ClaudeでAWS Marketplace MCPを使い製品を探して比較する手順
AWS Marketplace MCPをClaudeにつなぎ、製品の検索・比較・評価レポートまで任せる手順です。認証不要の範囲、6つのツール、コネクタ紹介ページとの食い違いも解説します。
AWS Marketplace MCPサーバーは、AWS Marketplaceのカタログを検索し、製品を比較・評価するためのMCPサーバーです。Claudeにつなぐと、「中規模企業向けのSIEMを探して」「DatadogとNew Relicを比べて」といった依頼を、カタログのデータを引きながら処理させられます。
認証は要りません。コネクタを有効にするだけで使い始められます。
この記事では、接続の手順、6つのツールの役割、検索から比較レポートまでの流れ、そして使う前に知っておきたい注意点を順に説明します。
AWS Marketplace MCPで何ができるか
AWS Marketplace MCPは、AWS Marketplaceでの製品探索・評価・調査・提案書づくりを支えるツール群です。AWSの説明では、次の4つが代表的な使い道とされています。
- 自然言語の質問で、業務上の必要に合う製品を探す
- 複数ベンダーをAI生成の比較レポートで素早く評価する
- 要件に合わせた購入提案書を作る
- 競合する製品を並べて分析する
エンドポイントはhttps://marketplace-mcp.us-east-1.api.aws/mcpです。プロトコルはStreamable HTTP上のMCP(JSON-RPC 2.0)で、応答はすべて単一のJSONで返ります。ツールはどれもステートレスで、サーバー側に会話の状態は残りません。
接続前に押さえる数字
認証
不要
コネクタのサインインも不要
ドキュメント上のツール数
6
うち書き込み系は1つ
1回の検索クエリ数
最大10
max_resultsは1〜100
Claudeのコネクタとして接続する手順
最短の経路は、Claudeのコネクタディレクトリにある「AWS Marketplace」コネクタです。コードもMCPクライアントの設定も要りません。
コネクタを有効にするまで
- 1
ディレクトリで接続する
Claudeのコネクタディレクトリで「AWS Marketplace」を開き、Connectを選びます。
- 2
会話でコネクタをオンにする
会話画面の左下の+ボタン、または
/でメニューを開き、ConnectorsからAWS Marketplaceをオンにします。 - 3
依頼を書く
AWS Marketplaceの製品を探す、比べる、評価する依頼をそのまま書きます。ツールの選択と呼び出しはClaudeが自動で行います。
AWSのドキュメントが挙げる依頼の例は次の3つです。
- 「Find the best SIEM solutions on AWS Marketplace for a mid-size company」
- 「Compare Datadog vs New Relic on AWS Marketplace」
- 「Build an evaluation report for Terraform Cloud on AWS Marketplace」
日本語で頼む場合も、製品名とカタログ名(AWS Marketplace)を明示すると、Claudeがこのコネクタに頼る場面を作りやすくなります。例えば次のような依頼です。
AWS Marketplaceで、ログ管理向けのSaaS製品を3つ探して。
無料トライアルの有無、料金体系、セキュリティ認証、レビュー評価を
表にして比べてください。コネクタの紹介ページでは、サインインは「Not required」、追加時期は2026年1月、カテゴリはProductivityと表示されています。提供元はAWS Marketplaceで、Anthropic verifiedの表記が付いています。
Claude Codeに接続する場合
Claude Codeからは、リモートHTTPサーバーとして追加します。AWSのドキュメントはClaude Code向けの手順を載せていないので、ここはClaude Code側の汎用手順をエンドポイントに当てはめた形です。
claude mcp add --transport http aws-marketplace \
https://marketplace-mcp.us-east-1.api.aws/mcpaws-marketplaceは任意の名前です。追加後は、Claudeに使えるツールを一覧させて名前を確かめます。
6つのツールの役割と、紹介ページとの食い違い
AWSのドキュメントは、このサーバーのツールを6つ挙げています。ツールの定義と入出力スキーマは、MCPのtools/listで取得できる内容が常に最新の正とされています。
| ツール | 役割 | 読み取り専用 |
|---|---|---|
get_aws_marketplace_report_guidelines | 役割レポート作成の手順と出力テンプレートを返す。レポート系の最初に呼ぶ | 読み取り専用はい |
search_aws_marketplace_solutions | 役割カタログ検索。最大10クエリのバッチとカーソル式ページ送りに対応 | 読み取り専用はい |
get_aws_marketplace_solution | 役割製品IDから詳細(レビュー・料金・評価・購入導線)を取得 | 読み取り専用はい |
get_aws_marketplace_related_solutions | 役割関連製品を関連度の降順で返す | 読み取り専用はい |
research_aws_marketplace_solution | 役割機能・レビュー・制約・競合・料金・連携・事例のWeb調査 | 読み取り専用はい |
submit_aws_marketplace_feedback | 役割レポートの品質への評価を送る | 読み取り専用いいえ |
ここで注意したいのは、Claudeのコネクタ紹介ページに並ぶツール名が、この表とそろっていない点です。紹介ページが挙げるのは次の11個です。
ask_aws_marketplacegenerate_aws_marketplace_file_upload_urlget_aws_marketplace_uploaded_filesdelete_aws_marketplace_uploaded_fileget_aws_marketplace_recommendations_reportget_aws_marketplace_comparisons_reportget_aws_marketplace_evaluation_reportdelete_aws_marketplace_conversationget_aws_marketplace_solutionget_aws_marketplace_related_solutionssearch_aws_marketplace_solutions
共通しているのは検索・詳細取得・関連製品の3つだけです。紹介ページ側にはファイルのアップロードと削除、会話の削除、レポート3種の取得といった名前があり、ドキュメント側のget_aws_marketplace_report_guidelinesとresearch_aws_marketplace_solution、submit_aws_marketplace_feedbackは載っていません。
ドキュメントには、research_aws_marketplace_solutionはWeb検索を標準で持つクライアント(例としてAnthropic/ClaudeAIが挙がっています)には表示されないと書かれています。そうしたクライアントには、検索クエリを埋め込んだワークフロー用プロンプトが返ります。ただし、紹介ページの11個がなぜこの形になっているのかは、どちらのページにも説明がありません。
実際に何が使えるかは、接続後にClaudeへツール一覧を尋ねるか、Claude Codeでも同じ方法が確実です。記事やドキュメントの名前を前提にプロンプトを固定すると、ツールの更新で食い違う場合があります。
検索から比較レポートまでの流れ
ドキュメントは、用途ごとに3つのワークフローを定義しています。レポート系はどれも、最初にget_aws_marketplace_report_guidelinesを呼びます。このツールはworkflow_typeで、recommendations(順位付きの製品発見)、comparison(横並びの分析)、evaluation(単一製品の評価)のいずれかを受け取り、手順と出力テンプレートを返します。AIはその指示に従ってほかのツールを呼び、最後にレポートを書きます。
| 目的 | ワークフロー | 主に呼ぶツール |
|---|---|---|
| 要件に合う製品を探す | ワークフローrecommendations | 主に呼ぶツール検索(複数クエリ、max_resultsは3など小さめ) |
| 2つ以上を並べる | ワークフローcomparison | 主に呼ぶツール製品詳細 → Web調査(featuresとintegrations) |
| 1製品の購入根拠をまとめる | ワークフローevaluation | 主に呼ぶツール製品詳細 → Web調査(features・reviews・limitations・case_studies) |
レポートを作らずに済ませたいときは、ガイドラインを経由せず検索、詳細取得、関連製品の3ツールを直接使えます。検索でsolution_idを集め、詳細で中身を見て、必要なら関連製品で候補を広げる流れです。
候補を絞る段階の注意
検索はqueriesに最大10件を渡せます。複数クエリでは結果がsolution_idで重複排除されて合算され、ページ送りのカーソルは返りません。ページ送りが効くのは単一クエリのときだけです。next_cursorがnullなら、一致する製品は取り切れています。
製品IDはprodview-で始まる文字列です。詳細取得は一度に10件、Web調査は5件までなので、候補が多いときは先に検索と関連製品で絞ってから渡すほうが安全です。
詳細取得で比較に使える項目
get_aws_marketplace_solutionの出力には、比較表の軸にしやすい項目がそろっています。
| 比べたいこと | 対応するフィールド |
|---|---|
| 料金 | 対応するフィールドpricing_options(名前と説明のペア)、free_trial_available |
| 導入形態 | 対応するフィールドfulfillment_options_types(SaaS、Container、AMIなど) |
| 評価 | 対応するフィールドreviews_summary(件数と平均)、review_sentiments(機能性・使いやすさ・サポート・費用対効果の4観点) |
| セキュリティ | 対応するフィールドsecurity_certificates(SOC 2 Type II、ISO 27001など) |
| 順位 | 対応するフィールドrankings(カテゴリ内の順位、1〜100) |
| 契約 | 対応するフィールドhas_standard_contract(AWS標準契約への対応) |
| 次の一歩 | 対応するフィールドcall_to_action(購入、デモ依頼、プライベートオファー依頼、無料トライアルのURL) |
review_sentimentsの各観点には、好意的・否定的・混在の割合とサンプルレビューが付きます。サンプルレビューの出典名(例にはG2)も含まれるため、レポートの根拠をたどれます。
提案書づくりの前に、人が確かめる点
Claudeに比較表を作らせるところまでは、そのまま任せやすい作業です。購入判断に進む前には、次の点を人の目で確かめます。
- 料金は
pricing_optionsの説明文を写したもので、契約条件ごとの見積もりではない - プライベートオファーは、
request_for_private_offer_urlから販売元へ依頼する流れになる - Web調査の内容は引用リンク付きで返るため、重要な数字は引用元で読み直す
認証前提とデータの扱い
AWSのドキュメントは、このサーバーを「Authentication: None required」と明記しています。MCPクライアントを自作する場合も、HTTPリクエストに認証ヘッダーを付けません。AWSアカウントやIAMの設定も前提に挙がっていません。同じAWSのMCPでも、IAM認証を使う場合があるAWS MCPサーバーの連携とは前提が異なります。
認証がない代わりに、セッションの扱いには決まりがあります。自作クライアントでは、initializeの応答に含まれるMcp-Session-Idヘッダーを、以降のすべてのリクエストに付ける必要があります。
| 状況 | 結果 |
|---|---|
Mcp-Session-Idが無い、または形式が不正(UUID v4でもJWTでもない) | 結果HTTP 400 |
| サーバーが発行していない、または期限切れの識別子 | 結果HTTP 404 |
404が返ったら、initializeをやり直して新しい識別子で再試行します。Claudeのコネクタ経由なら、この処理はクライアント側が担います。
エラーは3種類に分かれます。プロトコルエラーはJSON-RPCのerrorとして返ります。入力検証エラーはisError: trueの結果で、本文がMCP error -32602: Input validation errorで始まります。実行時のエラー(レート制限、存在しない製品ID、上流サービスの失敗など)も結果オブジェクト内で返るため、Claudeが内容を読んで再試行や修正を判断できます。存在しないIDを渡した例では、ValidationExceptionとSolution not foundのメッセージが返ります。
書き込みが走るのはフィードバックだけ
6つのツールのうち、読み取り専用でないのはsubmit_aws_marketplace_feedbackだけです。レポートの後に、「役に立ったか」をユーザーに尋ねたうえで評価を送る使い方が想定されています。否定的な評価にはIrrelevant、Incomplete、Inaccurate、Otherのカテゴリを付けられ、自由記述は1,000文字までです。
Claude Codeでツールごとの許可を細かく管理している場合は、この1つだけを承認制にしておくと、評価の送信を勝手に走らせずに済みます。検索と詳細取得は読み取り専用なので、許可リストに入れても状態を変えません。
よくある疑問
掲載が終わった製品はどう扱われますか
関連製品の取得では、すでに掲載されていない製品は結果から外れると説明されています。存在しない製品IDを詳細取得に渡すと、Solution not foundのエラーが返ります。古いIDで失敗したときは、検索からやり直すと現在の掲載状況に合わせられます。
AWSアカウントや購買権限は必要ですか
AWSのドキュメントには、そうした前提が書かれていません。購入そのものはこのMCPの範囲ではなく、call_to_actionに入るURLから、AWS Marketplace側の購入・デモ依頼・プライベートオファーの画面へ進みます。
使い始めの進め方
最初は読み取り専用の範囲で試すのが無難です。コネクタを有効にし、検索と比較の依頼を1回流して、返ってきたツール名と項目を確かめてください。そのうえで自社の評価軸(料金体系、認証、導入形態)を依頼文に入れておくと、レポートの形が揃います。コネクタ全般の仕組みはClaudeのコネクタに、読み取り専用の設定を製品ごとに比べる観点はデータベースMCPの読み取り専用設定にまとめています。
参照した一次ソース
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