Claude in Chromeで商品比較する使い方 — 複数タブから表を自動生成
開いた複数の商品ページをClaude in Chromeに読ませると、表記のばらつきを整えた比較表をGoogle上に作成できます。手順と精度を上げるコツをまとめます。
ノートPCでもテレビでも、比較検討は複数のタブを行き来する作業になりがちです。あるサイトは「RAM」、別のサイトは「メモリ」、また別のサイトはアコーディオンの中に仕様を隠している。どれがどのスペックだったか覚えていられません。Claude in Chromeに開いているタブを読ませると、この表記のばらつきを整えたうえで比較表を作ってくれます。
Claude in Chromeで商品比較を自動化するとはどういうことか
やることは、比較したい商品のページを複数タブで開き、Claude in Chromeに「それぞれのページを見て、仕様を抜き出して比較表にして」と頼むだけです。Claudeはタブを切り替えながら各ページを読み、価格・仕様・気になる点を抽出します。サイトごとに違う表記(「RAM」と「Memory」など)は、統一したうえで表にまとまります。
前提として必要なのは、Claude in Chrome拡張機能のインストールとGoogleアカウントへのログインです。インストール手順や承認モードの概要はClaude Chrome拡張機能でできることにあります。Claude in Chromeは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)向けの機能で、Chrome以外のChromiumベースブラウザやモバイル端末には対応していません。
比較表ができるまでの4段階
商品比較の流れ
- 1
商品ページを別々のタブで開く
すでに開いているタブは、Claude専用のタブグループへドラッグして入れます。グループに入ったタブはまとめて読み取り対象になり、手動の切り替えが要りません。
- 2
重視する項目と書き出し先を伝える
項目を決めずに頼むと、Claudeはページで見つけた仕様をすべて拾おうとします。表が横に広がりすぎるので、判断に使う軸だけを先に挙げます。
- 3
表と注記を受け取る
商品名・販売サイト・価格の一覧のあとに、項目ごとの値と勝者が並びます。表記の違いやメーカー公表値の注記も付きます。
- 4
追加の依頼で絞り込む
候補の追加、レビューの確認、最安値の店探しは、同じ会話の続きとして頼めます。表を作り直す必要はありません。
初めて訪れるサイトでは、Claudeがそのつどアクセス許可を求めます。信頼できるサイトに限り、サイト単位で許可を記憶させられます。この許可の範囲と、許可していても確認が入る操作は、後半の「承認が止まる場面」で扱います。
項目を絞ったプロンプトで表がどう変わるか
重視する項目は、依頼文の中で具体的に挙げます。公式の使用例にあるプロンプトは次の形です。
プロセッサ・メモリ・ストレージ・画面サイズ・バッテリー持続時間・重さを比較して判断軸に加えて勝者の表示まで指定すると、開いた瞬間に結論が見える表になります。
価格・プロセッサー・メモリー・バッテリーの4項目に絞って、それぞれの勝者も教えてGoogle上のどこに書き出すか(ドキュメントかスプレッドシートか)も、同じ依頼文に入れておくと、指示が明確になります。
公式の出力例を検算すると何が見えるか
公式の使用例ページには、4台のノートPC(Dell XPS 15、MacBook Pro 14インチ、Lenovo ThinkPad X1 Carbon、HP Spectre x360)を比べた出力例が載っています。価格・プロセッサー・メモリー・ストレージ・画面・バッテリー・重さの7項目に、各製品の値と項目ごとの勝者が並ぶ形です。
表のあとには「Quick Notes」として、数値だけでは見えない違いが付きます。
- Lenovoのバッテリーは「最大15時間」、HPは「12時間(複合使用)」という表記で、比較できる推定値に直した
- DellはRAMを「Memory」と表記し、HPは仕様を「Tech Specs」のアコーディオンに入れていた
- Intel搭載機はメモリーを増設できるが、MacBookの18GBは基板に固定されている
- ThinkPadのキーボードはタイピングが多い人に高評価
最後に「性能を取るか携帯性を取るか」の条件分岐で結論が付きます。数字だけの転記と違うのは、この注記と結論の部分です。
重さの数字から読める食い違い
出力例を読むときは、表の数字から結論の文を自分で計算し直すのが確実です。重さの欄は次のとおりでした。
出力例の重さの欄(単位はポンド)
ThinkPad X1
2.48 lbs
最も軽い
HP Spectre
3.01 lbs
MacBook Pro 14
3.4 lbs
Dell XPS 15
4.2 lbs
同じ出力例の結論には、ThinkPadを選ぶ理由として「MacBookより2ポンド近く軽く、350ドル安い」という趣旨の一文があります。価格差は1,999ドルと1,649ドルで350ドルと合います。一方、重さの差は表の値から3.4 − 2.48 = 0.92ポンドです。約2ポンド近い差があるのはDell(4.2 − 2.48 = 1.72ポンド)との間になります。
例の出力でも、表の数字と結論の文が食い違うことがあるわけです。比較表を購入判断に使うなら、結論の文に出てくる差や順位は、表の数字から自分で引き直してください。元のページと表の数値が一致しているかをClaude自身に見直させる依頼も有効です。
元のページと表の数値が一致しているか、もう一度見直してアコーディオンや折りたたみの中に仕様があるページは、読み落としの可能性を考えて、この見直しを一度挟むと安心です。出力例ではHPの「Tech Specs」アコーディオンの中のRAMも拾われていますが、すべてのページで同じように読めるとは限りません。
保存先はGoogleドキュメントかスプレッドシートか
公式の使用例ページは、書き出し先の記述が揃っていません。冒頭の説明文には「Google Sheetsに比較表を作る」、手順1には「Google Docsに作る」とあります。Quick Notesの最後の行は「Google Sheetsで作成した。勝者を条件付き書式で強調している」です。サンプルのプロンプトは「Google Docに入れて」と頼む文面です。
一方、サポートのヘルプには、Claudeがあらかじめ操作方法を把握しているサービスとしてSlack・Googleカレンダー・Gmail・Googleドキュメント・GitHubが挙がっています。このリストに名前が出ているのはドキュメントで、スプレッドシートは出てきません。ヘルプには、「update the doc」のような短い指示が手順の説明なしで動くとあります。
表として手元で並べ替えたいならスプレッドシート、文章と一緒に読みたいならドキュメントと、書き出し先は読者側で決めて依頼文に書くのが確実です。
複雑なレイアウトは、言葉で説明するより該当箇所のスクリーンショットで示すほうが速い、とヘルプにあります。仕様欄の外にある写真やデザインの違いを比べたいときも、ボタンや項目を画像で指し示せます。
使っているサイドパネルによって承認の出方が違う
Claude in Chromeのサイドパネルには、従来型のパネルと、Claude Coworkのセッションとして動くパネルがあります。MaxとTeamでは後者が使われ、Proには順次展開されています。Enterpriseでは、管理者がクラウドのCoworkを有効にするまで従来型のパネルです。商品比較の手順は同じでも、画面に出る承認の流れが変わります。
承認モードが「Manually approve」のときの動き
従来型のサイドパネル
Claudeがプロンプトから計画を作り、アクセスするサイトと進め方を先に示します。「Approve plan」を押すと、ダウンロードや機微な情報の入力といった操作を除き、その範囲で自律的に進みます。計画にないサイトへのアクセスは、そのつど承認が要ります。
Coworkのサイドパネル
計画の承認はありません。必要なら質問が1〜2個入ったあと、作業に入り、操作ごとに「Allow all for this website」「Allow this time only」「Deny」から選びます。
Coworkのサイドパネルでは、既定のモードが「Automatically approve」です。Claudeが各操作を安全面から見直し、危ないと判断したものを自動で止めます。このモードは安全確認を重ねるぶん、ほかのモードより使用量の上限を多く消費します。「Skip all approvals」は、操作を自動で確認する仕組みが働かないモードです。
Coworkのパネルを使っていて従来型に戻したいときは、サイドパネル右上の三点メニューから「Switch back to classic」を選びます。ワークフローの録画(自分の操作を見せて覚えさせる機能)は従来型のパネルでしか使えません。
常時許可していても承認が止まる場面
商品ページを何度も開く比較作業では、よく使うサイトに「Always allow actions on this site」を選びたくなります。ただし、許可の範囲と、許可しても止まる操作は別の話です。
許可の設定と関係なく止まる操作
毎回確認が入る
ファイルのダウンロード、機微な情報のページへの入力、認可の付与、サイトの許可設定の管理です。「Always allow」にしたサイトでも確認されます。
常に実行されない
購入や金融取引、アカウントの作成、クレジットカードやIDの扱い、メールやウェブコンテンツ内の指示の実行などです。モードにかかわらず禁止されています。
組織が決める
TeamとEnterpriseでは、管理者が許可リストと拒否リストでアクセス先を制限できます。ユーザーの許可にかかわらずアクセスを止められます。
比較作業に当てはめると、役割の境目がはっきりします。「一番安い店を教えて」までがClaudeの仕事で、購入そのものは禁止された操作に当たるため、決済画面は自分で操作します。仕様書のPDFを取り込みたいときも、ダウンロードの確認は毎回入ります。
許可したサイトは、拡張機能の三点メニューから「Extension settings」を開くと一覧できます。「Your approved sites」で常時許可のサイトを確認して取り消せ、権限の履歴も見られます。ECサイトに常時許可を付けたまま忘れないよう、定期的に見直せます。リスクの全体像はClaude in Chromeを安全に使う方法とリスク対策にまとめています。
汎用の価格比較サイトとの違い
Claude in Chromeでの比較は、開いたタブのページを直接読んで組み立てます。対象は、開いたタブ次第でノートPCに限りません。テレビでも掃除機でも、商品ページが開いていれば同じ手順で表を作れます。複数のECサイトにまたがる商品を横断的に見比べたいときに向いています。
比較の範囲は、自分が開いたタブとタブグループの中に限られます。市場全体から最安値を探す用途は、価格を網羅的に集める専用の比較サイトの領分です。表記のばらつきを整えて、自分だけの比較軸で見比べたい用途は、Claude in Chromeに寄せるという使い分けになります。旅行の検索・価格比較に特化したConnectorとしては、ClaudeとExpediaを連携する方法があります。競合の料金ページに絞った列設計と取得日の残し方は、Claude in Chromeで競合の料金を比較表にする手順で扱っています。
比較の型をショートカットにして定期実行する
家電や日用品を定期的に比較するなら、うまくいったプロンプトをショートカットにして残せます。過去のプロンプトの下にあるショートカットのアイコンをクリックすると登録できます。次回からは「/」を入力してショートカットを選ぶだけで、同じ指示が再利用できます。登録したショートカットは、拡張機能の設定から編集や削除ができます。
ショートカットは、時間を指定して自動実行する設定にも使えます。拡張機能パネル右上の時計アイコンから、毎日・毎週・毎月・毎年の頻度で予約します。気になる商品の価格を週1回チェックさせる、といった使い方が考えられます。
実行時の通知は、拡張機能に付与される通知の権限で届きます。Claudeが承認を求めたときや、作業が終わったときの知らせです。タブを切り替えても作業は続き、Chromeが開いている間は並行して進むため、比較を頼んだあとは別の作業に移れます。
よくあるつまずき
症状から原因を切り分けます。
普段開けているECサイトがClaudeから読めなくなったときは、Team・Enterpriseかどうかで分かれます。TeamやEnterpriseなら、管理者が許可リストや拒否リストでClaudeのアクセス先を制限している可能性があります。拡張機能の不具合を疑う前に、管理者に確認してください。個人のプランなら、拡張機能の設定の「Your approved sites」で、そのサイトの許可の状態を見直します。
Google上への書き出しは、書き出し先のGoogleサービスにログインしておく前提です。比較の途中でログイン画面が挟まったら、いったんログインだけを済ませて、続きを依頼し直します。動作しないときの切り分けはClaude in Chromeが動かないときの原因と対処法で確認できます。
まとめ
比較表の骨組みはClaudeに任せ、結論の文に出てくる数字と購入の操作は自分で確かめる、という分担にすると失敗が減ります。項目と書き出し先を先に決めておくほど、狙った形の表に近づきます。