Claude Desktop拡張機能の許可リストを有効にする手順
Team・Enterprise管理者がClaude Desktopの拡張機能を許可リストで一括管理する設定手順と、有効化後に何が変わるかをまとめます。
Claude Desktopの拡張機能許可リストは、Team・EnterpriseプランのOwner・Primary Ownerが組織全体でインストール可能な拡張機能を絞り込む機能です。既定ではオフになっており、オフのままだとメンバーはレジストリにある拡張機能をすべて自由に入れられます。許可リストを有効にすると、この状態を反転させ、リストに載せた拡張機能だけをインストールできる構成に切り替わります。
Desktop拡張機能の許可リストとは何か
拡張機能はMCP(Model Context Protocol、AIと外部ツールをつなぐ共通規格)のサーバーを.mcpb(MCP Bundle)という形式でパッケージ化したものです。個人がMCPサーバーを1つずつ設定ファイルへ手書きする方法はClaude Desktop MCP設定ガイドで扱っており、許可リストはそれとは別の組織向けの入口制限にあたります。拡張機能はローカルのファイルやアプリに直接アクセスできる設計のため、社内で使ってよい拡張機能をあらかじめ絞っておきたい場面で使います。.mcpb形式そのものの構造や配布の仕組みはDesktop Extensions解説に詳しくまとめています。
対象になるのはTeam・Enterpriseプランのみです。Free・Pro・Maxプランの個人アカウントにはこの管理機能自体がありません。組織のOwner・Primary Owner以外のメンバーは、許可リストの設定画面にアクセスできません。
導入前に確認する前提条件
許可リストを有効にする前に、次の3点を確認します。
Claude Desktopのバージョン: 許可リストにはバージョン0.13.91以降が必要です。古いバージョンのままだと機能が表示されません。メニューの「Claude」から「Check for updates」、または「Restart to update to Claude 0.13.91」を選んで更新します。
デバイス管理ポリシーとの競合: 組織がすでにMDM(Jamf・Kandji・Microsoft Intune等)でユーザー端末側のポリシーを配布している場合、そちらが優先されアプリ内の許可リストを上書きします。特にisDesktopExtensionDirectoryEnabledとisDesktopExtensionEnabledの2つのキーがfalseになっていないかを確認してください。どちらかが無効化されていると、許可リストがレジストリの一覧そのものを取得できなくなります。Windowsではレジストリ経由で次のように設定します。
Set-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\Policies\Claude" -Name "isDesktopExtensionEnabled" -Value 1 -Type DWord
Set-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\Policies\Claude" -Name "isDesktopExtensionDirectoryEnabled" -Value 1 -Type DWordmacOS環境ではレジストリの代わりにMDM(Jamf Pro・Kandji・Microsoft Intune等)の構成プロファイルで同じ設定を配布します。Claude Desktopはcom.anthropic.claudefordesktopというドメインで設定を読み込むため、構成プロファイルのペイロードにこのドメインを指定し、isDesktopExtensionEnabledとisDesktopExtensionDirectoryEnabledを有効値にして配布します。ProfileCreatorやiMazing Profile Editorのようなプロファイル編集ツールを使うと、GUIから同じキーを設定できます。
デバイス管理ポリシー全体の設定項目はClaude Desktop設定ファイルと更新方法の管理者向け設定の節で扱っています。
切り替えのタイミング: 許可リストを有効にすると、リストに無い拡張機能はクライアントから強制的に削除されます。日中に切り替えると、メンバーが使用中の拡張機能が突然消える事態になりかねません。営業時間外に作業し、必要な拡張機能を先にリストへ追加してから有効化する順番が安全です。
許可リストを有効にする手順
- Claude Desktopを開く
- 画面左下の名前(またはイニシャル)をクリックする
- Organization settings > Connectorsに進む
- Desktopタブに切り替える
- Allowlistのトグルをオンにする
有効化した時点で、それまでインストールされていた拡張機能のうち許可リストに含まれないものはクライアントから強制削除されます。削除された拡張機能を使い続けたいメンバーは、許可リストに追加されたあとで手動での再インストールが必要です。
有効化すると何が変わるか
許可リストのオン・オフで、メンバー側の操作は次のように変わります。
| 項目 | 有効化前(既定) | 有効化後 |
|---|---|---|
| インストール可能な範囲 | 有効化前(既定)レジストリの全拡張機能 | 有効化後許可リストに追加された拡張機能のみ |
| インストール方法 | 有効化前(既定).mcpbファイルのドラッグ&ドロップ・クリックでも可 | 有効化後アプリ内のレジストリからのダウンロードのみ |
| 既存のインストール済み拡張機能 | 有効化前(既定)影響なし | 有効化後リスト外のものは強制削除 |
| ローカルのMCP設定ファイルの直接編集 | 有効化前(既定)制御対象外 | 有効化後引き続き制御対象外 |
最後の行が示すとおり、許可リストはあくまでアプリの「インストール導線」を絞る機能です。インストール後にローカルのMCPファイルの中身を直接書き換える行為までは防げません。この点は公式ヘルプでも明記されている制限で、許可リストを入れたからといって手元のファイル改ざんへの対策になるわけではありません。
許可する拡張機能を選ぶ
許可リストを有効にしたあとの操作です。
- Organization settings > ConnectorsのDesktopタブを開く
- Browse extensionsをクリックし、利用可能な拡張機能の一覧を表示する
- 追加したい拡張機能を選ぶ
- Add to your teamをクリックする
これで選んだ拡張機能が許可リストに加わり、組織のメンバーがインストールできるようになります。リストから外したい拡張機能があれば、該当行の「...」ボタンから「Remove from allowlist」を選びます。
カスタム拡張機能をアップロードする
社内独自のMCPサーバーを.mcpbとして配布したい場合は、公開レジストリを経由せず直接アップロードできます。
- Organization settings > Connectors > Desktopタブを開く
- Add custom extensionをクリックする
- ファイル選択ダイアログで
.mcpbファイルを選ぶ - アップロードされた拡張機能がCustom team extensionsに表示される
- 「...」から「Add to team」を選び、許可リストに追加する
カスタム拡張機能は、アップロードした組織の中だけで使える設定です。他の組織と共有されることはありません。アップロード時の注意点として、manifest.jsonのnameフィールドは既存の.mcpbと重複しないようにします。同じnameを持つ拡張機能は組織内で一意である必要があり、重複すると新しい拡張機能としてではなく別扱いになる可能性があります。
カスタム拡張機能を更新する
一度アップロードしたカスタム拡張機能は、削除・再アップロードをしなくても新しいバージョンに差し替えられます。手順は次のとおりです。
manifest.jsonを編集し、versionフィールドを現在アップロードされているバージョンより大きい値に上げるnameフィールドは変更しない(変更すると別の拡張機能として扱われる)- カスタムアップロード画面で「...」から「Upload new version」を選ぶ
- 新しい
.mcpbファイルをアップロードする
nameを変えてしまうと、更新ではなく新規の拡張機能としてリストに追加される点に注意します。既存の利用者への配布を継続したいなら、nameは固定したままバージョン番号だけを進める運用にします。
許可リストと隣接する管理者設定キーの違い
許可リストの有効化にはisDesktopExtensionEnabledとisDesktopExtensionDirectoryEnabledの2つのキーが関わりますが、Enterprise向けの管理者設定にはこれとは別にisLocalDevMcpEnabledというキーがあります。このキーが管理しているのは、個人やチームがclaude_desktop_config.jsonを直接編集して立ち上げる自作のローカルMCPサーバーの許可・不許可です。個人向けの設定手順は前段で紹介したガイドが対応範囲になります。
つまり許可リストは「レジストリ経由でインストールする拡張機能」を絞る仕組みで、isLocalDevMcpEnabledは「自作サーバーを動かす権限そのもの」を管理する別軸です。両方を無効化して初めて、組織はレジストリ配布とローカル自作サーバーの両方を締め出せます。許可リストだけをオンにしても、isLocalDevMcpEnabledが有効なままなら開発者は引き続き自作サーバーを動かせます。
よくあるつまずき
トグルをオンにしても拡張機能の一覧が空のまま。デバイス管理ポリシー側でisDesktopExtensionEnabledまたはisDesktopExtensionDirectoryEnabledがfalseになっていないか確認します。どちらかが無効だと、許可リストはレジストリを参照できません。
有効化した直後にメンバーから「拡張機能が消えた」と報告が来る。許可リストに追加していない拡張機能は強制削除される仕様です。切り替え前に必要な拡張機能を洗い出し、あらかじめリストへ追加してから有効化すると混乱を避けられます。
カスタム拡張機能をアップロードしたのに反映されない。manifest.jsonのnameが既存のものと重複していないか確認します。名前が衝突すると、意図した通りに追加・更新されないことがあります。
バージョンを更新したのに古いバージョンのままに見える。versionフィールドが実際に現在の値より大きくなっているか、nameフィールドを誤って変更していないかを見直します。nameが変わると別の拡張機能として扱われ、更新にはなりません。
許可リストを入れたのにローカルファイルの改ざんが心配。許可リストはインストール経路の制限であり、インストール後にローカルのMCP設定ファイルを直接書き換える操作までは防げません。端末側のセキュリティ対策と組み合わせる前提で運用します。
よくある質問
Free・Pro・Maxプランでも許可リストを設定できますか
できません。許可リストはTeam・Enterpriseプランの管理機能で、Owner・Primary Owner以外は設定画面自体にアクセスできません。個人アカウントでMCPサーバーを使う方法は本稿の冒頭で紹介したガイドで扱っています。
許可リストを一度オフに戻すとどうなりますか
公式ヘルプはオフに戻した場合の挙動を明記していません。オンにした時点で許可リスト外の拡張機能が強制削除される仕様だけが案内されているため、運用変更を検討する際は事前にAnthropicのサポートへ確認するのが安全です。
Claude Codeにも似た許可リストはありますか
あります。ただし対象が異なり、Claude Code側の許可リストは利用できるモデルやMCPサーバーの接続可否を管理する仕組みです。設定方法はManaged MCPで許可リスト・拒否リストを組織管理するにまとめています。
まとめ
Claude Desktopの拡張機能許可リストは、Team・EnterpriseプランのOwner・Primary Ownerが組織全体のインストール可能な拡張機能を絞り込む機能です。有効化すると許可リストに無い拡張機能は強制削除されるため、必要な拡張機能を先にリストへ追加し、営業時間外に切り替えるのが安全です。デバイス管理ポリシーでisDesktopExtensionEnabled系のキーが無効化されていると許可リスト自体が機能しない点、そしてローカルファイルの改ざんまでは防げない点の2つは、運用前に必ず押さえておきます。拡張機能を実際にブラウズしてインストールする消費者側の流れはClaudeアプリ完全ガイドで確認できます。