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SquareとCoworkで在庫確認と品切れアラートを自動化する

SquareとCoworkで在庫確認と品切れアラートを自動化する

Squareコネクタの在庫追跡とCowork Scheduled Tasksを組み合わせ、閾値割れを承認ゲート付きで検知する実装パターンを手順でまとめます。

Square在庫確認をCowork Scheduled Tasksで自動化する全体設計

Squareコネクタのツール一覧(3つ)とCoworkのヘルプには、在庫が閾値を割ったら知らせる専用の機能は載っていません。Squareコネクタで在庫を読み、Coworkの定期実行機能「Scheduled Tasks」で決まった頻度に回して、閾値割れの商品だけを報告させる。この組み合わせで自分で作る実装パターンです。

設計の分かれ目は、検知のあとに何をさせるかにあります。報告を読むだけなら照会のみで完結します。発注ドラフトの作成や社内通知のような書き込みまで続けさせるなら、承認の設計が要ります。Squareコネクタは読み取りと書き込みを同じツールで受けるため、ここに落とし穴があります。後半の「承認の線をどこに引くか」で扱います。

前提条件

  • Squareコネクタが接続済みであること。接続手順はClaude Square連携の使い方にまとめています
  • Scheduled Tasksは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)向けの機能です
  • Team・Enterpriseでは、Coworkの利用可否を管理者がOrganization settingsで決めます。SquareのリモートMCPサーバー(https://mcp.squareup.com/mcp)の追加は、Squareの手順ではオーナーとプライマリオーナーが行います

実装手順 — 在庫を定期照会するScheduled Taskを作る

手順

Scheduled Taskの作り方(Cowork)

  1. 1

    Scheduledページを開く

    左サイドバーの「Scheduled」をクリックします。

  2. 2

    手動設定を選ぶ

    右上の「New task」から「Set up manually」を選びます。

  3. 3

    モーダルに入力する

    「Create scheduled task」で、タスク名・プロンプト・承認モード・実行頻度・モデル・作業対象のフォルダを入力します。モデルとフォルダは任意です。

  4. 4

    保存する

    「Save」で、タスクがScheduledページに並びます。

入力例は次のとおりです。

項目設定例
タスク名設定例Square在庫の閾値チェック
プロンプト設定例次の節のひな形
承認モード設定例照会だけでもManualが基本。Autoの扱いは次の節の注意を確認してから
実行頻度設定例毎時・毎日・毎週・平日のみ・手動から選択
作業対象のフォルダ設定例空欄(クラウド上のSquareだけで完結するため)

会話で作る方法もあります。「New task」で「Create with Claude」を選ぶか、Coworkのタスク内で /schedule と入力します。Claudeが選択式の質問を返しながら、タスク名・スケジュール・実際に行う内容を提示します。メッセージ欄に「Chat」「Cowork」の切り替えが無い新しい画面では、どの会話からでも「毎週月曜の朝9時に〜」のように頼み、提示された内容に「Schedule」を押せば作成されます。作成方法の詳しい比較はCoworkスケジュールタスクの作成方法にまとめています。

在庫の数え方をSquareの仕様に合わせてプロンプトに書く

プロンプトの精度は、Squareが在庫をどう持っているかを知っているかどうかで決まります。Square公式の在庫管理の説明によると、数量を持てるのは商品そのものではなくバリエーション(サイズ違い・色違いなどの販売単位)で、在庫追跡が有効なものに限られます。数量は店舗ごと・状態ごとに保持されます。状態には販売可能な IN_STOCK のほか、販売済みの SOLD、廃棄の WASTE などがあります。

したがって「在庫が少ない商品」と頼むと、どの店舗の、どの状態の数量を見るのかが定まりません。店舗・状態・閾値の境界を言葉で固定したプロンプトにします。

Squareの在庫を照会してください。
- 対象店舗: 渋谷店のみ
- 対象商品: 在庫追跡が有効なバリエーション
- 条件: IN_STOCKの数量が10個以下のもの
- 出力: 商品名・バリエーション名・SKU・現在庫数を、少ない順の表で
- 該当が無いときは「該当なし」とだけ書く
- 照会だけを行い、Squareのデータは変更しない

「10個以下」と書いたのは、Square自身の在庫アラートが「閾値以下」で作動するためです。「未満」にしたいなら、そう書き分けます。最後の1行は、次の節で述べる承認の線引きが甘い場合の保険にもなります。

Claudeがここで使うのは、コネクタの3つのツールです。Squareの公式リポジトリは、使い方を3段階で示しています。get_service_info で inventory や catalog といったサービスの操作を調べます。次に get_type_info で必要な引数を確かめ、make_api_request で実行する流れです。在庫の数量は、Inventory APIの数量一括取得(POST /v2/inventory/counts/batch-retrieve)が返します。この取得は location_ids で店舗を絞れます。1回の応答は最大1,000件で、続きはカーソルで取得します。数える状態は states で絞れ、変更分だけなら updated_after も使えます。

くらべる

在庫アラートをどちらに持たせるか

ダッシュボードに表示

Square側のアラート

バリエーションに閾値を設定し、数量が閾値以下になるとSquareのダッシュボードに警告が出ます。ダッシュボードを毎日開く運用なら、これだけで足ります。

報告を受け取る

Cowork側の定期照会

閾値・対象店舗・出力の形をプロンプトに書き、決めた頻度で一覧を受け取ります。条件を日本語で書き換えられ、結果の送り先も後から足せます。

Catalog APIにある閾値のフィールド(inventory_alert_type と inventory_alert_threshold)は、全店舗共通の値としては非推奨になっています。「店舗ごとの上書き設定」に同じ項目があり、閾値は店舗別に持つ形です。Cowork側で閾値を持たせる場合も、店舗ごとに値が違う前提でプロンプトを分けると噛み合います。

承認の線をどこに引くか — 読みと書きが同じツールにある

在庫の照会も、顧客情報の変更や請求書の発行も、最後は make_api_request を通ります。読みと書きの違いはツールの名前に出ず、リクエストの中身で決まります。

つまり、ツール単位の許可では「読み取りだけ許可」という線を引きにくい構成です。まずCoworkの承認の表を確かめます。モードの選択と、コネクタ側のツール権限(Customize > Connectorsの「Tool permissions」)の掛け合わせで挙動が決まります。

モードAlways allowNeeds approvalBlocked
ManualAlways allow承認済みとして実行Needs approval実行のたびに確認Blocked拒否
AutoAlways allow読み取りは承認、書き込み・削除はClaudeが判断Needs approvalClaudeが判断Blocked拒否
SkipAlways allow承認済みとして実行Needs approval承認済みとして実行Blocked拒否

Skipの行に注意が要ります。Skipでは「Needs approval」にしたツールまで承認済みとして扱われ、承認ゲートが働きません。ManualでAlways allowにした場合も、make_api_request が読み書き両方を担うため、在庫照会と書き込みの両方が確認なしで通ります。Autoでは読み取り専用ツールだけが承認される扱いですが、1つのツールが読みも書きも担う場合にどちらに数えられるかは、承認の表に書かれていません。

判断

状況別の設定の選び方

  • 報告を読むだけで足りる

    Square側の認可を読み取りの範囲に絞る方法があります。SquareのOAuthでは、在庫の読み取りに INVENTORY_READ、数量の変更に INVENTORY_WRITE の権限が別々に要ります。Squareのドキュメントは、リモートサーバーで必要なスコープだけを認可できると説明しています。Claudeからの接続時にスコープを選べるかは、認可画面で確かめます。読み取りだけを認可できれば、ツールが読み書き共用でもSquare側で書き込みを断てます。Claude側で許可しても、Square側の権限を超える変更は通りません。

  • 発注ドラフトや通知まで続ける

    承認モードをManualにし、Squareコネクタ(や投稿先のコネクタ)のツールを「Needs approval」にします。実行のたびに確認が入ります。スケジュールタスクのヘルプには、承認待ちになった実行の扱いが書かれていません。本番の頻度に乗せる前に、「Run a task on demand」で手動実行して、確認が出る場面を見ておく方法があります。

  • Team・Enterpriseの場合

    Autoの可否は管理者の設定で決まり、既定ではオンです。一方、書き込み系コネクタツールの「Always allow」を認める組織設定は既定でオフです。オフのあいだは「Allow for all tasks」が選べず、書き込みツールは1回ごとの承認になります。読み取りツールが免除されるのは、コネクタが読み取り専用と注記している場合に限られます。

    Team・Enterpriseのオーナーは、接続したサービスに許す操作を組織全体で制限できます。たとえば読み取りは許し、書き戻しは止める設定で、個々のユーザーは上書きできません。Squareのように読み書きが1つのツールに入っている場合に種別ごとに分けられるかは、Tool permissionsの画面で確かめます。

モードごとの挙動の違いはCowork自動承認モードとはが詳しいです。業務の性質に応じた承認ゲートの設計軸はCowork Approval Gatesを部門ごとに設計する考え方にまとめています。

テストの段階にも注意点があります。Squareのドキュメントによると、リモートのMCPサーバーが触れるのは本番のデータだけです。サンドボックスで試せるのは、アクセストークンと SANDBOX=true を指定して動かすローカル版です。読み取り限定にする DISALLOW_WRITES=true も、ローカル版の設定として載っています。コネクタとして接続したSquareには、本番の在庫が見えている前提で、最初のプロンプトを照会だけにして試します。

実行場所と頻度で押さえる点

Scheduled Tasksの各実行は、それぞれ独立したCoworkセッションとして走ります。パソコンがスリープしていても、デスクトップアプリを閉じていても、決めた頻度どおりに動きます。結果は左サイドバーの「Scheduled」から、予定と過去の実行をあわせて確認できます。

2026年10月6日から、ProとMaxでは新しいCoworkタスクがクラウドで動き、「Settings > General」の「Only on your computer」は廃止されます。すでにパソコン上で始めたタスクは、そのままパソコン上に残ります。

作業対象のフォルダについては、ヘルプの中で2つの書き方が並んでいます。「ローカルのファイルやアプリが必要なタスクはローカルでしか動かない」という記述と、「パソコン上のフォルダには紐づけられない」という注記です。在庫照会はクラウド上のSquareのデータだけで完結するので、フォルダ欄は空欄で足ります。

頻度は、毎時・毎日・毎週・平日のみ・手動から選びます。コネクタを使う複数ステップのタスクは使用量を多く使い、Autoはさらに安全性の審査の分だけ多く使うと説明されています。毎時の実行とAutoは、どちらも使用量が増える要素なので、重ねると消費が増えます。補充に数日かかる商品なら、毎日か毎週で足ります。

最初の数回は結果を見て、閾値とプロンプトの粒度を調整します。狙った商品だけが報告されるようになってから頻度を上げると、手戻りが少なくなります。定型レポート全般の自動化パターンはCowork Scheduled Tasksで定型レポートを自動化する実践パターンにあります。

よくあるつまずき

通知が多すぎて埋もれる。閾値を一律に高くすると毎回大量の商品が該当し、本当に重要な品切れが埋もれます。動きの速い主力商品だけに絞り、商品ごとに閾値を変えてから対象を広げます。

書き込み系のアクションが実行されない。発注ドラフトの作成や社内投稿まで含めたタスクが止まるときは、コネクタのTool permissionsで該当ツールが「Blocked」のままになっていないかを見ます。Team・Enterpriseでは、組織設定で「Always allow」が認められていない可能性もあります。

品切れのはずの商品が報告に出てこない。在庫追跡が無効のバリエーションは、在庫数の管理対象ではありません。Squareのダッシュボードで、該当商品の在庫追跡の設定を確かめます。

店舗が多くて出力が長くなる。プロンプトに店舗名を明示し、出力を店舗別に区切るよう頼みます。店舗数が多いなら、店舗ごとにタスクを分けると見落としが減ります。

1つのタスクに複数の頻度を混ぜようとする。頻度の欄は1つです。朝の在庫チェックと週次のまとめレポートを両方回すなら、頻度違いの2つのタスクにします。

作成後の管理

作成後は「Scheduled」ページで、タスクの編集・一時停止・再開・削除・手動実行ができます。繁忙期だけ閾値を下げる、棚卸しの期間は止める、といった運用はタスクを作り直さず、プロンプトの編集と一時停止・再開で足ります。使わなくなったタスクは、削除か一時停止で片付けると無駄な実行が積み重なりません。

まとめ

SquareのリモートMCPは読みと書きを1つのツールで受けるため、Coworkの承認設定だけでは読み取り専用の線を引きにくい構成です。判断の基準は、書き込みを伴うかどうかです。読み取りだけなら、Square側のスコープを読み取りに絞れる場合は絞ります。書き込みを伴うなら、Manualとツール権限の「要承認」で、実行前に人が確認する形にします。

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