ClaudeとGuruを連携して問い合わせ回答の根拠を社内ナレッジから引く
Guru公式のコネクタで、サポート担当が回答前に承認済みのカードを引く手順です。接続方法、依頼文の例、古いカードの見分け方、ツール名の食い違いまで扱います。
ClaudeとGuruをつなぐと何が変わるか
Claudeは、Guruに溜めた社内ナレッジを会話の中で検索し、カードの中身を根拠にして回答の下書きを作れるようになります。サポート担当が「この返金条件は今どうなっているか」を、記憶やチャット履歴ではなく、承認済みのカードに照らして確かめられる状態です。
Guruは、社内の手順や方針をカード(Card)の形で管理するナレッジ基盤です。Claudeのコネクタ一覧では「Anthropic verified」の表示つきで、カテゴリはProductivity、追加は2026年1月、接続にはGuruへのサインインが要ります。接続先のURLは https://mcp.api.getguru.com/mcp です。
Guruの公式ヘルプによると、MCP経由でつないだAIツールは、Guruに接続済みのソース(Salesforce、Slack、Google Drive、Confluence、SharePointなど)も含めて検索できます。呼び出しはGuruの既存の権限に従い、問い合わせはAI Agent Centerに記録されます。
コネクタ全般の考え方はClaudeコネクタの使い方にあります。Confluenceが主題の場合はClaude Confluence連携でナレッジ検索を自動化する方法が近い内容です。この記事は、カードごとに「承認済みか古いか」の印が付くGuruならではの運用に絞ります。
Claude DesktopとClaude Codeで接続する手順
接続手順はGuruの公式ヘルプに2通り載っています。管理者が許可していれば、認証はOAuthで済みます。
Claude Desktopでの接続
- 1
コネクタ画面を開く
Claude Desktopの設定からConnectorsに進みます。
- 2
Guruを追加する
「Add Guru」を選びます。一覧にGuruが無いときは、社内のClaude管理者に追加を頼みます。
- 3
OAuthで認証する
Guruの資格情報でサインインします。
- 4
ツールと権限を選ぶ
使うツールを個別に有効にし、ツールごとに権限を選びます。
- 5
新しいチャットで有効にする
チャット画面の検索とツールのボタンから、Guruのコネクタがオンになっていることを確かめます。
Claude Codeからは、次のコマンドでMCPサーバーとして追加します。
claude mcp add --transport http guru \
https://mcp.api.getguru.com/mcp
claude mcp list追加直後の claude mcp list では、Guruがまだ認証待ちと表示されます。claude を起動して /mcp を開き、Guruを選んでAuthenticateを押すと、ブラウザで権限の承認画面が開きます。
OAuth以外に、APIトークンでも接続できます。Guruの公式ヘルプでは、HTTPの Authorization ヘッダーを Bearer [メールアドレス]:[トークン] の形で渡す方式で、トークンはGuruの管理画面から取ります。自動化基盤など、OAuthの画面を開けないクライアント向けの選択肢です。
コネクタ一覧のツール6つと、Guruの説明のずれ
Claudeのコネクタ一覧には、Guruのツールとして次の6つが載っています。
| ツール名 | 名前から読み取れる用途 |
|---|---|
search_documents | 名前から読み取れる用途文書の検索 |
get_card_by_id | 名前から読み取れる用途カードをIDで取得 |
answer_generation | 名前から読み取れる用途回答の生成 |
list_knowledge_agents | 名前から読み取れる用途ナレッジエージェントの一覧 |
create_draft | 名前から読み取れる用途下書きの作成 |
update_card | 名前から読み取れる用途カードの更新 |
一方、Guruの公式ヘルプは個々のツール名を挙げず、機能のまとまりで説明しています。
- 回答とコンテンツの検索(ナレッジエージェントへの質問、カードやソースの検索、カードの全文取得)
- ナレッジベースの閲覧(コレクション、フォルダ、カードの一覧とコメントの確認)
- カードの作成と整理(新規作成、既存カードの編集案、移動、アーカイブ)
- 下書きの管理(内容の読み取り、編集、共同編集者の追加と削除、破棄)
- 利用データの照会(カードや利用状況などのデータセットへのレポートクエリ)
Guruのヘルプには「具体的なツール名とパラメータは使うクライアントによる。クライアントのツール一覧を見てほしい」とあります。コネクタ一覧の6つは入口の目安にとどめ、実際に使えるツールはClaude側の接続画面で確かめるのが確実です。ヘルプの説明のうち、移動やアーカイブ、共同編集者の管理、データセットの照会は、一覧の6つにそのまま対応する名前がありません。
書き込み系のツール(create_draft や update_card)は、問い合わせ回答の用途では要りません。Claude Desktopの接続手順にはツールごとに権限を選ぶ画面があるので、検索と取得だけを有効にして始めると、誤ってカードを書き換える余地を最初から断てます。
回答前に承認済みカードを引く依頼文
サポート担当の流れは「問い合わせを読む → 根拠のカードを引く → 返信の下書きを作る → 人が確認して送る」です。Guruのヘルプには、ナレッジエージェントのスキルとして「Draft A Customer Reply」の雛形があり、考え方が参考になります。公式の雛形は、既存の回答を探してから書く、承認済みのテンプレートがあればその文面をそのまま使う、確認できなかった点は明示する、という順です。
この考え方をClaude側の依頼文に写すと、例えば次のような形になります(あくまで例です)。
次の問い合わせに返信する下書きを作ってください。
1. 問い合わせの要点を1行で言い直す
2. Guruを検索し、根拠になるカードを探す
3. 承認済み(Verified)のカードを優先する。
承認済みと未承認で内容が食い違うときは、
承認済みの方で書き、食い違いを下書きの下に書く
4. 該当するカードが無ければ、
「承認済みの回答がナレッジに見つからない」と書いて止まる
5. 下書きの末尾に、使ったカードの題名と
承認状態を書く。確認できなかった点は
「送信前に確認」として別に列挙する
問い合わせ: (ここに貼る)ポイントは、見つからないときに止まる指示と、使ったカードの題名・承認状態を末尾に書かせる指示です。担当者は末尾のカードを開き、Guru上で最新の状態を見てから送れます。返信を自動送信させる指示は入れず、下書きで返す形にしておきます。
古いカードの見分け方
Guruの公式ヘルプは、コンテンツの承認状態(Verification)を3つに分けています。
カードの承認状態
Verified(緑のチェック)
内容が確認され、正確で最新だと承認された状態です。
Unverified(灰色の印)
古い、または不正確の可能性があるとして印が付いた状態です。
None(印なし)
まだ誰も見ていない中立の状態です。古いカードも、一度も見られていないカードも、見た目では区別がつきません。
依頼文で「承認済みを優先する」と書くのは、このためです。Noneのカードは古いとは限らないものの、承認されたとも言えません。
承認の付き方は2通りあります。人が内容を見て有効期限を付ける手動の承認と、ナレッジエージェントが利用状況などから自動で付ける承認です。有効期限なし(Does not expire)も選べます。公式ヘルプによれば、2026年1月以降に作ったコレクションではカードの既定が「有効期限なし」で、その場合は検証者に定期的な確認の通知が届きません。期限が来ない承認は、内容が古くなっても承認のまま残りえます。
カードの横には、承認状態のほかに次の手がかりが付いています。
- 承認の有効期限と、確認間隔の設定
- 検証者(カードの正確さに責任を持つ人またはチーム)
- ナレッジエージェントの自動判定の理由(Quality Logに残る)
自動承認はナレッジエージェントで既定オン、自動の承認取り消しは既定オフです。この既定のままだと、古くなったカードが自動で「未承認」に落ちるとは限りません。Claudeに引かせる前提なら、管理者がナレッジエージェントのQualityタブで自動の承認取り消しを有効にするかを決めておく価値があります。同じタブには、検索対象を「承認済みのみ」「承認済みと印なし」「すべて」から選ぶ設定もあります。
落とし穴
MCP経由の検索が承認状態の絞り込みに従うかは、ヘルプに書かれていない
承認状態による絞り込みはナレッジエージェントの設定として説明されています。MCPのツールが同じ設定に従うかどうかは、承認状態の解説ページには記載がありません。絞り込みを当てにせず、依頼文で承認状態を答えに書かせ、担当者が目で見る運用にしておくと安全です。
古いカードを洗い出す作業自体も、Claudeに頼めます。Guruのヘルプには「Find Stale And Conflicting Content」という雛形があり、検証期限を過ぎたカード、重複するカード、内容が食い違うカードの3つに分けて、影響の大きい順に並べる設計です。食い違いは両方の該当箇所を原文のまま引き、どちらが正しいかは判断せず人に渡します。提案だけを返し、アーカイブや削除や承認はしない、という線引きも明記されています。カードの更新ツールを有効にしないという前節の方針と同じ考え方です。
権限・ログ・既知の失敗
接続の権限は、Guruのウェブ版と同じです。ウェブ版で見られないコレクションやカードは、MCP経由でも読めません。Claudeに渡す前に、閲覧権限の範囲を一度確かめておきます。
ナレッジエージェント経由の質問は、AI Agent CenterとAnalyticsに記録されます。質問者の欄には、MCPで依頼した本人が出ます。回答の根拠を後から追える反面、担当者が何を聞いたかも管理者に見えます。
つまずきやすい点は、Guruのヘルプでは次の2つです。
- OAuthで
redirect_uri parameter is invalidと出るとき: 接続に使うアプリケーション側の許可が要る状態で、Guruのサポートに依頼してOAuthクライアントの承認を受けます - 接続自体がうまくいかないとき: APIトークンが有効か、クライアントがMCPの規格に対応しているか、Guruのサーバーへ届くネットワークかを順に見ます
Guruのサーバーが対応するのはHTTP Streamで、Server-Sent Eventsには対応しません。古い方式で書かれたクライアントは接続できない可能性があります。
他のナレッジ系コネクタとの使い分け
| 見たいもの | 向く手段 |
|---|---|
| 承認状態つきのカードを根拠にしたい | 向く手段Guruのコネクタ |
| Confluenceの仕様書や議事録を引きたい | 向く手段Confluence連携 |
| 複数のSaaSを組織単位で横断検索したい | 向く手段Ask Your Orgによる社内ナレッジの横断検索 |
| 顧客の発言そのものを根拠にしたい | 向く手段Dovetail連携 |
Guru自身がConfluenceやGoogle Driveをソースとして取り込めるため、Guruを窓口にすれば、元のソースの承認状態もまとめて扱えます。ヘルプによれば、複数のナレッジエージェントが同じ外部ソースを参照している場合、承認状態はそれらの間で共有されます。
まとめ
導入前に決めておきたいのは、次の3点です。使うツールを検索と取得に絞るか。Noneと未承認のカードを根拠に使ってよいか。自動の承認取り消しを有効にするか。この3つが決まれば、Claudeは承認状態つきで根拠を引き、担当者はその状態を見て送れます。接続したからといって、カードの鮮度をClaudeが保証するわけではありません。鮮度の保証はGuru側の承認の運用に残ります。