Claude in Chromeで分析ダッシュボードの数値を自動集計する
Claude in ChromeはAmplitudeやMixpanelなど開いているダッシュボードを横断して読み、指定した指標を1つのサマリーにまとめます。エクスポートやコピペなしで週次報告の下書きを作る手順です。
週次のチーム報告のために、AmplitudeとMixpanelを行き来して数字をコピーし、Slackに手で貼り直す作業は毎週同じ手順の繰り返しです。ツールが増えるほど、開くタブの数と転記のミスが増える悪循環に陥りがちです。Claude in Chromeは開いているダッシュボードを横断して読み、指定した指標だけを抜き出して1つのサマリーに組み立てます。
Claude in Chromeでダッシュボードを読むと、Coworkのコネクタと何が違うか
Claude in Chromeは、AmplitudeやMixpanelといった分析ツールのページをブラウザ上でそのまま読み取ります。エクスポートもAPI連携も使いません。ログイン済みのセッションを通して、あなたが画面で見ているのと同じレポートにClaudeもアクセスします。
同じ「Amplitudeの数字を週次でまとめる」用途には、別の道もあります。Cowork Amplitude自動化です。分かれ目は、対象ツールの幅と、実行する場所です。
週次の数字集めを任せる2つの道
Claude in Chrome
- 対象はAmplitude、Mixpanelなど、ブラウザで開ける分析ツール。コネクタの有無は問わない
- 実行前に、各ツールへログインしたタブをChromeで開いておく
- 定期実行は拡張機能のクロックアイコンから設定する
Coworkのコネクタ
- 対象はAmplitudeコネクタのように、コネクタが用意されたツール
- コネクタとClaudeアカウント上のファイルだけを使う定期タスクは、パソコンがスリープ中でも動く
- 2026年10月6日から、ProとMaxの新しいCoworkタスクはクラウドで動く
Claude in Chromeが向くのは、複数のツールにまたがる指標のうち、更新頻度がそれほど高くないものです。秒単位で変わる監視画面や、大量の生データをCSVで持ち出す分析は、このやり方の想定から外れます。読み取るのは画面に表示されたレポートの数値なので、生データが必要な分析には、これまでどおりエクスポート機能や既存のデータ基盤を使います。
使う前に整えておく前提条件
対応プランはPro・Max・Team・Enterpriseの有料プランです。Chromeブラウザ上ではベータ提供で、Chrome以外のChromium系ブラウザやモバイル端末は対象外です。Team・Enterpriseでは、管理者がサイトごとの許可リスト(allowlist)や拒否リスト(blocklist)を設定できます。拒否リストに載ったサイトへは、ユーザー側の許可があってもアクセスできません。
サイドパネルには2種類あります。MaxとTeamでは、サイドパネルがClaude Coworkのセッションとして動きます。Proへは順次展開、Enterpriseは管理者がクラウド版Coworkを有効にするまで従来のパネルです。どちらのパネルかで、後述する承認の出方が変わります。Coworkのパネルは、開いているタブをそのまま読み取れます。ローカルのファイルやパソコンの操作が絡む作業だけは、Claude Desktopアプリを開いて接続しておく必要があります。従来のパネルへは、右上の三点メニューの「Switch back to classic」で戻せます。
依頼を出す前の準備
- 1
分析ツールにログインする
Amplitude、Mixpanelなど対象のツールへ、Chromeでログインします。ClaudeはこのログインセッションでダッシュボードのURLを開くため、APIキーの設定は要りません。
- 2
タブを1つのグループにまとめる
対象のタブをClaudeのタブグループへドラッグします。全タブにアクセスできる状態になると、緑のバナーが表示されます。
- 3
頻繁に使うツールのサイトを許可する
拡張機能の設定の「Permissions」で、信頼する分析ツールに「Always allow actions on this site」を付けておくと、ページごとの確認が減ります。付与済みのサイトは「Your approved sites」で見直せます。
分析ツールを何本も使い分けると、ログイン情報の管理が煩雑になります。1Passwordを使うと、ログインが必要な場面でClaudeが1Passwordへ認証情報を要求し、パスワードや確認コードをClaudeに見せずに入力できます。承認は生体認証で行い、macOSのベータ機能です。設定はClaude 1Password連携の使い方にあります。
承認モードで、止まる場面が変わる
ダッシュボードを読む間にClaudeが何度止まるかは、サイドパネルの入力欄で選ぶ承認モードで決まります。モードは3つあります。
承認モード3種の動き
Manually approve
以前の名称は「Ask before acting」です。Coworkのパネルでは、Claudeが作業を始め、操作の前ごとに「Allow all for this website」「Allow this time only」「Deny」を選ばせます。従来のパネルでは、アクセスするサイトと進め方を並べた計画を先に承認します。
Automatically approve
Coworkのパネルの既定です。Claudeは止まらずに進み、各操作を安全面から自動でチェックして、危ないと判断したものは止めます。ブロックが続くと、1操作ごとの確認に戻ります。チェックの分だけ、ほかのモードより使用量を多く消費します。
Skip all approvals
以前の名称は「Act without asking」です。確認も自動チェックもなく、Claudeは止まりません。ここまで確認が省かれるぶん、関わるコネクタやファイルを含め、すべてを信頼できるときだけ使うモードです。
「Always allow actions on this site」を付けたサイトでも、ダウンロード、機微な情報の入力、認可の付与、サイト権限の変更は、Claudeが明示的な承認を求めます。このうち、権限設定の変更、認可の付与、機微な情報の入力の3つは、モードを問わず承認が要ります。ダッシュボードのエクスポート機能でCSVなどを保存させる依頼は、ダウンロードの承認で止まります。
モードとは別に、Claudeがどの設定でも実行しない操作も決まっています。購入や金融取引、アカウントの作成、カード情報や身分証データの扱い、メールやWebページの内容に書かれた指示の実行、ゴミ箱を空にするような完全な削除です。
ダッシュボードに表示された文章に従って動くことも、この禁止事項に当たります。自動承認の安全チェックについても、どの防御も完全ではなく、承認モードは自分の判断の代わりにならないと公式は注意しています。
手順1: 欲しい指標をツールごとに指定する
漠然と「まとめて」と頼むより、ツールごとに指標名と期間を具体的に書いたほうが、狙った数字だけが返ってきます。指標名が曖昧だと、似た名前の指標を取り違えかねません。出てきた数字が何を指すのか、あとで確かめ直すことになります。
AmplitudeとMixpanelの開いているタブから、週次の指標を集めてください。
Amplitudeから
- 週間アクティブユーザー数(過去4週間分の推移)
- 新規サインアップ数(今週と先週の比較)
- リテンション(1日目・7日目・30日目、30日前のコホート基準)
Mixpanelから
- 新しいダッシュボード機能の利用率(週間アクティブユーザーのうち使った割合)
- オンボーディングフローのコンバージョン率
- 今週のイベント数トップ5
出力は、チームの週次報告にそのまま貼れる形式でまとめてください。手順2: 出てきたサマリーを確認する
Claudeはツールごとの数値を集計し、短い要約を添えて返します。要約だけを読んで済ませたくなりますが、根拠の数値表も一緒に出すよう頼んでおくと、後日に数字の来歴を追えます。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 出典の明記 | 見るポイント各数値がAmplitude・Mixpanelのどちらから来たかが書かれているか |
| 期間の一致 | 見るポイント頼んだ期間(週次・過去4週間など)と実際の集計期間が一致しているか |
| 異常値の見落とし | 見るポイント前週比で大きく動いた指標に、要約側でも触れられているか |
初回だけは、自分でダッシュボードを開いて数値を1つか2つ照合します。合っていると分かれば、2回目以降は要約をざっと見る運用に切り替えられます。
数値に違和感があるときは、そのままレポートに載せず深掘りを頼みます。「オンボーディングのコンバージョンが先週の78%から下がっています。Mixpanelでどこで離脱しているか見せてください」のように、気になった箇所だけ個別に確認できます。
複数ツールの数字を1本の文章にまとめる作業は、単純な転記に見えて、期間のずれや定義の違いを見落としやすい工程です。週の起算日の設定がツールごとに違えば、並べた数字の意味もずれます。この食い違いは要約の文章だけでは気づきにくく、表に戻って初めて見えます。
複数ツールを1つのサマリーにまとめる工夫
基本の指標抽出に加えて、頼み方を変えると使い道が広がります。
| やりたいこと | 頼み方の例 | 効果 |
|---|---|---|
| 別のツールを追加する | 頼み方の例「Stripeの売上データも新しいタブで開いたので、MRRと今週の新規契約数、解約率を追加して」 | 効果最初から作り直さずにサマリーへ追加できる |
| そのままSlackに投稿する | 頼み方の例「これを箇条書きにして、#product-weeklyチャンネルに投稿して」 | 効果要点だけを整形してそのまま共有できる |
| 前週との差分だけ知りたい | 頼み方の例「先週のサマリーと比較して、動きが大きかった指標だけ教えて」 | 効果全部読み返さなくても変化点だけ拾える |
| 毎週決まった時間に回す | 頼み方の例「これをショートカットとして保存して、毎週月曜の朝に実行するようにして」 | 効果週次ミーティング前に手動で数字を集めずに済む |
ショートカットは、成功したプロンプトの下に出るショートカットのアイコンから保存します。保存後は、入力欄で「/」を打って呼び出せます。従来のパネルでは、手順を自分で操作して覚えさせる記録機能(Record a workflow)も使えます。Coworkのセッションとして動くパネルでは使えません。スケジュールは拡張機能パネル右上のクロックアイコンから設定し、頻度は毎日・毎週・毎月・毎年です。Chromeが起動している間は、別のタブに切り替えても作業が続きます。
売上や解約率のような数値は、社外にそのまま流出すると影響が大きい情報です。Slackへの自動投稿やショートカット化を組む前に、共有してよい範囲を社内ルールで決めておくと安心です。画面に映る情報の扱いはClaude in Chromeを安全に使うで詳しく扱っています。
前週比の差分だけを抜き出す使い方は、毎週フルのサマリーを読み返す手間を省きます。動きが大きかった指標だけを拾わせれば、異常があった週だけ深掘りできます。ツールを足していく運用も、最初から全部を揃える必要はありません。まず1つか2つの主要ツールで型を作り、慣れてから対象を広げると、指標の粒度を揃えやすくなります。
つまずきやすい点
対象のツールのタブを開き忘れると、そのツールの数値は取れません。ログインが切れたタブは、ダッシュボードの代わりにログイン画面を映します。作業直前に一度ページを更新し、表示が出ているかを見ておきます。
Claudeが読むのは画面に表示された集計です。ダッシュボード側の集計ロジックやフィルタ設定で、数字の意味は変わります。フィルタがかかった状態で表示されていれば、そのフィルタごと数値が抽出されます。初めて使う指標は、自分でも定義を確かめ、意図しないフィルタが残っていないかを依頼前に見ます。
グラフやテーブルが読み込み中のままだと、空欄や古い数値を拾う原因になります。依頼する前に、描画が終わっているかを見ておきます。
一部のサイトでは、Claudeが操作のたびに承認を求め、「New permissions required」の画面が出ます。この画面が出るページでは、許可を出すまで処理が進みません。信頼できる分析ツールは前述の「Always allow actions on this site」にしておくと、複数ツールを横断するときの待ち時間が減ります。
「アクティブユーザー」のように、同じ名前でもAmplitudeとMixpanelで定義が違うことがあります。定義がずれたまま並べても比較にならないので、初めて組み合わせるツールの対では定義を確かめ、ずれが分かったらレポートに注記を残します。
タブを認識しない、スキャンが途中で止まる。こうした動作面の不具合は、Claude in Chromeが動かないのチェックリストで切り分けられます。
まとめ
週次の報告に載せる数字の信頼性は、Claudeの要約よりも、ダッシュボード側の定義とフィルタが読み手の想定と合っているかで決まります。最初の数回で指標の定義とフィルタを揃え、承認モードと許可するサイトの範囲を決めてから、定期実行に組み込みます。