Claude Ramp連携の始め方 — 接続手順とできること
経費・請求書・購買注文・法人カードをRampからClaudeに照会するConnectorの接続手順と、読み取り専用の範囲、承認までできるRamp MCPとの違いを書きます。
Claude Ramp連携でできること
Claude Ramp連携は、法人カード・経費精算SaaSのRampが自社で提供するConnectorです。ConnectorsディレクトリのFinancial servicesカテゴリに「Anthropic verified」付きで載っており、Rampの取引・立替経費・請求書・購買注文(purchase orders)・法人カード・取引先のデータをチャットから照会できます。
ディレクトリの説明文は「secure, read-only access」、つまり読み取り専用のアクセスです。ただしRamp自身のドキュメントでは、同じRampのMCPが承認や編集まで担うと書かれています。ディレクトリのツール一覧に承認系の名前はありません。次の節で両者の説明を並べます。同じ費用管理の領域では、承認操作にプレビュー確認を挟むClaude Payhawk連携も比べられます。
サインインは必須で、ディレクトリのページに載っているコネクタURLは https://ramp-mcp-remote.ramp.com/mcp です。追加された時期は2025年11月と表示されています。Claude側のヘルプでは、ウェブ版のコネクタはClaude・Cowork・Claude Desktop・モバイルアプリの全ユーザーが使えるとされています。Claude Codeでも使えると書かれていますが、Rampのページ自体は対応する面を並べていません。
ツール17個の中身
ディレクトリのページには、このコネクタが持つツールが17個並んでいます。名前を眺めると、データの種類ごとに読み込むツールと、読み込んだ表に問い合わせるツールに分かれています。
17ツールの役割
読み込む(load系)
load_spend_exportload_spend_exportsload_purchase_ordersload_cardsload_limitsload_entitiesload_departmentsload_usersload_memosload_locationsload_spend_programsload_vendorsの12個です。支出、購買注文、カード、限度額、部署、拠点、ベンダーなどをそれぞれ取り込みます。問い合わせる・片付ける
execute_queryで読み込んだデータに問い合わせ、clear_tableで読み込み済みの表を消します。get_ramp_categoriesは会計カテゴリ、get_current_userは接続中のユーザー情報を返します。フィードバック
submit_feedbackはRampへの意見送信用です。
「先月予算を超えた部署は」のような質問は、load_departments や load_spend_export で読み込んだデータへ execute_query で問い合わせる形になります。結果が100行を超えると、Claudeが絞り込み条件を足して再実行します。
照会専用か、承認までできるか — 資料ごとの説明
Rampのドキュメントに載るURLは mcp.ramp.com/mcp で、ディレクトリのコネクタURLは ramp-mcp-remote.ramp.com/mcp です。説明の範囲も、ディレクトリとドキュメントで異なります。
資料ごとの説明の違い
ディレクトリのConnector
ツール一覧は読み込みと問い合わせが中心で、説明文は読み取り専用です。取引の承認やカード操作に当たる名前のツールは一覧にありません。Claudeの「Customize」から追加できます。
Ramp MCP
Rampのドキュメントによると、取引・立替・購買注文などの承認と却下、メモや会計コードの編集、カードのロック・解除、立替の申請まで含みます。請求書(bill)の承認はまだ使えないと書かれています。
Ramp MCPのドキュメントには、サンプルデータで試せるデモ用のURL https://demo-mcp.ramp.com/mcp も載っています。本番のRampに触れずに、問い合わせの感触を確かめたいときの入口です。
Claudeのヘルプでも、Rampのドキュメントでも、見える範囲は接続した本人のRampでの権限が上限です。Rampのドキュメントでは、全社のデータを引くツールの多くは管理者かビジネスオーナーの権限が要り、一般の従業員は自分のデータだけ見えると書かれています。経理担当者と一般社員でClaudeの回答に差が出るのは、この仕様によります。
個人アカウントで接続する手順
ヘルプセンターによると、ディレクトリのコネクタは全ユーザーが使えます。手順は次のとおりです。
個人アカウントでRampにつなぐ
- 1
コネクタの一覧を開く
「Customize」→「Connectors」を開きます。チャット左下の「+」から「Connectors」→「Manage connectors」でも同じ画面に行けます。
- 2
Rampを探して追加する
「+」を押し、一覧またはFinancial servicesカテゴリからRampを選んで「Connect」を押します。
- 3
Rampでサインインして許可する
Rampのログイン画面でサインインし、求められる権限の範囲を見て許可します。
- 4
会話ごとにオンにする
チャットの「+」から「Connectors」を開き、Rampをオンにします。使わない会話ではオフにしておけます。
ヘルプには、接続時の注意も書かれています。コネクタは「アカウントの権限に基づいて、サービス内のデータへアクセスし、場合によっては変更する」許可を与えるものなので、信頼するサービスだけをつなぐよう求めています。Ramp連携は読み取り専用の範囲に収まりますが、他のコネクタと同じ画面を通る点は変わりません。
Team・Enterpriseでの組織配布と権限制御
TeamとEnterpriseでは、メンバーが使い始める前にOwnerかPrimary Ownerがコネクタを組織で有効にします。有効にしただけでは誰にもアクセスは付与されず、各メンバーがRampで個別にサインインする必要があります。
- 「Organization settings」→「Connectors」を開く
- ページ下部の「Browse connectors」からRampを選ぶ
- 「Add to your team」を押す
- 各メンバーが個人アカウントと同じ手順でサインインする
OwnerはConnectorごとに「Tool permissions」を設定できます。ツールは読み取り系と書き込み・削除系などの種類に分かれ、種類ごと、またはツールごとに「Always allow」「Needs approval」「Blocked」を選べます。この設定は組織全体に効き、メンバー個人は上書きできません。
ディレクトリのConnectorは今のところ読み取り系のツールが中心ですが、Ramp側のツール構成は変わりうるとRampのドキュメントも書いています。書き込み系が追加されたときの備えとして、書き込み・削除系を先にBlockedか「Needs approval」にしておく選択肢があります。
一括認証にも触れておきます。Enterprise-managed authは、IdPを通じてコネクタを一度の認可で組織全体に配る仕組みです。ヘルプが対象として挙げているのはAsana・Atlassian・Canva・Datadog・Figma・Granola・Linear・Notion・Slack・Supabaseの10種で、Rampは含まれません。Rampは各メンバーが個別にサインインする方式になります。
財務データを扱ううえで、押さえておく制約が2つあります。
- TeamとEnterpriseでは、Connectorはプライベートプロジェクトの中でだけ使えます
- Connectorで取り込んだ内容を含むチャットは共有できません
分析結果を他のメンバーに渡すときは、チャットを共有せず、要点を別に書き出して渡します。
Ramp側にも、MCPを使える人を絞る設定があります。Rampのドキュメントでは「Company」→「Integrations」→「Ramp MCP」→「Manage Access」から、ロール・部署・個人単位で制限をかけられると説明されています。Claude側の「Tool permissions」はツールの種類を絞り、Ramp側のManage Accessは使える人を絞るので、役割が違います。
Claude CodeからRamp MCPにつなぐ場合
承認や編集まで任せたい場合は、Ramp MCPのURLに直接つなぎます。Rampのドキュメントは、ツールが継続的に変わり、再接続すると新しいツールを取り込めるとも書いています。Claude Codeでは、HTTP方式のMCPサーバーとして追加します。
claude mcp add --transport http ramp https://mcp.ramp.com/mcp追加したあとはClaude Codeのセッションで /mcp を実行し、Rampのサーバーが一覧に出ていることを確かめます。認証が通らない・接続が切れるときは、Rampのドキュメントによると /mcp でRampを選び、「Clear authentication」を押してからやり直します。
Rampのドキュメントには、複数のRamp事業体を持つ組織向けの書き方もあります。事業体ごとに https://mcp.ramp.com/<識別子>/mcp の形でURLを分けると、接続ごとにOAuthのセッションを持てます。識別子はクライアント側の呼び名にすぎず、権限は認証したユーザーと選んだ事業体から決まります。識別子に developer employee mcp ramp-data ramp-rate は使えません。
Claude Codeの全体像はClaude Codeの使い方にあります。ヘルプの「Tool permissions」は、OrganizationのConnectorsに追加したコネクタの設定として説明されています。Claude Codeで直接つなぐ場合は、Claude Codeの権限設定とRamp側のManage Accessで範囲を絞ります。
購買注文まで照会できる範囲
Ramp連携の説明文には「purchase orders」が対象データとして入っており、load_purchase_orders というツールがあります。購買注文を読み込んで照会できます。
承認や却下をClaudeから動かしたい場合は、前節のRamp MCPが候補になります。Rampのドキュメントでは、購買注文は「unified requests」の一種として承認の対象に入っています。ディレクトリのConnectorには承認ツールがないため、Ramp本体の画面で承認します。
Coworkで購買データを定期的に監視し、承認担当者への連絡までを組む方法は、Ramp Cowork連携で購買・経費の予算超過を定期監視するで扱っています。SaaS契約が市場価格より割高かを調べたい場合は、Tropic連携で価格の妥当性を照合する方法が候補です。
同じカテゴリのXeroとの違い
Financial servicesカテゴリのXeroも、ディレクトリのページに「Claude connects with read-only access」と書かれています。ツールは損益、キャッシュポジション、売掛・買掛の年齢分析、請求書、取引先、購買注文など19個です。
Rampとの違いはデータの粒度にあります。Xeroのツールは完成した財務サマリーを返す形で、get_profit_and_loss のように用途が名前に出ています。Rampはデータを表として読み込んでから execute_query で問い合わせる二段階です。
freeeは、国内の会計SaaS向けにMCPサーバーを別に配っています。freee_api_get freee_api_post freee_api_put freee_api_delete freee_api_patch と、エンドポイントの一覧を引く freee_api_list_paths の計6種で、書き込みも呼べる設計です。手順はClaudeとfreee会計の連携にあります。国内の会計をfreee、法人カードをRampと分けて併用することもできます。
よくあるつまずき
症状から見る原因
一覧にRampが出ない
Ownerが組織でRampを有効にしていないと、メンバーの画面に選択肢が出ません。管理者に有効化を頼みます。個人アカウントでは、この手順なしに最初から一覧に出ます。
見えるはずの取引がない
見える範囲は接続した本人のRampでの権限が上限です。承認者のロールと一般社員のロールでは範囲が違うので、Rampの管理者にロールを確認します。
承認やカードの停止を指示しても何も起きないときは、ディレクトリのConnectorには該当するツールがないことが原因です。Ramp本体の画面か、Ramp MCPへの直接接続で行います。
Ramp MCPのトラブルシューティングには、次の2つのメッセージも載っています。
- 「ETL operation limit reached」: 進行中のデータ取り込みが終わるのを待ち、使い終わった表をClaudeに消してもらうと空きができます
- 「Query returned more than 100 rows」: Claudeが絞り込み条件を足して再実行します
100行を超える一覧が欲しいときは、期間・部署・ベンダーで条件を分けて何回かに分けて聞きます。
まとめ
ディレクトリのRamp連携は、17個のツールで取引・立替・請求書・購買注文・カード・取引先を照会するための読み取り専用のコネクタです。承認やカード操作まで任せたい場合は、Rampのドキュメントが説明するRamp MCPのURLに直接つなぎ、権限の絞り込みはRamp側のManage Accessで設計します。