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Claude Codeのresearch-synthesisでユーザーリサーチを整理する

Claude Codeのresearch-synthesisでユーザーリサーチを整理する

designプラグインのresearch-synthesisは、インタビューやNPSをテーマ・機会・推奨事項の表に落とすスキルです。導入、入力の整え方、出力を確かめる手順、コネクタとの関係を扱います。

research-synthesisは、Anthropicのdesignプラグインに入っている、ユーザーリサーチ専用のスキルです。インタビューの文字起こし、アンケート、ユーザビリティテストのメモ、問い合わせ、NPSの自由記述を渡すと、テーマ・機会・ユーザー群・推奨事項を決まった形のレポートにまとめます。

この記事では、Claude Codeへの入れ方、入力データの整え方、返ってきたレポートを信じる前に確かめる手順、つなげるコネクタの範囲を順に扱います。

research-synthesisは何を受け取り、何を返すか

designプラグインは、デザイン批評・デザインシステム管理・UXライティング・アクセシビリティ監査・リサーチ整理・開発者向け引き継ぎの6つを束ねたものです。READMEでは、Anthropicのデスクトップ向けエージェントアプリであるCoworkを主な対象とし、Claude Codeでも動くと説明されています。

research-synthesisはその1つで、SKILL.md は約90行しかありません。受け付ける入力は次の6種類です。

  • インタビューの文字起こしやメモ
  • アンケート結果(CSVや貼り付け)
  • ユーザビリティテストの記録やメモ
  • 問い合わせやフィードバック
  • NPS・CSATの回答
  • アプリストアのレビュー

返ってくるレポートの型もスキル側で決まっています。

節中身
Executive Summary中身主要な発見の3〜4文の要約
Key Themes中身テーマごとに該当人数、要約、裏づけの引用、製品への含意
Insights → Opportunities中身発見、打ち手、インパクト、工数の表
User Segments Identified中身ユーザー群の特徴、ニーズ、おおよその割合
Recommendations中身優先度順の推奨事項と根拠
Questions for Further Research中身まだ分かっていないこと
Methodology Notes中身調査方法と、限界やバイアス

見出しは英語で定義されています。日本語のレポートが欲しいときは、呼び出すときの指示に書き添えます。

同じプラグインには user-research というスキルも入っています。こちらはインタビュー、ユーザビリティテスト、アンケート、カードソート、日記調査、A/Bテストの6手法について、向く用途・標本数・期間を表にしたもので、調査計画やインタビューガイドの作成を手伝います。研究の計画側が user-research、集めた後の整理側がresearch-synthesisという分担です。

Claude Codeに入れて呼び出す

designプラグインは公式マーケットプレイスの外にあるため、先にマーケットプレイスを追加します。READMEに書かれたコマンドは次の2行です。

claude plugin marketplace add anthropics/knowledge-work-plugins
claude plugin install design@knowledge-work-plugins

セッションの中で入れるなら /plugin marketplace add anthropics/knowledge-work-plugins のあと /plugin install design@knowledge-work-plugins です。セッション内の /plugin install はすぐには入らず、プラグインの詳細パネルが開くので、スコープを選んで確定します。

プラグインのスキルは、プラグイン名を頭につけた名前空間で呼びます。designプラグインのマニフェストの name は design なので、呼び出しは次の形です。

/design:research-synthesis interviews.md の8人分を整理して

同じ名前のコマンドが他になければ、/research-synthesis だけでも呼べます。スキルの引数ヒントは「調査データ、文字起こし、アンケート結果」で、$ARGUMENTS に入れた文字列がそのまま依頼文になります。ファイルの中身を読ませたいときは、パスを書いておけばClaude Codeが読みに行きます。

導入済みのプラグインがどれだけコンテキストを使うかは、claude plugin detailsでプラグインのコンテキスト消費を測る記事の手順で測れます。

入力データを整える — 参加者IDと元の言葉を残す

レポートのKey Themesには「Prevalence: X of Y participants」という欄があり、引用には「P[X]」の参加者番号がつきます。つまりスキルは、誰の発言かを区別できる入力を前提にしています。文字起こしを1つのファイルに流し込むだけだと、人数の根拠が曖昧になります。

整え方の一例は、参加者ごとにIDを振った1つのMarkdownにまとめる形です。

# 調査名: 請求書機能のインタビュー(2026年10月)
方法: 1対1インタビュー / 参加者: 8名
 
## P1(経理担当・従業員30名規模)
- 毎月末に請求書を手で作り直している
- 「テンプレートを変えるたびに過去分がずれる」
 
## P2(個人事業主)
- 請求書は月に数枚。使うのは送付履歴だけ
- 「発行したかどうかを探すのに時間がかかる」

ポイントは3つあります。

  1. 参加者IDに、属性を1行だけ添える。ユーザー群(セグメント)の根拠になります
  2. 発言は鉤括弧で元の言葉のまま残す。スキルのTipsにも「生の引用を含める」とあります
  3. 観察と解釈を混ぜない。「ボタンを押し間違えた」は観察、「配置が分かりにくい」は解釈です

アンケートのCSVなら、自由記述の列と属性の列を残し、回答者IDの列を足します。NPSは点数と理由の文章を対にしたまま渡します。

個人が特定できる情報は、渡す前に伏せておくのが無難です。氏名や会社名をP1などの記号に置き換えるだけで、後の共有もしやすくなります。

依頼文に書いておくこと

スキルは入力の中身から調査の種類を判断しますが、依頼文で次を明示すると、出力をあとで検証しやすくなります。

/design:research-synthesis research/2610-invoice.md
日本語で出力。参加者は8名(P1〜P8)。
テーマごとの該当人数は、引用を付けた参加者だけで数えて。
推奨事項は影響度と工数の表にもして。

この例の2行目以降は、スキルが出力の欄として用意している要素(参加者数、Prevalence、Impact/Effort)に対応させた書き方です。スキルに書かれていない独自の欄を足したいときは、同じ依頼文の末尾に追加します。

返ってきたレポートを確かめる3つの手順

research-synthesisが返すのは、Claudeが入力から組み立てた要約です。Prevalenceの人数、引用の正確さ、テーマの切り方は、入力と照らさないと正しいか分かりません。次の3つを、レポートを共有する前に済ませます。

手順

共有前の照合

  1. 1

    人数を数え直させる

    テーマごとに「該当人数」と「該当した参加者ID」を一覧にさせ、その人数とIDの数が一致するかを見ます。

  2. 2

    引用を原文と突き合わせる

    引用ごとに、入力ファイルのどの行から取ったかを示させます。原文にない言い換えが混じっていないかが分かります。

  3. 3

    観察と解釈を分けさせる

    各テーマの根拠を「観察された事実」と「Claudeの解釈」に分けて並べ直させます。

3つ目は、スキルのTips「観察と解釈を分ける」をレポートの検証に使う形です。次のように1回の追加依頼で済みます。

Key Themesの各テーマについて、次を表にして。
- 該当した参加者ID(P番号)と人数
- 引用の出どころ(入力ファイルの見出しと行)
- 観察された事実と、解釈の区別
人数が合わないテーマは理由も書いて。

「7人中5人」のような数字は、読み手が最初に信じる部分です。スキルの定義にも「ほとんどのユーザー、は曖昧。10人中7人と書く」とあるので、数字を出す設計はされていますが、その数え方までは指定されていません。人数の根拠を自分の目で確かめる手順を挟んでおくと、レポートを引き継いだ人が数字を疑わずに済みます。

コネクタをつなぐと何が変わるか

research-synthesisには「コネクタがあれば」の節があり、カテゴリごとの使い方が決まっています。

カテゴリ接続時にすること
user feedback接続時にすることサポートのチケット、機能要望、NPS回答を取り込み、調査のテーマと突き合わせる
product analytics接続時にすること質的な発見を利用データで裏づけ、課題の影響を数字にする
knowledge base接続時にすること過去の調査結果と比べ、整理したレポートを調査リポジトリに載せる

designプラグインに同梱された .mcp.json に入っているのは、Slack、Figma、Linear、Asana、Atlassian、Notion、Intercomの各サーバーです。CONNECTORS.mdの表では、上の3カテゴリは次のように対応しています。

  • user feedback: 同梱はIntercom。ほかの選択肢はProductboard、Canny、UserVoice、Dovetail
  • knowledge base: 同梱はNotion。ほかの選択肢はConfluence、Guru、Coda
  • product analytics: 同梱のサーバーはなし。Amplitude、Mixpanel、Heap、FullStoryが選択肢

つまり、プラグインを入れただけで使えるのは、Intercomから問い合わせを引く経路と、Notionに結果を書き込む経路です。利用データで裏づけたいなら、使っている分析ツールのMCPサーバーを自分で足す必要があります。コネクタ全般の探し方は、Coworkのディレクトリでスキル・コネクタ・プラグインを探す記事にまとまっています。

READMEには、コネクタなしでも全コマンドが動くと書かれています。文字起こしを貼り付けるだけの使い方が基本で、コネクタは生データを集める手間を減らす位置づけです。

向かない場面と、先に知っておくこと

スキルの定義は短く、判断を任せられる範囲には限りがあります。

  • 標本数や調査の質は評価しない。 user-research の表には手法ごとの標本数の目安がありますが、research-synthesisの手順には「人数が足りない」と警告する指示はありません。3人分の入力でも、型どおりのレポートが返ってきます
  • セグメントの割合は概算。出力の欄は「Rough %」で、アンケートの母数を正確に反映するものではありません
  • 録画そのものの扱いは書かれていない。入力の欄には「ユーザビリティテストの記録やメモ」とだけあり、動画を読む手順はありません。文字起こしやメモの形にして渡すと、引用と参加者IDを残せます
  • 日本語向けの指示は含まれていない。出力の見出しは英語で定義されており、日本語での出力は依頼文で頼むことになります

この限界は、レポートを「叩き台」として扱えば問題になりません。決める場に出すときは、前節の3つの照合を済ませた版を使います。

Cowork公式プラグインの3種のようにCowork側で使う場合も、スキルの中身は同じです。Claude Code側で同じ種類のプラグインを入れて見た目を整える例は、frontend-designプラグインの記事にあります。

まとめ

research-synthesisは、調査データを7つの節の定型レポートに落とす、短いスキルです。使いこなす分かれ目は、スキル本体よりも入力と確認の手順にあります。参加者IDつきのMarkdownで渡し、人数・引用・観察と解釈の3点を照合してから共有する。この流れを決めておけば、スキルの出力は調査の下書きとして安定して使えます。

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