ClaudeとBloomberg Lawを連携する方法 — 裁判所ドケットの検索と書き込み操作
Bloomberg Law MCPコネクタをClaudeにつなぎ、連邦・州の裁判所ドケットを検索する手順です。17ツールの読み取り・書き込みの線引きと、実行前に必ず入るプレビュー確認を扱います。
Claude Bloomberg Law連携とは何か
Bloomberg Law連携は、Bloomberg Industry Groupが提供するMCPコネクタをClaudeにつなぎ、連邦・州の裁判所ドケット(訴訟記録の一覧)を会話から扱えるようにする仕組みです。ドケット番号や当事者名で事件を探し、記録の一覧や書類を取り出し、動きを追う設定まで、Claudeの画面を離れずに進められます。
Connectorsディレクトリでは、開発元Bloomberg Industry Groupの「Anthropic verified」表示付きで掲載されています。カテゴリは「Data & analytics」「Legal」「Productivity」、追加は2026年7月、サインインは必須です。コネクタURLは https://gw.mcp.bindg.ai/blaw/mcp です。
使えるのは、MCPコネクタのアクセスが有効なBloomberg Lawの契約者だけです。契約がない人が試せるコネクタではありません。
扱える範囲は、ドケット周りに絞られています。判例検索のような調査は対象外で、その場合はBloomberg Lawの調査機能を直接使う扱いです。Claude側の仕組みはClaude Connectorsの解説にあり、法務業務全体の使い方はClaudeを法律業務に使う方法が受け持っています。以下は、このコネクタ固有の部分を扱います。
接続の手順と事前に要るもの
最初の関門は、Claude側の操作ではなく契約です。Bloomberg Lawの提供元は、接続の前にMCPコネクタのアクセスが有効な契約が要ると案内しています。自分のアカウントが対象かどうか分からないときは、社内のBloomberg Law管理者か、担当の営業に確認する流れです。
Claudeに接続する流れ
- 1
Claudeにサインインする
Claude.aiを開き、自分のClaudeアカウントでサインインします。
- 2
コネクタ一覧から追加する
SettingsからConnectorsを開き、一覧のBloomberg Lawで「Connect」を押します。
- 3
Bloomberg Lawのアカウントで認可する
求められたら、Bloomberg Lawのアカウントでサインインし、コネクタを認可します。
- 4
チャットで使う
設定が終わると、チャットのコネクタメニューにBloomberg Lawが出ます。
接続後は、ツール名を覚える必要はありません。やりたいことを日本語や英語で書けば、Claudeが適切なツールを選びます。
ただし、複数のコネクタを有効にしていると、どれを使うかをClaudeが迷うことがあります。提供元は、その場合は依頼文の先頭に「Using Bloomberg Law」と添えるよう案内しています。
Using Bloomberg Law, find 25-cv-01169 in Delaware district court.17ツールを読み取りと書き込みで分けて見る
提供元のサポートページは、ツールを17個挙げています。ディレクトリ側の一覧も同じ17個です。名前は BLAW__docket_ で始まり、読み取りと書き込みの区分も明記されています。
書き込みの区分は4個で、残りの13個が読み取りです。
| 区分 | ツール | 役割 |
|---|---|---|
| 読み取り | ツールdocket_search | 役割自然文からドケットや記録を検索し、上位の結果を返す |
| 読み取り | ツールdocket_visualize_search_results | 役割検索の続きで、結果の行をCSVで返す(最大1000行) |
| 読み取り | ツールdocket_get_metadata | 役割裁判所、事件の内容、当事者、代理人などの情報 |
| 読み取り | ツールdocket_get_entries | 役割ドケットの記録(エントリー)を、絞り込み付きで取得 |
| 読み取り | ツールdocket_download_entry | 役割記録をPDFとして取得 |
| 読み取り | ツールdocket_get_filing | 役割記録のPDFの中身を取得し、要約や分析に回す |
| 読み取り | ツールdocket_get_outcome_prediction | 役割連邦民事事件の結果を、確度(高・中・低)付きで予測 |
| 読み取り | ツールdocket_get_docket_cost、docket_get_pleading_cost | 役割更新・追跡、書類請求にかかる費用の確認 |
| 読み取り | ツールdocket_preview_*(4種) | 役割更新、追跡、アラート、書類請求の実行前プレビュー |
| 書き込み | ツールdocket_execute_*(4種) | 役割プレビューした操作の実行 |
書き込みは、更新・追跡・アラート・書類請求の4種の実行ツールで、表の docket_execute_* が当たります。数え上げると、プレビュー4、実行4、費用確認2、検索・取得系7で合計17個です。
実行系のツールが「Write」として区分されている点が、運用の線引きになります。検索や取得は読み取りで、課金や購読の状態が変わる操作だけが書き込みという構造です。
名前の表記がページで食い違う
細かい点ですが、サポートページの一覧には BLAW_docket_get_filing という、アンダースコアが1本のツール名が載っています。ほかの16個は2本です。ディレクトリ側の一覧では、このツールも BLAW__docket_get_filing と2本で表記されています。
どちらが実際の名前かは、サポートページには書かれていません。承認画面に出るツール名が、そのときの実際の名前です。ツール名を指定して依頼する運用にする場合は、そこで見えた表記を使うと食い違いに振り回されません。
実行前に必ずプレビューが入る仕組み
アラートの作成、ドケットの追跡、書類請求、ドケットの更新の4つは、お金や購読の状態が動く操作です。提供元は、これらをClaudeがいきなり実行しない作りだと説明しています。
流れは2段階です。
書き込み操作が実行されるまで
- QClaudeが `docket_preview_*` でプレビューを出したか?答えがまだ何も実行されていません。依頼の対象と条件を具体的にして頼み直します答えがはい
プレビューには、対象の適格性と、かかる費用が示されます。
- Q費用と対象を見て、実行してよいか?答えが実行されません。条件を変えて依頼し直します答えがはい
承認して初めて、
docket_execute_*が呼ばれます。
アラートや追跡が作られる
提供元の説明では、実行の前に利用者の確認が必須です。
プレビューには上限もあります。ドケットの更新のプレビューは、1回の依頼で最大10件までです。多数のドケットをまとめて更新したいときは、10件ずつに分けて頼むことになります。
書類請求のプレビューは、Bloomberg Lawがまだ持っていない書類をPACERから集める依頼です。PACERは米国の連邦裁判所の電子記録システムで、ここから取り寄せる書類には費用がかかる場合があります。費用の確認は、docket_get_pleading_cost が担う部分です。
Claude側でできる確認の入れ方
提供元の仕組みとは別に、Claude側で確認の手順を強めることもできます。ProjectsのカスタムInstructionsに、次のような指示を置く方法です。
Bloomberg Lawのドケット操作では、次を守る。
- 更新・追跡・アラート・書類請求は、プレビューの結果を先に要約する
- 要約には、対象のドケット、費用、実行後に変わることを含める
- 私が「実行」と返すまで、docket_execute 系は呼ばない
- 費用が表示されない場合は、その旨を伝えて止めるこれは例です。承認画面での確認は提供元の仕組みとして入りますが、Claudeが自分で要約を作る手間まで省けるわけではありません。プレビューの中身をチャットで読めるようにしておくと、承認画面で目を通す対象が絞れます。
依頼文の組み立て方
提供元のサポートページには、依頼の例が並んでいます。以下は、そのうち用途別に組み替えたものです。
用途別の依頼の型
特定のドケットを探す
「Find 25-cv-01169 in Delaware district court.」のように、ドケット番号と裁判所を添えます。
条件で横断検索する
「Show antitrust cases filed against Apple in the last 90 days.」のように、当事者、分野、期間を指定します。
書類の種類で絞る
「Find motions for class certification filed in antitrust cases in ND Cal in the last year.」のように、管轄、書類の種類、期間を組み合わせます。
事件の流れを見る
「Show me the case timeline for this case.」で、訴状、主要な申立て、命令を時系列で出します。
ほかに、訴状の要約(対象のドケットで要約が用意されている場合に限る)、訴状PDFの取得、追跡の設定、新規の集団訴訟に対するアラート、結果予測も例示されています。
一つの会話の中で、検索結果を受けて次の依頼を出す使い方もできます。提供元は、同じ会話の文脈を使って検索を絞り込んだり、同じ事件の作業を続けたりできると説明しています。
データから図を作る場合
docket_visualize_search_results は、検索結果を最大1000行のCSVで返すツールです。「過去45日間の集団訴訟を探して、そのデータの図を作って」のような依頼だと、Claudeの可視化の力で図やHTMLのダッシュボードにする流れだと例示されています。
ここで注意が要るのは、図の出どころです。提供元は、ClaudeなどのAIアシスタントがエクスポートしたデータから作った図表は、Bloomberg Lawが作ったものでも検証したものでもないと明記しています。報告書や社内資料に貼るなら、元のデータと集計の条件を別に残しておくのが安全です。
できないことと、Claudeの出力の扱い
このコネクタの守備範囲は、ドケットに絞られています。提供元の「最適な使い方」の節は、向いている用途と、Bloomberg Lawを直接使う用途を分けています。
| やりたいこと | 向くか | 備考 |
|---|---|---|
| 番号・事件名・当事者・裁判所でのドケット特定 | 向くか向く | 備考連邦・州の両方 |
| ドケットの記録、タイムライン、訴状要約の確認 | 向くか向く | 備考要約は利用できる場合のみ |
| アラート、追跡、更新の設定 | 向くか向く | 備考実行前に確認が入る |
| 判例調査など、ドケット以外の法律調査 | 向くか向かない | 備考Bloomberg Lawの調査機能を直接使う |
| 裁判官・訴訟の分析、企業情報のうちコネクタが出さないもの | 向くか向かない | 備考Bloomberg Lawを直接使う |
| Bloomberg Lawが検証した書類の要約 | 向くか向かない | 備考Claudeが作る要約とは別物 |
特に区別したいのは、要約の出どころです。アップロードした書類をClaudeに要約させた場合、その要約を作るのはClaudeで、Bloomberg Lawではありません。docket_get_filing で取得したPDFをClaudeが要約する場合も、生成するのはClaudeです。Bloomberg Lawが検証した要約が欲しいときは、Bloomberg Law側の機能を使います。
比較や物語形式の回答も同じです。提供元は、Claudeが事件を比較したり、文章にまとめたりした部分はClaudeが書いたものだと説明し、重要な情報は確認して専門的な判断を加えるよう求めています。リンクや構造化された結果が返ってくるので、そこから元のドケットに戻って確かめる使い方になります。
権限・ライセンスと情報の扱い
見られる内容は、契約の範囲で決まります。提供元は、利用者は自分の契約で使えるBloomberg Lawのコンテンツにしかアクセスできないと説明しています。契約に含まれないドケットや機能は、Claudeからも出てきません。
もうひとつは、ライセンスの制約です。Bloomberg Lawのデータは提供元の所有物で、利用はライセンスの制限を受けます。コネクタの応答や元のコンテンツを、契約に反する形で再配布してはいけないと書かれています。Claudeの回答を社外の資料に転載する前に、自社の契約条項で許される範囲を確認しておく項目です。
法務の現場でClaudeを使うときの機密性と秘匿特権の考え方は、Claudeを法務で使うときの秘匿特権と守秘に整理があります。ドケットは公開情報が中心ですが、どの事件を追っているかという情報そのものが、依頼者の機密にあたる場合があります。追跡やアラートの対象は、会話に残る点を踏まえて選びます。
つまずいたときの切り分け
接続や利用で止まったときは、原因が3つの層のどれかに分かれます。
- コネクタが一覧に出ない・接続できない: Claude側の設定の問題です。Connectorsの一覧と、組織で使えるコネクタの設定を見ます
- サインインや認可で止まる: Bloomberg Lawの契約にMCPコネクタのアクセスが含まれているかを、提供元の管理者に確認します
- 特定の操作だけ通らない: 契約の範囲、ドケットの対応状況、費用の確認の段階で止まっている可能性があります。プレビューの結果を読み直します
どの層でも解決しない場合の問い合わせ先は、Bloomberg Lawのサポートです。提供元は、アクセス権、契約範囲、コネクタの不具合について、メールのhelp@bloombergindustry.comと24時間対応の電話を案内しています。
また、提供元は今後ツールが追加されると説明しています。追加された分は、自動で一覧に現れます。ツールの数は17個に固定されるとは限らないので、承認画面に出る一覧が現在の姿です。
まとめ
Bloomberg Law連携は、ドケットの検索・取得・監視に絞ったコネクタで、17ツールのうち4つが書き込みです。費用や購読が動く操作は、実行の前にプレビューと確認が入ります。
導入を判断する材料は3点に収まります。契約にMCPアクセスが含まれているか。ドケット以外の調査が必要な場面ではBloomberg Lawを直接使うと割り切れるか。Claudeが書いた要約や図表を、Bloomberg Lawの成果物と区別して扱えるか。この3点に答えが出れば、導入するかどうかの判断はつきます。