Datadog MCPをClaude Codeに接続する — OAuthとtoolsetsでスコープを絞る
Datadog MCP ServerをClaude Codeに繋ぐ2つの方法と、OAuth・PAT/SAT認証の使い分け、toolsetsで読み取り専用に絞る設定手順をまとめます。
Datadog MCP Serverは、Claude Codeからログ・トレース・モニターを直接調べるためのMCPサーバーです。Web・デスクトップ向けのDatadogConnectorと違い、Claude Codeでは認証方式とツールの公開範囲を自分で選べます。ここでは接続方法・認証・スコープ制御の3点をまとめます。
Connector版とMCP Server版の違い
Web・デスクトップアプリで使うDatadogConnectorは、Anthropic側で用意された接続をサインインするだけで使えます。一方、Claude Code向けのDatadog MCP Serverは、toolsetsパラメーターで公開するツール群を絞ったり、OAuthの代わりにPersonal Access Token(PAT)・Service Access Token(SAT)で接続したりできる点が違います。CI環境やコンテキストウィンドウを節約したい調査用途では、MCP Server版のほうが柔軟です。
Claude Codeへの接続方法は2つある
Datadog公式は、公式Anthropic Plugin Marketplaceのプラグイン経由と、claude mcp addによる手動設定の2つの方法を案内しています。すでにDatadog MCP Serverを手動で入れている場合、プラグイン版を追加すると設定が競合するため、どちらか一方に統一します。
プラグイン版のセットアップ手順(推奨)
プラグイン版は、Datadog MCP Serverとスキルをまとめてパッケージ化し、新しいプラグインが出るたびに自動更新されます。
/plugin install datadog@claude-plugins-officialインストール後、初回は /ddsetup を実行するか、Datadogに関する質問を1つ投げると、Datadogサイトの選択とOAuthログインの案内が始まります。
/ddsetup有効化するツール群(toolsets)を選ぶ場合は /ddtoolsets を実行します。設定を変更したあとは /reload-plugins を実行し、/plugin からDatadogプラグインを選んで再認証します。
手動でMCP Serverを追加する手順
プラグインが使えない環境では、リージョンごとのMCP Serverエンドポイントに直接接続します。
claude mcp add --transport http datadog-mcp <YOUR_MCP_SERVER_ENDPOINT>エンドポイントはDatadogの契約サイト(app.datadoghq.comやapp.datadoghq.euなど)ごとに異なり、Datadog MCP Serverのセットアップページのサイト選択で確認できます。.mcp.jsonに直接書く場合はtype: "http"を指定します。
認証方式 — OAuth 2.0とPAT/SATの使い分け
ほとんどのユーザーにはOAuth 2.0が推奨されます。プラグイン版・手動設定版のどちらも、接続時にブラウザでのログインを求められ、長期の認証情報を自分で管理する必要がありません。
OAuthのブラウザログインが使えないサーバー環境やCI環境では、ヘッダー認証に切り替えます。個人ユーザーにはPersonal Access Token(PAT)、サービスアカウントにはService Access Token(SAT)を使い、AuthorizationヘッダーにBearerトークンとして渡します。APIキーは不要です。
{
"mcpServers": {
"datadog": {
"type": "http",
"url": "<YOUR_MCP_SERVER_ENDPOINT>",
"headers": {
"Authorization": "Bearer <YOUR_ACCESS_TOKEN>"
}
}
}
}DD_API_KEYとDD_APPLICATION_KEYをヘッダーに渡すAPIキー認証も使えますが、Datadog公式はPAT/SATを優先する認証方式として案内しています。
toolsetsとomit_toolsでツールを絞り込む
Datadog MCP Serverはコンテキストウィンドウを圧迫しないよう、toolsetsクエリパラメーターで公開するツール群を選べます。何も指定しなければ、ログ・メトリクス・トレース・ダッシュボード・モニター・インシデントなどを扱うcoreだけが有効です。
| toolset | 対象 |
|---|---|
core(既定) | 対象ログ・メトリクス・トレース・ダッシュボード・モニター・インシデント・ホスト・サービス |
alerting | 対象モニターの検証・作成、SLOの検索 |
dbm | 対象Database Monitoring |
error-tracking | 対象Error Tracking |
kubernetes | 対象Kubernetesリソースの検索・マニフェスト取得 |
security | 対象セキュリティシグナル・findingsの検索 |
software-delivery | 対象CI Visibility・Test Optimization |
synthetics | 対象Synthetic tests |
エンドポイントURLの末尾に?toolsets=apm,llmobsのように追加し、toolsets=allにすると生成可能なtoolsetsを一括で有効化できます。Claude Codeのようにツールフィルタリングに対応するクライアントではtoolsets=allとの相性がよいとDatadog公式は案内しています。特定のツールだけ除外したい場合はomit_toolsを組み合わせます。
<YOUR_MCP_SERVER_ENDPOINT>?toolsets=core,software-delivery&omit_tools=create_datadog_notebook,edit_datadog_notebooktoolsetsが先に解決され、そのあとにomit_toolsが一致するツールを取り除く順番で処理されます。
mcp_read/mcp_writeで読み取り専用に絞る運用
Datadog MCP Serverのツールは、mcp_readとmcp_writeという2種類のDatadogロール権限で制御されます。ログ検索やモニター取得のような読み取り系ツールにはmcp_read、モニター作成やホストのミュートのような書き込み系ツールにはmcp_writeが必要です。
MCP Serverはユーザー本人の認証情報をそのままDatadog APIに転送する仕組みのため、既存のRBAC(役割ベースのアクセス制御)やLog Restriction Queryをすり抜けることはありません。Claudeが参照できるのは、接続した本人がDatadog UI上ですでに見えている範囲までです。
レート制限とデータの扱い
Datadog MCP Serverには公平利用のための上限があり、10秒あたり50リクエストのバーストと、月間10万回のツール呼び出しが基準です。これらの上限は変更される場合があり、要件次第で調整をDatadogサポートに依頼できます。
Datadog MCP Serverは、Datadogのデータを外部のAIプロバイダーに送信しません。どのDatadogデータがAIプロバイダーに渡るかは、接続しているAIクライアント(この場合はClaude Code)とそのモデルが決めます。ツール呼び出しはすべてDatadogのAudit Trailに記録され、datadog.mcp.session.startsとdatadog.mcp.tool.usageの2つの標準メトリクスで利用状況を追跡できます。
ネットワーク制限とGovCloud・HIPAAの扱い
接続元のネットワークを絞りたい場合は、Datadog組織側のIP許可リストを有効にします。許可リストを設定すると、必要な権限を持つユーザーであっても、承認済みの発信元以外からはDatadog MCP Serverに接続できなくなります。
Datadog MCP ServerはHIPAA対応の環境でも利用できますが、接続するAIツール側がコンプライアンス要件を満たしているかは利用者の責任です。一方でapp.ddog-gov.com・us2.ddog-gov.comのGovCloudサイトはDatadog MCP Server自体の対象外で、これらのサイトを契約している場合はMCP Serverを使えません。ブラウザでのOAuthログインがそもそも使えない環境(Clineのようなクライアントや、リモートサーバー上のCI)では、datadog_mcp_cliというローカルバイナリでログインし、stdioサーバーとして登録する方法も用意されています。
よくあるつまずき
/ddsetupを実行してもOAuthログインが始まらない
Datadogサイトの選択が終わっていないと進みません。app.datadoghq.comやapp.datadoghq.euなど、契約しているサイトを先に選択します。
toolsetsを変更してもツールが増えない
toolsetsはエンドポイントURLのクエリパラメーターかヘッダーで指定するため、プラグイン版で設定を変えたあとは/reload-pluginsと再認証が必要です。手動設定版では、URLを書き換えたサーバー定義でclaude mcp addをやり直します。
手動設定とプラグインが両方登録されて動作が不安定になる
以前に手動でclaude mcp addしていたサーバーが残ったままプラグインを入れると設定が競合します。claude mcp remove datadog-mcpのように手動設定側を削除してからプラグインへ切り替えます。
よくある質問
toolsets=allにするとコンテキストウィンドウを圧迫しませんか
圧迫します。Datadog公式も、toolsets=allはツールフィルタリングに対応するクライアント向けの選択肢だと案内しています。Claude Codeはツール検索によるフィルタリングに対応しているため相性はよいものの、普段の調査で使わないtoolsetまで含めると呼び出せるツール数が増え、モデルがツールを選ぶ負荷も上がります。まずはcoreと実際によく使うtoolsetだけを組み合わせる運用が無難です。
プレビュー中のtoolsetsも使えますか
apm・cases・code-exec・remote-actionsはプレビュー段階のtoolsetsで、toolsets=allには含まれません。使うにはtoolset名を明示的に指定し、一部は個別のサインアップが必要です。
手動設定でもプラグインと同じ範囲のツールが使えますか
使えます。プラグインは/ddsetupや/ddtoolsetsのようなスラッシュコマンドで設定を対話的に進められる分、手動設定より導入の手間が小さくなります。機能そのものの範囲に大きな差はありません。
まとめ
Datadog MCP ServerをClaude Codeに繋ぐには、公式プラグイン経由(/plugin install datadog@claude-plugins-official)とclaude mcp addによる手動設定の2通りがあります。認証はOAuth 2.0が既定で、CI環境などブラウザログインが使えない場合だけPAT/SATのヘッダー認証に切り替えます。toolsetsとomit_toolsでClaude Codeに見せるツールを絞り、Datadog側のRoleでmcp_writeを外せば、調査用途に限定した読み取り専用の運用にできます。Web・デスクトップから手軽に使いたいだけならDatadogConnectorのほうがセットアップは簡単で、同じ考え方をSentryにも当てはめたい場合はSentry MCPをOAuthでClaude Codeに接続する方法を参考にしてください。業務SaaSを自前のMCPサーバーとして繋ぐ一般的な手順は業務SaaS MCP連携ガイド、接続断からの自動再接続の仕組みはMCPのツール更新と接続断からの自動再接続の仕組みにまとめています。