Coworkでホームディレクトリ外のフォルダを使う方法 — v1.1062.0で制限が解消
Coworkはv1.1062.0でホームディレクトリ外のフォルダに対応しました。ネットワークドライブに残る制限と対処法をまとめます。
Coworkのフォルダ選択は、2026年2月の時点ではユーザーのホームディレクトリ内のフォルダしか許可していませんでした。プロジェクトを別ドライブに置いている人や、ドキュメントの保存先を移動しているWindowsユーザーには使いづらい制約でした。v1.1062.0(2026年4月7日公開)でこの制限は撤廃され、macOSとWindowsのどちらでもホームディレクトリ外のローカルフォルダを選択できます。ただしWindowsのネットワークドライブには、今も別の制限が残っています。
Coworkはホームディレクトリ外のフォルダを選べるか
結論は「選べる」です。Claude DesktopのCowork機能はv1.1062.0以降、macOS・Windowsのどちらでもホームディレクトリ外のローカルフォルダをそのまま指定できます。アプリのバージョンが古いままだと、フォルダピッカーで別ドライブのフォルダを選んだ瞬間にエラーが出ます。まずはアプリを最新版に更新することが最初の確認事項です。
フォルダさえ指定できれば、Coworkで契約書をバッチレビューするやCoworkでブランド資産をフォルダ単位で監査するのような、フォルダ単位でまとめて処理する使い方も、保存場所をホームディレクトリの外に置いたまま実行できます。
2026年2月に報告された制限とエラーメッセージ
制限そのものはGitHubのバグ報告で2026年2月11日に報告されました。WindowsでC:\Users\<ユーザー名>の外にあるフォルダを選ぶと、次のエラーが表示される内容です。
Invalid Folder Selection - The selected folder is outside your home directory. Only folders within your home directory can be used.
厄介だったのは、この判定がシンボリックリンクやNTFSジャンクションをすり抜けられなかった点です。ホームディレクトリ内にジャンクションを作って外部フォルダを指すよう仕向けても、Coworkはfs.realpath()でパスを実体まで解決してから判定していました。結果として、リンク経由でも同じエラーで弾かれていました。
影響はプロジェクトフォルダだけにとどまりませんでした。報告者の1人は、Windowsの「既知のフォルダーのリダイレクト」機能でドキュメント・デスクトップ・ダウンロードを別ドライブへ移動している場合、これらのフォルダも同じ制限にかかっていたと指摘しています。この機能はOneDriveの同期機能に限らず、手動設定やグループポリシーでも使われるWindows標準の仕組みです。SSD容量を節約する目的でデータフォルダだけ別ドライブに逃がす構成は珍しくなく、報告には同様の環境を使う開発者からのコメントが複数寄せられていました。
v1.1062.0で何が変わったか
修正はAnthropicのエンジニアが同じIssueに2026年4月7日付でコメントする形で告知されました。
Hey folks, as of version 1.1062.0 (released this morning) we now support attaching folders from Anywhere™️ on both macOS and Windows.
バージョン前後の挙動は次のとおりです。
| 項目 | v1.1062.0より前 | v1.1062.0以降 |
|---|---|---|
| ホームディレクトリ外のローカルフォルダ | v1.1062.0より前選択不可(エラー表示) | v1.1062.0以降選択可能 |
| シンボリックリンク・ジャンクション経由 | v1.1062.0より前解決後のパスで判定され不可 | v1.1062.0以降制約自体がないため回避策も不要 |
| 対象OS | v1.1062.0より前macOS・Windowsの両方が対象 | v1.1062.0以降両方で解消 |
アップデート後はこの制限自体がなくなるため、特別な操作をしなくてもホームディレクトリ外のドライブがそのまま選べます。
Windowsのネットワークドライブに残る制限
ローカルドライブの制限は解消しましたが、Windowsのネットワーク共有には別の制限が残っています。公式ドキュメントは次のように説明しています。
Users can attach a mapped network drive (for example, Z:) as a workspace folder through the folder picker. Raw UNC paths (\server\share) are not supported; map the share to a drive letter first.
\\server\shareのような生のUNCパスは直接指定できず、あらかじめドライブレターに割り当てておく必要があります。
net use Z: \\server\shareドライブレターを割り当てても、挙動はサンドボックスが起動した時点でそのドライブに到達できたかどうかで変わります。
| 状態 | ファイル操作(読み書き) | シェルコマンド |
|---|---|---|
| サンドボックス起動時にマウント済み | ファイル操作(読み書き)動作する | シェルコマンド動作する |
| 起動後にマウント・起動時は未到達 | ファイル操作(読み書き)動作する | シェルコマンド到達できない |
シェルコマンドから見えない場合は、対象ファイルをいったんローカルフォルダへコピーしてからビルドやスクリプトを実行します。UNCパスをそのまま扱えるようにする要望は別のバグ報告として2026年4月8日に登録されていますが、このIssueはOPENのまま残っています。
macOSで外付けドライブ・ネットワークストレージを使う場合
Windowsのマップ済みドライブとは扱いが異なります。公式ドキュメントによると、macOSでは/Volumes/配下にマウントされたネットワークストレージは、現状ローカルフォルダとして扱われます。外付けSSDやNAS共有を/Volumes/経由でマウントしている場合、Windowsのようにドライブレターへの割り当てやnet useのような手順は不要で、通常のローカルフォルダと同じ感覚でワークスペースとして選択できます。
WSLのフォルダを使うときの注意
Windows Subsystem for Linux(WSL)を使っている場合も、同じUNCの壁に当たります。WindowsはWSLディストリビューションのファイルシステムを\\wsl$\<ディストリ名>または\\wsl.localhost\<ディストリ名>というUNCパスとして見せます。これも生のパスのままではワークスペースフォルダに指定できません。WSL内のファイルをCoworkで使うには、共有をドライブレターにマップするか、Windows側の通常フォルダにコピーしてから選択します。Cowork自体はWSLを前提にしておらず、Windows版はOS標準の仮想化機能でサンドボックスを動かす設計です。
管理者がフォルダの選択肢を制限する仕組み
Team・Enterpriseで管理されたデバイスでは、逆にフォルダの選択肢を絞る設定もあります。管理者向けのallowedWorkspaceFoldersをポリシーに設定すると、ユーザーが添付できるフォルダを特定のルート配下だけに制限できます。値を空配列にすると、ユーザーのファイルシステムへの読み書きを完全に禁止し、エージェントは自分専用のサンドボックス領域だけで作業する形になります。この制限はホームディレクトリかどうかではなく、管理者が指定したパスの内側かどうかで判定されます。判定は解決後のパスに対して行われるため、シンボリックリンクでの回避もできません。組織のCoworkで急にフォルダが選べなくなった場合は、今回のバグとは別に、この管理ポリシーが原因になっていないか確認する価値があります。
Coworkの制約とClaude Codeの違い
Issueのコメント欄では、ターミナルで動くClaude Codeは任意の場所のフォルダを扱えるのに、GUIのCoworkだけホームディレクトリに縛られるのは奇妙だという声が複数上がっていました(RavenSwords、rgsiiiyaのコメントなど)。両者の挙動がなぜ異なっていたのかについて、公式の説明はありません。分かっているのは、Coworkがユーザーの指定したワークスペースフォルダをサンドボックスVMの中で扱う設計だということです。Issue本文では、ホームディレクトリだけに限定するこの制限について「実際のセキュリティ要件を反映していないUI側の制約であり、セッション開始後はサンドボックス側がそのパスにアクセスできる」という趣旨の指摘がされていました。
バグ修正後も、管理者向けのallowedWorkspaceFoldersでマウント対象を絞る仕組みは残っています。なくなったのは「ホームディレクトリの外は一律禁止」という判定だけです。
よくあるつまずき
v1.1062.0より古いビルドのままだと今回の修正は反映されません。自動更新が無効になっていないか確認し、エラーが再現するときはまずアプリのバージョンを確認します。
シンボリックリンクを使った古い回避策を続けているケースもあります。修正後はジャンクションを作る必要がなくなりました。複雑な迂回を残しておくとパスの解決先が分かりにくくなるため、フォルダを選び直すほうが単純です。
ネットワークドライブをマップし直した直後にビルドが失敗することもあります。サンドボックスが起動済みの状態でドライブをマップすると、ファイル操作はできてもシェルコマンドからは見えません。ドライブをマップしてからCoworkのセッションを開始し直すと解消します。
まとめ
Coworkのホームディレクトリ制限は、v1.1062.0(2026年4月7日公開)でmacOS・Windowsともに解消されました。ローカルドライブであれば、どこにあるフォルダも選べます。Windowsのネットワーク共有はドライブレターへのマップが必須で、UNCパスをそのまま扱う要望は別のIssueとして残っています。手元のアプリが古いままだと修正前の制限が再現するため、エラーに遭遇したらまずバージョンを確認してください。