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ClaudeでPOPを作成 — 店頭の値札文言を商品マスタCSVから量産する手順

ClaudeでPOPを作成 — 店頭の値札文言を商品マスタCSVから量産する手順

商品マスタCSVをClaudeに渡し、キャッチ・価格・産地表記を行ごとに生成させる手順です。根拠欄が空の訴求を削るルールの置き方も示します。

店頭POPと値札の文言は、商品マスタCSVの行をそのまま材料にしてClaudeに書かせられます。ポイントは、文言を考えさせる前に「マスタに書いてある事実だけを使う」というルールを渡すことです。根拠を書く列が空の訴求は生成せず、削った理由を一覧で返させると、人が確認する範囲が小さくなります。

商品マスタCSVから行ごとにPOP文言を作る流れ

作業は4段階です。マスタを整え、ルールを渡し、行ごとに生成させ、人が根拠を突き合わせます。

手順

マスタからPOP文言を出すまでの4段階

  1. 1

    マスタに根拠列を足す

    価格・産地のほか、「訴求の根拠」を書く列を用意します。

  2. 2

    CSVとルールを渡す

    チャットに添付するか、Projectsに置いて、使ってよい情報の範囲を指示します。

  3. 3

    行ごとに生成させる

    キャッチ・価格表示・産地表記と、削った訴求の一覧を返させます。

  4. 4

    人が根拠列と突き合わせる

    出力の訴求が根拠列のどの文言に対応するかを確かめます。

Claudeに任せるのは文言の組み立てと、根拠の無い訴求の洗い出しです。価格や産地が正しいかどうかは、マスタに入っている値が正しいことが前提になります。

マスタに持たせる列と、根拠列の役割

CSVの列は、POPに載せられる情報と、その裏づけに分けて持たせます。

列内容の例POPでの使われ方
商品コード内容の例4901234567890POPでの使われ方出力と突き合わせる鍵
商品名・規格内容の例国産豚ロース 切り身300gPOPでの使われ方見出しと規格表記
売価内容の例598POPでの使われ方値札の価格
税区分内容の例税込 / 税抜POPでの使われ方価格の添え字
産地内容の例国産(鹿児島県)POPでの使われ方産地表記
訴求候補内容の例やわらかい / 特売POPでの使われ方キャッチの材料
訴求の根拠内容の例仕入先の規格書、試食アンケート などPOPでの使われ方訴求を使ってよいかの判定

肝は最後の2列です。「訴求候補」に「やわらかい」とあっても、「訴求の根拠」が空なら、その行のキャッチには使いません。根拠列を書く手間が増えるように見えますが、空の行がそのまま「裏づけの無い訴求の一覧」になります。

根拠列には、資料名と日付が分かる形で書くと使いやすくなります。「仕入先の規格書(2026年9月版)」「店内試食アンケート(9月、回答30件)」のように、後から現物を探せる書き方です。「評判がよい」「社内で決めた」のような記述は、根拠として読めても確認の手がかりになりません。Claudeにも「根拠列が資料名として特定できない行は、訴求を使わず確認待ちにする」とルールで伝えられます。

税込・税抜の別は店舗の運用で決まるので、マスタに列として持たせ、Claudeには推測させません。

CSVを渡す前に確認しておくファイルの条件

CSVはClaudeに添付できる文書形式のひとつです。チャットの「+」ボタンから「Add files or photos」を選ぶか、ファイルをチャット欄へドラッグします。

渡し方で変わる条件は次のとおりです。

渡し方1ファイルの上限本数
チャットに添付1ファイルの上限500MB本数1チャット20ファイルまで
Projectsのファイル1ファイルの上限30MB本数本数の制限なし(全体がコンテキストウィンドウに収まる範囲)

Projectsのファイルはテキスト抽出のみで読まれます。どちらの渡し方でも、追加のトークン上限がかかる場合があります。

商品マスタが数千行ある場合は、売り場やカテゴリごとに分けて渡します。大きなファイルは小さく分けて上限内に収めるよう、サポート記事も案内しています。

Excelで管理しているマスタは、CSVに書き出して渡すのが素直です。XLSXを添付するには、アカウントでコード実行とファイル作成を有効にしておく必要があります。

画像の扱いにも注意します。CSV以外の文書は、Claudeがテキストだけを読み取り、埋め込み画像は読めません。商品写真をセルに貼り込んだExcelを渡しても、写真は判断材料になりません。

入力CSVの書き方 — 空欄を空欄のまま残す

渡すCSVは、次のような形を想定しています。サンプルの値は説明用の架空のものです。

商品コード,商品名,規格,売価,税区分,産地,訴求候補,訴求の根拠
A001,豚ロース切り身,300g,598,税込,国産(鹿児島県),やわらかい,
A002,たまご,10個入,328,税込,茨城県産,濃厚,試食アンケート(9月店内実施)
A003,食パン,6枚切,198,税込,,本日の特売,売価改定の社内通知

A001は訴求候補があるのに根拠が空、A003は産地が空です。この2種類の空欄が、後でそれぞれ「削った訴求」と「確認待ち」として返ってきます。

空欄に「なし」「-」などの文字を入れると、Claudeがそれを値として読むおそれがあります。完全に空のまま渡し、ルール側で「空欄は未確認として扱う」と書くほうが、扱いが安定します。

値札とPOPで、出力の形を分ける

同じマスタでも、値札とPOPでは載せる情報の量が違います。値札は商品名・規格・価格・産地が中心で、キャッチはほぼ使いません。POPはキャッチと訴求が主役になります。

ルールを2本に分けて、同じCSVに別々に適用すると混ざりません。

媒体出力する列文字数の目安をルールに書く場所
値札出力する列商品名・規格・価格表示・産地表記文字数の目安をルールに書く場所商品名の折り返し位置と行数
店頭POP出力する列キャッチ案・価格表示・産地表記・使った根拠文字数の目安をルールに書く場所キャッチの上限字数

値札の文言はマスタの値を並べ替えるだけなので、生成よりも「表記ゆれの統一」が主な仕事です。「国産(鹿児島県)」と「鹿児島産」が行ごとに混ざっている場合は、ルールに表記の正規形を書いて揃えさせます。

Projectsに置いて、マスタの更新に追随する

POP文言は、特売の入れ替えやマスタ改定のたびに作り直しになります。毎回ルールを貼り直す代わりに、Projectsを使う方法があります。

Projectsには、ナレッジとして文書を置け、プロジェクトごとの指示も定められます。商品マスタCSVをナレッジに、次節のルール文をプロジェクトの指示に入れると、チャットを新しく始めても同じ前提で生成が始まります。Projectsは無料アカウントでも使えますが、作れるプロジェクトは5つまでです。

有料プランでは、プロジェクトのナレッジが上限に近づくと、RAGモードで容量を最大10倍まで広げる仕組みが自動で働きます。マスタが大きい店舗でも置けますが、行の取りこぼしが起きていないかは自分で確かめる必要があります。生成結果の行数がマスタの対象行数と一致するか、商品コードで突き合わせるのが手早い方法です。

マスタを改定したときは、ナレッジのCSVを差し替えたうえで、変更した行だけを新しいチャットに貼って再生成します。全行を作り直すより、確認する行が絞れます。

ルールを書いて渡す

Projectsのファイルはテキスト抽出で参照されるので、CSVとの相性は良好です。次はルール文の例です。プロジェクトの指示にも、チャットの冒頭にも使えます。

あなたは店頭POPと値札の文言を作る担当です。
添付の商品マスタCSVの各行について、次を出力してください。
 
使ってよい情報:
- 商品名・規格・売価・税区分・産地・訴求候補のうち、
  「訴求の根拠」列が空でない行の訴求だけ
 
禁止:
- マスタに無い数値、受賞歴、比較表現、最上級表現の追加
- 「訴求の根拠」列が空の行の訴求候補をキャッチに使うこと
- 産地列が空の行に、産地を推測して書くこと
 
出力列:
商品コード / キャッチ案(25字以内) / 価格表示 / 産地表記 /
使った根拠 / 削った訴求とその理由

「使った根拠」の列が、この方法の要です。キャッチ案の言葉がマスタのどの文言から来たかを行ごとに書かせると、人が突き合わせるときの手がかりになります。

出力の見え方と、削られた訴求の読み方

結果は、次のような表になります。以下は形を示すための例で、実際の文言は渡したマスタの内容で変わります。

商品コードキャッチ案価格表示産地表記使った根拠削った訴求
A001キャッチ案国産豚ロース、鹿児島産価格表示598円(税込)産地表記国産(鹿児島県)使った根拠産地列削った訴求やわらかい(根拠列が空)
A002キャッチ案濃厚たまご10個入価格表示328円(税込)産地表記茨城県産使った根拠試食アンケート削った訴求なし
A003キャッチ案本日の特売価格表示198円(税込)産地表記産地列が空使った根拠売価改定の社内通知削った訴求産地は記載せず確認待ち

A001は、「やわらかい」を訴求候補に持っていても、根拠列が空なのでキャッチから外れます。A003のように産地が空の行は、推測で埋めずに「確認待ち」として返ってきます。この「確認待ち」の行を、仕入先の資料で埋めてからもう一度生成します。

CSV形式のまま出力を受け取りたいときは、「同じ列でCSVとして出力して」と添えます。ファイル作成を有効にしておけば、Excel、Word、PDFなどのファイルとしてダウンロードもできます。作成ファイルの上限は、アップロードもダウンロードも1ファイル30MBです。

人が根拠列と突き合わせる確認手順

生成が済んだら、印刷に回す前に次の順で確かめます。

  1. 「削った訴求」の列を先に見る。削られた訴求が妥当か、根拠列を埋めれば使えるものかを判断する
  2. 「使った根拠」の列を、マスタの根拠列の文言と照らす。言い換えで意味が強まっていないか見る
  3. 価格表示を、レジ側のマスタ価格と突き合わせる
  4. 産地表記を、仕入先の伝票や規格書と突き合わせる
  5. 二重価格や割引率を載せるPOPは、別途、比較対照価格の根拠を確かめる

5番は、このマスタ方式では扱えません。元値の根拠は販売実績の側にあり、商品マスタの列では裏づけられないためです。点検の手順は二重価格表示を景品表示法の観点でClaudeに点検させるにまとめています。

生鮮・加工食品でアレルゲンなどの表示まで絡む場合は、ラベル実物の写真を見て点検する流れが合います。食品表示ラベルを写真からClaudeで点検する方法が参考になります。

Claudeに任せる範囲と、人の確認に残す範囲

作業扱い理由
行ごとのキャッチの組み立て扱い向いている理由材料がCSVに揃っている
文字数・表記ゆれの統一扱い向いている理由ルールを渡せば行をまたいで揃う
根拠列が空の訴求の洗い出し扱い向いている理由空欄かどうかの機械的な判定
根拠列の文言が実態に合うかの確認扱い向かない理由仕入先資料や店頭の実態はCSVの外にある
産地・価格の真偽の確認扱い向かない理由マスタの値が正しいことが前提
表示ルール上の可否の最終判断扱い向かない理由品目や売り方ごとの個別の判断になる

マスタの値が誤っていれば、POPの文言も誤ったまま整います。Claudeの出力は下書きにとどめ、価格と産地は人が最後に確認します。

つまずきやすい点

  • 訴求候補を根拠列に書き写す: 「やわらかい」と書いた根拠が「やわらかい」では、裏づけになりません。仕入先の資料名や試験・調査の名称など、第三者が確かめられる記述にします。
  • 産地の空欄を「国産」と補ってしまう: Claudeに「推測しない」と指示していても、マスタ側で空欄を埋める運用だと誤りが入ります。空欄は空欄のまま「確認待ち」にします。
  • 全行を一度に渡して出力が途中で切れる: 行数が多いときは、カテゴリや売り場で分けて生成します。
  • キャッチの文字数が売り場の掲示枠に合わない: 25字以内のように、媒体ごとの上限をルールに書いておきます。
  • セルに画像を貼り込んだExcelを渡す: 埋め込み画像は読み取られないので、商品写真を根拠にする運用はできません。
  • POPとチラシで文言が食い違う: チラシ側の原稿も同じマスタから作ると、元の値がそろいます。

売上の動きを見て、どの商品にPOPを付けるかを決めたい場合は、POS売上CSVをClaudeで分析して店長の週次メモにする手順の集計が先に役立ちます。

まとめ

店頭POPと値札の文言は、商品マスタCSVに「訴求の根拠」の列を足すだけで、Claudeに任せやすい作業になります。根拠が空の訴求は使わず、削った理由と使った根拠を行ごとに返させれば、人の確認は突き合わせに集中できます。価格と産地の真偽、二重価格のような比較表示の根拠は、マスタの外にあるので人の側で確かめます。まずは1つの売り場の数十行で、根拠列を埋める運用から試してみてください。

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