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Claudeでカレンダーの稼働集計 — 顧問料の見直し資料を作る手順

Claudeでカレンダーの稼働集計 — 顧問料の見直し資料を作る手順

Googleカレンダーの予定を顧問先別に集計し、実効単価から顧問料の見直し資料を作る手順を、予定の命名規則と依頼文の例、集計の注意点つきで説明します。

顧問契約は月額固定のまま、気づけば打ち合わせと問い合わせ対応が増えている。そんな顧問先ごとの採算は、タイムシートをつけていない限り感覚でしか語れません。

Googleカレンダーに予定を入れる習慣があるなら、記録はすでに手元にあります。GoogleカレンダーのコネクタでClaudeに予定を読ませ、顧問先別の稼働時間と実効単価にまとめれば、報酬見直しの根拠資料の下書きまで作れます。この記事は、その手順と、集計が崩れやすい箇所の潰し方をまとめたものです。

稼働集計でできること、できないこと

Google Calendarコネクタは、カレンダーと予定の閲覧(共有カレンダーを含む)を担います。ヘルプには「View events and calendars, including shared calendars you have access to」と書かれています。この記事の用途で使うのは閲覧だけで、予定の作成や変更は頼みません。

集計の流れは次の4段です。

手順

カレンダーから見直し資料までの流れ

  1. 1

    予定の件名を揃える

    顧問先名と業務の種別が件名から読めるようにします。

  2. 2

    期間を決めて予定を読ませる

    月単位などで区切り、Claudeに予定の一覧を取得させます。

  3. 3

    顧問先別に分類して時間を足す

    分類ルールを先に渡し、判定がぶれた予定は一覧で見せてもらいます。

  4. 4

    実効単価を出して資料にする

    顧問料を稼働時間で割り、目標単価との差を表にします。

できないことも先に押さえておきます。カレンダーに載るのは「予定として押さえた時間」だけです。資料作成、移動、メールや電話での対応は、予定に入れていなければ集計に出ません。そのため、出てきた時間は実際の工数の下限に近い数字として扱うのが安全です。

集計の精度は予定の件名で決まる

Claudeに分類を任せるといっても、件名が「打合せ」だけの予定は誰にも分類できません。集計の手間は、読ませる前の件名ルールにほぼ集約されます。

次のように「顧問先名/種別」の形に揃えると、機械的に拾えます。

A社/定例会議
A社/メール対応
B社/資料作成
社内/移動

種別は3〜5個に絞ります。種別が細かすぎると入力が続かず、件名のゆれが増えます。

過去の予定は書き換えなくても構いません。顧問先名の略称と正式名称の対応を依頼文で渡せば、ゆれのある件名もある程度は寄せられます。ただし、寄せた結果が正しいかは必ず目で見ます。

接続と依頼文の組み立て

接続はClaudeのConnectorsからGoogle Calendarを有効にして、Googleアカウントで認証するだけです。Team・Enterpriseプランでは、OwnerまたはPrimary Ownerが組織側でコネクタを有効にしないと、個人は認証できません。接続の詳しい手順や承認の仕組みはClaude Googleカレンダー連携にまとめています。

ヘルプによると、Claudeが読めるのは接続したGoogleアカウントで見える範囲に限られ、既存の権限がそのまま反映されます。他のメンバーの予定を集計に入れたいときは、そのカレンダーを自分に共有してもらう必要があります。

依頼文は、期間・分類ルール・出力形式の3点を一度に渡します。例えば次のような形です。

2026年9月1日〜30日の私のGoogleカレンダーの予定を読んで、
顧問先別・種別別の稼働時間を集計してください。
 
ルール:
- 件名は「顧問先名/種別」の形式。「A社」「株式会社A」は同じ顧問先として扱う
- 件名に「社内」が付く予定は集計対象外
- 終日の予定と、私が辞退した予定は除く
- 分類できない予定は集計に混ぜず、末尾に件名・日付・時間を一覧で出す
 
出力は、顧問先 × 種別の表(単位は時間、15分刻み)と、合計時間にしてください。

最後の「分類できない予定は混ぜずに一覧で出す」が要点です。ここを省くと、判定に迷った予定が黙ってどこかに寄せられます。

集計結果は2回に分けて確かめる

Claudeが返す表をそのまま資料にしないのが、この用途での鉄則です。確認は2段階で行います。

  1. 件数を合わせる。Claudeに「集計対象にした予定の件数」を答えさせ、Googleカレンダー上の件数と照合します。
  2. 合計を合わせる。表の合計時間と、顧問先別の小計の和が一致するか、別途検算させます。

数字の確認が要る理由は、ヘルプの記述にもあります。計算を扱うヘルプには、複雑な計算や間違いが許されない計算は、専用の数学ソフトか手計算で検証するよう書かれています。時間の足し算は単純でも、数十〜数百件の予定を扱うと、取りこぼしや二重計上が紛れ込む余地があります。

また、取得の仕方にも制約があります。ヘルプの制限事項には「複雑なクエリは複数のAPI呼び出しが必要になる場合がある」「レート制限はGoogleのAPI割り当てに従う」と書かれています。年間分を一度に頼むより、月単位で集計して最後に合算するほうが、取りこぼしの切り分けがしやすくなります。

予定ならではの集計の落とし穴

カレンダーの記録は、タイムシートと性質が違います。次の6点は、依頼文のルールで先に潰しておくと手戻りが減ります。

落とし穴起きること依頼文での手当て
終日の予定起きること8時間などの長さで計上される依頼文での手当て終日の予定は除外すると明記する
重複する予定起きること同じ時間帯が二重に数えられる依頼文での手当て重なる時間帯は先に入れた予定だけ数えると指定する
辞退した招待起きること出ていない会議が入る依頼文での手当て辞退・未回答の予定を除く
繰り返し予定起きること実際は開かなかった回も入る依頼文での手当て繰り返し予定は一覧で見せて、実施した回だけ指定する
予定の長さ=実働でない起きること30分の予定に準備1時間がかかっている依頼文での手当て準備・移動は別の予定にして残す
件名のゆれ起きること同じ顧問先が複数行に分かれる依頼文での手当て略称と正式名称の対応を渡す

特に、予定の長さと実働の差は、集計では埋まりません。打ち合わせの前後に必ず30分の準備が要る業務なら、予定に「A社/準備」を作る運用に変えるのが近道です。変えられない場合は、見直し資料に「カレンダー上の時間のみ」と注記して、実際の工数はそれより多いことを断っておきます。

実効単価に変えて、見直しの根拠を作る

時間が出たら、顧問料との関係を見ます。使う式は2つだけです。

実効単価 = 月額顧問料 ÷ 月間稼働時間
目安の顧問料 = 月間稼働時間 × 目標単価

次の表は、手順を説明するための架空の数字です。目標単価は6,000円/時間と仮置きしています。

顧問先月額顧問料稼働時間実効単価目標単価との差
A社月額顧問料80,000円稼働時間10.0時間実効単価8,000円目標単価との差目標を上回る
B社月額顧問料50,000円稼働時間12.5時間実効単価4,000円目標単価との差下回る(目安75,000円)
C社月額顧問料30,000円稼働時間9.0時間実効単価3,333円目標単価との差下回る(目安54,000円)
D社月額顧問料120,000円稼働時間20.0時間実効単価6,000円目標単価との差目標どおり

合計は51.5時間です。この表で見えるのは、B社とC社の採算が低いことだけではありません。稼働の内訳を種別で分けると、B社は「メール対応」が時間の大半を占める、というように、報酬を上げる交渉材料と、業務範囲を絞る交渉材料のどちらが適切かも見えてきます。

月単位のばらつきは大きいので、見直しの判断には3か月以上の平均を使う形が堅実です。繁忙期の月だけで単価を決めると、閑散期の実態とずれます。

資料にまとめる

数字が確定したら、同じ会話の中で資料まで頼めます。Claudeはコード実行とファイル作成の機能で、Excel(.xlsx)、PowerPoint、Word、PDFを作成できます。作ったファイルはダウンロードするか、Google Driveへ直接保存できます。この機能はFree・Pro・Maxでは設定のCapabilitiesで有効にして使い、Team・Enterpriseでは組織の設定に従います。ファイル作成は通常のチャットより利用上限を多く消費する点にも留意が必要です。

Googleスプレッドシートで共有したいときは、「Googleスプレッドシートで作って」と名指しで頼みます。ヘルプによると、Googleと言わずに「表」や「シート」とだけ頼むと、ダウンロード用のローカルファイルが作られます。Google Docs・Sheets・Slidesのライブ編集はベータ版で、ClaudeのWeb版(Chrome)か、内蔵ブラウザを有効にしたClaude Desktopで使えます。

依頼文の例を挙げます。

上の集計をもとに、顧問先別の見直し資料をGoogleスプレッドシートで作ってください。
シート1: 顧問先 × 種別の稼働時間
シート2: 実効単価と目標単価(6,000円/時間)との差
シート3: 3か月平均の推移(10〜12月の集計が揃ったら追記する)

資料に載せる前に、顧問先に見せてよい数字かも点検してください。稼働時間の内訳は、報酬改定の説明に使えますが、他の顧問先の名前や金額が入ったまま渡すと問題になります。顧問先に渡す版は、その顧問先の行だけに絞って作り直すのが無難です。

予定の内容をClaudeに読ませてよいか

件名や参加者には、顧問先の名称や案件の内容が含まれます。ヘルプには、取得したデータの扱いについて次のように書かれています。

  • コネクタ経由で取得したデータはAnthropicのサーバーに保存され、元のチャットに紐づいて保持される。チャットを削除すれば、取得したデータも削除できる
  • Gmail・Drive・Calendarのコネクタのデータで、モデルを学習することはない
  • 消費者向けプラン(Free・Pro・Max)で学習への利用を許可している場合は、コピー&ペーストした内容や、コネクタの情報を含む回答が学習に使われうる

守秘義務のある業種では、顧問先名をそのまま読ませてよいかを、事前に自分の契約や所属組織のルールと照らす必要があります。迷うときは、予定の件名を「顧問先名」でなく顧客コード(C01、C02など)にして集計し、対応表だけを手元に残す運用もあります。

毎月の運用に落とす

初回は件名の整理と分類ルールづくりに手間がかかりますが、2回目以降は依頼文を使い回せます。次のように流れを固定します。

  1. 月末に依頼文を貼って集計する
  2. 件数と合計を照合する
  3. 分類不能の一覧を見て、件名のルールを1つだけ直す
  4. 集計表を保存し、3か月分たまったら平均単価を出す

予定の件名ルールを守らせる側(自分や同僚)の負担が小さいほど、続きます。Coworkでカレンダーとドライブをつなぎ、集計から保存までを一連の作業にしたいときは、CoworkのGoogleカレンダー・ドライブ連携が参考になります。

集計の考え方そのものは、他の業務の見直しにも使えます。取引先ごとの条件を洗い直す場面を扱った取引先与信の見直しや、回答を一括で集計する研修後アンケートの分析は、データを読ませて検算するまでの流れが似ています。

まとめ

カレンダーの予定は、きちんと件名を揃えれば、顧問先別の稼働記録として使えます。Claudeの役割は、予定の分類と集計、実効単価の表づくりです。件数と合計の検算、顧問先に出す数字の取捨選択は、人が持つ判断として残します。

最初の1か月は、集計の精度を上げるより、件名のルールを決めて運用を始めることのほうが効きます。

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