、Scheduled Tasks(定期実行)とHubSpotコネクタを組み合わせ、商談データの週次レポートを決まった時刻に作り続ける運用です。Scheduled Tasksはプロンプトをタスクの指示として保存し、周期ごとに独立したCoworkセッションとして実行します。実行はリモートで行われるため、パソコンがスリープ中でも、Claude Desktopを閉じていても動きます。
最初に押さえておきたいのは、HubSpotコネクタが読み取り専用ではない点です。HubSpotのヘルプでは、コンタクト・会社・商談・チケットなどのレコードを作成・更新でき、通話やメモの記録もできると説明されています。削除だけは、対応表のどのオブジェクトにも用意されていません。Claudeのコネクタ紹介ページにも、商談ステージを更新できるという説明と、manage_crm_objectsのような書き込み系のツールが並んでいます。
そのため、週次レポートを「集計だけしてレコードには触らない」仕組みにしたいなら、プロンプトの書き方に頼らず、設定で書き込みを止めておく必要があります。方法は「読み取りだけに絞る」の節で扱います。HubSpot連携の仕組みや権限の考え方はClaude HubSpot連携にまとめています。
週次という頻度は、パイプラインレビューやチームミーティングの周期に合わせやすい単位です。頻度はあとから変えられるので、まず週次で始め、必要に応じて調整する形が扱いやすいでしょう。
準備: プラン・承認権限・HubSpot側の設定
自動化を組む前に、プラン、HubSpot側の承認、レポートに入れたい観点の3点をそろえます。
プランは有料(Pro・Max・Team・Enterprise)が前提です。Scheduled Tasksはすべての有料プランで使えます。HubSpotコネクタ自体も、有料のAnthropicサブスクリプションが条件です。Team・Enterpriseでは、Coworkの利用可否を管理者が切り替えています。
HubSpot側では、Super Adminか、App Marketplace Accessの権限を持つユーザーなら、事前の承認なしにコネクタをつなげます。それ以外のユーザーは、先にSuper Adminがコネクタを承認しなければなりません。承認のときにSuper Adminが、コネクタが触れるデータの範囲と、インストールできる人を選びます。
接続後に見えるデータは、そのユーザー本人のHubSpot権限の範囲までです。Super Adminがデータ権限を追加した場合は、各ユーザーが接続し直して初めて新しい範囲が使えます。書き込みの権限やエンゲージメント(通話・メール・会議などの履歴)の閲覧が必要になったときも、いったん切断して再認証する流れです。
HubSpotアカウントでSensitive Dataをオンにしている場合は、Claudeからエンゲージメントのデータには一切アクセスできません。商談メモや通話履歴を週次レポートに含めたいときは、この設定を先に見ておきます。
観点の整理も事前に済ませておきます。商談の新規発生数、失注理由、パイプラインの停滞など、聞きたい軸を先に決めておくと、プロンプトが早く固まります。
手順: 接続から初回の実行まで
流れは次の5段階です。Cowork左サイドバーの「Scheduled」が起点になります。
週次レポートが回り出すまで
- 1
HubSpotを接続する
Claudeの「Settings > Connectors」で「Browse」からHubSpotを選び、「Connect」を押します。HubSpotのログインと、許可する権限の選択を済ませると、チャットに戻ります。
- 2
書き込みツールの扱いを決める
「Customize > Connectors」でHubSpotを開き、Tool permissionsを設定します。レポート専用なら書き込み系を「Blocked」にする選択肢があります(次の節)。
- 3
タスクを作る
「Scheduled」から「New task」を選び、「Create with Claude」か「Set up manually」で登録します。
- 4
その場で1回走らせる
一覧の「Run a task on demand」で、周期を待たずに結果を見ます。
- 5
運用に入る
以後は一覧から実行結果を見返し、必要なら「Pause」で止め、直して「Resume」で再開します。
Claudeに作らせる場合
「New task」から「Create with Claude」を選ぶと、Claudeが必要な情報を質問形式で聞いてきます。選択式の質問が出ることもあります。毎週レポートしたい内容を伝えると、タスク名・スケジュール・実行内容が組み立てられ、確認画面で「Schedule」を押すと登録されます。プロンプトの細部を自分で書きたくない場合に向いています。
ProやMaxで、メッセージ欄に「Chat」と「Cowork」の切り替えが出ない場合は、新しいClaudeの体験に移っています。この場合は会話の中で「毎週月曜の朝9時に、HubSpotの先週の商談をまとめて」のように頼み、Claudeが提案するタスク名・スケジュール・指示を確認して「Schedule」を押します。
手動で設定する場合
「New task」から「Set up manually」を選ぶと、次の項目を入力するモーダルが開きます。最後に「Save」で一覧に加わります。
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| Task name | 入力内容「週次HubSpot商談レポート」など識別しやすい名前 |
| プロンプト | 入力内容何を集計し、どんな形式で出力するかの指示文 |
| The approval mode | 入力内容Manual / Auto / Skipのいずれか |
| 頻度 | 入力内容hourly / daily / weekly / weekdays / manually |
| モデル(任意) | 入力内容使用するモデルを指定 |
| フォルダ(任意) | 入力内容空欄でよい |
Scheduled Tasksはパソコン上のフォルダには紐づけられず、コネクタとClaudeアカウントに保存したファイルで動きます。
週次の商談レポートには、次のようなプロンプトが向いています。
HubSpotの商談データから、直近1週間で新規に作成された商談、
ステージが進んだ商談、失注した商談をそれぞれ件数と金額でまとめてください。
失注理由の内訳と、停滞が長引いている商談があれば併せて指摘してください。
HubSpotのレコードは更新せず、集計と文章のレポートだけを出力してください。
出力はセクション見出しつきのレポート形式でお願いします。最後から2行目の指示は、ツール側の制限を置き換えるものではありません。プロンプトに書いただけでは、Claudeが更新ツールを呼べる状態は変わらないためです。分析の切り口をさらに増やしたい場合は、Claude HubSpot営業分析に質問例があります。
レポートに入れられるデータ・入れにくいデータ
HubSpotのヘルプにあるオブジェクトの対応表を、週次レポートの観点で読み替えると次のようになります。
週次レポートの材料になるデータ
商談・チケット・パイプライン
読み取りに加えて作成・更新も可能です。週次の集計では読み取りだけを使います。
エンゲージメント
メール・通話・会議・メモ・タスクの履歴を分析できます。
ページ・ブログの成果
公開済みのページと投稿のデータだけが対象です。個別の成果を引くには、プロンプトにキャンペーン名と期間を書きます。下書きはメタデータしか見えません。
ユーザー・チーム
役割やレポート体制も参照できます。自分の担当なら「私のチーム」、組織全体なら「営業チーム全員」のように、範囲が伝わる言い方にします。
請求書・注文・カート・支払いなどのオブジェクトは、対応表では読み取りだけが可能です。Partner Seatを使っている場合は、プロンプトでPartner Client Objectを名指しすると、そのオブジェクトが照会されます。
どのレポートも、HubSpot側のAPI利用上限とガイドラインの対象です。最初は1週間分で試し、集計の型が固まってから範囲を広げると、上限に当たる場面が見えやすくなります。
マーケティング寄りのレポートにしたい場合は、期間とキャンペーン名を明示した次のような書き方になります。
キャンペーン「秋の新機能ウェビナー」について、9月1日から9月30日までの
メール開封数・クリック数・LPからの新規コンタクト数を集計してください。
公開済みのランディングページとブログ記事だけを対象にしてください。読み取りだけに絞る: 承認モードとTool permissions
新しいClaudeの体験では、メッセージ欄の権限設定はAuto(自動承認)とManual(手動承認、既定)の2つです。Coworkには、行動前に確認を求める範囲を決める3つのモードがあります。モードの効き方は、コネクタごとのTool permissionsとの組み合わせで決まります。
| モード | Always allow | Needs approval | Blocked |
|---|---|---|---|
| Manual(手動承認) | Always allow承認される | Needs approval毎回確認 | Blocked拒否 |
| Auto(自動承認) | Always allow読み取り系は承認、書き込み・削除系はClaudeが判断 | Needs approvalClaudeが判断 | Blocked拒否 |
| Skip(承認スキップ) | Always allow承認される | Needs approval承認される | Blocked拒否 |
表の右端が示すとおり、Blockedに設定したツールは、どのモードでも拒否されます。Skipを選んでも例外ではありません。週次レポートで書き込みが起きない状態を保ちたい場合に、モードの選択より強く効く設定です。Tool permissionsは読み取り系と書き込み・削除系のような種類別に分かれているので、「Customize > Connectors」で書き込み・削除系をまとめてBlockedにできます。
書き込み系ツールの扱い方
Blockedにする
更新指示が紛れ込んでも実行されず、レポートが読み取りだけで完結します。更新も任せたくなったら、設定を戻します。
Needs approvalのままにする
HubSpotのヘルプが勧める構成です。Always allowにすると、承認なしで編集が起きうると注意されています。Autoモードでは、承認するかどうかをClaudeが判断します。
Autoモードには、他のモードより利用上限の消費が大きいという性質があります。各アクションの安全性をClaudeが検査するためで、毎週走る定期タスクでは積み上がる点を見ておきます。
Team・Enterpriseでは、Ownerが組織全体でコネクタの操作範囲を絞れます。たとえば読み取りは許可し、書き込みは禁止する設定です。この制限は組織の全員に効き、個人が上書きすることはできません。また管理者がAutoモードそのものを無効にでき、無効の場合は選択肢に出ません。組織によっては書き込み系ツールにタスクごとの承認を求めることもあり、その場合は個人のAlways allowの設定が適用されない場合があります。
Claude側で書き込みを許可しても、実際の更新を決めるのはHubSpot側の権限です。Claudeの設定は権限を広げず、狭めるだけです。更新が起きた場合は、ユーザーとClaudeコネクタの両方が、HubSpotの監査ログに記録されます。
書き込みを許す運用にする場合の上限も押さえておきます。レコードの一括作成・更新は1回10件までです。更新時にはHubSpot側の条件付きプロパティルールとパイプラインステージの検証が適用されるため、条件を満たさない更新は通りません。
初回はその場で実行して中身を確かめる
プロンプトを微調整するたびに1週間待つ必要はありません。狙った項目が抜けていないか、金額の集計単位が揃っているかを、本番に入る前に見ておくと後戻りが少なくなります。
四半期の区切りで集計軸を変えたいときや、担当者の異動で対象範囲を変えたいときも、一覧から内容と周期を直接編集でき、タスクを作り直す必要はありません。
よくあるつまずき: 症状から原因を切り分ける
週次レポートで起きやすい症状を、原因と対処に分けます。
| 症状 | 原因として見るところ | 対処 |
|---|---|---|
| 商談の件数が自分の画面と合わない | 原因として見るところ接続したアカウントのHubSpot権限 | 対処権限の広いアカウントで接続し直す |
| 通話・メール・メモが集計に出ない | 原因として見るところSensitive Dataのオン、またはデータ権限 | 対処HubSpot側の設定を見て、Super Adminの権限更新後は接続し直す |
| ページやブログの成果が空 | 原因として見るところ下書きは対象外、キャンペーン名と期間の指定漏れ | 対処公開済みに絞り、プロンプトに条件を書く |
| 更新指示を混ぜたら更新された | 原因として見るところ書き込みツールがBlockedではない | 対処Tool permissionsを見直す |
| Autoモードが選択肢に出ない | 原因として見るところ管理者が組織でAutoを無効にしている | 対処管理者に確認する |
| パソコンがスリープ中だと動かない | 原因として見るところタスクがローカルのファイルやアプリを必要としている | 対処HubSpotだけで完結するプロンプトにする |
実行のたびに別のセッションになる点も、見落としやすいところです。前回の会話の文脈を前提にした書き方は避け、集計の期間や条件はプロンプトの中に毎回含めておきます。最初の数回は、レポートの数字をHubSpotの画面と並べて確認すると、集計の型が安定したかどうかを判断できます。
週次レポート以外への応用
同じ組み合わせは、頻度と対象を変えるだけで別の用途にも使えます。日次に切り替えれば、当日クローズした商談だけを毎朝確認するダイジェストになります。対象をチケットに絞れば、サポートチームが毎週の未解決件数を追う定点観測にもなります。営業以外のCowork活用はCowork営業活用にあります。
担当者の異動や商談の分類基準が変わったときは、プロンプトを追従させます。そのままにすると、レポートの意味が少しずつずれていきます。
まとめ
集計だけのレポートにしたいなら、HubSpotの書き込み系ツールをBlockedにして、AutoやSkipの選択に左右されない状態にします。更新まで任せる運用にするなら、Needs approvalで確認を残すか、HubSpot側の権限で範囲を絞ります。頻度は週次から始め、初回の数字を突き合わせてから調整します。