ClaudeとBusyCalを連携する方法 — Macの予定とタスクを会話で操作
BusyCalのClaude Desktop拡張は、Macのカレンダーとタスクを26個のツールで操作します。必要なバージョン、導入手順、タイムゾーンや繰り返し予定の扱いをまとめます。
BusyCalをClaudeにつなぐと、Macのカレンダーとタスクを会話で検索・作成・変更できます。接続の形はリモートのコネクタURLを登録する方式ではありません。Claude DesktopにBusyCal用の拡張機能(.mcpbファイル)を入れ、Mac上のBusyCalとローカルでやり取りする形です。
BusyCal側のドキュメントでは、拡張機能1.2.1が26個のツールを公開しています。Claudeのコネクタ紹介ページに並ぶ21個より5個多く、この差が導入時のつまずきにも関わります。
この連携は何をつなぐのか
拡張機能は、MCP(Model Context Protocol、AIと外部ツールをつなぐ共通規格)の仕組みで作られています。BusyCalとの通信はMac上のローカル接続で、BusyCalに元々ある権限以外は求めません。BusyCalが起動していないときは、拡張機能が自動で立ち上げます。
BusyCalのAppleScript対応と同じ自動化エンジンを共有しているため、タイムゾーンを意識した予定作成や空き時間の照会も同じ能力で使えます。Claudeが加えた変更は通常の操作と同じようにBusyCalに保存され、普段使っているカレンダーアカウント経由で同期されます。
主な操作は次の6種類です。
Claudeに任せられる操作
一覧と検索
カレンダーとアカウントの一覧、キーワード・期間・カレンダーを組み合わせた予定とタスクの検索、IDを指定した1件の取得。
選択中の項目を読む
BusyCalのウィンドウで選んでいる予定やタスクを、説明し直さずにClaudeへ渡せます。
空き時間の確認
期間を指定した空き・埋まりの確認と、指定した長さで次に空いている枠の検索。勤務時間の設定が基準です。
作成と複製
予定とタスクの作成、別カレンダーへの複製。リマインダー、移動時間、タスクの所要時間・優先度・スターも指定できます。
変更と削除
予定の移動、タスクの完了・再開、メモやURLやタグの更新、削除まで対応します。
BusyCalで開く
Claudeが挙げた予定を、BusyCalのウィンドウで情報パネル付きで開かせられます。
Googleカレンダーを使う場合の連携は別の仕組みです。手順はClaudeのGoogleカレンダー連携にあります。BusyCalは複数のカレンダーアカウントを束ねて表示するアプリなので、この拡張機能が見るのは「BusyCalに登録されているカレンダー全体」です。
導入前に確認する要件とバージョン
必要なものは、MacにインストールしたBusyCalと、拡張機能に対応したmacOS版のClaude Desktopです。バージョンの条件は3段に分かれます。
| 対象 | 必要なバージョン | 理由 |
|---|---|---|
| BusyCal本体 | 必要なバージョン2026.3.2以降 | 理由拡張機能1.2.xの追加ツールがこの版以降で動く |
| BusyCal拡張機能 | 必要なバージョン1.2.1以降 | 理由get_itemなど5ツールとdurationMinutesの追加 |
| 「automation socketが使えない」エラーが出る場合 | 必要なバージョンBusyCal 2026.1.3以降 | 理由ローカルの自動化サービスに接続するため |
拡張機能1.2.0でget_item・list_calendar_sets・create_task_calendar・reschedule_event・move_itemの5ツールが加わり、1.2.1でタスクの所要時間(durationMinutes)が加わりました。1.1.0以前を入れたままだと、この5ツールは見えません。
移動時間の設定には、BusyCal 2026.3.2以降と拡張機能1.1.0以降が必要です。タスクの所要時間は、ドキュメントに「次のBusyCalアップデートで対応予定」とあり、BusyCal本体と拡張機能の両方が対応して初めて使えます。拡張機能だけ1.2.1にしても、本体側が対応するまでは所要時間の設定が通りません。
BusyCalの置き場所にも条件があります。/Applications、自分の~/Applications、Setappの/Applications/Setappのいずれかに入れてください。それ以外の場所にあると、MCP接続はBusyCalを見つけられません。
拡張機能を手動で入れる手順
導入は.mcpbファイルを手動で読み込む形です。ドキュメントは、この方法を「sideloading」と呼んでいます。
BusyCal拡張機能の導入
- 1
拡張機能をダウンロードする
BeehiveInnovationsのGitHubリリースページから
busycal.1.2.1.mcpbを取得します。ファイル名の数字が拡張機能のバージョンです。 - 2
Claude Desktopで読み込む
Claude Desktopの「Settings」から「Extensions」、「Advanced settings」と進み、「Install Extension…」を押して、ダウンロードした
.mcpbを選びます。 - 3
警告を確認して「Install」を押す
「Installing will grant access to everything on your computer.」という警告が出ます。ドキュメントによると、サイドロードした拡張機能すべてに出る標準の警告で、BusyCalが新しい権限を得るわけではありません。BusyCalはサンドボックス内のアプリで、拡張機能が読み書きできるのはBusyCalのカレンダーデータだけだと説明されています。
- 4
新しいチャットで試す
Claude Desktopで新しいチャットを開き、「List my BusyCal calendars.」のように頼みます。カレンダーの一覧が返れば、拡張機能は動いています。
Claudeのコネクタ紹介ページには「Anthropic verified」の表示があり、掲載は2026年8月、提供元はBeehive Innovationsと書かれています。一方でBusyCal側の手順は手動の読み込みです。ディレクトリからワンクリックで入れられるのか、.mcpbを読み込むのかは、手元のClaude Desktopの表示に従ってください。
組織のTeamやEnterpriseプランでは、管理者が拡張機能の許可リストを有効にしていると、手動の.mcpb読み込みが止まります。許可リストがオンの間は、アプリ内レジストリからのダウンロードだけが入口になるためです。仕組みと設定はClaude Desktop拡張機能の許可リストを有効にする手順にまとめています。.mcpbファイルそのものの中身はmcpbファイルとはで扱っています。
26個のツールと、紹介ページの21個の差
ツールは操作の性質で6区分に分かれます。ドキュメントは「Claudeがその都度選ぶので、ツール名を覚える必要はない」としています。名前は、権限の確認やエラーを読むときの手がかりになります。
| 区分 | ツール | 数 |
|---|---|---|
| 読み取り専用 | ツールlist_accounts list_calendars get_item selected_items query_items query_events query_tasks query_availability find_next_available list_calendar_sets | 数10 |
| 開く | ツールopen_item | 数1 |
| 作成 | ツールcreate_event create_task create_task_calendar create_natural_language_item | 数4 |
| 複製 | ツールduplicate_item | 数1 |
| 変更 | ツールmove_event reschedule_event move_item update_event update_task defer_task complete_task uncomplete_task | 数8 |
| 削除 | ツールdelete_event delete_task | 数2 |
合計は26個です。コネクタ紹介ページに載るのは、このうち次の5個を除いた21個です。
紹介ページに載らない5ツール
get_item
IDを指定して1件を取得します。予定の主催者・出席者の詳細も、この系統のツールが返します。
list_calendar_sets
保存済みのカレンダーセットと、それぞれが含むカレンダーを返します。
create_task_calendar
新しいタスクカレンダーを作ります。既定のタスクカレンダーを持つアカウント上に作られます。
reschedule_event
開始・終了・終日かどうかを1回で変えます。既定ではシリーズ全体が対象です。
move_item
予定やタスクを別のカレンダーへ移します。繰り返し予定は、既定でその回だけ動きます。
どちらのページが古いのか、ドキュメントには書かれていません。ただ、バージョンの記述を見る限り、1.2.0より前の拡張機能は紹介ページと同じ構成です。「予定を別カレンダーへ動かして」と頼んでもmove_itemが見つからないときは、拡張機能のバージョンを疑う価値があります。
日時とタイムゾーンはこう解釈される
日時は、頼み方で解釈が決まります。BusyCalが適用するルールは次のとおりです。
- 日付だけを言うと終日の予定・タスクになる。複数日の予定は「4月14日から19日」で19日までを含む
- 「明日の午後2時」のような時刻は、BusyCalで今使っているタイムゾーンのローカル時刻になる
- 「太平洋時間の午前9時」のようにタイムゾーンを言うと、Claudeは
America/Los_AngelesのようなIANAタイムゾーン識別子を使う - 開始と終了に別々のタイムゾーンを持てる
最後の項目は移動の予定で役立ちます。ドキュメントの例では、「サンフランシスコを太平洋時間の午前9時に出発し、同じ日の東部時間の午後5時にニューヨークへ到着する」と頼むと、出発側にAmerica/Los_Angeles、到着側にAmerica/New_Yorkが付きます。UTCのずれ幅ではなく、名前付きのタイムゾーンで保存されます。
予定とタスクの頼み方
ドキュメントの例を、用途別に並べ直します。いずれもClaudeへの依頼文の例で、返ってくる文面は手元の環境によって変わります。
空いている枠に予定を入れる
「Workカレンダーで今後3日間の勤務時間内から45分の空きを探し、その枠にDesign Reviewを作って」と頼むと、Claudeはカレンダーを確認し、空き時間を調べ、最初に見つかった枠へ予定を作る流れをたどります。空き時間は、BusyCalの設定(一般)にある「Day starts at」「Day ends at」と稼働日が基準です。
リマインダーを指定する
何も言わなければ、BusyCalの環境設定にある通常のリマインダーが付きます。「15分前に知らせて」と添えると、その指定が優先されます。リマインダーに対応しないカレンダーアカウントでは、Mac上のローカル通知に切り替わります。
移動時間を付ける
「Client Meetingを明日の午後2時、移動時間30分で作って」のように頼みます。移動時間は分単位の整数で、予定の開始時刻もリマインダーも動かしません。終日の予定には付けられず、Appleカレンダーのアカウント上の予定にも保存できません。どちらの場合もClaudeがエラーを報告し、何も変更されません。出発地点と「出発の通知」はBusyCal側で設定します。
タスクの優先度とスター
priorityはnone low medium highの4段階、isStarredはtrueかfalseで、この2つは独立しています。「優先度を外してスターは残す」という頼み方ができます。作成時にpriorityを省くとBusyCalの既定の優先度が付き、noneと明示すると優先度なしになります。
タスクの所要時間
「Prepare slidesを明日の午後2時、45分で作って」のように頼みます。durationMinutesは整数の分で、0にするとカスタムの所要時間が消えます。負の値と小数は拒否されます。対象のカレンダーアカウントが所要時間に対応しているか、BusyCalの「Sync Extended Task Properties」がオンである必要があります。Todoistのタスクは、期限の日付と時刻も必要です。
選択中の項目を動かす
BusyCalで予定を選んだまま、「選択中のものを来週火曜の午前10時に動かして」と頼めます。Claudeはselected_itemsで選択を読み、移動・更新・先送りのどれかのツールに回します。
繰り返し予定で起きやすい3つの落とし穴
繰り返しの項目は、ツールごとに既定の範囲が違います。範囲を言わずに頼むと、意図と違う範囲が変わります。
繰り返しの既定の範囲
move_item
繰り返し予定を別カレンダーへ動かすと、既定では選んだ1回だけが動きます。タスクは常に1件単位です。
reschedule_event
開始・終了・終日の変更は、既定でシリーズ全体に及びます。1回だけにしたいときは「この回だけ」と言い添えます。
落とし穴
繰り返しタスクの優先度・スター・所要時間は scope を明示しないと拒否される
繰り返しタスクで優先度、スター、所要時間を変えるにはscope: oneが必要です。既定のallだと拒否されます。この変更は、繰り返しルールを保ったまま、保存されている繰り返しタスク本体を編集します。「この繰り返しタスク本体だけ変えて」と依頼文で伝えておくと、エラーの往復を減らせます。
個別に編集済みの回は、どの範囲を指定しても、その回の位置で動きます。
うまくいかないときの切り分け
ドキュメントのトラブルシューティングを、症状の順に並べると次のとおりです。
BusyCal連携の切り分け
- QBusyCalは/Applications、~/Applications、/Applications/Setappのどれかに入っているか答えが入れ直す答えがはい
その3か所以外では、MCP接続がBusyCalを見つけられません。移動してから、新しいチャットで試します。
- QBusyCalは2026.3.2以降、拡張機能は1.2.1以降か答えが更新する答えがはい
「BusyCal」メニューの「BusyCalについて」で本体のバージョンを確認し、拡張機能は最新の
.mcpbを読み込み直します。そのあとClaude Desktopを終了し、新しいチャットで試します。 - Q「automation socket isn't available」と表示されるか答えが次へ答えがはい
BusyCal 2026.1.3以降であることを確認します。それでも出る場合は、BusyCalと拡張機能の両方を入れ直します。直接購入版は最新版を再導入、Setapp版はBusyCalを終了して削除し再ダウンロード、Mac App Store版は削除して再ダウンロードします。アプリを消してもデータは残りますが、サードパーティ製のクリーナーを使うと消える場合があります。
それでも合わない場合
予定が違うカレンダーに作られるときは、カレンダー名を指定します。見つからないときは、先に「カレンダーを一覧して」と頼んでから名前で呼びます。空き時間が勤務予定とずれるときは、BusyCalの勤務時間の設定を見直します。
拡張機能がClaude Desktopに表示されないときは、busycal.mcpbをもう一度ダブルクリックしてみてください。拡張機能に対応したバージョンのClaude Desktopであることも前提です。
運用のコツ: カレンダー名を最初に固定する
ここからは、ドキュメントの説明をもとにした運用の案です。ドキュメントは、カレンダーの指定がないと既定のカレンダーに作られると説明しています。つまり、頼み方を固定しておくと、別のカレンダーに作られる事故が減ります。
Claudeのカスタム指示やプロジェクトの指示に、たとえば次のような1節を置く方法があります。
BusyCalの予定を作るときは、カレンダー名を必ず指定する。
指定がなければ、作成前に list_calendars の結果を見せて確認する。
削除と移動の前は、対象の予定を query_events で表示し、確認を取る。1行目と2行目は、「間違ったカレンダーに作られる」という既知の症状に対する手当てです。3行目は、削除ツールが取り消し機能を持つかどうかの記載がドキュメントにないための安全策です。削除系の操作は、内容を表示させてから実行させると安心です。
カレンダーセットを使っている場合は、「Workセットの来週の予定を見せて」のようにセット名で頼めます。セットとは、「Remember calendar set (visible calendars)」をオンにして保存したSmart Filterです。このオプションなしで保存したSmart Filterは、SiriやショートカットやAppleScriptと同じく、Claudeの拡張機能にも見えません。
予定の記録からClaudeに稼働の集計を作らせる使い方は、Claudeでカレンダーの稼働集計で扱っています。BusyCalに溜まった予定を、集計のもとデータとして使う場面です。
まとめ
BusyCal連携の核は、リモートのコネクタではなく、Macのローカルで動くClaude Desktop拡張だという点です。導入前にBusyCal本体のバージョン、拡張機能のバージョン、アプリの置き場所の3つを確かめると、つまずきの大半を避けられます。
運用では、カレンダー名を明示する、繰り返し項目の範囲を言葉で伝える、削除の前に対象を表示させる、の3点が効きます。拡張機能で使えるツールが紹介ページより少なく、move_itemなどが見つからないときは、拡張機能が1.2.0より前のバージョンになっていないかを確かめます。