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Anthropic社内のClaude Code活用事例 — チーム別に見る使い道

Anthropic社内のClaude Code活用事例 — チーム別に見る使い道

Anthropicの公式ブログが伝える社内チームの実例です。コード理解・テスト・デバッグ・自動化まで、Claude Codeを日常業務でどう使っているかを具体的に紹介します。

Anthropicは2025年7月24日、公式ブログで自社の社員がClaude Codeを実際にどう使っているかを社内インタビューの形でまとめて公開しました。対象はインフラ・プロダクトデザイン・セキュリティエンジニアリング・法務・マーケティングなど幅広い部門です。デバッグやコードレビューといった予想通りの用途に加え、エンジニアではない社員が独力でツールを組み立てる事例も紹介されています。弁護士が電話応対の分岐システムを構築し、マーケターが数百パターンの広告文を数秒で生成し、データサイエンティストがJavaScriptを知らないまま可視化ツールを作った、という3例がその象徴です。エージェント型コーディングは開発を速くするだけでなく、技術系と非技術系の仕事の境界を溶かしている、というのがAnthropicの結論です。

6チームの活用事例を一覧で見る

事例を並べると、任せている作業の種類と使っている機能がチームごとに違うことが分かります。自分のチームで再現するときの当てはめ先として使える形に整理しました。

チーム・事例任せた作業使った機能公表された効果自分のチームで再現するなら
インフラ・オンボーディング任せた作業新メンバーのコードベース理解使った機能CLAUDE.mdの自動読み込み公表された効果データカタログ不要に自分のチームで再現するならCLAUDE.mdを整備し、除外設定でモノレポの範囲を絞る
プロダクトデザイン・テストとPRコメント任せた作業テスト作成、PRへの自動コメント使った機能GitHub Actions連携公表された効果フォーマット修正・リファクタも自動化自分のチームで再現するならCI上でClaude Codeを呼ぶワークフローを組む
セキュリティ・インシデント解析任せた作業スタックトレースとドキュメントの解析使った機能リアルタイムのコードベース走査公表された効果診断が10〜15分から3倍速に短縮自分のチームで再現するなら障害対応の手順書をCLAUDE.md経由で読ませる
データインフラ・K8s障害任せた作業スクリーンショットからの原因特定使った機能画像入力によるダッシュボード解析公表された効果対応時間を20分短縮自分のチームで再現するならエラー画面のスクリーンショットをそのまま渡す
グロースマーケティング・広告の自動生成任せた作業CSVからの広告文生成とFigmaプラグイン開発使った機能2つの専用サブエージェント公表された効果数時間の作業を数分に短縮自分のチームで再現するなら定型作業をサブエージェント単位に分けて並列で回す
法務・電話分岐システム任せた作業社内ツールのプロトタイプ開発使った機能対話でのプロトタイプ作成公表された効果専門の開発チームなしで構築自分のチームで再現するなら非エンジニアも要件を言語化してClaudeに設計させる

コードベースの理解とオンボーディングでの使い方

複数のチームが、新しく参加した社員や既存社員のキャッチアップにClaude Codeを使っています。インフラチームに新しく加わったデータサイエンティストは、リポジトリ全体をClaude Codeに読み込ませることで早期に生産性を上げています。ClaudeはCLAUDE.mdファイルを読み、関連する内容を特定し、データパイプラインの依存関係を説明し、どの上流データソースがダッシュボードに流れ込んでいるかを示します。これにより、従来のデータカタログツールに頼らずに済んでいるといいます。

プロダクトエンジニアリングチームは、Claude Codeをプログラミング作業の「最初の相談先」と位置付けています。バグ修正や新機能、分析のどのファイルを調べるべきかをまず尋ねることで、機能追加の前に手作業でコンテキストを集める工程を省いています。

CLAUDE.mdは、管理者ポリシー・ユーザー・プロジェクト・ローカルの4つの範囲で書ける永続的な指示ファイルです。Claude Codeは各セッション開始時にこれを自動で読み込むため、リポジトリの前提知識を新メンバーと共有する置き場として使えます。モノレポで他チームのCLAUDE.mdを読ませたくない場合は、範囲ごとに除外設定ができます。

テストとコードレビューを任せる型

テストの作成とコードレビューは、地味だが時間のかかる作業として知られています。プロダクトデザインチームは、新機能向けのテストをClaude Codeにまとめて書かせ、GitHub Actions経由でPull Requestへのコメントを自動化しました。フォーマットの修正やテストケースのリファクタリングもClaudeが自動で処理しています。

セキュリティエンジニアリングチームは、開発の流れそのものを変えました。以前は「設計書を書く→雑なコードを書く→リファクタリングする→テストを諦める」という流れでしたが、いまはClaudeに疑似コードを出させ、テスト駆動開発を進めながら定期的に確認する形になりました。結果、より信頼性の高い、テストしやすいコードが生まれています。

Inferenceチームは、テストコードを別の言語に翻訳する用途でもClaude Codeを使っています。Rustのようになじみの薄い言語で機能をテストする必要があるとき、テストしたい内容を説明するだけで、対象コードベースのネイティブな言語でロジックを書かせています。

障害対応とデバッグの実例

複数のチームが、スタックトレースやドキュメント、システムの挙動をClaude Codeにリアルタイムで解析させ、障害対応とデバッグを速めています。

セキュリティエンジニアリングチームは、インシデント発生時にスタックトレースとドキュメントをClaude Codeに読ませ、コードベース内の制御フローを追跡させています。従来は手作業のスキャンに10〜15分かかっていた診断が、3倍速く終わるようになりました。プロダクトエンジニアリングチームも、なじみのないコードベースのバグに取り組む自信を得ています。

データインフラチームでは、Kubernetesクラスターがポッドをスケジュールできなくなった際、ダッシュボードのスクリーンショットをClaude Codeに渡しました。すると、Google CloudのUIをメニューごとに案内され、ポッドのIPアドレス枯渇が原因だと特定できました。Claudeは新しいIPプールを作成しクラスターに追加するための正確なコマンドまで提示し、システム障害中の対応時間を20分短縮しました。

プロトタイピングと機能開発への活用

Claude Codeは、深い技術知識が無くても新機能を高速に試作できる場面で使われています。

プロダクトデザインチームのメンバーは、Figmaのデザインファイルを読み込ませ、Claude Codeが新機能のコードを書き、テストを実行し、継続的に反復する自律ループを組んでいます。抽象的な課題を与えて自律的に作業させ、最終調整の前にだけ結果を確認する運用で、ある事例ではClaude自身のためのVimキーバインドを最小限のレビューだけで作らせました。同チームは、エラー状態やロジックフロー、システムのステータスを設計段階で洗い出すという想定外の使い方も見つけています。開発段階でエッジケースを発見するより先に、設計の質そのものを上げられる使い方です。

TypeScriptに詳しくないデータサイエンティストも、強化学習モデルの性能を可視化するReactアプリケーションを丸ごと構築しています。サンドボックス環境での一発のプロンプトでTypeScriptのビジュアライゼーションが書き上がり、コード自体を理解しないまま使えています。最初のプロンプトで不十分な場合も、タスクの単純さゆえに軽い修正で再試行する程度で済んでいます。

ドキュメント化と知識共有

Claude Codeは、MCPとCLAUDE.mdファイルを通じて散らばった技術文書を集約し、必要な人がすぐ使える形にしています。MCPがどのように外部ツールやデータソースをAIアプリケーションに接続する標準規格かは、MCPとはで仕組みから解説しています。

機械学習の専門知識を持たないInferenceチームのメンバーは、モデル固有の関数の説明をClaudeに頼っています。通常なら1時間かかるGoogle検索が10〜20分で済むようになり、調査時間で見ると約80%の削減です。

セキュリティエンジニアリングチームは、複数のドキュメントソースをClaudeに読み込ませ、マークダウン形式のランブックやトラブルシューティングガイドを作成しています。これらの圧縮された文書は、本番環境の問題をデバッグする際のコンテキストとしても再利用され、フルサイズのナレッジベースを検索するより効率的です。

自動化とワークフロー最適化

Claude Codeは、専任の開発者を必要としない独自の自動化構築にも使われています。

グロースマーケティングチームは、数百件の広告データを含むCSVファイルを処理し、成績の悪い広告を特定し、文字数制限の範囲内で新しいバリエーションを生成するエージェント型ワークフローを構築しました。2つの専用サブエージェントを使うことで、以前は数時間かかっていた作業が数分で数百件の新しい広告を生成できるようになりました。

同チームはさらに、Figmaのフレームを識別し、見出しと説明文を入れ替えて最大100パターンの広告バリエーションを自動生成するFigmaプラグインも開発しました。これにより、1バッチあたりのコピー&ペースト作業が数時間から0.5秒程度まで縮みました。

法務チームは、適切な担当弁護士へ社員をつなぐプロトタイプの「電話分岐システム(フォンツリー)」を、従来の開発リソースに頼らずに構築しました。専門の開発チームを介さずに部門ごとの独自ツールを作れることを示す一例です。

Claude Codeを「思考の相棒」として使うチームほど活用が広がる

複数の事例を並べると、共通する型が見えてきます。バグ修正やテスト作成のような明快な単一タスクだけに使うチームより、成果の幅が広いチームがあります。Figmaファイルを渡して自律ループを組んだり、疑似コードから対話的にテストを組み立てたりと、Claude Codeに人間の作業フロー全体を任せているチームです。上の表で言えば、プロダクトデザインチームとセキュリティエンジニアリングチームがこの型に当たります。単発のタスクを解かせるのではなく、専門知識の有無にかかわらず「問題を説明できる人」が「解決策を作れる人」に変わる使い方です。自分のチームで再現するなら、まず単発のバグ修正やテスト生成から始め、慣れてきたら1つのワークフロー全体をClaude Codeに任せる方向へ広げるのが近道です。

132人調査とチーム事例はどう補い合うか

Anthropicはこの活用事例とは別に、2025年8月に社内エンジニア・研究者132人を対象にした調査、53件の質的インタビュー、約20万件のClaude Codeセッションのログ分析を組み合わせた定量的な社内調査を公開しています。生産性の変化やエンジニアの役割の変化は、この調査の数値で示されています。詳しい分析はAnthropic社内調査 — Claudeを60%使うエンジニア132人が示す「AIマネージャー化」で扱っています。

Claude Code自体の全体像や料金プラン、拡張機構についてはClaude Codeの全体像にまとめています。

まとめ

Anthropic社内の事例が示すのは、Claude Codeの使い方が「開発者がコードを書く速度を上げる」という範囲にとどまらないことです。コードベースの理解、テスト、デバッグ、プロトタイピング、ドキュメント整備、業務自動化という6つの場面それぞれで、担当者が抱える具体的な作業をClaudeに渡す形で成果が出ています。特に法務チームの電話分岐システムやマーケティングチームの広告バリエーション生成のように、従来なら専任の開発者を必要とした業務が、非エンジニアの手で形になっている点は、社内活用を検討する組織にとって参考になりそうです。自社での導入を考える場合は、まず自分のチームが繰り返し困っている単一の作業を1つ選び、Claude Codeに任せてみるところから始めるのが実践的でしょう。

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