ClaudeとBlueConicを連携する方法 — OAuthアプリの作成からスコープ設計まで
BlueConicのテナントをClaudeにつなぐ手順です。OAuth2アプリの作成、リダイレクトURL、読み取りスコープの選び方、ヘッダー認証とローカル版の使い分けをまとめます。
Claude BlueConic連携とは何か
BlueConic連携は、顧客データプラットフォーム(CDP)のBlueConicが提供するMCPサーバーをClaudeにつなぐ仕組みです。セグメント、リスナー、プロファイルプロパティといったテナント内の設定や顧客データを、画面を開かずに自然文で調べられます。
Connectorsディレクトリでは、開発元BlueConicの「Anthropic verified」表示付きで掲載されています。追加時期は2026年6月です。説明文は「BlueConic CDPにClaudeをつなぎ、動的に生成されるMCPツールでテナントのデータを調べる」という趣旨になっています。
つなぎ方は大きく3通りあります。
BlueConicの3つの接続方式
認可コードフロー(推奨)
ブラウザでサインインして同意する方式です。Claude、ChatGPT、VS Code、Cursorが対象で、ローカルへの導入は要りません。
ヘッダー認証
ブラウザを開けないツール向けです。n8nやDatabricksのように、クライアントIDとシークレットをヘッダーで送ります。
ローカルMCPクライアント
npmパッケージ
@blueconic/blueconic-mcpを手元で動かす方式です。Gemini CLIのように、上の2つが使えないときの選択肢です。
Claudeで使うなら認可コードフロー一択です。以降はこの方式を中心に、先にテナント側で用意するものから順に書きます。
連携の前に確認する条件
認可コードフローには、テナントがBlueConicのリリース104.0以降であることが必要です。それより古いテナントでは、ヘッダー認証かローカルクライアントを使う形になります。
そのほかに必要なものは次の3つです。
- BlueConicのテナントがアクティブであること
- Settings > Access management > Applicationsでアプリケーションを作れる権限
- Claudeでカスタムコネクタを追加できること
最後の点は組織の設定で止まりやすい箇所です。Claude for Workの一部の組織はカスタムコネクタを禁止しています。接続に失敗してもBlueConic側の設定ミスとは限らず、組織のポリシーが原因の場合があります。
ディレクトリ掲載とカスタムコネクタのどちらで入れるか
ディレクトリのページは、このコネクタが「ローカルで動き、起動時にテナントのOpenAPI仕様を読み込み、読み取り専用のGETエンドポイントをMCPツールとして公開する」と説明しています。同じコードがCursorやVS Codeなど、stdio方式のクライアントでも動くとも書かれています。
一方、BlueConic側のサポート記事は、Claude・ChatGPT・VS Code・Cursorにはローカルへの導入が要らないと説明しています。接続先はテナント自身の https://tenantname.blueconic.net/mcp です。Claude向けには、ディレクトリ掲載を準備中であり、承認されたらカスタムコネクタの代わりにディレクトリから接続できる、とも書かれています。
つまり2つの資料は、接続の形が違って見えます。
| 資料 | 接続の形 | Claudeでの入口 |
|---|---|---|
| ディレクトリのページ | 接続の形ローカルで動くMCP(起動時にOpenAPIを読む) | Claudeでの入口「Add to Claude」 |
| BlueConicのサポート記事 | 接続の形テナントのMCPエンドポイントへのリモート接続 | Claudeでの入口Add custom connector |
ディレクトリ側の説明は、サポート記事が「ローカルクライアント」と呼ぶ方式の説明に近い内容です。Claudeに入れる経路として確実に手順が書かれているのは、サポート記事のカスタムコネクタです。ディレクトリの「Add to Claude」で追加できる環境でも、ツールの挙動に違いが出る可能性があるため、後述の方法でツール一覧を確かめてください。
テナントにOAuth2アプリケーションを作る
どの接続方式でも、先にテナントにアプリケーションが必要です。
アプリケーションの作成手順
- 1
アプリケーションを追加する
BlueConicにログインし、Settings > Access management > Applicationsを開いてAdd applicationを選びます。
- 2
OAuth 2.0 flowを選ぶ
Claudeで使うならAuthorization code flowを選びます。ヘッダー認証やローカルクライアント用にはClient credentials flowを選びます。両方使うなら、アプリケーションを1つずつ作ります。
- 3
読み取りスコープを付ける
AIツールに問い合わせさせたいオブジェクトの種類ごとに、読み取りスコープを付与します。
- 4
Run as userとリダイレクトURLを設定する
Run as userを設定し、Redirect URL(s)にClaudeのコールバックURLを入れます。
- 5
有効にして保存する
アプリケーションをONにしてSaveを押します。
スコープの付け方
スコープは「聞きたい種類」ごとに足す設計です。セグメント、リスナー、プロファイルプロパティなどが例に挙がっています。足りないスコープがあると、AIは誤った件数を返すのではなく、必要だったスコープ名を挙げて回答を断ります。
組み合わせで気をつける点が2つあります。
- セグメント内のプロファイル数を聞くなら、PROFILESとSEGMENTSの両方が必要です
- トラッカーにはURL_MAPPINGSスコープを使います
スコープは最小から始めるのが扱いやすい設計です。断られたらメッセージに出たスコープを足す、という往復で必要な範囲が見えてきます。
Run as userの意味
認可コードフローでは、接続は共有のサービスアカウントではなく、サインインしたBlueConicユーザーとして動きます。そのユーザーの権限が、アプリケーションのスコープの上にさらに掛かります。たとえばスコープがあっても、そのユーザーが見られないデータは見えません。
アプリケーション作成の手順では、Run as userの設定が求められます。Run as userが常に使われるのはクライアント資格情報の接続で、認可コードフローの接続自体はサインインしたユーザーとして動きます。
Claudeにカスタムコネクタとして追加する
アプリケーションができたら、Claude側の作業です。
Claudeでの接続手順
- 1
アプリケーションにClaudeの情報を入れる
Redirect URL(s)に
https://claude.ai/api/mcp/auth_callbackを追加し、Application website URLをhttps://claude.ai/にします。 - 2
カスタムコネクタを追加する
ClaudeのSettings > Connectors > Add custom connectorを開き、テナントのMCPアドレスを入力します。
- 3
サインインして承認する
Connectを選ぶと、テナントのサインインと同意の画面がブラウザで開きます。サインインして承認します。
入力するURLの形は次のとおりです。tenantname は自社のテナント名に置き換えます。
https://tenantname.blueconic.net/mcpClaudeがクライアントIDとクライアントシークレットを求めてきたら、作成したアプリケーションの値を貼ります。この手順はデスクトップ、Web、モバイルのClaude共通です。
Coworkで「常に許可」を組織側で無効にしている場合、ツールを呼ぶたびに承認を求められます。これは想定どおりの動きです。
カスタムコネクタ一般の考え方はCoworkカスタムコネクタ自作ガイドにまとめています。リモートMCPをOAuthで追加する流れは他社サービスでも共通なので、ClaudeとSprintoを連携する方法と見比べると、BlueConic固有なのはスコープとRun as userだと分かります。
つながったことを確かめる
Claudeに「使えるMCPツールを一覧して」と頼みます。BlueConicの読み取りツールが並び、その中に searchObjects が含まれていれば成功です。
一覧が空だった場合、原因は3つに絞れます。
- URLが違う(
/mcpが抜けているなど) - アプリケーションがOFFのまま
- サインインが完了していない
ツール名で名前が確認できるのは searchObjects だけです。そのほかのツールは、テナントのOpenAPI仕様から動的に作られるため、テナントによって内容が変わりえます。一覧に出たものがその環境の実際のツールだと考えてください。
読み取り専用であることの意味
テナントのMCPエンドポイントは読み取り専用で、設定を変更せず、削除の操作も公開しません。読める範囲は、テナントのOpenAPI仕様に基づく設定データと顧客データに、検索と件数取得の機能を加えたものです。
この性質は、Claudeに任せる業務の線引きに直結します。
- 向く:セグメントの棚卸し、未使用プロパティの洗い出し、プロファイルの傾向の要約
- 向かない:セグメント定義の変更、リスナーの修正、データの削除
変更が必要なら、Claudeに手順案を出させて、BlueConicの画面で人が操作する流れになります。例外はローカルMCPクライアントです。こちらは限られた範囲の変更ができ、影響の大きい操作には追加の確認が入りますが、削除はできません。
任せ方の例
サポート記事には、つながった後に使えるプロンプトの例が載っています。
- テナントのセグメントをすべて取得し、共通点を示す
- 「high-value-customers」セグメントのプロファイルを表示する
- リスナー、ダイアログ、セグメントがそれぞれ何件あるか数える
- 365日間、値が設定されていないプロファイルプロパティの数を調べる
- 「all visitors」セグメントから1000件のプロファイルを取り出し、要点を要約する
件数を正確に知りたいときは、検索と件数取得のツールを使うよう明示します。そうしないと、返ってきた1ページ分の件数を総数と取り違える恐れがあります。
顧客データを扱うときの注意
BlueConicのテナントをMCPで開くと、モデルは環境へのアクセスを得ます。サポート記事は、信頼できるMCPホストを使い、ホストがデータをモデルの学習に使わないことを確認するよう求めています。
プロファイルには個人に紐づく情報が含まれます。Claudeの組織設定や、自社のデータ取り扱いルールに照らして、どこまで会話に取り込んでよいかを先に決めておくと安全です。スコープを絞る設計は、この線引きを技術側から支える手段にもなります。
認可コードが使えないときの代替手段
ヘッダー認証
ブラウザでサインインできないツールには、Client credentials flowのアプリケーションを作り、ヘッダーで資格情報を送ります。接続は常にアプリケーションのRun as userとして動くため、未設定だとユーザーが必要な呼び出しが失敗します。
送れるカスタムヘッダーが1つだけのツールでは、クライアントIDとシークレットを ## でつなぎます。空白は入れません。
X-BlueConic-Client-ID-Secret: <client-ID>##<client-secret>2本送れるツールなら、X-BlueConic-Client-ID と X-BlueConic-Client-Secret に分けます。シークレットを共有リポジトリへコミットしないよう、環境変数やバージョン管理から外した設定ファイルを使います。
失敗したときの切り分けは次のとおりです。
| 症状 | 確認すること |
|---|---|
| 401エラー | 確認することアプリケーションがOFF、IDやシークレットの誤り、ヘッダー名のつづり違い |
| 「ユーザーが必要」と言われる | 確認することアプリケーションにRun as userを設定する |
| スコープ名つきで拒否される | 確認することそのスコープを付与して再試行する |
ローカルMCPクライアント
Gemini CLIのように、どちらの方式も使えないときの最後の手段です。npmパッケージ @blueconic/blueconic-mcp が、Client credentials flowのアプリケーションのIDとシークレットでテナントにつながります。環境変数 BLUECONIC_TENANT_URL には /mcp を付けないテナントのアドレスを入れます。
Claudeでは、ローカルプロセスを更新し続ける手間がなく、シークレットを設定ファイルに置かずに済む認可コードフローが勧められています。以前のClaude Desktop向け .mcpb 拡張を入れていた場合も動き続けますが、認可コードフローへの切り替えが案内されています。
Claude Codeから使う場合
Claude CodeでBlueConicを使う手順は、サポート記事に載っていません。記載があるのはClaude(デスクトップ、Web、モバイル)、ChatGPT、VS Code、Cursor、Gemini CLIの5つです。Claude Codeで試す場合は、Claude CodeでリモートMCPサーバーを追加する一般の手順に従い、接続先にテナントの /mcp を指定します。
次の一手
定期的に同じ質問を流したいときは、BlueConic内のAI Agent Connectionを使う方法があります。Databricksから使う場合は、クライアント資格情報による接続の専用手順が用意されています。
使い始めは、読み取りスコープを1〜2種類に絞り、一覧取得と件数取得から試す形が扱いやすい進め方です。ツール一覧の確認、件数の取り違えの回避、スコープの追加という順に進めれば、必要な範囲が自然に決まります。