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ClaudeのOfficeアドインでディクテーション(音声入力)を使う

ClaudeのOfficeアドインでディクテーション(音声入力)を使う

Claude for Excel・PowerPoint・Word・Outlookで話した内容をそのままプロンプトにできるディクテーション機能の使い方、対応環境、音声データの扱いをまとめます。

Claude Officeアドインのディクテーションとは

ディクテーションは、Claude for Excel・PowerPoint・Word・Outlookのチャット欄で、キーボードの代わりにマイクへ話しかけてプロンプトを送る機能です。入力欄右側のマイクアイコンをクリックすると、話した内容がそのままコンポーザーにリアルタイムで文字化されます。長い指示や込み入った依頼をタイピングせずに済むため、資料を見ながら口頭で指示を出したいときに向いています。

利用条件は2つに絞られます。Office製品のデスクトップ版であることと、組織がClaudeへ直接認証していることです。この2条件のどちらが欠けても、マイクアイコン自体が使えません。理由は後述の2節でそれぞれ説明します。

そもそもClaude for M365は、Excel・PowerPoint・Word・Outlookに組み込むアドイン群の総称です。開いているファイルの内容についてClaudeに質問したり、選択範囲を編集させたりできます。Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランで利用でき、Outlookだけはベータ提供です。ディクテーションは4アプリすべてに共通する入力手段のひとつで、利用条件さえ満たしていればマイクアイコンが最初から入力欄に表示されます。会話状態はExcel・PowerPoint・Word・Outlookの間で共有されるため、あるアプリで話した指示を踏まえて別のアプリで作業を続けることもできます。

個人での導入手順、組織への配布方法、追跡変更やコメント対応といった各アプリ固有の機能は、アプリごとのガイドにまとめています。

使い方は3ステップ

  1. マイクアイコンをクリックして聞き取りを開始する — 入力欄のプレースホルダーが「Listening...」に変わり、ボタンがハイライトします
  2. プロンプトを話す — 話した内容がリアルタイムでコンポーザーに表示されます
  3. マイクを再度クリックして停止する、またはEnterで停止と送信を同時に行う

聞き取り中に使うマイクを切り替えたいときは、マイクアイコンにカーソルを合わせると表示される矢印から別のマイクを選べます。会議室のスピーカーフォンとPC内蔵マイクを併用している環境では、この切り替えを覚えておくと聞き取り精度が安定します。

デスクトップ版限定でWeb版では使えない

ディクテーションが動くのは、Excel・PowerPoint・Word・Outlookのデスクトップアプリだけです。ブラウザー版のOffice(Office on the web)では使えません。理由はブラウザーの技術的な制約で、Web版で動くアドインはブラウザーのマイクへアクセスできない設計になっているためです。

Web版のOfficeでどうしても音声入力を使いたい場合は、Claude側の機能ではなく、OS標準の音声入力機能かOfficeアプリ自体が持つディクテーション機能で代替します。両方ともマイクからテキストへの変換はできますが、変換結果をClaudeのプロンプトとして直接送る一体化した体験にはなりません。

サードパーティ認証の組織では使えない

もう1つの条件が、認証経路です。ディクテーションが動くのは、組織が個々のClaudeアカウントでAnthropicへ直接サインインしている場合だけです。Amazon Bedrock・Google Cloud Vertex AI・Azure AI Foundry・LLMゲートウェイのいずれかを経由してClaude for M365を導入している組織では、ディクテーションは提供されません。

認証経路ディクテーション理由
Claudeアカウントで直接サインインディクテーション利用可理由音声をAnthropicの文字起こし基盤へ直接ストリーミングできる
LLMゲートウェイ経由ディクテーション利用不可理由プロンプトが自組織のゲートウェイまでしか流れず、Anthropicに直接届かない
Amazon Bedrock directディクテーション利用不可理由同上
Google Cloud Vertex AI directディクテーション利用不可理由同上
Azure AI Foundry directディクテーション利用不可理由同上

理由は単純です。サードパーティ経由の環境では、Claude for M365からのプロンプトはAnthropicへ直接送られません。話した音声は実質的に1つのプロンプトなので、Anthropicへ直接届かない経路では文字起こしサービスにもアクセスできない構造になっています。この4経路の使い分けや必要な許可リストはClaude Microsoft 365をサードパーティ製品と併用する設定で扱っています。サードパーティ経由の組織でも、Web版と同じくOS標準の音声入力機能は代替として使えます。

ネットワーク構成にも裏付けがあります。Claudeアカウントで直接サインインする1P構成では、推論トラフィックがapi.anthropic.comへ流れ、アドイン自体はpivot.claude.aiがホストします。一方3P構成では、推論はLLMゲートウェイのURLやBedrock・Vertex AI・Foundry各社のリージョンエンドポイントへ向かい、api.anthropic.comは経路に含まれません。文字起こしサービス自体がapi.anthropic.com側のAnthropicインフラで動いているため、3P構成では音声がそこまで届かない構造です。

この線引きは、3P構成を選ぶ組織が優先する「推論を自社インフラの外に出さない」という要件と地続きです。ディクテーションだけを1P構成へ例外的に開放すると、その組織にとっては音声という別種のデータが自社の管理外へ流れることになり、そもそもの3P選択の意味が薄れます。当面は、3P構成では音声入力そのものを提供しない設計が続くと見てよさそうです。

話した音声はどう扱われるか

ディクテーションを開始すると、アドインは音声をAnthropicの文字起こしサービスへストリーミングします。これはClaudeアプリの音声入力と同じ基盤です。文字起こし結果はリアルタイムでコンポーザーに表示されます。

デバイス側では何も文字起こしされません。音声はAnthropicへ送られ、契約済みの音声認識サブプロセッサーが文字起こしを担当します。文字起こしが終わった音声データそのものは保持されず、コンポーザーに残るのは変換後のテキストだけです。契約書や人事情報を扱いながら口頭で指示を出す場面でも、音声そのものが後に残らない前提で設計されています。

ここで注意したいのは、保持されないのは音声データであって、文字起こし後のテキストではない点です。話した内容はプロンプトとしてそのまま送信されるため、機密情報の取り扱いルールは通常のチャット入力と同じ扱いになります。「音声だから記録に残らない」と誤解して、通常のテキスト入力なら避ける内容を口頭で話してしまわないよう注意します。

Claude Codeやスマホアプリのディクテーションとの違い

「ディクテーション」という名前は、Claudeの複数の面に別々に存在します。Officeアドインのものと、スマホアプリのもの、Claude Codeのものは、それぞれ独立した機能で、実装も対応条件も揃っていません。同じ操作方法だと思い込んで探すと見つからないので、面ごとの違いを先に押さえておきます。

対応プラン・環境認証条件
Claude Officeアドイン(本記事)対応プラン・環境Excel・PowerPoint・Word・Outlookのデスクトップ版、Pro・Max・Team・Enterprise認証条件Claudeへの直接認証のみ。Bedrock・Vertex AI・Foundry・LLMゲートウェイ経由は不可
Claudeスマホアプリ対応プラン・環境iOS・Android、Free・Pro・Max・Team・Enterpriseの全プラン認証条件制約の記載なし
Claude Code CLI対応プラン・環境ターミナル、voiceEnabled設定で有効化認証条件ローカルのCLIセッションのため認証経路の制約は別種

スマホアプリ版は英語以外の言語がベータ扱いという制約がある一方、認証経路による制限は明記されていません。Claude Codeのディクテーションは仕組みそのものが異なり、settings.jsonvoiceEnabledをオンにしたうえでhold/tapモードを切り替えて使う、CLI固有の実装です。Office版のように「クリックで即使える」ものではありません。それぞれの詳しい設定はClaudeスマホのディクテーションの使い方voiceEnabled/voice設定でClaude Codeの音声入力を使うにまとめています。

よくあるつまずき

  • Web版のOfficeで使おうとしてマイクアイコンが出ない — Web版は非対応です。デスクトップ版のExcel・PowerPoint・Word・Outlookを開き直します
  • Bedrock・Vertex AI・Foundry経由の環境で「マイクが動かない」と問い合わせが来る — 機能自体が提供されていないため、故障ではありません。OS標準の音声入力への切り替えを案内します
  • 会議室のスピーカーフォンで音を拾ってくれない — 既定のマイクがPC内蔵になっている可能性があります。マイクアイコンの矢印から使用するマイクを選び直します
  • 話した内容が途中で切れる — Enterキーは「停止して送信」を兼ねるため、話し終える前にEnterへ触れると意図せず送信されます。停止はマイクアイコンの再クリックで行う方が安全です
  • iPad版やWord 2016のような旧環境で試して見つからない — ディクテーションが動くのは各アプリの対応バージョンのデスクトップ版に限られます。永続ライセンス版や旧ビルドは対象外です

まとめ

Claude Officeアドインのディクテーションは、Excel・PowerPoint・Word・Outlookのデスクトップ版で、Claudeアカウントへ直接サインインしている組織だけが使える機能です。Web版のOfficeや、Bedrock・Vertex AI・Foundry・LLMゲートウェイ経由の組織では、OS標準の音声入力かOfficeアプリ自体のディクテーション機能で代替します。各アプリでの具体的な使い方はClaude for Wordの使い方Claude for Outlookの使い方Claude for PowerPointの使い方にまとめています。スマホ版・Claude Code版のディクテーションとは対応環境も認証条件も異なるので、混同しないよう注意します。

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