ClaudeとAdobe Experience Managerを連携する方法 — 管理コネクタとカスタム接続の分け方
Adobe Experience ManagerをClaudeにつなぐ経路は、コネクタ一覧の管理コネクタとカスタムコネクタの2つです。エンドポイント、Adobe IMS組織の選び方、5つのツール、つまずきの切り分けをまとめます。
Adobe Experience Manager(AEM)は、Claudeのコネクタ一覧に「Anthropic verified」付きで載っています。提供元はAdobeで、ページやコンテンツフラグメントの作成・編集・検索・公開と、アセットの検索やレンディション生成を、画面を開かず会話で進められます。
つなぎ方は2通りです。コネクタ一覧から追加する管理コネクタと、AEMのMCPエンドポイントを自分で登録するカスタムコネクタ。どちらを選んでも、サインインに使うのはAdobe IDで、認証の山場は同じです。
AEMコネクタの接続先と提供範囲
コネクタ一覧のページに載っている基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 内容Adobe |
| カテゴリ | 内容Productivity |
| サインイン | 内容必要 |
| 追加時期 | 内容2026年4月 |
| 接続先URL | 内容https://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem |
接続先URLがそのまま、カスタムコネクタに登録するときのエンドポイントになります。Claude.aiの例にもこのURLが使われています。
一覧の説明文は、できることを次のように並べています。
- ページとコンテンツフラグメントの作成・編集・検索・公開
- アセットの検索とレンディションの生成
- 画像のリサイズや形式変換、Smart Cropの検索と適用
- ソーシャルなどチャネル別レンディションの作成
- ページやキャンペーンを更新する平易な言葉のコード
最後に「すべての変更はAEMの権限に従う」とあります。Claudeが権限を広げる仕組みではなく、サインインしたAdobeアカウントの権限がそのまま上限になる、という読み方になります。
管理コネクタとカスタム接続はどう分けるか
Claude.aiの手順は順番が決まっています。先にAdobe AI Registryでアプリケーションを探し、Claude用のコネクタが載っていれば、そのセットアップ手順に従う。載っていなければ、カスタムコネクタで登録する、という流れです。
管理コネクタとカスタムコネクタ
管理コネクタ
Adobe AI Registryで対象アプリケーションを検索し、Claude用コネクタの掲載を確かめます。AEMはコネクタ一覧にも載っているので、掲載の手順に従います。
カスタムコネクタ
Settings > Integrationsからカスタムコネクタを追加し、エンドポイントのURLを入れて、Adobe IDでサインインします。
どちらの経路でも、最後にAdobe側のサインインに行き着きます。管理コネクタを選ぶ理由は、URLの打ち間違いが起きないことと、掲載の手順書が用意されていることです。カスタムコネクタは、AEM以外のAdobe製品や、一覧に載っていない組み合わせに効く手段です。AEMの場合は両方が使えるので、まず一覧から試し、組織の運用でカスタム登録が必要になったら切り替える順が自然です。
カスタムコネクタで登録する手順
流れは4ステップです。
Claude.aiでAEMのエンドポイントを登録する
- 1
設定を開く
Claude.aiでSettings > Integrationsを開きます。
- 2
カスタムコネクタを追加する
Add custom connectorを選びます。
- 3
URLと表示名を入れる
URLにAEM MCP Serverのエンドポイントを入れ、表示名は任意の名前にします。
- 4
サインインして組織を選ぶ
Connectを押し、Adobe IDでサインインします。表示されたらIMS組織を選びます。
入れるURLは次の1行です。
https://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem追加ボタンが使えないときは、社内のClaude管理者に、カスタムコネクタの追加が許可されているかを確かめるのが近道です。
Adobe IMS組織の選択が最大の落とし穴
ここは特に注意が必要です。ほとんどのAdobe MCPサーバーはAdobe Identity Management Service(IMS)のOAuthを使い、プロンプトが出たら正しいIMS組織を選ぶ必要があります。組織の選び間違いが、認証エラーの最も多い原因です。
つまずきの典型は次の3つです。
- 複数の組織に属するAdobeアカウントで、意図しない組織の内容が見える
- ツール呼び出しが失敗する、あるいは結果が空になる
- 一度つながったあと、認証状態が失われて以降のツール呼び出しがすべて失敗する
1つ目は、MCPサーバーを切断し、ブラウザーのAdobeセッションからサインアウトして、もう一度つなぐと組織を選び直せます。1つのAdobe MCPサーバーが同時に認証できるIMS組織は1つだけで、アカウントが複数の組織にアクセスできる場合も同じです。別の組織の内容も扱いたいなら、切り替えのたびに再接続する運用になります。
2つ目は、AIクライアントがユーザーの代理でOAuthを使う点に原因があります。Adobeのアプリケーションにサインインしたときと同じ権限が適用されるので、Adobe Admin ConsoleとAEM側で自分に必要な権限があるかを確かめます。権限の調整は、Adobeのシステム管理者の仕事です。
3つ目は、ClaudeのMCP設定からAdobeのエントリーを選んで再接続します。もう一度Adobe IDでのサインインを求められます。
接続後に使える5つのツール
コネクタ一覧のToolsには5つのツールが並びます。
| ツール名 | 名前から分かること |
|---|---|
list-aem-environments | 名前から分かること名前からはAEM環境の一覧と推測できるが、説明文は付いていない |
lookup-api-spec | 名前から分かることAPIの仕様を引くためのツール |
read-api | 名前から分かること読み取り系のAPI呼び出し |
write-api | 名前から分かること書き込み系のAPI呼び出し |
delete-api | 名前から分かること削除系のAPI呼び出し |
一覧ページに、各ツールの詳しい説明は載っていません。名前は手がかりにとどまるので、役割の細部は接続後にClaudeの画面で表示される内容を見て判断します。
構成として目を引くのは、読み取り・書き込み・削除が別のツールに分かれていることです。ページを探して内容を確かめる段階は読み取りだけで済みます。ツール単位で許可を扱えるなら、書き込みと削除だけ都度確認にしておくと、公開や削除の前に一呼吸置けます。
同じ組織で使える別のAdobe MCPサーバーと混同しない
Adobeの手順書の表には、AEMの名前が付いたサーバーが2つあります。
| サーバー | エンドポイント | 用途 |
|---|---|---|
| AEM MCP Server | エンドポイントhttps://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem | 用途ページ、コンテンツフラグメント、アセット、ローンチの管理。ブランドガイドラインとコンプライアンスルールに照らしたコンテンツと画像の評価 |
| AEM Cloud Manager | エンドポイントhttps://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/cloudmanager | 用途プログラム、環境、パイプライン、リポジトリの管理 |
本記事の接続先は上段のAEM MCP Serverです。デプロイのパイプラインを動かしたいときは、下段のCloud Manager側の別エンドポイントになり、Adobeの手順書の表では、CX Enterprise Coworker経由で使えるかを示す列が「No」です。同じ手順でURLだけ差し替えれば登録できる、とも書かれています。
ほかのAdobe製品もClaudeにつなぎたいときは、製品ごとに別の記事があります。Customer Journey AnalyticsはAdobe Customer Journey Analyticsで指標別レポートを出す、Experience Platform横断の分析やジャーニー構築を扱うMarketing AgentはAdobe Marketing Agentの接続手順にまとめています。
Claude Codeから使うときの設定
ターミナルから使うなら、Claude Codeにリモートサーバーとして登録します。コマンドは次のとおりです。
claude mcp add --transport http adobe-aem \
https://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem設定ファイルに書く場合は、全体で使うなら ~/.claude.json、プロジェクト単位なら、ルートの .mcp.json に次の形で追加します。
{
"mcpServers": {
"adobe-aem": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem"
}
}
}OAuthの認証は、最初にツールを呼んだときにClaude Codeがプロンプトを出します。Adobe IDでサインインし、IMS組織を選ぶ流れはClaude.aiと同じです。.mcp.json をリポジトリに入れると、チーム全員が同じエンドポイントを使えます。そのかわり、組織の選択は各自のサインインで行われる点に注意が必要です。リモートMCPの認証の仕組みはリモートMCPのOAuth認証に詳しくあります。
会話で任せる内容の例
AEMでは「ページとコンテンツフラグメントを探し、更新し、公開する」流れが紹介されています。会話の入り口としては、次のような依頼が考えられます。例は書き方の見本で、実際の出力ではありません。
AEMの環境一覧を出して、ステージング環境を選んでください。
トップページ配下で「春のキャンペーン」を含むコンテンツフラグメントを探して、
タイトルと最終更新日を表にしてください。まだ何も変更しないでください。最初の依頼に「まだ何も変更しないでください」と添えるのは、読み取り専用の確認を先に済ませるためです。内容を確かめてから、書き込みの依頼を別のターンで出します。AEMの権限は、サインインしたアカウントのままで働くので、公開権限のないアカウントなら、公開の操作は失敗します。失敗した場合も、権限の調整はAdobe側で行います。
管理者が先に決めておくこと
組織でAEMをClaudeにつなぐなら、接続の前に決めておくと後が楽な項目があります。
- どのIMS組織につなぐか。1つのMCPサーバーが認証できる組織は1つだけ
- 管理コネクタで配るか、カスタムコネクタで配るか
- 書き込み・削除のツールをチームでどう扱うか
- 利用者のAEM権限と、Adobe Admin Consoleでの付与の方法
AEMの利用資格は、組織のエンタイトルメントとユーザーの権限に依存します。各MCPサーバーへのアクセスは、そのアプリケーションへの組織の権利とユーザーの権限で決まります。Claude側のプランや設定だけを整えても、AEM側に権利がなければ接続はつながりません。
また、組織の接続先をカスタムコネクタとして登録するときの流れは、Coworkのカスタムコネクタ自作ガイドでも扱っています。URLを登録してOAuthで接続するという骨格は、AEMでも変わりません。
まとめ
AEMをClaudeにつなぐ手順そのものは短く、コネクタ一覧から追加するか、https://mcp.adobeaemcloud.com/adobe/mcp/aem をカスタムコネクタに登録するかのどちらかです。時間を食うのは接続後で、原因の多くはIMS組織の選び間違いか、AEM側の権限不足です。
まず読み取りだけで環境とコンテンツを確かめ、組織が意図どおりであることを見てから、書き込みと削除のツールを使い始める順番が安全です。Cloud Managerでパイプラインを扱いたい場合は、別エンドポイントなので登録し直しになります。
参照した一次ソース
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