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軽減税率のイートインと持ち帰りの判定表をClaudeで作る手順

軽減税率のイートインと持ち帰りの判定表をClaudeで作る手順

商品ごとの8%・10%を国税庁Q&Aの問番号つきでClaudeに判定させ、レジ設定の確認表まで作る手順。意思確認が要る店と要らない店の分かれ目も載せています。

イートインのある店で、同じ弁当が8%にも10%にもなるのは、税率が商品ではなく「どこで食べさせるか」で決まるからです。商品ごとの税率を一覧にしたいなら、判定の理屈を先にClaudeへ渡し、商品台帳を流し込む順番が安全です。

この記事では、国税庁のQ&A(個別事例編)の要点をClaudeに読ませ、商品ごとに税率と根拠を返させる判定表の作り方を書きます。後半は、レジ側の設定を点検する表と、令和9年4月に予定される税率引下げ案を表に載せる持ち方です。

税率は「飲食設備」と「持ち帰りの意思確認」で決まる

軽減税率(8%)にならない「食事の提供」とは、飲食設備のある場所で飲食料品を飲食させる役務の提供です。持ち帰りのための容器に入れ、または包装して渡す譲渡は、これに含まれません。

つまり判定の軸は商品名ではなく、次の2点です。

  • 顧客が飲食に使える設備(テーブル、椅子、カウンターなど)がその店にあるか
  • その商品を、店内で飲食させるために出したのか、持ち帰りとして渡したのか

「飲食設備」はテーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備で、規模や目的は問われません。スーパーの休憩スペースでも飲食設備になります。

意思確認が必要になるのは、顧客が使える飲食設備がある店だけです。設備がなければ、販売はすべて持ち帰りの扱いになり、確認は要りません。

条件

判定が動く3つの条件

  • 酒類・医薬品は別枠

    酒類は飲食料品から除かれ、軽減税率の対象になりません。医薬品、医薬部外品なども同じ扱いです。

  • 飲食設備の有無

    顧客が飲食に使える設備がなければ、販売は持ち帰りの扱いです。ある店では、販売のたびに税率を決める必要があります。

  • 提供した時点の判定

    店内か持ち帰りかは、提供した時点で決まります。後から持ち帰っても、店内用として出したものは変わりません。

Claudeに渡す判定ルールを国税庁Q&Aから作る

Claudeに「イートインは10%ですよね」と聞くだけでは、根拠のない一般論が返ります。判定ルールを自分で渡し、各行に問番号を付けて返させます。

国税庁の「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」のうち、外食の範囲の章がそのまま使えます。次の表は、店舗でよく出る場面を問番号つきに並べたものです。これを台帳と一緒にClaudeへ貼ります。

場面適用税率根拠のQ&A
店内の席で食べると申告、または席へ運ぶ適用税率10%根拠のQ&A問52・問53
持ち帰り用の容器・包装で渡す適用税率8%根拠のQ&A問58
出前・宅配(届けるだけ)適用税率8%根拠のQ&A問77
届けた先で給仕などの役務がある(ケータリング)適用税率10%根拠のQ&A問78
店内で出した料理の残りを折り詰めにして持ち帰る適用税率10%根拠のQ&A問59
ハンバーガーとドリンクのセット、ドリンクだけ店内で飲む適用税率セット全体が10%根拠のQ&A問60
単品のハンバーガーは持ち帰り、ドリンクは店内で飲む適用税率ハンバーガー8%、ドリンク10%根拠のQ&A問60の参考
缶・ペットボトルのまま出す飲料(飲食店で提供)適用税率10%根拠のQ&A問63
社員食堂での食事適用税率10%根拠のQ&A問49
顧客用の飲食設備がない店適用税率8%(意思確認は不要)根拠のQ&A問54
飲食できるのは飲み物とパンだけと掲示し、実態もそうしている適用税率それ以外は8%(意思確認は不要)根拠のQ&A問56
酒類適用税率10%根拠のQ&A個別事例編のⅠ章

表の「10%」は店内飲食の食事の提供、「8%」は飲食料品の譲渡です。酒類は別枠で、どの場面でも10%になります。

意思確認の方法にも決まった型はありません。大半の商品が持ち帰りの店なら、全員に尋ねる必要はなく、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」のような掲示で足ります(問52・問53)。

商品台帳を判定表に変えるプロンプト

商品台帳には、商品名、売り方(店内・持ち帰り・両方)、容器、備考の列を作ります。列が少なすぎるとClaudeが推測で埋めるため、判断に効く情報を行に入れておきます。

あなたは小売・外食店の消費税の税率区分を点検する補助役です。
以下の「判定ルール」だけを根拠に、台帳の各行について
税率区分を判定してください。
 
【判定ルール】
(ここに上の表と、問52〜問63の要点を貼る)
 
【出力形式】
表で返す。列は次の6つ。
商品名 / 売り方 / 適用税率(8% / 10% / 要確認)
/ 判定の理由(1文)/ 根拠の問番号 / レジで確認すること
 
【守ること】
- ルールに書かれていない場面は「要確認」とし、税率を断定しない
- 店内飲食か持ち帰りかが台帳から決まらない行は
  「会計時の意思確認で決める」と書く
- 酒類・医薬品は飲食料品の軽減税率の対象にしない
- 台帳に無い情報を補って判定しない
 
【台帳】
(商品名,売り方,容器,備考 の行を貼る)

ここで「要確認」を出口に用意しておくのが肝です。出口がないと、Claudeはルールにない場面でも8%か10%のどちらかに寄せます。

さらに、返ってきた表の「根拠の問番号」を、手元のQ&Aで1件ずつ開いて突き合わせます。番号と内容が合わない行は、判定ごとやり直します。

出力例と、人が決める列

次の表は、公式の例に沿った場面でClaudeに返させる形の一例です(実際の出力ではなく、列の形を示す例示です)。

商品名売り方適用税率理由根拠レジで確認すること
日替わり弁当売り方両方適用税率会計時に決まる理由持ち帰り容器入りだが、イートインで食べる客もいる根拠問52レジで確認すること店内か持ち帰りの意思確認の結果を税率に反映
ホットコーヒー売り方両方適用税率会計時に決まる理由同上根拠問58レジで確認することカップ提供でも意思確認で分ける
ビール(缶)売り方両方適用税率10%理由酒類は軽減税率の対象外根拠個別事例編Ⅰレジで確認すること店内・持ち帰りを問わず10%
バースデーケーキ予約売り方持ち帰りのみ適用税率8%理由飲食設備がなく持ち帰りのみ根拠問54レジで確認すること8%固定のボタンを使う

「会計時に決まる」は、台帳だけでは答えが出ない行です。ここはClaudeが決める部分ではなく、レジの操作と接客の流れで決まる部分です。

表の最後の列は、その行を現場の言葉に直す役目です。次の節のレジ設定の確認表に、そのまま転記できます。

判定を外しやすい4つの場面

台帳の備考欄に、次の場面が書いてあれば、Claudeの出力より先に人が見ます。

落とし穴

セット商品の一部だけ店内で食べても、全体が10%になる

ハンバーガーとドリンクが1つのセット商品なら、ドリンクだけ店内で飲む申し出があっても、セット全体が「食事の提供」です。顧客がハンバーガーを持ち帰ったとしても、8%にはなりません(問60)。

単品で別々に売っている場合は、ハンバーガーが8%、店内で飲むドリンクが10%です。セット商品の台帳に「単品の組合せ」と書いてしまうと、ここで逆の判定になります。

残りの3つも、同じように行ごとに点検します。

  1. 店内で出した料理の残りの持ち帰り: 店内用として出した時点で食事の提供です。折り詰めにして持ち帰らせても、その分だけ8%にはなりません(問59)
  2. 缶やペットボトルのまま出す飲料: コップに入れなくても、店内で飲ませるために出すなら10%です(問63)。飲食店の台帳に「缶のまま提供」と書いてあれば、持ち帰り用の商品と分けます
  3. 掲示の文言と実態のずれ: 「飲食はお控えください」と掲示した休憩スペースでも、実際に飲食させていれば飲食設備として扱われます(問53の注)。掲示だけで8%の根拠にはなりません

屋台や縁日の売店も、テーブルや椅子を自分で置く場合、設備設置者から使用許可を得ている場合は10%です。公園の公共ベンチを、許可なくお客が使う程度なら8%です(問51)。

レジ設定の確認表を作る

判定表ができたら、レジの商品マスタと突き合わせます。Claudeに頼むのは、台帳の判定とレジの設定値が食い違う行を拾う作業です。

台帳の判定表と、レジから書き出した商品マスタ(商品名、税区分、販売区分)の2つを貼り、次の指示を足します。

2つの表を商品名で突き合わせてください。
次の3種類の行だけを、一覧にして返してください。
1. 台帳では「会計時に決まる」なのに、レジの税区分が
   8%か10%に固定されている行
2. 台帳が8%または10%と決まっているのに、
   レジの税区分が異なる行
3. 片方の表にしか存在しない商品
各行に、直す側(台帳かレジか)の候補を1つ付けてください。

1つ目の種類は、イートインのある店で特に出ます。商品マスタが8%に固定されていると、店内飲食の客にも8%で会計してしまい、差額が積み上がります。

レジの確認表は、次の列で持つと運用しやすくなります。

確認項目確認の仕方確認者結果
店内・持ち帰りの切替ボタンが商品ごとに効くか確認の仕方両方のボタンでテスト会計確認者店長結果
酒類が持ち帰りでも10%になるか確認の仕方缶ビールで持ち帰り会計確認者店長結果
セット商品の税率がセット単位で決まるか確認の仕方セットで店内会計確認者店長結果
領収書とレシートに税率ごとの内訳が出るか確認の仕方レシートを印刷して目視確認者経理結果

レジ操作の実機確認は、この表の「確認者」が自分の手で行います。Claudeに画面を見せても、会計の結果が合っているかは出ません。

価格表示は、事業者が自由に決められます。店内飲食と持ち帰りで税込価格を分けるなら、両方の価格を併記する方法などが国税庁Q&A問121の参考資料に載っています。

令和9年4月の税率引下げ案が入ったときの表の持ち方

国税庁の特設サイトには、飲食料品の消費税率を令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、1%に引き下げる案が載っています。令和8年9月15日の閣議決定による大綱の内容で、法案が国会で可決・成立した場合のものです。

大綱の案では、1%の対象になる飲食料品の範囲は、令和9年3月31日以前に8%の対象だった範囲と同じです。外食、酒類、ケータリングは対象外で10%のまま、新聞の定期購読は8%のままです。

この案が成立すれば、判定表の骨組みは変わらず、税率の列の値が入れ替わります。

区分令和9年3月31日まで案の期間中(令和9年4月1日から)
持ち帰り・出前・宅配の飲食料品令和9年3月31日まで8%案の期間中(令和9年4月1日から)1%
店内飲食(外食)令和9年3月31日まで10%案の期間中(令和9年4月1日から)10%
酒類令和9年3月31日まで10%案の期間中(令和9年4月1日から)10%
新聞の定期購読令和9年3月31日まで8%案の期間中(令和9年4月1日から)8%

判定表には、「適用税率」の列を1本だけ持たせないでください。「現行の税率」と「引下げ後の税率」の2列にしておけば、法案が通ったときに列の値を差し替えるだけで済みます。

引下げに伴う経過措置も案に含まれます。たとえば、令和9年2月1日から5月31日までは、飲食料品の総額表示を8%または1%のどちらかで行ってよいとする特例が設けられる予定です。値札の貼り替えが間に合わない店は、この案の内容をレジの切替日程と合わせて確認します。

簡易課税で申告する店は、飲食料品の販売にかかる計算の特例も案に入っています。申告方式ごとの影響は、中間申告の回数を判定した消費税の中間申告の回数と納付額をClaudeで判定する手順や、控除方式を比較した課税売上割合から個別対応方式と一括比例配分の有利判定で扱っています。

判定表を使い続ける運用のコツ

判定表は、作って終わりにすると台帳と食い違っていきます。商品の追加、容器の変更、店内席の増減で前提が変わるためです。

  • 新商品を足すとき: 台帳に1行足し、同じプロンプトで該当行だけ判定させる
  • 席やベンチを増やしたとき: 顧客が使える設備になるため、意思確認の要否を台帳の先頭で見直す
  • 根拠の出典を更新したとき: 国税庁のQ&Aは改訂されるため、貼ったルールの改訂日を表の見出しに残しておく

個別事例編は令和8年4月に改訂されています。判定ルールに貼るときは、改訂日を一緒に控えておくと、ずれが出たときの原因を追えます。

景品や懸賞の上限のように、法令の数値をClaudeで点検する同じ型の手順は、景品表示法の懸賞と総付景品の上限をClaudeで点検する手順にもあります。ルールを先に渡し、根拠の番号を返させる点は共通です。

まとめ

税率の判定は、商品ではなく「飲食設備のある場所で食べさせたか」で決まります。Claudeに任せるのは、台帳を判定ルールに当てて根拠の問番号つきで並べる作業と、台帳とレジ設定の食い違い探しです。

店内か持ち帰りかが台帳で決まらない行は、Claudeに断定させず「会計時に決まる」と返させます。その行の扱いは、レジの切替操作と接客の言葉で決めます。個別の取引で判断に迷う場合は、国税庁のコールセンターや税理士に確かめてください。

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