ClaudeとHalooで商標クリアランス検索を行う方法 — Trademark Clearanceコネクタ
Haloo Trademark Clearanceは、Claudeの会話から1つの商標を1つの国で検索するコネクタです。接続手順、入力項目、結果の読み方、検索範囲の確認点をまとめます。
Haloo Trademark Clearanceでできること
Haloo Trademark Clearanceは、Haloo Inc.が提供する商標クリアランス用のコネクタです。新しいブランド名を決めたあと、先に登録されている似た商標がないかをClaudeの会話の中で調べます。
ディレクトリ上の分類はData & analytics、Legal、Productivityで、掲載は2026年6月です。「Anthropic verified」の表示があり、サインインは必須です。ツールは search_trademark と get_clearance_report の2つだけです。
Halooは既存の商標を探すだけで終わりません。結果は紛らわしさ(混同の可能性)の高い順に並び、各商標に法的な理由が付きます。出力は次の3点です。
- 順位付きの検索結果と、商標ごとのスコア
- 信号機の色で示すリスク評価と、主要な引用・法域ごとの分析を含むクリアランスメモ(編集可能)
- Claudeによる代替ネーミング案や、検索結果を踏まえた出願文案の作成(依頼したとき)
注意したいのは、このコネクタが公式の登録データ(レジスター)だけを検索する点です。コモンロー上の権利、市場での使用実態、ドメイン、SNSでの使用は含まれません。この線引きは、結果の読み方に直結します。
検索の単位は「1商標・1法域・1回」
入口で最も誤解しやすいのが検索の単位です。1回の検索で調べられるのは、1つの商標を1つの法域で見る範囲に限られます。複数の国を調べたいときは、国ごとに検索を分けます。
1回の検索は事前購入した利用ユニット1つを消費します。日本とEU、米国を調べるなら3回分です。ユニットの価格は、Haloo側のコネクタ説明とディレクトリのページには載っていません。購入前に、Haloo側のPricingで確かめる必要があります。
検索を始める前に決める3点
商標(mark)
検索したい文字列です。公式の入力例は "Honey Money" です。
法域(country)
必須で、1つだけ指定します。日本は
JP、EUIPOはEM、WIPOはWOです。ニース分類(niceClasses)
必須で、1〜45の区分を配列で渡します。例は
[9, 42]です。
任意項目は3つあります。
goodsServices: 商品・役務を自由記述で補う(指定した区分の範囲内)compound: 複合語の形。例は "power lifter" に対するPOWERLIFTERsynonyms: 類義語・対義語をカンマ区切りで足し、検索を広げる
対応する法域は194の登録簿で、Haloo側が2026年9月15日にライブの登録簿サービスに対して検索可能かを確認した数です。UK は GB、EU は EM、WIPO は WO のように別名が自動で置き換わります。ベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)は国別の登録簿がなく、BX で調べます。OAPI加盟17か国も同様に、OA です。
日本の JP は、対応コードの一覧に含まれています。未対応の法域を指定すると、課金される前に unsupported_jurisdiction で弾かれます。
ClaudeにHalooコネクタをつなぐ手順
接続はClaudeのコネクタ共通の流れです。
接続の流れ
- 1
コネクタ画面を開く
「Customize」→「Connectors」を開き、「+」から一覧を表示します。チャット欄の「+」から「Manage connectors」でも同じ画面に着きます。
- 2
Halooを選んで接続する
説明と権限を確認し、「Connect」を押します。
- 3
Halooのアカウントでサインインする
認証はOAuth 2.1(PKCEと動的クライアント登録)で、初回接続時にHalooのアカウントでサインインします。
- 4
最初の1件を小さく試す
ユニットを使う前提で、商標・国・区分を決めてから依頼します。
Team・Enterpriseプランでは、組織のOwnerまたはPrimary Ownerが先にコネクタを有効にする必要があります。有効になっても個人の認証は別で、各メンバーがそれぞれサインインします。自前のMCPクライアントから使う場合のコネクタURLは https://connect.haloo.ai/trademark-search/mcp です。自前のクライアントでも、接続時はOAuthでHalooにサインインします。
接続全般の仕組みはClaude Connectorsの解説にまとめています。
依頼文の書き方 — 公式の入力項目に沿った例
ClaudeがHalooに渡す項目は上の6つです。依頼文にこれらの値が揃っていると、聞き返しが減ります。例えば次のような形です(入力項目に沿って組んだ例で、実際の返答ではありません)。
Halooで商標クリアランス検索をしてください。
商標: Honey Money
法域: JP(日本)
ニース分類: 9, 42
商品・役務: ソフトウェアの開発とSaaSの提供
複合語の形: HONEYMONEY区分の選び方に迷うときは、先にClaudeへ事業内容を伝えて候補を挙げさせる使い方もあります。ただし最終的な区分は、出願予定の商品・役務に合わせて人が決めます。区分が広すぎれば関係の薄い商標まで増え、狭すぎれば拾うべき競合が抜けます。
待ち時間と結果の受け取り方
検索はHaloo側のサーバーで動きます。多くは約10分で終わり、長くても約30分です。Claudeは get_clearance_report で進み具合を確認し、間隔は返ってくる poll_every_seconds に従います。目安は約5分おきです。この確認で課金されることはありません。
終わると、次の内容が返ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 判定帯(triage_band) | 内容GREEN / YELLOW / RED |
| 該当件数(total_found) | 内容見つかった先行商標の数 |
| メモ | 内容Markdown(memo_url)とWord(docx_url)でダウンロード |
| 一覧 | 内容順位付きの先行商標のExcelと、JSON形式 |
メモ本文は既定ではチャットに展開されません。include_memo をtrueにすると本文がそのまま入りますが、約1万〜1.5万トークンを使います。長い会話の途中で呼ぶと、コンテキストを大きく食う点を見込んでおく必要があります。ダウンロードのリンクには有効期限があり、結果に期限が書かれます。必要なファイルは早めに保存します。
失敗したときと課金の扱い
課金の状態は、結果ごとに unit_status で示されます。
ユニットの扱いが分かれる場面
開始時
検索を始めた時点で1ユニットを予約します。ユニットがなければ、payment_required と購入用URLが返り、何も予約されません。
終了時
結果が出れば消費、失敗なら返却されます。返却の確認が取れない場合は refund_pending と表示され、予約は約30分で自動的に切れます。
入力の誤りは、課金の前に invalid_request で止まります。登録簿側の障害(register_unavailable など)で失敗した場合は failed となり、同じ search_id は完了しません。やり直すときは新しい検索になり、ユニットが再び予約されます。認証エラーや課金サービスの一時的な不具合が error で返る場合もあり、同じ呼び出しを再実行して構わない種類があります。
J-PlatPatの手作業とは何が違うか
日本の商標を調べる定番の入口は、INPITが無料で提供する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)です。商標の公報や審査経過も検索できます。
Halooコネクタは、その代わりになるというより入口の違う選択肢です。違いは次の点に出ます。
- 入力: J-PlatPatは検索式や条件を人が組む。Halooは商標・法域・区分を渡し、類似の洗い出しはサービス側の検索アルゴリズムが行う
- 範囲: Halooは1つの商標を1つの法域で調べる。複数の国を並べたい場合に、国名だけ変えて同じ依頼を繰り返せる
- 出力: Halooは順位・スコア・メモ・Excelが一式で返る。J-PlatPatは検索結果の一覧と公報の表示が中心
- 費用: J-PlatPatは無料。Halooは検索ごとに利用ユニットを消費する
Halooのドキュメントは検索対象を「公式の登録簿データ」と説明するのみで、J-PlatPatとの収録範囲の対応は示していません。日本での出願を前提にするなら、候補を絞った段階でJ-PlatPatの画面で見比べる、という使い方も考えられます。
商標の先行調査の限界は、特許の先行技術調査にも共通する論点があります。特許の先行技術調査をClaudeで下調べする範囲も合わせて読むと、AIに任せる範囲の考え方がつかめます。
結果を読む前の確認点
最も大事なのは、この結果が判断の材料であって、結論ではない点です。Halooは自らを、法的助言ではなく、有資格の商標専門家の判断を補う調査トリアージと位置づけています。
確認の観点は次の4つです。
結果を読む前に確かめること
調べた範囲
レジスターだけです。実際に使われているのに未登録の名称は含まれません。ドメインやSNSのアカウント名は別に確かめます。
法域
1回につき1つです。展開予定の国の分だけ検索が必要で、その分ユニットを使います。
区分
入力した区分の範囲で検索されます。
goodsServicesは指定した区分の範囲内で関連性を補う項目なので、別区分も調べたいときはniceClassesにその区分を加えます。色の意味
GREENでも専門家の確認は不要になりません。YELLOWとREDは、メモの引用と理由を読んで判断材料にします。
Claudeはこのコネクタの結果の上に最終的な法的推論の層を足します。つまり、検索そのもの(Haloo)と、その読み解き(Claude)が分かれています。読み解きは言語モデルの出力なので、メモに引用された商標の出願番号や区分は、登録簿の原本で照らす手順を入れておくと安全です。
未公開のブランド名を入力する前に
クリアランス検索には、まだ公表していない社名や製品名を入力します。入力した内容はClaudeと、接続先のHaloo、双方に渡ります。社内で未公開情報の扱いが決まっているなら、検索前に規程を確認してください。Claudeに個人情報や機密を入力する際の確認先は、Claudeに個人情報を入力する前に確認する一次資料で整理しています。
ディレクトリのページにも、信頼する開発元のコネクタだけを使うよう注意書きがあります。ツールの内容は開発元が決めるもので、Anthropicは動作を保証できず、後から変わる可能性も排除できないという趣旨です。
使い分けの目安
| 場面 | Halooコネクタ | 別の手段 |
|---|---|---|
| 日本だけで候補名を絞る | Halooコネクタ向く(JPで1回) | 別の手段J-PlatPatで目視確認 |
| 複数国の展開前に洗い出す | Halooコネクタ国ごとに実行する | 別の手段国別の庁サイトを個別に調べる |
| 未登録の先使用を調べる | Halooコネクタ範囲外 | 別の手段検索エンジン、ドメイン、SNSを別途確認 |
| 出願可否の最終判断 | Halooコネクタ範囲外(参考情報) | 別の手段弁理士など有資格者 |
Claudeに頼めるのは、検索の依頼、メモの要約、代替案の提案、出願文案の下書きまでです。出願するか、どの区分で出すかは、結果を見たうえで人が決めます。