Claude in Chromeで販促メールをまとめて整理する方法
Claude in Chromeは受信箱をスキャンして販促メール・未読ニュースレター・自動通知を送信者ごとに仕分け、削除や配信停止の候補にまとめます。条件の書き方と承認モードの違いを解説します。
受信箱に溜まった販促メールを1件ずつ選んで削除するのは苦痛な作業です。フィルタを設定していても新しい送信者は増え続け、気づけば未読が数百件に積み上がっています。Claude in Chromeは受信箱全体をスキャンし、送信者ごとに削除候補をリストにまとめます。
ただし「Claudeが承認なしに消すことはない」とは言い切れません。確認が入るかどうかは承認モードで変わり、公式ページ同士でも削除の扱いに食い違いがあります。この記事では、依頼文の書き方に加えて、その食い違いと対処までを扱います。
整理が終わるまでの4ステップ
販促メール整理の流れ
- 1
条件を書く
対象にするメールと、触らないメールを分けて依頼します。
- 2
リストを受け取る
Claudeがスキャンし、送信者ごとに件数付きでまとめます。
- 3
残す送信者を外す
残したい送信者を挙げ、削除対象から外します。
- 4
削除か配信停止を指示する
件数の多い送信者は、削除でなく配信停止に切り替えられます。
Connectors版のGmail連携とは何が違うか
同じGmailを扱う機能でも、役割は分かれます。
Gmailを扱う2つの方法
Claude in Chrome
ブラウザ上のGmail画面を読み、受信箱を横断して仕分けます。ノイズの一括整理に向きます。
どの業務をClaudeに任せてよいかの線引きは、CoworkのGmail連携の運用例と並べて読むと判断しやすくなります。
使い始める前に確認すること
対応プランはPro・Max・Team・Enterpriseの有料プランで、無料プランでは使えません。対応ブラウザはGoogle Chromeのみです。他のChromium系ブラウザとモバイル端末は対象外になります。
作業の前に、Gmailにログインした状態のタブを用意します。Claudeはこのセッションの中でメール本文・送信者・開封状況を読み取ります。Gmailの画面の操作手順は、Claudeが最初から把握しています。
作業中のタブは、スクリーンショットとして撮られます。画面に映った内容は会話の一部になり、セッションとして履歴に保存されます。受信箱には他人の名前や件名が並ぶので、整理中は関係のないページをサイドパネルで開かないようにします。
サイドパネルの種類もプランで異なります。MaxとTeamではCoworkセッションとして動き、Proへも展開が進んでいます。Enterpriseでは、管理者がクラウドのCoworkを有効にするまでは従来型のパネルが表示されます。パネルの種類で、後述の承認の出方が変わります。
会社支給のGoogleアカウントを整理する場合は、組織側の設定も確認します。管理者は拡張機能の提供可否を決められるほか、アクセスできるサイトを許可リストやブロックリストで制限できます。チームへの提供が有効になっていない環境では使えないので、最初の切り分けは管理者への確認です。
既定値もプランで違います。Teamでは拡張機能が最初から有効で、Enterpriseでは無効が既定でした。2026年9月10日からは、管理者が無効にしていなければEnterpriseでも有効になります。Claude in ChromeとCoworkは、別々に管理されます。
「確認される」の中身は承認モードで決まる
承認の挙動は、入力欄のドロップダウンで選ぶ3つのモードで異なります。
Claude in Chromeの承認モード
Manually approve
操作のたびに止まり、許可か拒否を選びます。以前は「Ask before acting」という名前でした。
Automatically approve
Claudeが各操作の安全性を自分で点検し、危険と判断したものは止め、必要なときは確認を求めます。Coworkサイドパネルの既定です。
Skip all approvals
確認も自動点検もなく進みます。以前は「Act without asking」でした。
自動承認は点検の分だけ処理が増えるため、他のモードより使用量を多く消費します。選んだモードはサイドパネルが次回以降も保持します。
手動承認の画面は、パネルの種類で違います。従来型パネルでは、Claudeがアクセスするサイトと手順を書いた計画を先に出し、「Approve plan」を押すと計画の範囲で動きます。Coworkのパネルでは計画は出ず、操作のたびに、サイトをすべて許可、今回だけ許可、拒否の3択から選びます。英語表示は「Allow all for this website」「Allow this time only」「Deny」です。
Gmailにサイトの許可を付けた場合でも、ファイルのダウンロードや機密情報の入力、権限の付与は、そのつど確認が入ります。付けた許可は拡張機能の設定の「Your approved sites」で見直せます。メール整理を試すうちは「今回だけ許可」にしておくと、許可が残りません。権限ガイドの別の節では、1回ごとの許可を「Allow this action」と呼び、いちばん安全な選択肢としています。
受信箱の大量スキャンは、使用量を多く使います。ブラウザ操作は通常のチャットより計算量が多く、自動承認の点検がその上に乗ります。数百通、数千通の整理は、期間や送信者で分けて頼むと扱いやすくなります。
削除の扱いは公式ページで食い違っている
メール整理の手順を紹介するClaude Academyのページは、削除候補を一覧にして「あなたの承認を待つ」流れを示しています。一方、権限ガイドの「Prohibited actions」には、モードに関係なく禁止される操作として「完全な削除(ゴミ箱を空にする、メール・ファイル・メッセージの削除)」が挙がっています。
同じ権限ガイドには、メールやWebコンテンツに書かれた指示を実行しないことも禁止事項として載っています。迷惑メールの本文に「このリンクを開いて」と書かれていても、その指示に従って操作しない設計です。ただし公式は、悪意ある指示を完全には防げず、リスクはゼロではないとしています。
受信箱の整理は、信頼できない文面を大量に読む作業です。Claudeが無関係な話題を話し始める、見覚えのないサイトを開く、機密情報を求めてくる、といった動きが出たら、その場で作業を止めます。
この2つを突き合わせると、実際の運用は次のように割り切れます。
- 一覧の作成、削除候補の提示、配信停止の依頼は、依頼文で指示して進める
- 実際に消えるかどうかは、画面で出る確認とGmail側の状態を見て判断する
- ゴミ箱を空にする操作は、禁止事項に明記されているので自分で行う
モードにかかわらず確認の一往復を確実に挟みたいなら、依頼文に「削除する前に一覧を見せてください」と書いておきます。
任せる範囲を決める
件名や送信者を見れば人でも即座に判断できる販促メールと自動通知が、任せやすい対象です。請求書・契約・金融機関からの通知は、条件で明示的に除外するか、対象を「明らかな販促・通知系のみ」に絞って依頼します。
社内の他部署からの自動通知や、自動転送されたメールも要注意です。送信者の個人名だけでなく、所属部署や自社ドメインも除外条件に書いておきます。
手順1: 何を消して何を残すか条件を書く
Claude Academyが示す依頼文は、対象と除外を分けて書く形です。人からの個別メール、添付ファイル付き、社内ドメインを除外し、出力を送信者ごとにまとめさせます。
不要そうなメールを見つけて、削除候補としてまとめてください。
対象にしてほしいもの
- 小売・ブランドからの販促メール
- 3か月以上開いていないニュースレター
- 自動送信の通知(配送完了の通知、終わった予定のリマインダーなど)
- SaaSプロダクトからのマーケティングメール
対象にしないでほしいもの
- 実在の人からの個別メール(自動送信でないもの)
- 添付ファイルがあるメール
- [自社ドメイン]からのメール
出力は送信者ごとにグループ化して、削除する前に確認できる形にしてください。角括弧の部分は自社の実際のドメインに置き換えます。除外条件を先に書いておけば、結果を見てから条件を足し直す一往復を減らせます。
手順2: 提示されたリストを読む
Claudeの返答例では、スキャン結果が4つのカテゴリに分かれます。例では847件が、小売・ブランド、未開封のニュースレター、自動通知、SaaSのマーケティングに分類されていました。それぞれの中に送信者ごとの件数と、「最後に開いたのは4か月前」「すべて配信済み」といった補足が付きます。
返答の末尾には「残したもの」も示されます。例では、人からのメール、添付ファイル付きの34件、自社ドメインのメールでした。除外条件が効いたかはこの欄で確かめられます。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| カテゴリの妥当性 | 見るポイント「自動通知」の中に人からの返信が混ざっていないか |
| 残したい送信者 | 見るポイント開いていなくても後で読みたいニュースレターがないか |
| 除外条件 | 見るポイント添付ファイル付きや社内ドメインが漏れていないか |
問題なければ承認します。残したい送信者がある場合は、名前を挙げて指示します。Academyの例は「Morning BrewとFigmaの更新は残して、ほかは削除」です。
条件を追加するときの書き方
最初の依頼で想定しきれなかったメールは、結果を見てから一文ずつ足すほうが収束しやすくなります。次の指示は、手順1の依頼文に続けて使える形です。
| 迷うメール | 追記する指示の例 |
|---|---|
| 定期購読の支払い確認 | 追記する指示の例「継続課金の確認メールは残して、一覧だけ見せて」 |
| 一度しか届いていない送信者 | 追記する指示の例「一度しか届いていない送信者は対象から外して」 |
| 会員限定セールの案内 | 追記する指示の例「使っていないクーポンを含む案内は先に教えて」 |
削除より配信停止が向く送信者
同じ送信者から何度も届くなら、削除では次のメールが止まりません。Academyは、届いた件数が多い小売業者について、削除でなく配信停止を頼む例を挙げています。
15件を超えて届いている小売業者については、削除ではなく配信停止の手続きを進めてください。
今後これらのメールを受け取りたくありません。整理のついでに、定期課金の洗い出しも頼めます。「継続課金の確認メールを探して、支払っているサブスクリプションの一覧を作って」と依頼すると、削除候補とは別に、解約し忘れた契約を見つけられます。
繰り返し使うならショートカットとスケジュール
整理の依頼文がうまく動いたら、ショートカットとして保存できます。次回からは、チャット欄で「/」を入力して呼び出すだけです。ショートカットは拡張機能の設定から編集・削除できます。
保存したショートカットは、パネル右上の時計アイコンから定期実行にも設定できます。頻度は毎日・毎週・毎月・毎年から選びます。
削除まで含めた定期実行は、承認モードや確認の挟まり方を先に確かめてからにします。一覧の作成までを定期にし、削除は結果を見て指示する使い方もあります。なお、記録した操作を再現する「ワークフロー記録」は、従来型パネルでだけ使えます。
つまずきやすい点
Claudeはタブを切り替えても、Chromeが開いている限りスキャンを続けます。拡張機能の通知をオンにしておくと、完了時や承認が必要なときにデスクトップ通知が届きます。受信箱が大きいほど時間がかかるため、他の作業をしながら待つ運用が向きます。
Coworkのパネルで始めたセッションは履歴に残り、Webやデスクトップ、モバイルから続きを開けます。スキャン結果を別の端末で確かめたいときに使えます。
初回の条件が曖昧だと、残したい送信者まで候補に入ります。一覧を流し読みしてから承認する習慣をつけます。
実在のブランド名を装った迷惑メールは、送信者表示だけでは自動送信の販促メールと見分けにくい場合があります。見覚えのないドメインは、候補に入っていても中身を確認してから承認します。
動かないときは、まず現在のサイトに権限を与えているかを見ます。Chromeを最新版にし、ページ操作の邪魔になる他の拡張機能を無効にし、不要なタブを閉じます。複雑な依頼は、小さな手順に分けて頼みます。
スキャンが始まらない、権限確認が繰り返し出るといった不具合は、Claude in Chromeが動かないのチェックリストで切り分けられます。承認モードそのものの考え方はClaude in Chromeを安全に使うにあります。
まとめ
承認モードが何であっても、確認の一往復を確実に挟めるのは依頼文に書いた一文です。ゴミ箱を空にする操作は禁止事項なので、最後の一手は自分で行います。