Claude Codeをスマホから使う4つの経路の選び方
Claude Codeをスマホから使う経路はクラウドセッション・Remote Control・Dispatch・Channelsの4つです。PCの起動要否とセットアップの手間を軸に、どれを選ぶべきかをまとめます。
Claudeアプリ自体は「コードが動く場所」ではなく、4種類の実行先につながる窓口です。クラウドセッション・Remote Control・Dispatch・Channelsの4経路があり、どれもスマホからタスクを動かせますが、コードの実行場所とPCの起動要否が違います。Web版とスマホの基本的な始め方、Remote Control単体の運用面は別記事で扱っているため、本記事は4経路をどう選ぶかに絞ります。
4経路とは何か
Claude Code専用のモバイルアプリはありません。iOS・AndroidのClaudeアプリをそのまま使い、クラウドセッションとRemote Controlはどちらもアプリの「Code」タブに同居し、Dispatchはアプリ内でメッセージするタスクという扱いです。加えてTelegramやDiscordのようなチャットアプリを経由するChannelsも、PC上の常駐セッションに応答させる手段としてスマホから使えます。
| 経路 | コードが動く場所 | トリガー方法 |
|---|---|---|
| クラウドセッション(Web版) | コードが動く場所Anthropicのクラウド仮想マシン | トリガー方法アプリのCodeタブでリポジトリ・タスクを送信 |
| Remote Control | コードが動く場所自分のPC(ローカル) | トリガー方法claude remote-control 起動後にQRまたはセッション一覧から接続 |
| Dispatch | コードが動く場所自分のPC(Desktopアプリ) | トリガー方法Coworkタブでタスクをメッセージ、Dispatchが判断してCodeセッションを起動 |
| Channels | コードが動く場所自分のPC(すでに開いているセッション) | トリガー方法Telegram・Discord・iMessage経由でイベントを送受信 |
PCの起動要否で分かれる
4経路の最大の分岐点は「PCの電源を落としても続くか」です。クラウドセッションはAnthropic管理のインフラで動くため、ノートPCを閉じても処理が続きます。Remote Control・Dispatch・Channelsの3つは、いずれも自分のPCで何かが起動している前提です。Remote ControlはClaude Codeプロセスそのもの、DispatchはDesktopアプリ、Channelsはすでに開いているセッションが対象になります。PCがスリープしてもRemote Controlはネットワーク復旧時に自動で再接続しますが、PC自体の電源が落ちていれば復旧のしようがありません。
外出先からPCの電源を気にせず使いたい場面では、クラウドセッションが最も気楽な選択です。逆に、ローカルのファイルシステムやMCPサーバー、プロジェクト固有の設定を使う作業は、クラウドセッションでは新規cloneからやり直しになるため、Remote ControlかDispatchのほうが向いています。
クラウドセッションでできることは、リポジトリとブランチの選択、タスクの投稿、進捗の確認など、ほぼブラウザー版と同じです。「このプルリクエストを監視して」と頼めば、CIの失敗やレビューコメントに応じて自動で修正を続けさせることもできます。セッションはデバイスをまたいで同じ状態を保つため、ラップトップで始めたタスクをスマホで確認したり、逆にスマホで始めたタスクを帰宅後にPCで見返したりできます。
Dispatch — メッセージするとDesktopが判断する
Dispatchは、Desktopアプリの「Cowork」タブに常駐する会話です。タスクをメッセージすると、Dispatchが内容を見てCodeセッションにするか判断します。「ログインバグを直して」のように直接Codeセッションを頼む書き方もできますし、バグ修正・依存関係更新・テスト実行・プルリクエスト作成のような開発作業であれば、Dispatchが自動でCodeセッションへ振り分けます。逆に調査・文書編集・スプレッドシート作業はCoworkタブに留まります。
起動されたCodeセッションはサイドバーに「Dispatch」バッジ付きで表示され、完了時や承認が必要なときにスマホへプッシュ通知が届きます。computer use(画面操作)が有効なDesktop環境なら、Dispatch経由のセッションでも使えますが、アプリの承認は通常のCodeセッションのようにセッション全体で有効になるのではなく、30分ごとに再確認が必要です。利用にはPro・Maxプランが必須で、Team・Enterpriseでは使えません。事前にスマホアプリとDesktopアプリのペアリングが要ります。
Channels — チャットアプリを常駐セッションのブリッジにする
Channelsは、外部イベントを開いたままのセッションへ流し込む仕組みです。TelegramやDiscordのBotとしてインストールし、CI結果・監視アラート・チャットメッセージをClaude Codeに転送します。双方向のやり取りにも対応し、Claudeがイベントを読んで同じチャネルへ返信することもできます。
ここで押さえておきたいのは、Channelsがイベントを受け取るのはセッションが開いている間だけという制約です。常時稼働させたいなら、バックグラウンドプロセスか常駐ターミナルでセッションを開いたままにする必要があります。Dispatchのように「新しいセッションを都度起動する」のではなく、「今動いているセッションに割り込む」という設計だと捉えると、Remote Control・Dispatchとの違いが見えやすくなります。返信内容そのものはターミナルには表示されず、ツール呼び出しと完了確認だけが見え、実際の返信はチャットアプリ側に届きます。
各チャネルはプラグインとして導入し、Bunランタイムを前提とします。研究プレビューの対象はTelegram・Discord・iMessageの3つで、自分のBotトークンなどの資格情報を設定して使います。
プッシュ通知の仕組みも経路で違う
完了をどう知るかも経路ごとに設計が違います。Remote Controlは、長時間タスクの完了や判断が必要なタイミングをClaude自身が判断してプッシュ通知を送ります。「テストが終わったら通知して」とプロンプトで頼むこともできます。一方Dispatchは、起動したCodeセッションが完了または承認待ちになったタイミングで、Dispatch自身が別途通知を送ります。なお、スマホから送った添付ファイル(写真・ファイル)はRemote Control経由でローカルセッションにそのまま届き、Claudeは写真を直接メッセージの一部として認識し、それ以外のファイルはローカルにダウンロードした上で @ 参照として渡します。
権限モードの違いにも注意する
スマホから操作するとき、選べる権限モードは経路によって違います。クラウドセッションはAccept edits・Plan・Autoの3択、Remote ControlはManual・Accept edits・Planの3択です。Bypass permissionsはどちらの経路からもスマホからは選べず、Remote ControlではAutoモードへの切り替えもスマホ側からはできません。細かい権限制御が必要な作業は、あらかじめPC側でモードを設定してからスマホに引き継ぐ運用が安全です。
共通の前提 — サインインとプラン
4経路に共通する前提はサインインです。クラウドセッションとRemote Controlはどちらもclaude.aiアカウントでのサインインが必須で、Anthropic ConsoleのAPIキーやAmazon Bedrockのような第三者プロバイダー経由では接続できません。プラン面の要件は経路ごとに違い、DispatchだけがPro・Maxプラン限定でTeam・Enterpriseでは使えないという非対称があります。逆にクラウドセッションとRemote Controlは、対象プランであればアカウント種別を問わず使えます。導入前にどのプランで契約しているかを確認しておくと、Dispatchを試そうとして使えないことに気づく手戻りを避けられます。
使い分け早見表
| 状況 | 推奨経路 | 理由 |
|---|---|---|
| リポジトリはGitHub管理で、PCなしで完結させたい | 推奨経路クラウドセッション | 理由クラウドVMがGitHubから直接clone、PC電源と無関係に進む |
| ローカルのMCPサーバーや独自ツールが必要 | 推奨経路Remote Control | 理由ローカル環境をそのまま使える |
| 手が離せないときにタスクだけ投げておきたい | 推奨経路Dispatch | 理由メッセージ1つでDesktopが判断・実行 |
| CIやチャット上のイベントに反応させたい | 推奨経路Channels | 理由セッションへのイベント転送に特化 |
| 複数タスクを同時に並走させたい | 推奨経路クラウドセッション | 理由セッションごとに独立したクラウド環境で衝突しない |
よくある質問
DispatchとRemote Controlはどう違いますか
Remote Controlは、あなたが直接操作している既存のClaude Codeセッションを別のデバイスから動かす機能です。Dispatchはそれと逆で、あなたがメッセージしたタスクをDesktopアプリ側の判断で新しいセッションとして起動する機能です。前者は「今動いているものを操作する」、後者は「まだ動いていないものを起動してもらう」という向きの違いがあります。
4経路をすべて併用してもよいですか
問題ありません。1つのアカウントで、クラウドセッション・Remote Control・Dispatchは同じ「Code」タブのセッション一覧に並びます。作業の性質ごとに使い分けても、セッション管理が混乱することはありません。
ChannelsはTeam・Enterpriseでも使えますか
Team・Enterprise組織では管理者が明示的に有効化する必要があります。個人アカウントであれば、Anthropic認証(claude.aiまたはConsole APIキー)があれば追加設定なしで利用できます。
Claudeアプリを持っていない場合はどうしますか
Claude CodeのCLIセッション内で /mobile(または /ios /android)を実行すると、ダウンロード用のQRコードが表示されます。
iPadでも4経路は使えますか
使えます。専用のiPadアプリは無く、iOS向けのClaudeアプリをそのままインストールして使う形です。サインインするアカウントも、経路の選び方もスマホと変わりません。
まとめ
4経路を分けているのは「コードがどこで動くか」と「PCの起動が要るか」の2軸です。PCなしで完結させたいならクラウドセッション、ローカル環境を使い続けたいならRemote Control、手離れよく投げておきたいならDispatch、外部イベントへの反応が主目的ならChannels。作業の起点をどこに置きたいかで、選ぶべき経路は自然に決まります。Web版の具体的なセットアップ手順とRemote Controlの切断復帰・セキュリティ設定は冒頭で挙げた2記事に譲り、本記事では経路選びの判断材料を押さえておけば十分です。