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施工計画書の作成にClaudeを使う手順 — 共通仕様書の記載項目から骨子を起こす

施工計画書の作成にClaudeを使う手順 — 共通仕様書の記載項目から骨子を起こす

国土交通省の土木工事共通仕様書1-1-1-6が求める16項目を骨にして、設計図書から埋まる所と人が決める所を仕分けた施工計画書の骨子をClaudeで作ります。

施工計画書の骨子は共通仕様書の条文に書いてある

施工計画書に何を書くかは、まっさらな状態から考える必要がありません。国土交通省が公表した令和8年3月の共通仕様書(案)、第1編共通編、1-1-1-6「施工計画書」が、記載事項を16項目で列挙しています。

Claudeに任せられるのは、この16項目を見出しにして、設計図書から読み取れる内容を各項目に振り分ける作業です。逆に、現場組織や施工方法の最終判断は受注者が決める内容で、Claudeが埋めると根拠のない文章になります。この記事では、骨子づくりを「埋められる所」と「人が書く所」に分けて進めます。

使うのは次の4つです。

  • 共通仕様書の該当条文(1-1-1-6と、施工計画書への記載を求める他の条文)
  • 設計図書(特記仕様書、契約図面、現場説明書、質問回答書、工事数量総括表)
  • ClaudeのProjects(資料を置いて繰り返し使う場所)
  • 出来上がった骨子を照合する人の目

16項目のうち、設計図書から拾えるのはどこまでか

1-1-1-6第1項は、受注者が施工計画書に次の事項を記載するよう定めています。監督職員が別の項目の補足を求めたときは追記します。維持工事など簡易な工事では、監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略できます。

番号項目設計図書から拾える内容人が決める内容
(1)項目工事概要設計図書から拾える内容工事名、場所、工期、数量人が決める内容施工範囲の説明文
(2)項目計画工程表設計図書から拾える内容工期、指定された工程条件人が決める内容作業日数と順序
(3)項目現場組織表設計図書から拾える内容特記仕様書の配置要件人が決める内容配置する人員
(4)項目指定機械設計図書から拾える内容設計図書で機械が指定されていれば転記人が決める内容指定がなければ該当なし
(5)項目主要船舶・機械設計図書から拾える内容工種から想定される候補人が決める内容実際に使う機械
(6)項目主要資材設計図書から拾える内容数量総括表の材料と数量人が決める内容調達先、搬入時期
(7)項目施工方法設計図書から拾える内容契約図面の構造、工種の条文人が決める内容工法、仮設備、用地の使い方
(8)項目施工管理計画設計図書から拾える内容品質・出来形の管理基準人が決める内容測定の担当と段取り

残りの8項目は次のとおりです。

番号項目設計図書から拾える内容人が決める内容
(9)項目安全管理設計図書から拾える内容指針類の指定、訓練の要求人が決める内容具体的な教育・訓練の計画
(10)項目緊急時の体制及び対応設計図書から拾える内容発注者の連絡先の指定人が決める内容社内の連絡網と対応手順
(11)項目交通管理設計図書から拾える内容工事用道路の指定、規制条件人が決める内容輸送経路、誘導員の配置
(12)項目環境対策設計図書から拾える内容騒音・振動などの条件人が決める内容現場ごとの対策と苦情対応
(13)項目現場作業環境の整備設計図書から拾える内容特記事項があれば転記人が決める内容休憩施設、仮設トイレなどの計画
(14)項目再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法設計図書から拾える内容搬出入する材料の種類と量人が決める内容処分先、利用計画
(15)項目法定休日・所定休日(週休二日の導入)設計図書から拾える内容週休二日の指定の有無人が決める内容休日の設定
(16)項目その他設計図書から拾える内容監督職員の指示事項人が決める内容補足事項

「設計図書から拾える内容」と「人が決める内容」の列は、各項目の性質から整理した仕分けの案です。仕様書がそう区別しているわけではないので、発注者や工事によって境目は動きます。たとえば(4)は設計図書で建設機械が指定されている工事だけ転記で済み、指定がなければ(5)と合わせて人が決めます。

設計図書とは何を指すか

Claudeに渡す資料の範囲を決めるには、設計図書の定義が出発点になります。同じ共通仕様書の総則では、設計図書を仕様書、契約図面、現場説明書、現場説明に対する質問回答書とし、土木工事では工事数量総括表を含むと定めています。仕様書は、各工事に共通する共通仕様書と、工事ごとに規定される特記仕様書の総称です。

特記仕様書は共通仕様書を補足し、工事に固有の技術的要求を定める図書です。骨子の中身を決めるのは、共通仕様書ではなくこちらです。共通仕様書は「何を書くか」の型を与え、特記仕様書以下の図書が「何が入るか」を与えます。

1-1-1-6だけでは足りない: 施工計画書に書けと言う他の条文

施工計画書への記載を求める条文は、1-1-1-6の外にも散らばっています。16項目の見出しだけで骨子を作ると、これらの記載要求が抜けます。第1編第1章の総則で、施工計画書に触れている主な条文は次のとおりです。

条文施工計画書に求められる内容
1-1-1-22第4項・第6項施工計画書に求められる内容搬入側と搬出側の再生資源の計画書の写しを添付して提出する
1-1-1-27第1項施工計画書に求められる内容施工計画書に示される作業手順に従って施工する
1-1-1-31第12項施工計画書に求められる内容工事内容に応じた安全教育・安全訓練等の具体的な計画を記載する
1-1-1-32第2項施工計画書に求められる内容火気を使うときは、使用場所・日時・消火設備等を記載する
1-1-1-37第2項施工計画書に求められる内容指定された工事用道路の維持管理、補修、使用方法等を記載する
1-1-1-37第4項施工計画書に求められる内容大型輸送機械で大量輸送を伴う工事の、交通安全に関する輸送計画を記載する

この表は、条文を検索して拾い上げた一覧です。工種ごとの章(コンクリート、杭基礎、建設発生土の処理など)にも「施工計画書に記載しなければならない」という条文が多数あり、工事に該当する章を足して初めて骨子が完成します。

工種の章も同じ要領で足す

土工や建設発生土の処理の章には、1-1-1-6第1項の記載内容に加えて、設計図書に基づく事項を記載せよという条文があります。コンクリートの章には、打設高さや養生方法を施工計画書に記載する条文が並んでいます。杭や基礎の章にも、杭長決定の管理方法などを記載する条文があります。

自分の工事で該当する工種の章を、共通仕様書から切り出してClaudeに渡す。この作業が、骨子の漏れを減らす最も効く手順です。

Projectsに資料を置いて、骨子の表を出させる

ClaudeのProjectsは、資料を知識として置き、指示文を決めておける作業場です。プロジェクトの知識ベースに資料を上げ、プロジェクト指示で口調や立場を決められます。有料プランでは、知識が上限に近づくとRAG(検索で必要な箇所を引く方式)に切り替わり、容量が最大10倍に広がります。

資料の置き方

共通仕様書は、全編をそのまま渡さないでください。共通編、材料編、土木工事共通編、河川編、砂防編、ダム編などの編に分かれた大部のPDFだからです。次のように、必要な箇所を切り出して置きます。

  1. 第1編第1章(総則)のうち、1-1-1-6を含む前後の条文
  2. 自分の工事の工種に当たる章
  3. 契約で指定された図書の写し(特記仕様書、現場説明書、質問回答書、工事数量総括表)

チャットに上げるファイルは1つの会話につき20個まで、PDFは1,000ページまでです。画像やグラフまで読み取れるのは100ページ以下のPDFで、101ページ以上は本文のテキストしか処理されません。契約図面に寸法や構造が図で描かれている場合は、図面を100ページ以下のPDFに分けるか、図の内容を人が文字に起こして補います。

設計図書を外部のサービスにアップロードしてよいかは、契約条件と発注者の取り扱い規定で決まります。資料を置く前に、社内の情報管理の担当者や発注者に確認してください。

依頼文の形

次の依頼文は、骨子の表を出させるための一例です。条件を書いておくと、Claudeが空欄を推測で埋める挙動を抑えられます。

添付の共通仕様書1-1-1-6第1項の(1)〜(16)を見出しにして、
施工計画書の骨子を表で作ってください。
 
列は次の4つです。
 項目 / 設計図書から読み取れた内容 / 出典 / 人が決める内容
 
ルール:
- 「読み取れた内容」には、添付の設計図書に書いてあることだけを入れる。
- 出典には、図書名と条項番号またはページを書く。
- 書いていない項目は「記載なし」とし、推測で補わない。
- 「人が決める内容」には、受注者が判断する事項を箇条書きにする。
- 他の条文が施工計画書への記載を求めている場合は、その条項番号を項目に追記する。

出力は、表の1行目から順に読み、出典の条項番号を原本で開いて確かめます。Claudeが出す出典は、必ず元の図書と突き合わせる前提で使います。

項目ごとに、人の手が必要な箇所を見る

骨子の表ができたら、項目ごとに人の判断が要る場所を詰めます。ここでは取り違えやすい5項目に絞ります。

計画工程表: 日数と順序は別に作る

(2)の計画工程表は、骨子の段階では「工期」を入れる枠までです。作業の日数と先行関係は、設計図書に書いてありません。工程表そのものの作り方は、工程表の作成手順にまとめています。骨子には、工程表の添付が必要という印を付けておけば足ります。

安全管理と緊急時: 計画の具体性を人が足す

(9)の安全管理では、1-1-1-31第12項が、工事の内容に応じた安全教育・安全訓練等の具体的な計画を作成して施工計画書に記載するよう求めています。同条の別の項は、安全・訓練等の活動として、法令・通達・指針の周知徹底、災害対策訓練、予想される事故への対策などを挙げています。

「何を実施するか」は条文から出せますが、「いつ、誰が、何回やるか」は現場の計画です。この部分は、骨子の段階で空欄のまま残します。夏季の暑熱対策のように、季節で必要になる項目は建設現場の熱中症対策で体制と手順書の作り方を扱っています。

環境対策: 条文は「検討し、記載」を求める

(12)の環境対策は、1-1-1-35第1項が、騒音、振動、大気汚染、水質汚濁などの問題を施工計画の段階で十分に検討し、周辺地域の環境保全に努めるよう求めています。条文は結果の数値を指定していません。環境対策の欄には、設計図書にある騒音・振動の条件と、現場の周辺状況から人が決めた対策の両方が入ります。

第三者から苦情があった場合の文書化など、実施段階の対応(第2項)は施工計画書の書き方の話ではなく、現場運営の話です。骨子には、苦情窓口と記録方法の記載欄があるかどうかだけ確認します。

建設副産物: 添付書類が付く

(14)は、骨子の段階で添付書類が増える項目です。1-1-1-22は、コンクリートや木材、アスファルト混合物などを搬入するときの計画書と、建設発生土やコンクリート塊などを搬出するときの計画書を、施工計画書にその写しを添付して提出するよう定めています。

骨子には、搬入する材料と搬出する副産物の種類を、数量総括表から列挙する欄を作ります。Claudeに数量総括表を読ませて品目を拾わせることはできますが、計画書の様式への転記は人が確認してください。

週休二日: 指定の有無を確かめる

(15)の法定休日・所定休日(週休二日の導入)は、1-1-1-29が、受注者に週休二日に取り組み、その実施内容を監督職員に報告するよう求めています。休日の設定は工事の条件で変わるため、特記仕様書に週休二日の記載があるかを骨子の段階で確認し、あれば転記、なければ人が記入する欄とします。

提出したあとの変更を、骨子の段階で考えておく

1-1-1-6は、施工計画書を提出して終わりとはしていません。第2項と第3項に、次の扱いがあります。

書類

提出後に出てくる2つの計画書

  • 変更施工計画書

    施工計画書の内容に重要な変更が生じたとき、その都度、当該工事に着手する前に変更の内容を監督職員に提出します。工期や数量などの軽微な変更は対象から除かれています。

  • 詳細施工計画書

    施工計画書を提出した際に、監督職員が指示した事項について、さらに詳細な施工計画書を提出します。

骨子の表に「変更が生じたときの更新箇所」の列を足しておくと、後の差し替えが楽になります。ただし、どの変更が「重要」にあたるかの線引きは条文にありません。迷う変更は監督職員に確認してください。

提出の時期は、1-1-1-6第1項が工事着手前または施工方法が確定した時期としています。着手前に全項目が確定しない工事では、確定した項目から骨子を埋めていく進め方になります。

骨子をチェックする: Claudeの出力を原本と突き合わせる

骨子ができたら、次の3点を確認します。

切り分け

骨子の確認の順番

  1. Q16項目が全部、骨子の見出しに並んでいますか?
    答えが足りない番号を依頼文に書いて、表を作り直させます

    条文は(1)から(16)まであるので、番号が連続しているかを数えます。

    答えがはい
  2. Q出典の条項番号は、原本を開くと該当の記述がありますか?
    答えがその行の内容は使わず、「記載なし」に戻します

    出典の欄は、1行ずつ原本で確認します。

    答えがはい

人が決める欄だけが空欄の骨子になる

設計図書から拾えた内容には出典が付き、残りは受注者が書く欄として残ります。

出力の書き方に曖昧さが残るなら、次のような失敗を疑います。

落とし穴

設計図書にない内容を、もっともらしく補われる

「人が決める」はずの欄(現場組織、使う機械など)が、一般的な例で埋まって返ってくることがあります。依頼文に「記載なしとし、推測で補わない」と書き、それでも埋まっていたら、その行を空欄に戻します。出典の欄が空なのに内容がある行は、疑う目印になります。

契約書側の確認も並行する

施工計画書の骨子は、契約の条件と同じ設計図書に紐づいています。契約書の側の記載事項の点検は、工事請負契約書を建設業法19条で点検する手順で扱っています。契約書と設計図書で食い違いに気づいたら、骨子を書き進める前に、発注者との間で揃えておきます。

使う前に押さえる3つの前提

  • 版の確認: ここで使った共通仕様書は国土交通省の令和8年3月版(案)です。自分の工事が従う共通仕様書は、契約で指定された発注者の版です。条文番号や項目数が異なる場合は、指定された版の条文を渡してください。
  • 工事の種類: 維持工事など簡易な工事では、監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略できます。承諾の有無が骨子の項目数を左右します。
  • 最終責任: 施工計画書は、受注者が提出し、受注者が遵守する書類です(1-1-1-6第1項)。Claudeの出力は下書きで、内容の責任は提出する受注者にあります。

骨子ができれば、あとは各項目を現場の実情で埋めていく作業です。Claudeは「どの条文がどこに記載を求めているか」の拾い漏れを減らす道具として使うと、仕様書を読み直す時間を短縮できます。数量や賃金など、積算側の単価の取り込みは公共工事設計労務単価の取り込み手順が参考になります。

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