ClaudeとChatGPTのPDF読み込み上限を比較 — サイズ・ページ・枚数の違い
ChatGPTは512MB・2Mトークン、claude.aiは500MB・1,000ページ。PDFの読み込み上限とアップロード枚数を、APIとチャットアプリの両面で比べます。
ClaudeとChatGPTは、どちらもPDFの文章と図表を読み取って質問に答えられます。違いが出るのは上限の数字より、数字がどの面にどう掛かるかです。Claudeはページ数の境界を数値で示し、claude.aiでは1,000ページ超のPDFを受け付けません。ChatGPTはファイルサイズが512MBと大きい一方、ページ数ではなくトークン数(2M)で上限が決まり、図表まで読めるのはEnterpriseのチャット添付に限られます。この記事では、APIとチャットアプリの両面で、公式ヘルプとドキュメントに載っているPDF処理の数字を並べます。
ChatGPTとClaudeのPDF上限を先に一覧で
ChatGPTのPDF読み込み上限は、1ファイル512MBと2Mトークンです。claude.aiは1ファイル500MB、1,000ページまでです。
| 知りたいこと | ChatGPT | claude.aiチャット |
|---|---|---|
| 1ファイルの容量 | ChatGPT512MB | claude.aiチャット500MB |
| ページ・トークンの上限 | ChatGPT文書は1ファイル2Mトークン | claude.aiチャット1,000ページ(超えると添付不可) |
| アップロード数の制限 | ChatGPT3時間に80ファイル(無料プランは1日3ファイル) | claude.aiチャット1チャットに20ファイル |
| 図表まで読む範囲 | ChatGPTEnterpriseのチャット添付のみ | claude.aiチャット100ページ以下 |
API経由では、Claudeが1リクエスト32MBと600ページ(コンテキストウィンドウ100万トークン未満なら100ページ)、OpenAIが1ファイル50MBです。詳しい条件は以下の節で扱います。
比較対象 — APIとチャットアプリ、どちらの上限を比べるか
PDF処理の上限は、同じ「Claude」「ChatGPT」でもAPIとチャットアプリで別々に決まります。Anthropic API・OpenAI APIから直接PDFを送る場合と、claude.ai・ChatGPTのチャット画面に添付する場合とでは、当たる壁の数字がまったく違います。
契約書や決算資料のように数百ページに及ぶPDFを扱う場面では、この差が実務にそのまま影響します。
評価軸 — サイズ・ページ数・解析方式・上限の数え方
上限を比べるときに見る軸は4つです。
- ファイルサイズ上限: 1リクエスト、または1ファイルにかかる上限
- ページ数上限: PDFのページ数そのものに掛かる上限があるかどうか
- 解析方式: テキストだけを抽出するのか、各ページを画像としても解析するのか
- 上限の数え方: リクエスト全体・ファイル単位・トークン・ページのどれに掛かるか
設計が最も違うのは「ページ数上限」と「上限の数え方」です。
比較表 — API面のPDF処理上限
開発者がAPI経由でPDFを渡すときの上限は、Claude APIとOpenAI APIで数値そのものが異なります。
| 項目 | Claude API | OpenAI API |
|---|---|---|
| リクエストサイズ上限 | Claude API32MB(プラットフォームにより変動) | OpenAI API50MB(1ファイルあたり、リクエスト合計も50MB) |
| ページ数上限 | Claude API600ページ(リクエストのコンテキストウィンドウが100万トークン未満の場合は100ページ) | OpenAI API—(サイズ50MBのみ) |
| 対応モデル | Claude API全アクティブモデル | OpenAI APIvision機能を持つモデル(gpt-4o以降) |
| 解析方式 | Claude API各ページをテキスト+画像に変換して解析 | OpenAI APIテキストとページ画像の両方をコンテキストに含める |
Claudeの32MBとページ数の上限は、PDF本体ではなくリクエスト全体に掛かります。同じリクエストに載せた他の内容も含めて数えるためです。大きなPDFはFiles APIで先にアップロードします。1ファイル500MBまで受け付け、file_idで参照すればリクエストを小さく保てます。ただしFiles APIを使っても、巨大なPDFがページ数の上限より前に失敗することがあります。ページごとに画像として処理されるため、分割するか埋め込み画像を縮小する対処が案内されています。
Files APIの失敗は種類で分かれます。500MBを超えると413の「File too large」、組織の保存容量1TBを使い切ると400の「Storage limit exceeded」です。ファイルがコンテキストウィンドウより大きい場合も400の「Exceeds context window size」で返ります。
32MBの超過は、413のrequest_too_largeエラーで返ります。パートナー経由では上限がさらに下がり、Amazon Bedrockが20MB、Google Cloudが30MBです。この2つでは、base64エンコードの送信しか使えず、Files APIは使えません。
Claudeの要件は「パスワードや暗号化のない標準的なPDF」で、APIでは暗号化を解除してから送ります。
Opus 4.6以前を扱うBedrockのConverseでは、PDFの図表まで解析させるのに引用(citations)の有効化が要ります。無効のままだとテキスト抽出だけになり、3ページのPDFで約1,000トークン(有効時は約7,000トークン)という差が出ます。
OpenAI APIも、アップロード済みファイルをfile_idで参照でき、Responses APIとChat Completionsの両方が対応します。Chat Completionsで送れるファイルはPDFだけで、detailパラメーターはResponses APIでのみ使えます。Chat CompletionsはファイルURLにも対応せず、URLで渡すならResponses APIを使います。大きなファイルをinput_fileで直接渡さず、File Searchで検索させる使い方もあります。
比較表 — チャットアプリ面のPDF処理上限
claude.aiとChatGPTのチャット添付は、ファイルサイズがどちらも500MB台で並びます。違いはページ数の扱いと、図表の読み取りが及ぶ範囲です。
| 項目 | claude.aiチャット | ChatGPT |
|---|---|---|
| ファイルサイズ上限 | claude.aiチャット500MB/ファイル | ChatGPT512MB/ファイル |
| ページ数上限 | claude.aiチャット1,000ページ | ChatGPT—(テキスト・文書ファイルは1ファイル2Mトークン) |
| 添付数・回数の制約 | claude.aiチャット1チャットに20ファイル | ChatGPT3時間に80ファイル(無料プランは1日3ファイル) |
ChatGPTの「3時間に80ファイル」は1会話の枠ではなく、アカウント単位で時間とともに回復する回数制限です。ほかにユーザーあたり25GB、組織あたり100GBの保存上限があり、チャット・Projects・カスタムGPTのナレッジで共有されます。カスタムGPTに入れられるのは、そのGPTの存続期間を通じて10ファイルまでです。Projectsは無料プランで5ファイル、GoとPlusで25ファイル、Edu・Pro・Business・Enterpriseで40ファイルになります。
回数制限には実務上の癖もあります。失敗したアップロードが回数に数えられることがあり、ピーク時間帯には上限が引き下げられる場合があります。ChatGPTの画面には、3時間枠の消費量も残りも表示されません。保存容量のほうは、設定の「Storage」で確認できます。
claude.ai側の境界は、ページ数で3段階に分かれます。
claude.aiチャットに添付したPDFのページ数別の扱い
100ページ以下
テキスト+視覚
画像・グラフ・図も解析
101〜1,000ページ
テキストのみ
視覚要素は解析されない
1,000ページ超
添付不可
「Uploaded file is too large」と表示
Projectsのファイルは1ファイル30MBまでで、内容はテキスト抽出が基本です(マルチモーダルPDFは例外)。
図表まで読めるのはどの経路か
ChatGPTの図表解析は、プランだけでなく入れ方にも左右されます。
ChatGPTのPDFで図表が読まれる経路
視覚解析が効く
Enterpriseのチャットにクリップアイコンから添付したPDFは、テキストと埋め込み画像・グラフ・図の両方が読まれます。公開済みGPTの利用中や、Projectの会話の中でユーザーが添付したPDFも同じ扱いです。
テキストのみ
GPTのナレッジやProjectのファイルとして登録したPDFは、Enterpriseでもテキスト取得だけです。Enterprise以外のプランでは、PDFの画像は破棄されテキストだけが抽出されます。
プランの書き方は、OpenAIの2つのヘルプで揺れています。Visual Retrievalのヘルプは非対応にFree・Pro・Team・Eduを挙げ、Plusには触れていません。File Uploadsのヘルプは「Enterprise以外のプランはテキスト取得のみ」と書いています。Plusで図表が読まれるかを知りたいときは、後者の記述に従って読まれないものとして扱うのが無難です。
OpenAI APIでは、画像処理の細かさをdetailでauto・low・highから選びます。省略時はautoで、GPT-5.6以降のモデルではhigh、それ以前のモデルではlowとして扱われます。PDFから抽出したテキストは、detailの値によらず常に含まれます。
コストの目安 — ページあたりのトークン消費
PDFをAPIに送るときのトークン消費は、ページ数だけでなく解析方式にも左右されます。Claude APIのテキスト抽出分は、ページあたり1,500〜3,000トークンです。これに画像分が加わり、画像の計算式はビジョン機能と同じです。PDF専用の追加料金はなく、通常の入力トークンと同じ単価で課金されます。
OpenAI APIは、ページ画像も含めるぶんトークン消費が増えます。前述のdetailが、消費を調整する手段です。図表の精度より処理件数を優先するバッチならlow、小さい文字や込み入った図を読ませたいならhighを明示します。
同じPDFに繰り返し質問するなら、Claude APIはprompt cachingでPDFをキャッシュすると、繰り返しの質問の性能を改善できます。実際のコストは、送信前に各社のトークンカウント機能で見積もるのが確実です。
強みと弱み — どちらが何に向くか
Claudeは境界がページ数で示されるので、送る前にページ数を数えれば通るかを判断できます。一方、32MBはOpenAI APIの50MBより小さく、画像の多いPDFはページ数に達する前にサイズの壁に当たります。パートナー経由ならBedrockの20MBがさらに早く効きます。Claude Projectsのファイルもテキストの抽出が基本で、GPTのナレッジやProjectのファイルと同じ条件です。
ChatGPTはファイルサイズが大きく、上限がトークン数で決まるため、1つの大きなPDFをまとめて渡す使い方に向きます。弱みは、図表を読めるのがEnterpriseのチャット添付に限られることです。
後半まで読まれたかを確かめる手順
ChatGPTの上限は2Mトークンで、ページ数からは通るかどうかを判断できません。Claudeのチャットは、1,000ページ超ならエラーで止まるため気づけます。ChatGPTで大きなPDFを渡した後は、回答が資料全体を踏まえているかを利用者側で点検できます。
資料の後半まで届いたかの確認
- 1
末尾から質問を作る
PDFの最後の節名や、後半にしか出てこない数値を1つ選びます。
- 2
その点だけを聞く
「最終章の見出しと、その冒頭の1文を教えてください」のように、要約ではなく特定箇所を答えさせます。
- 3
答えられなければ分割する
後半の内容が返らなければ、後半が回答に反映されていない可能性があります。章ごとに分けて渡し直します。
重要な情報が後半に偏っているPDFほど、この確認を省くと、全体を踏まえているかを確かめる手間が増えます。
使い分け早見表
| 用途 | 向く選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 送信前にページ数の可否を確定させたい | 向く選択Claude(API / claude.ai) | 理由境界がページ数で示され、数えれば判断できる |
| 1つの大きなPDFをサイズの心配なく試したい | 向く選択ChatGPT | 理由サイズ側の余裕が大きく、上限はページ数でなくトークン数 |
| Enterprise以外のChatGPTでは読めない図表を読ませたい | 向く選択claude.ai(100ページ以下) | 理由100ページ以下のPDFは画像・グラフも解析される |
| GPTのナレッジやProjectに入れたPDFの図表を読ませたい | 向く選択会話に直接添付する | 理由登録したPDFはテキスト取得のみ |
| 大量のPDFを繰り返し投げたい | 向く選択どちらも可 | 理由両社ともfile_idで参照できる。差はファイル単位の上限(Claude 500MB・組織1TB、OpenAI 50MB) |
まとめ
Claudeは数字の境界で通るかを事前に判断でき、ChatGPTは大きな1ファイルを通しやすい構成です。図表が必要なPDFなら、ChatGPTはEnterpriseかどうかと、会話に直接添付できるかを先に確かめると外れません。Claude単体のファイル上限やChatGPTとの料金・機能の総合比較は、冒頭のCalloutで挙げた記事にまとめてあります。
参照した一次ソース
この記事の記述は、次の一次ソースと照合しています。更新時に参照先が変わった場合は一覧も更新します。
- platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/pdf-support
- support.claude.com/en/articles/8241126-upload-files-to-claude
- platform.openai.com/docs/guides/pdf-files
- help.openai.com/en/articles/8555545-file-uploads-faq
- help.openai.com/en/articles/10416312-visual-retrieval-with-pdfs-faq
- platform.claude.com/docs/en/api/overview
- platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/files