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Claudeで会社説明会の質疑を採用Q&Aにする — 頻度順の分類と個別対応への仕分け

Claudeで会社説明会の質疑を採用Q&Aにする — 頻度順の分類と個別対応への仕分け

説明会の質疑ログをClaudeのProjectsに置き、質問を頻度順に束ねて、採用ページに載せる答えと個別に返す答えへ仕分ける手順です。個人情報の落とし方も扱います。

会社説明会の質疑ログは、そのまま置いておくと、次の説明会でも同じ質問に答え続けることになります。Claudeに質問を頻度順に束ねさせ、採用ページに載せる答えと個別に返す答えへ分ければ、Q&Aページの材料になります。この記事では、ログの整え方から分類の指示、仕分けの基準、公開前の確認までを、採用担当者向けに示します。

顧客の問い合わせ履歴からFAQを作る一般手順はClaudeでFAQを作成する記事にあります。ここでは、説明会の質疑に固有の事情だけを扱います。質問者が応募前の学生や転職希望者であること、答えが選考に影響しうること、病気や障害に触れる質問が混ざることの3点です。

質疑ログをClaudeに渡せる形にする

説明会の質疑は、チャットの書き出し、Q&Aツールのエクスポート、担当者の手書きメモ、録音の文字起こしなど、形がばらばらです。Claudeに渡す前に、1行1質問の表へ寄せておきます。

列入れる内容
回入れる内容開催日と会場(オンライン / 対面)
質問入れる内容質問の原文。表現は直さない
回答入れる内容当日の回答。答えていなければ空欄
回答者入れる内容人事 / 現場社員 / 役員など
反応入れる内容追加質問があったか、その場の雰囲気

質問者の氏名や所属大学は列に入れません。頻度を数えるのに必要なのは、質問の中身だけです。

渡せるファイル形式と上限

Claudeが扱える文書形式には、PDF、DOCX、CSV、TXT、HTML、ODT、RTF、EPUB、JSONがあります。XLSXも使えますが、アカウントでコード実行とファイル作成を有効にしておく必要があります。チャットへのアップロードは1チャットあたり最大20ファイル、1ファイル500MBまでです。

説明会の表はCSVかTXTで足ります。手書きメモをスマートフォンで撮った画像(JPEG、PNG、GIF、WebP)も渡せますが、文字が小さいと読み違いの元になります。画像は1000x1000ピクセル以上が目安で、読み取れた文字は必ず原文と見比べます。

数回分をProjectsに置く

1回の説明会だけなら、チャットに貼れば足ります。複数回分を比べたいときは、Projectsの知識ベースに置きます。プロジェクトに置くファイルは1ファイル30MBまでで、テキストの抽出だけが行われます。ファイル数に上限はありませんが、内容の合計がコンテキストウィンドウに収まる必要があります。有料プランでは、知識ベースが上限に近づくとRAGモードに切り替わり、容量が最大10倍まで広がります。

Projectsには、説明会ごとの回の列を残したまま置きます。「7月の回では多かったが、9月の回では減った」という変化が、採用ページを直す根拠になるからです。

質問を頻度順に束ねる

Projectsのプロジェクト指示には、次のような規約を書いておきます。例として示す文面なので、自社の用語に合わせて直してください。

あなたは採用担当の補助役です。質疑ログの表を読み、次を守ってください。
- 質問の原文は書き換えず、引用して示す
- 意味が同じ質問は1つの論点にまとめ、件数と出現した回を併記する
- 回答欄が空の質問は「未回答」と明記し、推測で答えを補わない
- 給与・評価・配属など制度に関わる答えは、ログに書かれた範囲だけを使う

最後の2行が肝心です。Claudeは文脈から自然な答えを補えてしまうため、ログにない制度の説明まで書くと、採用ページに誤った約束を載せることになります。

分類を頼むプロンプトの例は次のとおりです。

添付の質疑ログを論点ごとに束ね、件数の多い順に並べてください。
列は「論点 / 件数 / 出現した回 / 代表的な質問の原文 / 当日の回答の要約 / 回答の揺れ」。
同じ論点で回答者によって答えが違う箇所は、「回答の揺れ」に両方を書いてください。

「回答の揺れ」の列は、質疑ログならではの収穫です。同じ質問に人事は「月平均20時間」、現場社員は「繁忙期は30時間を超える」と答えていれば、採用ページに載せる前に社内で数字をそろえる必要があります。Q&Aを増やす作業は、このずれを見つける作業でもあります。

束ねた結果は、件数をそのまま信じず、元の表で数え直します。件数の数え間違いは起きるので、上位5論点だけでも、表の検索機能で件数を確かめてください。

採用ページに載せる答えと個別に返す答えを分ける

論点が並んだら、1つずつ「載せる」「返す」「保留」に仕分けます。仕分けの基準を、先にClaudeへ渡しておきます。

区分当てはまる論点扱い
載せる当てはまる論点事実で答えが一つに決まる(勤務地、研修の流れ、選考の順序)扱い採用ページのQ&Aに載せる
返す当てはまる論点本人の状況で答えが変わる(配慮の相談、他社との日程の兼ね合い)扱い個別対応の窓口を案内する
保留当てはまる論点社内で答えがそろっていない(残業の実態、評価の基準)扱い数字や方針を決めてから載せる

この表をプロンプトに貼り、各論点にどの区分が妥当か理由つきで案を出させます。Claudeの案は、そのまま確定せず、人事と現場の責任者が確認します。

個別に返すほうの論点には、定型の案内だけを置く

「返す」区分の論点は、採用ページに答えを書きません。ただし、無視するわけでもありません。ページには「選考上の配慮が必要な方は、こちらの窓口にご相談ください」のような案内を置きます。窓口の連絡先と、返信にかかる目安日数を添えると、質問者が次の行動を取れます。

説明会で障害や持病に触れた質問は、この区分に入れます。個人情報保護法のガイドラインでは、病歴や、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)があることが要配慮個人情報にあたります。その取得や第三者提供には原則として本人の同意が必要です。質疑ログにこの種の記述が残っているなら、Claudeに渡す前に取り除きます。

個人情報を落としてから渡す

質疑のログには、質問者の名前や、「私は〇〇大学の△△学部で」といった自己紹介が混ざります。ログをClaudeに渡す前に、次の順で整えます。

手順

Claudeに渡す前の3段階

  1. 1

    識別できる情報を消す

    氏名、メールアドレス、大学名、学部名を削除します。

  2. 2

    配慮が要る質問は論点だけ残す

    病歴や障害、信条に触れた質問は、論点だけ残して本人を特定できる記述を消します。

  3. 3

    質問者は記号に置き換える

    質問者を区別したい場合は「質問者A」のような記号にし、対応表はClaudeに渡しません。

個人情報保護委員会のガイドラインは、個人情報を、あらかじめ特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱うことを、本人の同意なしには認めていません。説明会の申込みフォームに書いた利用目的に、質疑ログの分析が含まれているかを確かめます。含まれていなければ、氏名などを落とした形で扱うか、フォームの文面を見直します。

また、利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努める義務があります。Q&Aを作り終えたら、生のログは保存期間を決めて消します。元ログは消し、採用ページに載せた答えだけを残す運用です。

ログを預けるときのデータの扱い

氏名を落とした後でも、質疑ログは採用の内情を含みます。どのアカウントで預けるかによって、データの扱いが変わります。

Claude Free、Pro、Maxの個人向けプランでは、次の場合にチャットがモデルの改善に使われます。

  • プライバシー設定で、チャットの利用を自分で許可している
  • 会話が安全性の審査の対象として検出された
  • テスタープログラムなどに自分から参加した

シークレットチャット(Incognito)は、モデル改善の設定を許可していても学習に使われません。また、回答の下にある高評価・低評価ボタンでフィードバックを送ると、その会話の全体が最長5年間保管されます。ログを貼ったチャットでは、このボタンを押さないほうが無難です。

Team、Enterprise、APIは商用向けの扱いになり、個人向けとは別の規約が適用されます。会社のアカウントで預けるのか、担当者個人のアカウントで預けるのかは、先に社内の情報管理の担当者と決めておきます。

採用チームでProjectsを共有する

複数の担当者でログを見るなら、TeamかEnterpriseのプランでProjectsを共有します。共有の範囲は2通りです。

公開範囲見られる人
組織全体に公開見られる人組織の全メンバーが閲覧して、チャットを始められる
招待した人だけ見られる人招待されたメンバー。作成者だけから始まる

採用の質疑ログを置くプロジェクトは、「招待した人だけ」で作ります。招待した人には「閲覧のみ」か「編集可」を選べます。閲覧のみなら、プロジェクト指示や知識ベースは変えられません。分類の規約を触る人は、人事の担当者に絞ります。

公開プロジェクトでも、プロジェクト内で各自が行ったチャットは他のメンバーには見えません。ただし、プロジェクトの知識ベースに置いたログ本体は、組織の全員が読めます。管理者が共有機能そのものを止めている組織では、新しい共有ができません。

下書きを作り、公開前に人が確かめる

「載せる」区分の論点だけを、Q&Aの下書きにします。

「載せる」と決めた論点について、採用ページのQ&A案を作ってください。
- 質問は、代表的な原文を学生が検索しそうな言い方に整える(意味は変えない)
- 答えは当日の回答と、添付の社内資料にある事実だけで書く
- 資料にない数字や制度は書かず、「要確認」と書いて残す
- 1問につき、答えの根拠にした行(回と行番号)を末尾に示す

末尾に根拠の行を示させるのは、確認する人が元のログにたどり着けるようにするためです。「要確認」が残った問いは、人事に戻して答えをもらいます。

公開前の確認は、次の3点です。

  • 数字(残業時間、離職率、初任給)が、直近の社内資料と一致しているか
  • 「必ず」「全員」「どの部署でも」のような断定が、実態より強くなっていないか
  • 現場社員の発言を引用した答えは、本人に公開を伝えてあるか

社員の発言を載せるときの許諾の回し方は、採用広報の社員インタビュー記事の作り方と同じ考え方です。説明会での発言は、その場にいた学生向けに話した内容であり、不特定多数が読むページに載ることを想定していない場合があります。

説明会を重ねるほど、Q&Aは育つ

Q&Aは、一度作って終わりではありません。次の説明会の質疑ログをProjectsに足し、「既存のQ&Aでは答えていない論点」だけを抜き出させます。

添付の新しい回の質疑ログと、採用ページに公開済みのQ&A一覧を比べてください。
公開済みQ&Aに答えがない論点を件数順に出し、公開済みの答えと食い違う回答があれば別に示してください。

Q&Aの追加と並行して、論点の件数は選考の歩留まりを読む手がかりにもなります。辞退が多い時期に「働き方」の質問が増えていれば、そこが不安の源かもしれません。ATSのデータと突き合わせる手順は採用の歩留まりをClaudeで分析する記事にあります。ただし、質問の数と辞退の因果は、ログだけでは言えません。相関として扱い、面談での聞き取りで確かめます。

採用業務全体でClaudeを使う場面は、Claudeの人事プラグインの記事で9つのスキルとして整理されています。説明会の質疑は、そのうち採用の入口にあたる業務です。

途中でつまずきやすい3か所

落とし穴

論点の粒度が荒れて、件数の順位が当てにならなくなる

「残業は多いか」と「繁忙期の残業時間は」を同じ論点に束ねるか、別にするかで、件数の順位は入れ替わります。指示に「論点は、答えが1つの文で書けるまで分ける」と粒度の基準を書き、上位の論点は束ねた質問の原文を並べて目で確かめます。

録音の文字起こしを使う場合は、聞き間違いが混ざります。固有名詞と数字は、音声か当日のメモで確かめてください。数字の取り違えは、そのままQ&Aの誤りになります。

もう1つは、同じ指示でも実行のたびに表の並びや言い回しが変わりうることです。件数や仕分けの案を後から比べたいときは、確定した表をCSVにして、Projectsの知識ベースに残します。次の回の分類は、その表を前提に頼むと、論点の名前がぶれません。

よくある質問

質問が10件ほどしかない回でも分類する意味はありますか

1回分だけでは、件数の順位に意味がありません。複数回分をまとめて見るか、「答えが一つに決まるか」の仕分けだけを使います。

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