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Coworkメール自動化 — 送信まで任せる承認設定の勘所

Coworkメール自動化 — 送信まで任せる承認設定の勘所

CoworkのGmail連携は送信・返信・転送まで対象です。承認モードとコネクタのツール権限の掛け合わせで、人の確認が要る場面が決まります。

CoworkのGoogle Workspaceコネクタは、Gmailの検索・下書き作成に加えて、送信・返信・転送までを自動化の対象にしています。人の確認なしで進む範囲は、承認モードとコネクタのツール権限の掛け合わせで決まります。

この掛け合わせは直感とずれる箇所があります。Manualモードでも、ツール権限をAlways allowにした操作は承認なしで進みます。逆にSkipモードでも、ツール権限をBlockedにした操作は拒否されます。

コネクタの接続手順はCoworkのGmail連携にあります。ここでは接続後に、どの設定でどこまで自動で進むかを扱います。

Gmailコネクタでできる操作と、できない操作

対応する操作は、自然言語での検索・本文の読み取り、書式つきの下書き作成、送信・返信・転送です。ラベルとスレッドの操作、保存済み下書きの一覧取得も含まれます。

操作対応状況
検索・本文の読み取り対応状況対応
下書きの作成対応状況対応
送信・返信・転送対応状況対応(既定では実行前に承認を求める)
ラベル・スレッドの操作、保存済み下書き一覧の取得対応状況対応
添付ファイルの中身の読み取り対応状況非対応(メタデータのみ)

Googleの認証画面にはメール送信の権限が表示されます。これは送信が技術的に可能だという表示で、実際に送るかどうかは次の承認設定が決めます。

確認が省かれる条件は、モードとツール権限の2軸で決まる

Coworkの承認モードは、Manual(手動承認)、Auto(自動承認)、Skip(すべて承認をスキップ)の3つです。Manualは旧名称が「Ask before acting」、Skipは「Act without asking」で、古い画面や記事ではこの名前で出てきます。コネクタのツールにも、Always allow(常に許可)、Needs approval(要承認)、Blocked(禁止)の3段階の権限があります。

公式の対応表は次のとおりです。

モード/ツール権限Always allowNeeds approvalBlocked
ManualAlways allow承認済みとして実行Needs approval承認を求めるBlocked拒否
AutoAlways allow読み取り系は承認済み、書き込み・削除系はClaudeが判断Needs approvalClaudeが判断Blocked拒否
SkipAlways allow承認済みとして実行Needs approval承認済みとして実行Blocked拒否

注目したいのはManualの行です。Manualは「毎回止まるモード」と思われがちですが、Always allowにしたツールは止まりません。確認を省く入口は、モードの切り替えだけではないのです。

Autoでは、Claudeが各操作を安全性の観点で審査します。データの持ち出しやプロンプトインジェクションの兆候があれば自動でブロックし、別の方法を探すか、利用者に直接尋ねます。ブロックが続くと、1操作ごとの許可確認に切り替わります。Autoは審査の分だけ、他のモードより使用量の上限を多く消費します。

Autoは既存のコネクタやプラグインのすべてに適用されます。内蔵ブラウザー、Claude in Chrome、Webサイトの取得といった一部のCoworkの操作も対象です。Gmail以外のコネクタやブラウザー操作も、同じ審査を通ります。

Skipは審査もしません。公式は、お金・本人名義のメッセージ・重要なファイルを扱う作業では、Manualに戻すことも検討するよう案内しています。

ツール権限は、チャット入力欄の「+」メニューか、Customize > Connectorsのページで変えます。なお、新しいClaudeの画面では、入力欄の権限設定がAutoとManual(既定)の2択になる場合があります。

関門

メール送信が承認なしで進むまでの3つの関門

  • 1. コネクタの有効化

    Team・Enterpriseでは、OwnerまたはPrimary Ownerが組織レベルで有効にするまで、メンバーは認証できません。

  • 2. 組織の承認ポリシー

    次の節で扱う、管理者側の設定です。

  • 3. モードとツール権限

    個人のPro・Maxは、この関門だけを自分で操作します。

どの設定を使っても変わらない例外もあります。Coworkはファイルを完全に削除する前に、必ず明示的な許可を求めます。メール送信の承認は、モードとツール権限の設定どおりに働きます。

Team・Enterpriseで自動化が進まないときの切り分け

個人のPro・Maxは、自分の判断でモードを切り替えられます。Team・Enterpriseでは、組織設定が上から重なります。

くらべる

個人プランとTeam・Enterpriseの違い

個人

Pro・Max

Gmail連携を自分でオンにでき、モードもツール権限も自分で変えられます。

組織

Team・Enterprise

Autoの許可は既定でオンですが、書き込み系ツールのAlways allowは既定でオフです。

組織設定は、Organization settings > Coworkの「Permissions」にあります。「Allow “Automatically approve” mode」をオフにすると、メンバーのモード選択肢からAutoが消えます。

もう一方の「Allow "Always allow" for connector tools」がオフのままだと、承認ダイアログの「Allow for all tasks」がグレーアウトされます。保存済みのAlways allow設定も反映されません。組織のツールポリシーでGmailの送信を許可していても、毎回の承認が要ります。

読み取り専用のツールがこの制限を免れるのは、コネクタが読み取り専用の注釈を付けている場合に限られます。注釈のないカスタムコネクタでは、すべてのツールが制限の対象です。Enterpriseではカスタムロールの権限と併用され、より厳しい層が優先されます。ロールの権限でこの設定を上書きすることはできません。

承認の判断は、管理者からも追えます。Team・Enterpriseのオーナーは、CoworkのイベントをOpenTelemetry経由でSIEMや可観測性ツールへ流せます。ツール呼び出し、ファイルへのアクセス、人による承認の判断が、セキュリティ担当から見えるようになります。コンプライアンス用の監査ログの代わりにはなりません。

症状別に切り分けると、次のようになります。

  • 承認ダイアログで「Allow for all tasks」が押せない: 組織の「Always allow for connector tools」がオフです。管理者に依頼します
  • モード選択にAutoが出ない: 組織の「Automatically approve」がオフです
  • Gmail連携そのものが見当たらない: Google Workspaceコネクタが組織で有効化されていません
  • 認証で「Access blocked」と出る: Google Workspace側の管理者設定の問題です。次の節で扱います

Googleアカウント側で起きる接続エラー

Claude側のコネクタが有効でも、Google側で止まる場合があります。会社のGoogle Workspaceで次の画面が出たら、Googleの管理者がClaudeを信頼済みアプリにします。

Access blocked: your institution's admin needs to review Claude for Google Drive

手順は次のとおりです。

  1. admin.google.comで、Security > Access and data control > API controlsを開きます
  2. Manage third-party app accessで「Add app」から「OAuth App Name」を選びます
  3. 「Claude」を検索し、「Trusted」に設定します

ポリシーの反映には約15分かかります。この承認はGoogle Driveと共通のアプリに対して一度行えば足り、ファイル種別ごとの承認は要りません。

利用者側には別のエラーがあります。「You may need to reconnect with your Google Drive account」と出たときは、再接続が必要です。

Customize > Connectorsで該当のGoogleコネクタを開き、「Disconnect」を押します。次にGoogle機能を使ったときに、再認証の画面へ進みます。それでも直らないときは、Googleアカウント側の接続設定を消す方法があります。myaccount.google.com/connectionsでClaudeの接続を探し、設定を開いて「Delete all connections」を選びます。

Claudeが参照できるのは、接続したGoogleアカウントのGmail・Calendar・Driveだけです。複数のアカウントを使い分けている人は、どのアカウントで認証したかを先に確かめます。Anthropicは、Gmail・Drive・Calendarのコネクタのデータをモデルの学習に使いません。ただし、学習への利用を許可した個人アカウントでは、メール内容をチャットに貼り付けた分が改善に使われる場合があります。

手順: 送信を伴う自動化を段階的に組む

手順

読み取りから送信まで、4段階で広げる

  1. 1

    読み取り専用から始める

    受信箱の要約・ラベル分類・下書き作成だけを回します。外部に届く操作がないため、承認設定の影響が小さい段階です。

  2. 2

    下書き止まりで精度を見る

    Manualモードのまま、下書きの作成までをClaudeに任せます。宛先・敬語・添付漏れを、送信前に自分の目で確認する習慣をここでつけます。

  3. 3

    定型の返信だけ権限を緩める

    宛先と文面がほぼ毎回同じ返信(受領確認、日程調整の一次返信など)に限り、送信ツールをAlways allowにします。モードをAutoにすれば、権限を緩めた分も安全性の審査を通ります。

  4. 4

    繰り返す処理は定期実行へ移す

    毎朝の要約のような定型処理は、/scheduleから登録します。

手順2の段階では、プロンプトの側でも送信を止められます。

昨日届いた田中様からの見積依頼メールに、標準の見積フォーマットで返信の下書きを作って。送信はせず下書きのまま保存して

承認設定を試している間は、モードの切り替えより「送信はせず下書きのまま」と書くほうが、意図しない送信を避けやすくなります。

定期実行に登録する依頼文の例です。

毎朝8時、Gmailの未読メールを重要度順に要約し、返信が必要なものには「要返信」ラベルを付けて

定期実行では承認モードを作成時に決める

定期実行のタスクは、1回ごとが独立したCoworkのセッションです。「Scheduled」ページで「New task」から「Set up manually」を選ぶと、タスク名・プロンプト・承認モード・頻度(毎時・毎日・毎週・平日・手動)を指定します。承認モードは作成時に決める項目なので、Gmailを触るタスクでは、ここでモードを選び直す必要があります。

Gmail送信を含むタスクを定期化する前に、通常のタスクで同じモードとツール権限の組み合わせを試しておくと、止まる箇所が先に分かります。

クラウドで動く定期実行は、パソコンが休止していても、Claude Desktopを閉じていても進みます。実行場所はプランで分かれます。

ProとMaxでは、2026年10月6日から新規Coworkタスクがクラウドで動きます。設定画面のOnly on your computerは削除されます。10月6日より前に始めたタスクは、パソコン上のまま続けられます。パソコン上のファイルを使うタスクもクラウドで動き、その場合はClaude Desktopを開いておく必要があります。

Team・Enterpriseでは、パソコン上のファイルやアプリを使う定期実行はローカルでのみ動きます。

Coworkのweb・モバイル版はベータ提供です。デスクトップ版でのクラウド実行も、公式はベータと位置づけています。

定期実行の具体的な型はCowork Scheduled Tasksで定型レポートを自動化する実践パターンにあります。

送信前に押さえたいこと

承認モードの基本的な違いはCowork自動承認モードとはで詳しく扱っています。

つまずきやすい点は、次の3つです。

  • 添付ファイルの中身は判断材料になりません。読めるのは件名や送信者などのメタデータまでです。添付を踏まえた返信が必要なら、ファイルを別途チャットに渡します
  • 一部の高度な絞り込み条件は非対応です。大きなメールボックスでは、性能が変わることがあります。検索の範囲を絞った依頼文にします
  • Googleの利用枠はGoogle APIのクォータに従います。複雑な検索では、API呼び出しが複数回になる場合があります

まとめ

送信まで任せるなら、Always allowを付けるのは定型返信の送信ツールだけにとどめ、モードはAutoにして審査を残す組み合わせが基本線になります。

個人のPro・Maxで通った設定を会社のアカウントへ持ち込むときは、モードより先に組織設定を管理者に確かめると、止まる原因を探す手間が省けます。

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