Cowork自動アップデート後にクラウド実行へ — 編集がコピーに当たる報告
Claude Desktopの自動アップデート後にCoworkがクラウド実行になり、ファイル編集がコピーに当たる、device_commit_filesが古い内容を残すという報告が出ています。症状と手元での確かめ方をまとめます。
Claude Desktopの自動アップデートを境に、Coworkのセッションがクラウドで動くようになり、ローカルのファイルを編集したつもりが別のコピーを編集していた。GitHubのIssue #96187には、そんな報告が出ています。Issueは2026年9月22日に立ち、10月10日の時点でもopenです。
投稿者はWindows 11のClaude Desktop 2.2553.13で起きたと書いています。コメント欄にはmacOSでも同じだという声と、別のWindows環境からの追加報告が続いています。以下は、あくまで利用者の報告です。
何が起きたと報告されているか
報告の中心は、アップデート後のセッションが利用者のPCではなくクラウド上で動き、ファイルツールの対象が手元のディスクではなくなったことです。投稿者は、事前の通知も更新履歴への記載もなかったと書いています。
Issue #96187の主な症状
Readが手元のパスを開けない
クラウドのセッションでWindowsのパスをReadすると、
File does not exist. Note: your current working directory is /home/claude.が返ったそうです。Editは手元に届かない
device_stage_filesで取り込んだコピーを編集しても、ディスク上のファイルは変わらず、その旨の警告もないと書かれています。コミットが古い内容を残す
device_commit_filesが既存パスへの上書きで「written」を返し、更新日時も変わるのに、ディスク上の内容は古いままだったという報告です。
読み方に注意が要るのは3つ目です。投稿者の記述では、sha256とサイズがどちらも古いままでした。2026年9月22日の3回の上書きのうち2回で起き、新しいパスへのコミットは毎回正しく書き込まれたとのことです。再現率は投稿者の手元の数字で、一般的な頻度を示すものではありません。
手元のファイルと突き合わせる手順
ツールが「written」と返しても、ディスク上の内容が変わったとは限りません。この症状が疑われる間は、コミットのたびにハッシュで突き合わせるのが確実です。次の例は、書き込んだはずのファイルをPC側で確かめる手順の一例です。
# コミット前後でハッシュとサイズを比べる
Get-FileHash .\ledger.csv -Algorithm SHA256
(Get-Item .\ledger.csv).Length# macOS / Linux では
shasum -a 256 ledger.csv
wc -c ledger.csv編集の前に控えたハッシュと、コミット後のハッシュが同じなら、書き込みは反映されていません。更新日時は変わることがあるので、判断には使えません。
セッションがクラウドで動いているかどうかも先に見ておきます。Issueの報告では、クラウドのセッションは作業ディレクトリが/home/claudeで、PCにはデバイス接続経由でしか届きません。見分け方はCoworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法にまとめています。
戻せるのか — 設定と回避策の報告
Issueの投稿者は、過去のIssue #75700が回避策として挙げた「Run new tasks in the cloud」のオフが、手元のビルドでは設定から消えていると書いています。#75700は重複として閉じられています。
コメントには次の観察があります。
- スケジュールタスクの「Only on this computer」(手元のPCだけで実行)をオンにして手動で作ったタスクは、ローカルで動き、接続フォルダへの書き込みもディスクと一致した
- そのタスクの実行画面に追いメッセージを送っても、ローカルで動いた
- Claudeがクラウドの会話から作ったタスクは、承認カードに「Runs on: Your computer」と出ても、実際はクラウドで動き、接続フォルダが空だった
- DesktopのCodeタブは、セッションごとにLocalを選べ、Windowsでネイティブに動く
どれも1人または数人の観察で、公式の手順ではありません。ただ、公式のサポート記事は、Coworkをクラウドで動かし、PC上のファイルやブラウザにはDesktopアプリ経由で届く仕組みと説明しています。
サポート記事が説明するクラウド実行の仕組み
Issueの症状を読み解くには、Coworkの現行の仕様を知っておくと役立ちます。サポート記事「Claude Coworkとは」の記載は、次のとおりです。
- Coworkのタスクは、Anthropicのサーバー上の隔離された環境で動く。セッションとファイルは利用者のアカウントに保存され、ノートPCを閉じても作業は続き、同じセッションをどの画面からでも開ける
- ローカルのファイルやブラウザが必要になると、そのPCのClaude Desktopアプリを経由して届く。ローカルファイルへのアクセス、ブラウザ操作、コンピューター操作には、macOSまたはWindows版のDesktopアプリが開いていて接続されている必要がある
- スケジュールタスクもクラウドで動く。PCが起動していなくても、Desktopアプリを開いていなくても実行される
- デスクトップ専用なのは、2026年8月19日より前に作ったライブアーティファクトと、ローカルMCPサーバーを含むプラグインに限られる
Issueの投稿者が「ライブアーティファクトを更新できなくなった」と書いたのは、この最後の条件と重なります。デスクトップで作った古いライブアーティファクトは、クラウドのセッションからは扱えない前提になっています。
同じ記事のトラブルシューティング欄には、ローカルのセッションに関する記載も残っています。ProとMaxで「10月6日より前にPCで始めたタスク」は、タスクの間ずっとDesktopアプリを開いておく必要があり、アプリを閉じたりPCがスリープしたりするとセッションが終わることがあるという内容です。クラウドのセッションは、その間もバックグラウンドで動き続けます。
この記述の範囲で言えるのは、新しく始めるタスクの標準がクラウドになったこと、そしてローカルで動く旧来の形式が日付を区切りに分けて扱われていることまでです。設定でローカルに戻せるかどうかは、サポート記事のどの節にも書かれていません。戻す手段の有無が、Issueの争点そのものです。
同じ更新で報告されている周辺の不具合
Issueのコメントには、ファイル編集以外の症状も並んでいます。いずれも1人の報告です。
| 報告された症状 | 報告者の記述 |
|---|---|
| 検索が遅い | 報告者の記述作業領域全体のgrepに81秒かかり、約40秒を超える検索は接続が切れた |
| CLAUDE.mdの反映が遅い | 報告者の記述セッション開始から約4分後に書き込まれ、最初の返答には効いていなかった |
| 接続フォルダが空 | 報告者の記述get_device_infoが、フォルダを接続していてもconnectedFolders: []を返した |
| シェルの応答エラー | 報告者の記述完了済みのコマンドが「did not respond within 60s」と返り、再試行すると二重実行になりうる |
| ライブアーティファクト | 報告者の記述デスクトップで作ったものがクラウドのセッションから更新できなかった |
「ツールが返した成功」を信じてよい範囲が変わった、というのがこの表の共通点です。台帳やCSVを複数のセッションで編集している運用では、手元のEditが「ファイルが変わったら拒否する」ことで担っていた排他の役割が、クラウドのコピーには効かなくなります。投稿者はこの点を理由に、自前の排他処理を書いたと述べています。
公式の更新履歴との関係
Coworkの更新履歴(10月8日のv2.31226.0を含む)には、新しいタスクの実行場所が変わったと告げる項目が載っていません。コメントの投稿者も、更新履歴に実行場所の変更の記載がないと指摘しています。
実行場所に触れた項目は、周辺に点在しています。
実行場所に関わる更新履歴
- 2026年9月11日(v1.52386.3)更新履歴
スケジュールタスクをクラウドへ自動で移す処理が変わりました。対象のアカウントでは、PCの復帰後に約1分待ち、オフライン中は1分ごとに再試行します。
- 2026年10月6日(v2.26454.0)更新履歴
クラウドへ移したスケジュールタスクが、PC上に一時停止の別タスクとして残り、オンにすると二重実行になりうる不具合の修正が入りました。
- 2026年10月8日(v2.31226.0)更新履歴
スケジュールタスクの承認待ちや、フォルダへのアクセス確認に関する修正が中心で、実行場所の方針に触れる項目はありません。
サポート記事の「10月6日より前にPCで始めたタスク」という書き方と合わせると、実行場所の扱いにその日付を境にした切れ目があることがうかがえます。
今回のIssueは、この切り替えの影響を、ファイル編集の面から具体的に示した報告です。報告された動作が仕様なのか不具合なのか、修正の見通しがあるのかは、Issueに回答がありません。
業務で使っている人の暫定的な備え
状況が定まるまでの間、次の点が実務上の備えになります。
- 重要なファイルは、Claudeに書かせた後にハッシュかdiffで必ず確かめる
- 複数セッションで同じファイルを編集する運用は、排他をClaudeのEditに任せず、自前で持つ
- 接続フォルダの内容をクラウドで扱う前提で、機微なファイルを置いていないか見直す
- 手元で完結させたい作業は、CodeタブのLocalセッションか、「Only on this computer」付きのスケジュールタスクへ寄せることを検討する
クラウド実行でもファイルをプレビューできる点はCoworkはクラウド実行中でも作業ファイルをプレビューできるに書いています。フォルダ接続の制約はCoworkでホームディレクトリ外のフォルダを使う方法が扱っています。
Issueが閉じられたり、公式の回答や修正が出たりしたときは、この記事の症状欄も書き換えが必要になります。